
採用管理システム(ATS)とは?機能やメリット、料金を比較し失敗しない選び方を解説
採用管理システム(ATS)とは、応募者情報の一元管理や求人媒体との連携、選考プロセスの自動処理によって、採用活動全体を効率化するツールです。
多くの応募者への対応や面接調整といった煩雑な業務に追われ、「本来注力すべきコア業務に集中できない」「選考途中の辞退者が多く、採用の歩留まりが悪い」といった、多くの企業が抱える採用課題の解決と、採用成果の最大化を支援するものです。
本記事では、採用管理システム(ATS)の基本的な機能や導入メリット、料金相場を比較し、企業規模や採用形態に応じた「失敗しない選び方」を専門家の視点から詳しく解説していきます。
「今すぐ具体的な解決策を知りたい」という場合は、多くの企業で導入実績を持つ採用管理システム「RPM」を先にご確認いただくのもおすすめです。
特に中途採用や人材派遣・紹介業の業務効率化を得意としています。
目次[非表示]
- 1.採用管理システム(ATS)とは?
 - 2.採用管理システム(ATS)導入のメリット
 - 2.1.採用担当者の業務負担を大幅に削減
 - 2.2.導入前後で採用業務の工数が激減
 - 2.3.選考スピードが上がり候補者の離脱を防止
 - 2.4.採用データを活用し客観的な分析が可能
 - 2.5.応募者体験が向上
 - 3.採用管理システム(ATS)導入で失敗しないための注意点
 - 3.1.求人媒体との連携範囲が不十分
 - 3.2.自動処理機能の柔軟性が低い
 - 3.3.導入後のサポート体制が手薄
 - 3.4.セキュリティ対策が不十分
 - 3.5.デメリットは導入コストと社内への定着
 - 4.失敗しない採用管理システム(ATS)の選び方
 - 4.1.企業の採用規模や雇用形態で比較
 - 4.2.クラウド型かオンプレミス型か
 - 4.3.他システムとの連携を確認
 - 4.4.サポート体制の充実度で選ぶ
 - 5.採用管理システム(ATS)の料金と費用相場
 - 5.1.料金プランは主に3種類
 - 5.1.1.機能別課金型(機能ごとに課金)
 - 5.1.2.ID課金型(アカウントごとに課金)
 - 5.1.3.年額契約型(新卒採用に多い)
 - 5.2.中小企業向けの月額費用
 - 5.3.大企業向けの料金体系
 - 5.4.初期費用や追加料金も確認
 - 6.採用管理システム(ATS)の主な機能
 - 7.採用管理システム(ATS)と他のHRシステムの違いを比較
 - 7.1.CRM・SFAとの違い
 - 7.2.派遣管理システムとの違い
 - 7.3.労務・勤怠管理システムとの違い
 - 7.4.タレントマネジメントシステムとの違い
 - 8.採用管理システム(ATS)の導入事例
 - 9.目的別の採用管理システム(ATS)を比較
 - 9.1.中小企業向けの採用管理システム
 - 9.2.中堅~大企業向けの採用管理システム
 - 9.3.新卒採用に特化した採用管理システム
 - 9.4.無料ツールの機能と注意点
 - 10.採用管理システム(ATS)の導入手順と期間
 - 10.1.導入目的の明確化と要件定義
 - 10.2.複数ツールの情報収集と比較検討
 - 10.3.契約と導入に向けた準備
 - 10.4.導入までにかかる期間の目安
 - 11.採用管理システム(ATS)のよくある質問
 - 12.【まとめ】自社に最適な採用管理システム(ATS)を導入しよう
 
採用管理システム(ATS)とは?
ATS(Applicant Tracking System)、「採用管理システム」とは、応募者の情報や選考状況を一つのシステムで管理し、採用業務を自動化・効率化する採用支援ツールです。
従来、多くの企業で用いられてきたExcelやメールでの採用管理は手作業が多く、入力ミスや連絡漏れが課題となっていました。
採用管理システム(ATS)を導入することで、複数の求人媒体からの応募者情報を自動で集約し、煩雑な事務作業の負荷を大幅に削減できるでしょう。
これにより、候補者一人ひとりへの丁寧な対応が可能となり、候補者体験(CX)の向上と採用力強化の実現につながります。
ここでは、採用管理システムの概要について、詳しく解説していきます。
- 応募者情報を一元管理する採用ツール
 - Excel管理の課題を解決し業務を効率化
 - 採用手法の多様化で必要性が高まる
 
【関連記事】各雇用形態に最適な採用管理システムを実務者目線で比較した【ATS比較完全ガイド】はこちら。
応募者情報を一元管理する採用ツール

採用管理システム(ATS)の中心的な役割は、応募者情報の「収集・管理・活用」をクラウド上で一元化し、採用プロセス全体を効率化することにあります。
求人媒体や自社の採用サイト、人材紹介エージェントなど、複数のチャネルから集まる応募情報を自動でシステムに取り込み、誰がどの選考段階にいるのかをリアルタイムで見える化することが可能です。
対応の遅れや抜け漏れを防ぎ、選考辞退率の低下(歩留まりの改善)や内定承諾率の向上に直接的に貢献するのです。
近年はクラウド型の採用管理システムが主流となっており、多様な採用形態に柔軟に対応できる点も特徴です。
従来の管理方法と比較し、応募から採用までの通過率(歩留まり)をデータに基づいて分析・改善できる点も大きなメリットと言えるでしょう。
【関連記事】人材紹介(エージェント)管理機能とは?
Excel管理の課題を解決し業務を効率化
Excelやメールを中心とした従来の採用管理では、応募者が増えるにつれて、以下のような課題が顕在化します。
- 作業負荷の増大:各媒体の応募情報を手作業で入力・集約する必要があり、時間と手間がかかる。
 - 属人化と対応漏れ:面接日程の調整やメール送信が担当者個人のスキルに依存し、対応漏れや遅延が発生しやすい。
 - 情報の分散:候補者の情報が複数のファイルやメールに点在し、進捗状況をリアルタイムでチーム全体で把握できない。
 - データ活用の困難さ:データが蓄積されても検索や分析が難しく、採用活動の改善に活かせない。
 
採用管理システム(ATS)を導入すれば、これらの課題を解決できます。
応募者情報はシステムに自動で一元管理され、日程調整や通知メールも自動化されるので、入力や連絡の作業時間を大幅に削減できるのです。
結果として、採用担当者は候補者とのコミュニケーションといったコア業務に集中でき、採用活動全体の生産性向上が期待されます。
採用手法の多様化で必要性が高まる

現代の採用活動では、求人媒体だけではなくダイレクトリクルーティングやリファラル採用、SNS採用など、複数のチャネルを組み合わせることが一般的になりました。
しかし、それに伴い応募者情報がバラバラに管理され、かえって煩雑になってしまうという新たな課題も生まれているのが現状です。
採用管理システム(ATS)は、複数の媒体と自動で連携し、あらゆる応募者情報を一つのプラットフォームに集約。媒体ごとの管理工数や入力ミスを削減し、採用担当者の煩雑な事務処理の負担を軽くします。
この背景には「採用市場の構造変化と人材不足」という大きな要因があります。深刻な人材不足を背景に、採用市場は大きく変化し、有効求人倍率は高い水準で推移しています。
特にIT・建設・医療などの分野で人材不足が続いており、このような状況から「採用スピードと質の向上」は経営課題そのものとなっているのです。
さらに「応募者体験(CX)と対応スピードの重要性」も増しています。
人材獲得の競争が激しくなる中で、採用の成果を左右するのが応募後の対応です。
GoodTime社の調査では、選考プロセスが長引くと候補者の62%が関心を失うと報告されています。
また、PrismRecruitmentの調査では、72%もの候補者が『選考プロセスの遅さ』を辞退理由に挙げています。
採用管理システムは、応募直後の自動返信、候補者自身による面接日程の予約、選考状況の自動通知といった機能を通じて候補者の不安を解消し、選考途中での辞退や離脱を防ぐ上で、非常に効果的な仕組みなのです。
採用管理システム(ATS)導入のメリット
採用管理システムを導入すると、採用担当者の業務負担を軽くし、工数の削減や選考スピードの向上を実現できます。
従来の管理方法が抱えていた課題を解消し、業務効率化と候補者体験の改善を同時に叶える、その代表的なメリットを詳しく見ていきましょう。
- 採用担当者の業務負担を大幅に削減
 - 導入前後で採用業務の工数が激減
 - 選考スピードが上がり候補者の離脱を防止
 - 採用データを活用し客観的な分析が可能
 - 応募者体験が向上
 
採用担当者の業務負担を大幅に削減

採用管理システムは、これまで手作業で行っていた業務を自動化し、担当者の負担を劇的に軽減します。
【導入前の課題(手作業業務)】
媒体ごとに応募者を確認し情報を転記、メールや電話での面接日程調整、履歴書依頼・回収の手作業など、多くの時間が消費されていました。
【導入後の改善(採用管理システムによる自動化)】
応募者情報を自動で一元管理し転記や重複を防止、カレンダー連携で日程調整を半自動化、履歴書や書類をオンラインで収集・管理するなど、業務がシンプルになります。
これにより、採用担当者は候補者フォローや採用戦略の立案といった、より付加価値の高いコア業務に集中できる環境が整います。
導入前後で採用業務の工数が激減
応募者一人あたり平均15〜20分かかるとされる対応工数は、採用管理システムの導入で大幅に短縮されます。
具体的には、以下のような作業の効率化が可能です。
- 応募者情報の確認と転記作業
 - 面接官との日程調整
 - 誘致メールや不採用通知の作成・送信
 - 追いかけメールや電話でのフォロー
 - 選考ステータスの更新
 
これらの手作業が自動化されることで、実際のシミュレーションでは月50〜100時間以上の工数削減効果が確認されており、年間で数百時間単位の効率化につながります。
これにより、創出された時間を採用戦略の策定などに投資できるようになるのです。
選考スピードが上がり候補者の離脱を防止
採用活動において、対応の遅れは候補者が離脱してしまう原因です。
採用管理システムを活用すれば、応募直後の自動返信や候補者自身による面接日程の予約が可能になり、迅速な対応が可能になります。
InsideSales社の調査では、応募後5分以内に対応した企業は成約率が8倍に向上したというデータもあります。
また、マンパワーグループの国内調査でも、採用リードタイムの長さが原因で約8割の企業が候補者辞退を経験していると報告されており、スピーディーな選考対応は採用成功率を高める決定的な要素と言えるでしょう。
採用データを活用し客観的な分析が可能
採用管理システムは採用活動に関するあらゆるデータを蓄積し、客観的な分析を可能にします。
媒体ごとの費用対効果や、選考プロセスごとの歩留まり(通過率)、採用までのリードタイムなどを「見える化」し、採用活動のボトルネックの特定に繋がります。
これにより、担当者の感覚に頼るのではなく、「どの媒体が最も費用対効果が高いか」「どの拠点・案件が優秀か」をデータに基づいた戦略的な採用活動へと転換できるのです。
応募者体験が向上

採用管理システムは企業の業務効率化だけではなく、応募者の体験も大きく改善します。
応募後の返信が遅い、日程調整のやり取りが煩雑といった候補者のストレスをなくし、迅速でスムーズな選考体験が可能になります。
個別最適化されたコミュニケーションは、応募者の入社意欲を維持・向上させる上で大きな効果があるのです。
採用管理システム(ATS)導入で失敗しないための注意点

採用管理システムは効果的なツールですが、選び方を間違えると「期待した効果が出ない」「結局、手作業に戻ってしまった」という失敗に繋がることも。
典型的な失敗原因は、求人媒体との連携不足、自動化機能の制限、サポート体制の弱さなどです。
ここでは、採用管理システムの導入で失敗しないための注意点を、詳しく解説していきます。
- 求人媒体との連携範囲が不十分
 - 自動処理機能の柔軟性が低い
 - 導入後のサポート体制が手薄
 - セキュリティ対策が不十分
 - デメリットは導入コストと社内への定着
 
求人媒体との連携範囲が不十分
利用中の求人媒体と連携できなければ、手動での応募情報取り込みが必要となり、効率化の効果が半減してしまいます。
【確認すべきポイント】
- 主要媒体との連携可否:doda・マイナビなど、自社で利用している媒体と連携できるか。
 - 連携方式: リアルタイム性の高いAPI連携か、CSV取り込みか。
 - 取り込み速度: 即時反映か、数時間のタイムラグがあるか。
 - 取得項目数: 氏名や連絡先だけでなく、経歴や志望動機まで取得できるか。
 
実際に、ある企業では応募データを手動で入力する必要があったため、候補者への初回連絡が翌営業日にずれ込み、歩留まりが悪化してしまいました。
自動取り込み対応の採用管理システム(ATS)へ移行したことで、応募直後に候補者へ通知が送れるようになり、辞退率低下につながったという事例もあります。
自動処理機能の柔軟性が低い
自動返信メールや日程調整機能も、柔軟性が低いと実務では十分に活用しきれないことがあります。
【確認すべきポイント】
- ステータスごとの自動メール送信:合否通知・面接案内・リマインドを自動化できるか。
 - 条件分岐設定:勤務地や案件別など、状況に応じたフローを設計できるか。
 - 自動リマインド:未返信者や未予約者への自動フォローが可能か。
 - カスタマイズ性:自社の採用プロセスに合わせて柔軟に設定変更できるか。
 
特に応募者が多い企業では、選考ステータスや応募職種など、条件に応じたフローを設計できるカスタマイズ性が重要になります。
導入後のサポート体制が手薄
高機能なシステムも、社内で運用が定着しなければ意味がありません。
【確認すべきポイント】
- 初期設定や媒体連携の支援:導入時に伴走してセットアップを支援してくれるか。
 - 専任担当者:導入後も定着までフォローしてくれるカスタマーサクセス担当者がいるか。
 - 情報リソース:マニュアルやFAQ、動画などが充実しているか。
 - 改善提案:運用状況に合わせた改善提案をしてくれるか。
 
サポート体制が手厚いベンダーを選ぶことが、投資を無駄にしないためのポイントとなります。
セキュリティ対策が不十分
採用管理システムは応募者の個人情報を多く扱うため、セキュリティ対策は重要項目です。
【確認すべきポイント】
- 第三者認証:「ISO27001」や「プライバシーマーク」を取得しているか。
 - アクセス権限管理:利用者ごとに閲覧・編集範囲を制御できるか。
 - 不正アクセス対策:IP制限や二段階認証の仕組みがあるか。
 - データ暗号化やWAFの導入:保存・通信データを保護し、攻撃対策が取られているか。
 
情報漏洩は企業の信頼を大きく損ないます。セキュリティの堅牢性を必ず確認しましょう。
デメリットは導入コストと社内への定着
採用管理システム(ATS)の導入のデメリットは「コスト」と「社内定着の難しさ」です。
【確認すべきポイント】
- 費用体系:初期費用と月額利用料の内訳、追加費用の発生条件は何か。
 - 段階導入:無料トライアルや小規模からのスタートが可能か。
 - 社内教育:現場社員向けの研修やマニュアルが提供されるか。
 
月額費用だけではなく初期費用や追加料金を含めたトータルコストを把握し、費用対効果を試算することが重要になります。
失敗しない採用管理システム(ATS)の選び方
採用管理システムは、機能や価格だけで選ぶのではなく、自社の採用規模や雇用形態、解決したい課題に合わせて選定することが大切です。
ここでは、自社に最適な採用管理システムを選ぶための基準を詳しく解説します。
- 企業の採用規模や雇用形態で比較
 - クラウド型かオンプレミス型か
 - 他システムとの連携を確認
 - サポート体制の充実度で選ぶ
 
企業の採用規模や雇用形態で比較

採用管理システム選びは、まず自社の「採用規模」と「主な雇用形態」を明確にすることから始まります。
新卒、中途、派遣・アルバイトなど、雇用形態ごとに採用プロセスや必要な機能は異なるため、「自社の採用活動に合った機能は何か」という視点で比較検討することが重要です。
例えば、短期間に大量の応募がある新卒採用では、学生との継続的なコミュニケーションを支える機能が求められます。
一方、スピードが重視される中途採用では、いかに早く応募者にアプローチできるかが重要なポイントとなります。
このように、自社の採用スタイルを理解することが、最適なシステム選びに必要なのです。
クラウド型かオンプレミス型か
採用管理システムには「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。
現在は初期費用が安く導入しやすいクラウド型が主流ですが、高度なカスタマイズやセキュリティ要件が求められる大企業ではオンプレミス型が選ばれることもあります。
他システムとの連携を確認
採用管理システムは、他の社内システムと連携させることで効果をさらに高めることができます。
例えば、以下のようなシステムとの連携が考えられます。
- 人事・労務システム:スマートHR、freee人事労務などと連携し、入社手続きを効率化。
 - 営業管理システム: Salesforce、kintoneなどと連携し、顧客データを一元化。
 - チャットツール: SlackやTeamsに通知を送信し、社内共有をスムーズに。
 
自社が利用しているシステムと連携可能か、どのような方式で連携するのかを事前に確認しておきましょう。
サポート体制の充実度で選ぶ
高機能な採用管理システムも、使いこなせなければ意味がありません。
導入時の初期設定支援や導入後のフォローなど、ベンダーのサポート体制が充実しているかどうかも重要な選定ポイントです。
採用管理システム(ATS)の料金と費用相場
採用管理システムの料金は、課金モデルによって大きく異なります。
月額費用だけではなく、初期費用や追加料金も含めた総コストで比較検討することが大切です。
ここでは、採用管理システムの料金や費用について、詳しく解説していきます。
- 料金プランは主に3種類
 - 中小企業向けの月額費用
 - 大企業向けの料金体系
 - 初期費用や追加料金も確認
 
料金プランは主に3種類
採用管理システム(ATS)の料金体系は、提供されるサービスや課金モデルによって大きく異なります。
代表的なのは、これからご紹介する「機能別課金型」「ID課金型」「年額契約型」の3種類です。
企業規模や採用形態によって最適なモデルは変わるため、それぞれの特徴を理解し、自社に合ったプランを選びましょう。
機能別課金型(機能ごとに課金)
利用する機能の範囲に応じて料金が変動するプランです。
必要な機能だけを選んで導入できるためコストを最適化しやすいですが、フル機能を利用すると高額になる可能性もあります。
相場は月額3万円〜30万円程度です。
ID課金型(アカウントごとに課金)
利用するユーザーのアカウント数に応じて料金が決まります。
少人数での利用なら割安ですが、利用者数が増えるとコストも増加します。
相場は1IDあたり月額1.5〜2万円です。
年額契約型(新卒採用に多い)
新卒採用向けの採用管理システムで多く見られる、年度単位の契約モデルです。
年間計画に合わせやすいですが、途中の応募者数増加で追加費用が発生するリスクもあります。
相場は年額100〜400万円です。
中小企業向けの月額費用
中小企業向けには月額1万円〜5万円程度で利用できるプランが多く、応募者管理や日程調整といった基本的な機能を網羅しています。
大企業向けの料金体系
複数拠点での利用や高度なセキュリティ要件など、大規模な運用を前提としたプランは月額10万円以上が目安で、個別見積もりとなるケースがほとんどです。
初期費用や追加料金も確認
月額費用以外に、導入支援などの初期費用や、媒体連携モジュール、外部システム連携などのオプション料金が発生する場合もあります。
「月額費用が安いと思ったら追加料金で高額になってしまった」という失敗は珍しくありません。
契約前に総コストを確認し、トータルで判断することが重要です。
採用管理システム(ATS)の主な機能

採用管理システムは、採用に関わるあらゆる業務を一元的にサポートします。
ここでは、採用管理システムの代表的な機能を詳しく解説していきます。
- 求人媒体等からの応募者データを一元管理
 - 面接日程の調整や評価をオンラインで共有
 - 候補者への連絡や通知を自動で送信
 - 派遣・紹介業向けの案件管理とマッチング機能
 
求人媒体等からの応募者データを一元管理

主要な求人媒体や自社サイトなど、あらゆるチャネルからの応募者情報を自動で集約し、一元管理します。
カスタマイズ可能な応募フォームを自社サイトに設置したり、同じ候補者からの重複応募を可視化して名寄せしたりすることも可能です。
また、自社の選考フローに合わせてステータスを柔軟に管理でき、候補者の進捗をリアルタイムで把握できます。
面接日程の調整や評価をオンラインで共有
採用業務で負担の大きい面接日程の調整を自動化します。
カレンダーツールと連携し、面接官の空き時間を候補者に提示することで、候補者が希望日時を選ぶだけで調整が完了するのです。
また、面接後の評価もオンラインで一元管理できるため、関係者間での迅速な情報共有が可能になります。
ZoomやTeamsといったオンライン面接ツールと連携し、面接URLを自動発行する機能も便利です。
候補者への連絡や通知を自動で送信
応募受付メールや面接リマインド、合否通知など、候補者への連絡を自動化します。
連絡漏れや遅延を防ぎ、候補者に安心感を与えることができるでしょう。
応募職種などの条件に応じて内容を出し分ける条件分岐メールや、メールより到達率の高いSMS・LINE連携を活用し、確実なコミュニケーションが可能になります。
派遣・紹介業向けの案件管理とマッチング機能

人材派遣会社や紹介会社向けに、案件管理とスタッフのマッチングを効率化する専門機能も搭載されています。
スタッフの希望条件やスキルをもとに、案件起点・スタッフ起点の双方から最適なマッチングを自動で抽出することができ、広告ごとの費用対効果を分析する機能なども含め、事業の収益最大化につながります。
採用管理システム(ATS)と他のHRシステムの違いを比較

採用管理システムはHR領域で活用されるシステムの一つです。
他のHRシステムとの役割の違いを理解し、必要に応じて連携させることが重要になります。
ここでは、採用管理システム(ATS)と他のHRシステムとの違いを詳しく解説していきます。
- 派遣管理システムとの違い
 - タレントマネジメントシステムとの違い
 
CRM・SFAとの違い
採用管理システムが「候補者」の採用を管理するのに対し、CRMやSFAは「顧客」や「営業案件」を管理します。
対象は異なりますが、APIやCSVを通じて連携すれば、採用データを営業活動や顧客情報と統合し、一貫したデータ活用が可能です。
派遣管理システムとの違い
採用管理システムが「応募〜採用」を担うのに対し、派遣管理システムは「就業後の契約・勤怠・請求管理」を担当します。
派遣会社では両者を組み合わせることで、採用から稼働までをシームレスに管理するのが一般的です。
労務・勤怠管理システムとの違い
採用管理システムは「入社前」、労務・勤怠管理システムは「入社後」の従業員管理を担当します。
内定時にデータを自動連携することで、アカウント発行や入社手続きが効率化されるでしょう。
タレントマネジメントシステムとの違い
採用管理システムが「採用」に特化するのに対し、タレントマネジメントシステムは「入社後の人材育成・評価・配置」を支援します。
採用時のデータを引き継ぐことで、オンボーディングから育成・配置までを一貫して管理できます。
【関連記事】API連携とは?システム間連携の仕組み・種類・費用・導入手順を解説
採用管理システム(ATS)の導入事例
採用管理システムは多くの企業で導入が進み、歩留まり改善・工数削減・採用スピード向上といった効果を実証しています。
ここでは、採用管理システムの導入事例についてご紹介します。
- 人材派遣会社の工数削減事例
 - 小売業界の歩留まり改善事例
 - 運輸業界の採用スピード向上事例
 - 採用管理システム(ATS)導入によるROI・費用対効果事例
 
人材派遣会社の工数削減事例
多くの応募者を効率的に管理し、スピーディーに案件へ繋げることが求められる人材派遣業界では、紙やExcelを使った煩雑な応募者管理が長年の課題でした。
採用管理システムの導入は、これらの業務を劇的に効率化し、具体的な成果に繋がっています。
【導入事例】
- エヌエス・テック株式会社(製造派遣):応募対応時間を50%削減し、月50時間以上の残業削減に成功。面接設定率も3〜4%改善しました。
 - 株式会社セレクティ(全国対応派遣):年間4,000名規模の応募管理を自動化し、応募対応時間を50%削減、残業ゼロを実現しています。
 
小売業界の歩留まり改善事例
多店舗展開が多く、常時多数のアルバイト・パートを採用する流通・小売業界では、応募から面接までの対応スピードが候補者の離脱を防ぐポイントとなります。
【導入事例】
- シップヘルスケアフード株式会社:応募者対応スタッフを3名から1名に削減。面接設定率は2.2倍、採用率は3倍に改善されました。
 
運輸業界の採用スピード向上事例
ドライバーなど、常に多くの人材を必要とする運輸業界では、大量の応募をいかに効率的に捌き、迅速に対応するかが課題でした。
採用管理システムは、電話やExcelが中心だった管理体制を刷新し、採用スピードを向上させる上で大きな効果を発揮しています。
【導入事例】
- 日本交通株式会社(ハイヤー採用):電話対応時間を80%削減し、年間1,200時間以上の工数削減を達成しています。
 
採用管理システム(ATS)導入によるROI・費用対効果事例
採用管理システムの導入は、システム費用を上回る投資対効果(ROI)が期待できます。
実際の導入企業の事例では、人件費削減や採用成果の向上によって、システム費用を大きく上回るリターンが確認されています。
また、応募者一人あたりの対応時間を削減することでも、大きな費用対効果が生まれます。
シミュレーション例として、仮に月間400名の応募がある現場で、一人あたりの対応時間を15分から採用管理システムで効率化できた場合、年間で約290万円相当の人件費削減効果が見込めます。
目的別の採用管理システム(ATS)を比較
採用管理システムは、企業の規模や目的によって最適なタイプが異なります。
ここでは、目的別の採用管理システムを比較して見ていきましょう。
- 中小企業向けの採用管理システム
 - 中堅~大企業向けの採用管理システム
 - 新卒採用に特化した採用管理システム
 - 無料ツールの機能と注意点
 
中小企業向けの採用管理システム
月額1万〜5万円前後が相場で、操作がシンプルで導入しやすいのが特徴です。
Excel管理から脱却し、採用業務の基本を効率化したい企業に適しています。
- 代表的な採用管理システム:コボット、ジョブカン採用管理、採用一括かんりくん
 
中堅~大企業向けの採用管理システム
月額10万円以上が目安で、大量応募に対応できる多機能・高拡張性が特徴です。
データ分析に基づいた戦略的な採用活動を目指す企業向けでしょう。
新卒採用に特化した採用管理システム
年額100万円〜が目安で、説明会管理やマイページ機能など、新卒採用特有のプロセスに対応した機能が充実しています。
- 代表的な採用管理システム:i-web、SONAR ATS、AOLC
 
無料ツールの機能と注意点
費用ゼロで導入でき、応募者管理など基本的な機能を利用できます。
小規模採用や「まず試してみたい」場合に最適ですが、機能制限やサポート体制の点で有料版には劣るため注意が必要です。
- 代表的な採用管理システム:リクナビHRTech採用管理、Airワーク採用管理、engage
 
採用管理システム(ATS)の導入手順と期間
採用管理システムの導入は計画的に進める必要があり、一般的に小規模なら2週間〜1か月、大規模では3か月以上が目安になります。
ここでは、採用管理システムの導入手順について、詳しく解説していきます。
- 導入目的の明確化と要件定義
 - 複数ツールの情報収集と比較検討
 - 契約と導入に向けた準備
 - 導入までにかかる期間の目安
 
導入目的の明確化と要件定義
まず「工数削減」「歩留まり改善」など、導入目的を明確にし、それを実現するために必要な機能要件を整理することが成功のポイントです。
複数ツールの情報収集と比較検討
少なくとも2〜3社を比較し、料金、機能、操作性、サポート体制を評価します。
無料トライアルを活用し、現場での使い勝手を確認することが大切です。
契約と導入に向けた準備
導入する採用管理システムが決まったら、スムーズな運用開始のために事前の準備が重要です。
下記の準備を進めましょう。
- 業務フローとステータス設計:自社の選考フローを言語化し、採用管理システム上で、どの段階でどのステータスを設定するかを明確にします。
 - データ移行計画:過去の応募者データをどの範囲まで移行するかを決めます。
 - 各種ルールの整備:応募者の振り分けルールや、担当者ごとの権限設定などを事前に決めておくことで、導入後の混乱を防ぎます。
 
導入までにかかる期間の目安

導入期間は規模により異なりますが、多くのベンダーは専門の導入支援サービスを提供しています。
一般的には以下のステップで進められます。
- キックオフ:導入計画・スケジュールの確認。
 - 要件定義:どの業務を採用管理システムに置き換えるかを整理。
 - 詳細設計:ステータスや自動処理のルールを具体化。
 - 実装:システムへの設定反映、媒体連携。
 - テスト:動作確認。
 - 説明会:現場担当者への利用方法説明。
 
これらのプロセスをうまく活用することで、スムーズな導入が可能になります。
また、早めに導入したい場合は、選考フローの言語化やメールテンプレートの準備などを事前に行っておくと、契約から短期間で運用を開始できます。
採用管理システム(ATS)のよくある質問
採用管理システム(ATS)を検討する際には、「Excel管理との違いは?」「本当に効果があるの?」「中小企業でも使う意味はある?」といった、さまざまな疑問が浮かぶものです。
ここでは、導入前に多くの方が抱える質問について、わかりやすく解説していきます。
- Excel管理と採用管理システム(ATS)の違いは何ですか?
 - 導入したら本当に効果はありますか?
 - 中小企業でも使う意味はありますか?
 
Excel管理と採用管理システム(ATS)の違いは何ですか?
最大の違いは「自動化」と「情報の一元化」です。
採用管理システムは応募情報の取り込みから連絡までを自動化し、情報を一元管理することで、手作業によるミスや対応遅延を防ぎ、採用業務のスピードと質を向上させます。
導入したら本当に効果はありますか?
はい、多くの企業で実証されています。
事例のように、応募対応時間の半減や面接設定率の大幅な改善が報告されており、費用対効果は非常に高いと言えるでしょう。
中小企業でも使う意味はありますか?
もちろんです。近年は低価格なプランや無料ツールも多く、専任担当者がいない中小企業こそ、採用管理システムで業務を効率化するメリットは大きいのです。
【まとめ】自社に最適な採用管理システム(ATS)を導入しよう
採用管理システム(ATS)は、採用活動を大幅に効率化できるツールです。
従来のExcel管理の限界を超え、採用スピードの向上と候補者体験の改善を同時に可能となります。
自社に最適な採用管理システムを選ぶためには、まず自社の採用規模や雇用形態、課題を明確にすることが大切です。
- 中小企業向け:低コストで操作がシンプル。まずはExcel管理から脱却し、業務を効率化したい企業に最適。
 - 中堅〜大企業向け:大量応募に対応できる多機能性と拡張性。データ分析に基づいた戦略的な採用活動を目指す企業向け。
 - 新卒採用に特化型:説明会管理から内定者フォローまで、新卒採用特有のプロセスを一元管理したい場合に最適。
 - 無料ツール:年間採用数が少なく、まずは採用管理システムを試してみたい企業向けの入門モデル。
 
導入を成功させるポイントは、「目的の明確化」「複数ツールの比較検討」「ベンダーのサポート体制の確認」の3点です。
本記事で解説した選び方や注意点を参考に、自社の採用活動をさらに引き上げられる最適な採用管理システムを見つけてください。
ご紹介したような採用活動の課題解決に強みを発揮するのが、採用管理システム「RPM」です。
応募者対応の自動化から高度なデータ分析まで、採用の成功に必要な機能が充実しており、特にスピードが求められる中途採用や、複雑な管理が必要な派遣・紹介業でメリット感じられるはずです。






