
採用工数とは?計算方法と削減する5つの方法
採用担当者の業務は、年々複雑化しています。求人媒体の多様化、採用活動の通年化、現場部門との調整増加により、担当者1人あたりの工数は限界に近づいているケースも少なくありません。
しかし「どこにどれだけ時間がかかっているか」を正確に把握できている企業は多くないのが実情です。
本記事では、採用管理システム「RPM」を提供する株式会社ゼクウが実施した調査データをもとに採用工数の実態を明らかにし、削減に向けた具体的な方法を解説します。
目次[非表示]
- ・採用工数とは?基本の定義と業務範囲
- ・採用プロセスの全工程と、各フェーズの採用工数の種類
- ・調査データに見る採用工数の実態
- ・採用工数を削減する5つの方法
- ・採用管理システム(ATS)の導入で応募情報を一元管理
- ・日程調整・連絡対応の自動化で工数増幅の要因を解消
- ・採用フローの標準化で属人対応を解消し、分担できる体制をつくる
- ・採用チャネルを見直し、工数対効果の低い手法を整理する
- ・採用代行(RPO)の活用でコア業務に集中
- ・採用工数と採用コストの関係:コストが低くても工数が大きい手法に注意
- ・採用工数削減の効果を測るための指標
- ・採用工数に関してよくある質問
- ・まとめ
- ・採用工数の削減におすすめの採用管理システム「RPM」
採用工数とは?基本の定義と業務範囲
採用工数とは、採用活動に費やす「時間」と「人的リソース」の総量を指します。
求人票の作成から応募者対応、面接の調整、内定後のフォローまで、採用に関わるすべての業務が対象です。単なる作業時間だけでなく、社内調整や報告業務など、表には出にくい業務も含まれます。
採用工数が「コスト」として見えにくい理由
求人広告費やエージェント手数料は可視化されますが、採用担当者が費やす時間は費用として計上されません。
日程調整のメール往復や面接官への依頼、合否判断のすり合わせは「業務の一部」として埋もれ、どれだけの時間が消えているか誰も正確に把握できていないのが実情です。
採用工数の見直しが求められている背景
採用市場の競争が激化し、応募数が減少する一方で、採用目標だけが上がり続けている企業は少なくありません。限られた応募者を確実に採用につなげるには、丁寧な対応が欠かせません。
しかし工数の増大は対応品質を下げ、候補者の離脱を招きます。工数の見直しは、担当者の負担軽減にとどまらず、採用成果に直結する経営課題です。
採用プロセスの全工程と、各フェーズの採用工数の種類
採用工数は、選考対応だけに発生するわけではありません。採用活動は大きく4つのフェーズに分かれており、それぞれに異なる種類の工数が積み重なっています。
- 採用計画・要件定義
- 母集団形成・募集活動
- 選考フェーズ(書類・面接・評価)
- 内定・入社フォロー
まず全工程を俯瞰し、どのフェーズでどのような業務が発生しているかを改めて把握してみましょう。
採用計画・要件定義
採用目標人数の設定、採用手法の選定、予算の確保といった計画業務に加え、現場部門との人材要件のすり合わせや求人票の作成が発生します。
現場の「欲しい人物像」を言語化する作業は想像以上に往復が多く、合意形成だけで相応の時間を要するフェーズです。
母集団形成・募集活動
求人媒体への掲載対応、スカウトメールの作成・送信、エージェントへのブリーフィングなどが発生します。利用する媒体や手法が増えるほど、それぞれへの原稿調整や問い合わせ対応が積み重なります。
応募者を集める活動と並行して、外部パートナーとのやり取りにも継続的な工数がかかります。
選考フェーズ(書類・面接・評価)
書類確認や面接官の手配、候補者との日程調整、面接後の評価回収、合否の社内すり合わせと、ひとりの応募者に対して複数の業務が連続して発生します。
面接そのものより、その前後に発生する調整業務の方が時間を取られているケースも少なくありません。
内定・入社フォロー
内定通知の連絡、条件交渉、オファー面談の設定、入社書類の準備案内、オンボーディングの調整など、内定後にも細かな業務が続きます。
選考が終わったと思いきや、入社日まで担当者の対応は続くフェーズです。内定辞退を防ぐためのフォローも、工数として無視できません。
調査データに見る採用工数の実態
株式会社ゼクウは2026年3月、採用担当者・人事責任者1,002名を対象に「採用業務の『見えない工数』実態調査2026」を実施しました。
本コラムでは、工数削減を考えるうえで押さえておきたい要点のみ紹介します。
- 工数は日程調整と面談後の事務作業に集中。応募者1名あたり、日程調整だけで中央値14分、面談後の記録は21分
- 応募者対応以外にも、レポート作成・求人原稿の運用・スカウト管理などのバックオフィス業務が毎月継続的に発生
- 選考が滞留する主因の1位は「社内の合否・条件調整」(40.2%)。選考の遅れは担当者個人ではなく、社内連携の構造に起因
工程別の作業時間の分布や、応募数別の月間工数など、すべてのデータは下記の調査レポートで公開しています。
採用工数を削減する5つの方法
採用工数の削減は、ツールの導入だけで解決するものではありません。フローの整備、手法の見直し、外部リソースの活用を組み合わせることで、初めて効果が出ます。

自社の工数がどこに集中しているかを踏まえた上で、優先順位をつけて取り組むことが重要です。
採用管理システム(ATS)の導入で応募情報を一元管理
複数の媒体やエージェントからの応募情報を手動で集約している場合、転記ミスや見落としが発生しやすく、確認作業だけで相当な時間を取られます。
採用管理システムを導入することで応募情報の自動取り込みと進捗管理が一元化され、担当者間の情報共有や選考ステータスの更新にかかる工数も大幅に削減できます。媒体数が多いほど効果は顕著です。
おすすめの採用管理システムや選び方は下記をご覧ください。
日程調整・連絡対応の自動化で工数増幅の要因を解消
調査では、面談の日程調整だけで応募者1名あたり中央値14分の工数がかかることが明らかになっています。
候補日の提示から確定連絡、当日のリマインドまでを自動化するツールを活用することで、この工数をほぼゼロに近づけることが可能です。代表的なのは採用管理システムやRPAツールです。
応募数が増えるほど削減効果は大きく、日程調整の自動化は工数圧縮の効果が見込める施策です。
なお、採用業務の自動化については下記でも詳しく解説しています。
採用フローの標準化で属人対応を解消し、分担できる体制をつくる
担当者ごとに対応がバラバラな状態では、ツールを導入しても工数は減りません。
書類確認の判断基準、面接官への依頼手順、合否連絡のタイミングを明文化することで、業務を他のメンバーに分担できる体制が整います。
標準化はツール導入の効果を最大化する土台でもあり、担当者が不在でも選考が止まらない組織をつくる第一歩です。
採用フローが明確に定まっていない場合は、下記をご参考ください。
採用チャネルを見直し、工数対効果の低い手法を整理する
利用する媒体や手法が増えるほど、それぞれへの原稿調整や問い合わせ対応が積み重なります。見直しの際は採用単価だけでなく、担当者の対応時間も含めたコストで各チャネルを評価することが重要です。
以下に当てはまるチャネルは、優先度を下げる候補になります。
- 応募数は多いが、選考通過率が低い媒体
- エージェントとのやり取りが多い割に、採用につながっていない案件
- 原稿の更新・管理に時間がかかっているが、応募が少ない媒体
チャネルを絞った分の工数を歩留まりの高い手法の強化に充てることで、採用の質と効率を同時に高められます。
採用代行(RPO)の活用でコア業務に集中
母集団形成、日程調整、書類選考などのオペレーション業務を外部に委託することでも、工数削減につながります。外部委託によって、担当者は候補者との面談や採用戦略の立案といったコア業務に集中できます。
全工程を委託する必要はなく、工数負荷の高い特定フェーズだけをアウトソースする部分活用も有効です。自社のリソース状況に合わせて委託範囲を設計することが重要です。
下記ではRPOの選び方を解説しています。
採用工数と採用コストの関係:コストが低くても工数が大きい手法に注意
採用にかかるコストは、求人広告費やエージェント手数料だけではありません。担当者が費やした時間も、人件費として換算すればれっきとしたコストです。

「費用が安い手法」を選ぶことで工数がかさみ、実質的なコストが高くなっているケースは少なくありません。
低コストでも担当者工数が高い手法の具体例(リファラル採用・自社サイト直接応募など)
リファラル採用は広告費がかからない分、社内への周知活動や紹介者へのフォロー、候補者との個別対応など担当者が直接動く場面が多くなります。
自社サイトからの直接応募も同様で、問い合わせ対応や選考フローの案内をすべて自前で行う必要があります。
表面上のコストが低い手法ほど、工数コストが見えにくくなる点に注意が必要です。
高コストでも工数が低い手法の具体例(エージェント活用など)
エージェントを活用する場合、紹介手数料として採用単価の一定割合が発生するため、コストが高い手法という印象を持たれがちです。
しかし母集団形成、書類選考、候補者との日程調整といった工数のかかる業務の多くをエージェント側が担うため、担当者の対応工数は相対的に低く抑えられます。
工数まで含めて比較すると、費用対効果が逆転するケースもあります。
担当者の時間コストを含めた採用コストの正しい計算方法
採用コストを正確に把握するには、求人広告費やエージェント手数料などの直接費用に加え、担当者の人件費を加算する必要があります。計算式はシンプルで、担当者の時給に採用業務に割いた時間を掛け合わせた金額を、採用人数で割るだけです。
この数字を出すことで、手法ごとの本当のコスト比較ができるようになり、社内での改善提案や稟議の根拠としても使えます。
採用工数削減の効果を測るための指標
採用工数の削減に取り組む際は、施策の前後で効果を数値で比較できる状態にしておくことが重要です。
「なんとなく楽になった」で終わらせず、改善の根拠を示せる指標を事前に設定しておくことで、社内への説明や次の改善施策の判断にも活用できます。
採用担当者1人あたりの月次業務時間
月間の採用関連業務にかかった時間を担当者ごとに記録し、施策前後で比較しましょう。採用工数削減の効果を測る上で、最も基本となる指標です。
最初は大まかな集計で構いません。「今月は何時間採用業務に使ったか」を把握する習慣をつけることが、工数の可視化と改善サイクルの出発点になります。
各選考プロセスの歩留まり率・リードタイム
書類選考から面接、内定承諾まで、各ステップの通過率と所要日数を計測しましょう。歩留まり率が低い工程は候補者が離脱しているポイント、リードタイムが長い工程は工数が滞留しているポイントです。
この2つを掛け合わせることで、どの工程の改善が採用成果と工数削減の両方に効くかを判断できます。
採用チャネル別の工数対採用率
媒体やエージェントごとに、かけた工数と採用人数を比較しましょう。応募数や採用単価だけでなく、担当者の対応時間も加味して評価することで、本当に効率のよいチャネルが見えてきます。
工数対採用率の低いチャネルを縮小し、高いチャネルにリソースを集中させることが、採用効率の継続的な改善につながります。
採用工数に関してよくある質問
最後に、採用工数に関するよくある質問を取り上げます。
採用工数はどのように計算すればいいですか?
採用業務を工程ごとに分解し、各工程にかかった時間を記録します。最初から精緻な計測は不要で、書類確認・日程調整・面談後事務・社内調整といった単位で、1件あたりの平均時間を把握するだけで十分です。
月間の応募数を掛け合わせることで、全体の工数が見えてきます。
採用工数の削減目標はどのくらいに設定すればいいですか?
まず現状の工数を計測し、どの工程に時間が集中しているかを把握した上で目標を設定します。まずは、自動化や標準化によって調整業務の一定割合の削減を最初の目標にしてみましょう。
高い目標より、まず計測と小さな改善を繰り返すことが、継続的な工数削減につながります。
採用工数が多い原因が社内調整にある場合、どう改善すればいいですか?
評価回収や合否判断の遅れが原因であれば、期限の明示と督促フローの整備が有効です。面接官への依頼や評価シートの提出期限をルール化するだけで、滞留が大幅に減るケースがあります。
それでも改善しない場合は、採用管理システムで進捗を可視化し、遅延が起きている工程を関係者全員が確認できる状態にすることを検討しましょう。
まとめ
- 選考対応だけでなく、日程調整・社内調整・バックオフィス業務まで含めると、1応募あたりの工数は体感(中央値約10分)を大きく上回る(調査データを詳しく見る)
- 工数の増大は担当者の負担にとどまらず、対応品質の低下や候補者離脱を招き、採用成果そのものを損なうリスクがある
- 削減には、ATSや自動化ツールの導入だけでなく、フローの標準化とチャネルの見直しを組み合わせた取り組みが効果的である
採用工数の見直しは、「担当者が楽になるため」だけの話ではありません。限られたリソースで採用目標を達成するために、どこに時間を使うべきかを問い直す取り組みです。
工数を可視化し、削減できる業務を整理することが、採用成果と組織の持続可能性を同時に高める第一歩です。
採用工数の削減におすすめの採用管理システム「RPM」

採用工数の削減に取り組むにあたってのツール選びの基準は、「どの工数を、どれだけ自動化できるか」です。
株式会社ゼクウが提供する採用管理システム「RPM」は、400媒体以上との自動連携により各媒体への個別ログインや転記作業をなくし、応募者情報を一元管理します。
面接予約メールの自動送信やリマインド通知、未予約者への追いかけ対応まで自動化できるため、調査で工数の集中が示された日程調整・連絡対応を大幅に削減できます。
また、媒体・拠点・募集別のリードタイム分析機能により、選考のどの工程が滞留しているかを可視化でき、改善施策の根拠としても活用できます。
導入を検討される方や、より詳しい機能が気になる方は、下記からRPMの詳細資料をご覧ください。







