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労務管理システムとは?機能と費用相場、選び方やおすすめ5選を比較

労務管理システムとは、雇用契約・入退社手続き・社会保険・年末調整など、従業員の雇用に関わる手続きと情報を1つのシステムで扱う仕組みです。

労務管理システムを検討するとき、どこまでの業務を1つにまとめるべきか、勤怠や給与計算まで含めるべきかで迷うことがあるでしょう。

製品によって対応範囲が違ううえ、料金を公開していない製品もあるため、横に並べて比べにくいのが実情です。

本記事では、採用管理システム「RPM」を提供する株式会社ゼクウが、労務管理システムの機能・費用相場・選び方の比較ポイントを解説します。

勤怠管理システムとの違いや、代表的な5製品の料金と対応範囲、導入事例もあわせて扱います。

目次[非表示]

  1. ・労務管理システムとは
    1. ・労務管理システムが扱う業務の範囲
    2. ・勤怠管理システムとの違い
    3. ・人事管理システムとの違い
  2. ・労務管理システムの主な機能
    1. ・従業員情報とマイナンバーの一元管理
    2. ・入退社・社会保険手続きの自動作成と電子申請
    3. ・勤怠管理・給与計算との連携
    4. ・年末調整のオンライン化
    5. ・給与明細や雇用契約書の電子配信
  3. ・労務管理システムの種類と提供形態
    1. ・対応範囲で分かれる3つのタイプ
    2. ・クラウド型とオンプレミス型の違い
  4. ・労務管理システムを導入するメリット
    1. ・労務管理業務の時間を減らし残業を抑えられる
    2. ・転記や記入漏れによる手続きミスを防げる
    3. ・法改正への対応が追いつきコンプライアンスを強化できる
  5. ・労務管理システムの費用相場
    1. ・初期費用はクラウド型なら0円のケースが多い
    2. ・月額利用料は従業員1人あたり数百円が中心
  6. ・労務管理システムの選び方と比較ポイント
    1. ・必要な業務と帳票をカバーしているか
    2. ・電子申請(e-Gov)に対応しているか
    3. ・勤怠・給与など他システムと連携できるか
    4. ・セキュリティ対策が自社の要件を満たすか
    5. ・現場が使い続けられる操作性とサポート体制か
  7. ・労務管理システムのおすすめ5選を比較
    1. ・SmartHR
    2. ・freee人事労務
    3. ・ジョブカン労務HR
    4. ・ジンジャー人事労務
    5. ・オフィスステーション労務
  8. ・労務管理システムの導入事例
    1. ・26種類の帳票を電子化し年間の申請処理を削減した事例
    2. ・勤怠と給与の一元化で給与計算の時間を短縮した事例
    3. ・年末調整の差し戻しと給与明細業務を圧縮した事例
  9. ・労務管理システムを導入する際の注意点
  10. ・労務管理システムに関するよくある質問
    1. ・中小企業でも労務管理システムは必要ですか?
    2. ・大企業向けの労務管理システムは何が違いますか?
    3. ・無料で使える労務管理システムはありますか?
  11. ・労務管理システムは自社の業務フローの改善に効果的

労務管理システムとは

労務管理システムが扱うのは、従業員を雇い入れてから退職するまでに発生する手続きと、その手続きに使う情報です。紙とExcelに分かれていた従業員情報を1か所に集め、申請から行政への届出までを同じ画面でつなぎます。

導入が広がった背景の1つは、手続きそのものの増加です。雇用形態や勤務地が多様になるほど、契約更新や住所変更といった個別の手続きが増えます。担当者が内容を確認する時間も、そのぶん積み上がるでしょう。

もう1つが、行政手続きの電子化です。2020年4月から、資本金などの額が1億円を超える法人や相互会社などは、社会保険・労働保険の一部の手続きを電子申請で行うことが義務づけられました。

対象になるのは、健康保険・厚生年金保険の算定基礎届や月額変更届、雇用保険の資格取得届などです。労働保険の年度更新に関する申告書も含まれます。社会保険労務士に委託している場合も、この義務から外れません。

※出典:厚生労働省「2020年4月から特定の法人について電子申請が義務化されます(リーフレット)」

労務管理システムが扱う業務の範囲

労務管理システムが担う業務は、扱う相手で4つに分けられます。

  • 従業員との契約:雇用契約書、労働条件通知書
  • 行政への届出:健康保険、厚生年金保険、雇用保険
  • 税にかかわる処理:年末調整、源泉徴収票、マイナンバー
  • 社内への配付:給与明細、就業規則、社内通知

どこまでを1つの製品で扱うかは製品ごとに違い、勤怠管理や給与計算を標準機能に含むものもあれば、別の製品やオプションとして提供するものもあります。自社で負担が大きい業務がどれかを先に決めておくと、比較の軸がぶれません。

勤怠管理システムとの違い

勤怠管理システムが記録するのは、出退勤の時刻や残業時間、有給休暇の取得状況といった日々の勤務の実績です。労務管理システムが扱うのは、その労働時間を使って進める契約・保険・税の事務のほうです。

2つは対立するものではありません。勤怠のデータは、給与計算や社会保険の算定にそのまま引き渡せます。

労働時間の集計に困っているなら勤怠管理システムから、手続きの事務に困っているなら労務管理システムから着手しましょう。

人事管理システムとの違い

人事管理システムやタレントマネジメントシステムが扱うのは、社員のスキル・経歴・評価といった人材情報で、配置や育成の判断に使います。

労務管理システムのほうは、手続きを期限内に正確に終わらせるための仕組みです。

同じベンダーが両方の領域を提供していることも多く、製品名だけでは区別がつきません。どちらの目的で導入するのかを決めてから、機能一覧を見比べましょう。

労務管理システムの主な機能

労務管理システムの役割を示す図。従業員情報管理、手続き自動化、勤怠・給与連携、年末調整オンライン化、書類の電子配信を通じて、属人化リスクやミスを削減。

労務管理システムの機能は、大きく次の5つに分かれます。どの機能も、従業員が入力した情報をそのまま帳票や届出に反映させて、担当者の転記をなくす仕組みです。

従業員情報とマイナンバーの一元管理

氏名・住所・扶養家族・振込口座・雇用契約の内容などを、従業員自身が画面から登録します。担当者が紙の用紙を回収して入力し直す必要はありません。

住所や扶養に変更があっても、本人が申請した内容がそのまま台帳の最新版になります。

マイナンバーを同じシステムで預かれる製品もあります。年末調整や社会保険の届出で必要になるたびに、別の保管場所から探す手間が減るでしょう。閲覧できる担当者を限定する設定も、同じ画面で管理できます。

入退社・社会保険手続きの自動作成と電子申請

入社と退社のときに必要なのは、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の届出です。登録済みの従業員情報から自動で作成できます。

e-Govと連携した電子申請に対応していれば、作成した届出をシステムから直接送信できます。

窓口へ出向いたり郵送したりする時間がなくなるほか、記入漏れによる差し戻しも減らせるでしょう。社会保険労務士に手続きを委託している場合も、電子申請の義務は委託元の法人にかかります。

勤怠管理・給与計算との連携

勤怠管理システムと連携すると、打刻データがそのまま給与計算に渡ります。残業や有給休暇の処理も同じデータをもとに進むため、Excelへ書き写す工程がなくなり、集計のたびに発生していた確認作業も減るでしょう。

連携の方法にはAPIとCSVの2通りがあり、つなげる相手の製品も決まっています。APIで自動的にやり取りする場合と、ファイルを書き出して取り込む場合では、担当者に残る手間も違ってくるでしょう。

年末調整のオンライン化

年末調整では、従業員がWeb上の質問に答える形で申告内容を入力します。紙の申告書を配って回収し、記入内容を確認して転記する作業は不要です。

前年の申告内容が引き継がれるため、変更のない従業員は内容を確認して送信するだけで済みます。

差し戻しもシステム上で通知できます。担当者が個別に電話をかけて修正を依頼する必要がなくなり、繁忙期のやり取りの回数も減るでしょう。

給与明細や雇用契約書の電子配信

給与明細・源泉徴収票・労働条件通知書は、Web上で配信できる書類です。印刷・封入・郵送の作業がなくなり、離れた拠点や休職中の従業員にも同じタイミングで届けられます。

雇用契約を電子署名で締結できる製品もあります。押印のためだけに出社する必要もありません。ただし送信1件ごとに料金がかかる製品もあるため、契約更新の多い企業は件数から費用を見積もっておきましょう。

労務管理システムの種類と提供形態

労務管理システムは、どこまでの業務に対応するかという範囲と、クラウドかオンプレミスかという提供形態の2つで整理できます。この2つが決まれば、比較する製品はかなり絞り込めるでしょう。

対応範囲で分かれる3つのタイプ

タイプ

対応する範囲

向いている企業

労務手続き型

入退社・社会保険・年末調整など、手続きと帳票を中心に扱う

手続きの事務から先に電子化したい企業

統合型

労務手続きに加えて、勤怠管理・給与計算・人事評価まで1つの基盤で扱う

人事領域のシステムをまとめて入れ替えたい企業

機能拡張型

必要な機能を製品単位で選び、後から足していく

使う機能を絞って費用を抑えたい企業

タイプが違えば比較する項目も変わるため、自社がどれを探しているのかを先に決めておきましょう。

クラウド型とオンプレミス型の違い

項目

クラウド型

オンプレミス型

導入方法

ベンダーが用意した環境をインターネット経由で使う

自社のサーバーにシステムを構築する

費用

初期費用を抑えやすく、利用人数に応じた月額が中心

構築費用がかかり、保守も自社で負担する

法改正への対応

ベンダー側の更新で反映される

自社で改修を手配する

カスタマイズ

設定できる範囲内で調整する

自社の運用に合わせて作り込める

クラウド型は従業員数の増減に合わせて契約人数を変えやすく、拠点が分かれていても同じ画面を使えます。

一方、社内のネットワークからしかアクセスさせないといった要件がある場合は、オンプレミス型が選択肢に残るでしょう。

労務管理システムを導入するメリット

労務管理システムを入れて変わるのは、作業時間・手続きの正確さ・法令への対応の3点です。総務省の調査では、クラウドサービスを使う企業の89.4%が非常に効果があった、またはある程度効果があったと答えました。

※出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果(別紙2)」

労務管理業務の時間を減らし残業を抑えられる

入退社の届出や年末調整のように、同じ情報を何度も書き写す作業がなくなります。担当者に残るのは、集まった情報を確認して送信する工程だけです。

減らせる時間の幅は、従業員数とこれまでの紙の運用範囲によって変わります。締め日前の残業や休日出勤が続いている企業ほど、変化は大きくなりやすいでしょう。

転記や記入漏れによる手続きミスを防げる

従業員が入力した情報がそのまま帳票に載るため、書き写すときの打ち間違いが起きません。必須項目が空のままでは申請を進められない仕組みを備えた製品もあり、記入漏れによる差し戻しを減らせます。

ミスが減れば、修正と再提出に取られていた時間も少なくなります。担当者が内容の確認に集中できるようになる点も、実務上は大きいでしょう。

法改正への対応が追いつきコンプライアンスを強化できる

クラウド型の製品では、様式の変更や計算ルールの改正がベンダー側の更新で反映されます。担当者が改正のたびに帳票を作り直したり、計算式を直したりする必要はありません。

ただし、就業規則の見直しや社内の運用ルールの変更まで自動で片づくわけではありません。システムが反映するのは様式と計算の部分で、自社の制度をどう変えるかは人が判断します。

労務管理システムの費用相場

労務管理システムの費用は、初期費用と月額利用料の2つで決まります。月額は従業員数に応じて増えるため、同じ製品でも規模によって総額は変わります。

初期費用はクラウド型なら0円のケースが多い

SmartHR・freee人事労務・ジョブカン労務HRの3製品は、初期費用がかかりません。導入時にまとまった支出が発生しないため、月額の利用料だけで予算を組めます。

一方で、初回の契約時に登録料が必要な製品もあるため、クラウド型なら必ず0円とは限りません。

オフィスステーション労務では、システム利用のWebマニュアルなどの提供を含む登録料として、初回の契約時に110,000円(税込)がかかります。

月額利用料は従業員1人あたり数百円が中心

公開されている料金で見ると、月額は従業員1人あたり300円台から1,000円台に収まります。対応範囲の広いプランほど1人あたりの単価は上がり、労務手続きに絞った製品ほど単価は低めです。

従業員150名の会社が1人あたり月400円の製品を使うなら、月6万円ほどが目安になります。人数が増えれば月額も増えるため、数年後の従業員数でも試算しておきましょう。

オプションの扱いにも差が出ます。電子契約を送信ごとに課金する製品もあれば、給与計算や勤怠管理を有料オプションとして切り出している製品もあります。

※出典:ジョブカン労務HR「プラン・料金」
※出典:オフィスステーション労務「
料金」
※出典:freee人事労務「
料金プラン」
※出典:SmartHR「
料金プラン」
※出典:ジンジャー「
料金プラン」

労務管理システムの選び方と比較ポイント

労務管理システムの選定・比較ポイントを示す図。必要な業務と帳票に対応しているか、電子申請(e-Gov)に対応しているか、他システムと連携できるか、セキュリティ対策が要件を満たすか、操作性とサポート体制は十分かの5点を挙げている。

料金の安さだけで決めると、必要な帳票に対応していなかったり、現場で使われないまま紙の運用が残ったりします。契約前に確かめておきたいのは、対応業務・電子申請・連携・セキュリティ・定着のしやすさの5点です。

必要な業務と帳票をカバーしているか

自社でいちばん負担が重い業務に対応しているかを、最初に確かめましょう。対象になるのは、入退社の手続き・社会保険の届出・年末調整・マイナンバー管理などです。

どれが標準機能でどれがオプションかは、製品ごとに分かれます。

加入している健康保険組合の独自様式に対応しているかどうかは、見落としやすい確認点です。組合けんぽの場合、協会けんぽとは別の様式が必要になることもあるでしょう。

電子申請(e-Gov)に対応しているか

確かめるのは、e-Gov電子申請に対応しているかどうかと、どのプランから使えるかの2点です。窓口や郵送での提出がなくなるぶん、年度替わりの繁忙期にかかる時間を短くできます。

資本金などの額が1億円を超える法人は、一部の手続きで電子申請が義務づけられているため、対応の有無を必ず確かめましょう。プランによって使えるかどうかが変わる製品もあります。

勤怠・給与など他システムと連携できるか

連携が弱いと、同じ情報を2つのシステムに入力する作業が残ります。すでに使っている勤怠管理システムや給与計算ソフト、会計ソフトの製品名を挙げて、API連携とCSV連携のどちらに対応しているかを確認しましょう。

将来的に給与計算や人事評価まで広げる予定があるなら、後から機能を足せるかどうかで選択肢が変わります。別の製品へ乗り換えるときは、従業員情報の移行をもう一度行う必要があります。

セキュリティ対策が自社の要件を満たすか

労務管理システムが預かるのは、氏名・住所・扶養情報・マイナンバーといった機密性の高い個人情報です。データの暗号化、アクセス権限の設定、二要素認証、バックアップの体制を確認しましょう。

第三者認証の取得状況も判断材料の1つです。情報セキュリティマネジメントシステムの認証やプライバシーマークを取得しているかは、公式サイトで確かめられます。

現場が使い続けられる操作性とサポート体制か

従業員が自分で入力する仕組みである以上、迷わず操作できるかどうかが定着を左右します。トライアルで確かめたいのは、管理者の画面よりも従業員が使う申請画面のほうです。

導入後のサポートの範囲も確認しておきましょう。初期設定の代行、チャットや電話での問い合わせ、専任担当者の有無は製品によって異なります。有料のオプションになっている場合もあるでしょう。

労務管理システムのおすすめ5選を比較

掲載する5製品は、労務手続きに対応するクラウド型であること、対応範囲と料金の考え方を公式サイトで確認できることの2点を基準に選びました。各製品の対応範囲と、公開されている料金は次のとおりです。

製品

提供会社

対応範囲

公開されている料金

SmartHR

株式会社SmartHR

労務手続きが中心。給与計算・勤怠管理・人事評価は有料オプション

初期導入費用とサポート費用は無料。月額は見積もり

freee人事労務

フリー株式会社

プランに応じて、給与計算から勤怠打刻・人事情報の管理まで

初期費用なし。年払いで5名分2,000円〜5,500円/月、6名以降は1名400円〜1,100円/月(税抜)

ジョブカン労務HR

株式会社DONUTS

入退社・社会保険・年末調整・マイナンバーなどの労務手続き

初期費用0円。1ユーザー400円/月(税抜)、月額の最低利用料金2,000円(税抜)

ジンジャー人事労務

jinjer株式会社

人事・労務に、勤怠や給与などの製品を組み合わせて拡張

初期費用と月額利用料。月額300円〜/人(税別)

オフィスステーション労務

株式会社エフアンドエム

労務・年末調整・給与明細などを製品単位で選択

登録料110,000円(税込)。1名あたり440円/月(税込)、10名以下は4,400円/月(税込)

料金は2026年9月時点の公開情報にもとづきます。

SmartHR

  • 入社手続き・雇用契約の電子化・給与明細・年末調整を、3つのプランから選んで利用
  • 給与計算、勤怠管理、人事評価、文書配付などは有料オプションとして追加
  • 30名までの従業員情報を登録できる¥0プランを用意

SmartHRは、株式会社SmartHRが提供するクラウド型の労務管理システムです。初期導入費用とサポート費用はかかりません。プランごとの金額は、従業員数と課題に応じた見積もりで決まります。

freee人事労務

  • 給与計算・年末調整・入退社手続き・社会保険の電子申請に対応
  • 上位プランでは勤怠打刻や有給の自動付与、人事情報の管理まで範囲が広がる
  • freee会計をはじめとする同社サービスとの連携に強み

freee人事労務は、フリー株式会社が提供するクラウド型の人事労務システムです。5名分の基本料金に、6名以降は1名ごとの料金が加わります。初期費用はかかりません。定型業務をまとめて委託できるアウトソースプランも用意されています。

ジョブカン労務HR

  • 入退社手続きや扶養・住所変更などの労務手続きを、帳票作成から電子申請まで対応
  • マイナンバー管理や年末調整を含む基本機能が、1ユーザー月400円(税抜)
  • 従業員5名までの無料プランがあり、30日間の無料お試しも利用できる

ジョブカン労務HRは、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の労務管理システムです。有料プランに従業員数の上限はなく、500名を目安とする規模では別途見積もりになります。月額の最低利用料金は2,000円(税抜)です。電子契約は1送信につき、送信先の従業員1名あたり200円(税抜)が別にかかります。

ジンジャー人事労務

  • 人事・労務管理に加えて、勤怠・給与計算・経費精算・人事評価などを製品として提供
  • 料金は利用する製品と利用人数の組み合わせで決まる
  • 人事データを同じ基盤に集め、他の製品と連携させて使える

ジンジャー人事労務は、jinjer株式会社が提供するクラウド型の人事労務システムです。費用は初期費用と月額利用料で構成され、月額は1人あたり300円から(税別)です。必要な製品を選んで組み合わせるため、対象業務を広げるほど月額は上がります。

オフィスステーション労務

  • 入退社手続き、社会保険・労働保険の手続き、マイナンバー管理などの電子化に対応
  • 労務・年末調整・給与明細などを製品単位で選び、必要な機能だけを契約できる
  • 給与・勤怠ソフトなど30以上の製品と連携

オフィスステーション労務は、株式会社エフアンドエムが提供するクラウド型の労務管理システムです。

料金は従業員数に応じた従量課金で、1名あたり月440円(税込)、従業員10名以下は一律で月4,400円(税込)です。初回の契約時には登録料110,000円(税込)がかかります。

労務管理システムの導入事例

労務管理システムを導入した3社が公表している実績です。

26種類の帳票を電子化し年間の申請処理を削減した事例

日清医療食品株式会社は、全国5,445拠点で給食の受託業務を手がけ、約5万4,000人の従業員を抱えています。

紙の申請書は事業所から営業所や支店へ郵送されており、支店に届いてからも複数の承認が必要でした。手続きに着手するまで1週間以上かかることも珍しくなかったといいます。

SmartHRの導入後は、紙で運用していた社内の26帳票を移行し、年間約17万件の申請が電子化されました。1件あたりのチェック時間を約15分とした場合、年間で42,500時間に相当します。

スマートフォンを持たない従業員には、事業所に設置済みの勤怠打刻用タブレットから申請できるようにしました。

申請の進み具合が画面で分かるようになり、書類が今どこにあるのか分からないという問い合わせも減っています。

※出典:SmartHR「年間42,500時間の業務削減。従業員5万人超“世代を超えた”労務ペーパーレス化」

勤怠と給与の一元化で給与計算の時間を短縮した事例

テテマーチ株式会社は、SNSマーケティングの支援を手がける従業員約70名の企業です。以前はスプレッドシートで勤怠と給与の情報を管理しており、担当者しか置き場所を把握していない状態が続いていました。

freee人事労務の導入後は、勤怠の集計で確認する項目が有休・残業・労働日数・欠勤に絞られ、平均6時間ほどかかっていた給与計算が1〜2時間で終わるようになりました。

従業員がスマートフォンから残業や有休を申請できるようになった結果、残業を申請していない従業員は月30名ほどから2名ほどに減っています。

※出典:freee「給与計算にかかる時間が6分の1に!業務の見える化と工数削減を実現した「freee人事労務」の実力とは」

年末調整の差し戻しと給与明細業務を圧縮した事例

全薬ホールディングス株式会社は、グループ企業を含む582名の人事・労務業務を、グループ人事部人事課の9名で担当しています。

東京のほかに福岡・大阪・名古屋・札幌にも営業所があり、年末調整の修正依頼に時間がかかっていました。

オフィスステーションを段階的に導入した結果、3〜4名で2〜3日かけていた年末調整のデータ作成と照合が、2〜3時間で終わるようになりました。差し戻しの件数も150〜200件ほどから100件未満に減っています。

給与明細も変わりました。以前は4名で1日半かけて印刷と封入をしていましたが、現在は給与データが確定してから1時間ほどで配信の準備が終わります。

※出典:オフィスステーション「全薬ホールディングス株式会社さま」

労務管理システムを導入する際の注意点

導入すれば必ず成果が出るわけではありません。総務省の令和7年通信利用動向調査では、クラウドサービスを利用する理由として「既存システムよりもコストが安いから」を挙げた企業は19.4%にとどまりました。

8つの選択肢のうち最も低い割合です。

最も多かった理由は、場所や機器を選ばずに利用できることでした。コスト削減だけを目的にすると、期待した効果が出ないおそれがあります。

契約前に確かめておきたいのは、次の3点です。

見落としやすい点

契約前に確認すること

費用に見合う効果が読めない

自社の従業員数で月額を試算し、削減できる作業時間と突き合わせる

自社の業務フローに合わない

試用期間のうちに、直近の入退社の手続きを1件通して流してみる

初期設定と周知に時間がかかる

従業員情報の移行方法と、従業員への説明をどこまで支援してもらえるかを確かめる

※出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果(別紙2)」

従業員が自分で情報を入力する仕組みは、ITに不慣れな従業員が多い職場ほど定着に時間がかかります。

日清医療食品のように、既存の共有端末を申請に使うといった工夫を先に決めておくと、運用開始後の問い合わせを抑えられるでしょう。

同じ問題は、たとえば応募者の情報を受け取る採用の場面でも起こります。応募者の情報が媒体ごとのメールや表計算ファイルに分かれていると、選考がどこまで進んでいるかを数えるだけで時間がかかるでしょう。

採用管理システム「RPM」は、複数の媒体からの応募と選考の進捗を1つの基盤で管理できます。約400の求人媒体と連携し、応募の受付から面接予約までをメール・SMS・LINEで自動化できます。

労務管理システムに関するよくある質問

導入を検討する段階で相談の多い、企業規模と無料プランについての質問をまとめました。

中小企業でも労務管理システムは必要ですか?

従業員数が少なくても、入退社や年末調整の手続きは同じように発生します。

担当者が総務や経理と兼任していることも多く、手続きが特定の1人に集中しやすい点では、むしろ中小企業のほうが属人化のリスクは高いでしょう。

クラウド型なら初期費用がかからない製品が多く、利用人数に応じた月額で始められます。まずは年末調整や入退社の手続きなど、負担がいちばん重い業務だけを対象にして試算してみましょう。

大企業向けの労務管理システムは何が違いますか?

違いが出るのは、権限設定・グループ会社への対応・既存の人事給与システムとの連携の3点です。

従業員数が多い企業では、拠点や部署ごとに閲覧できる範囲を分ける設定や、グループ会社を切り替えて管理する機能が必要になります。

すでに人事給与システムを使っている場合は、そこへデータを渡せるかどうかも確かめましょう。

一定の規模から個別見積もりに切り替わる製品もあります。自社の規模で標準プランが使えるかを、問い合わせの段階で確かめておきましょう。

無料で使える労務管理システムはありますか?

人数を絞った無料プランを用意している製品があります。SmartHRは30名までの従業員情報を登録できる¥0プラン、ジョブカン労務HRは従業員5名までの無料プランを提供しています。

ただし無料プランには機能の制限があり、ジョブカン労務HRの場合は電子申請と年末調整が使えず、データの保持期間も30日間です。手続きの電子化まで進めたいなら、有料プランを前提に費用を見積もりましょう。

労務管理システムは自社の業務フローの改善に効果的

  • 労務管理システムは、雇用契約・入退社手続き・社会保険・年末調整といった手続きを1つにまとめる仕組み
  • 公開されている料金では、月額は従業員1人あたり300円台から1,000円台が中心。登録料やオプション料金がかかる製品もある
  • 選定では、対応業務と帳票、電子申請への対応、既存システムとの連携、セキュリティ、従業員が使う画面の操作性を確かめる

労務管理の電子化で効果が出ているのは、紙の回収と転記に時間を取られていた業務です。

導入事例でも、年末調整の照合や給与明細の配付のように、同じ作業を人数分繰り返していた工程で時間が減っています。自社でその工程がどこにあたるのかを、先に洗い出しておきましょう。

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髙田輝之
髙田輝之
エン株式会社(旧・エン・ジャパン)およびゼクウで営業部長を歴任。 15年以上にわたりHR業界に携わり、企業の新卒・中途採用支援を中心に、採用戦略設計・広告運用・採用管理システム(ATS)導入・歩留まり改善など、採用領域全般の課題解決に従事。現在はゼクウにて、採用管理やHRテクノロジーをはじめ、人材採用から定着・育成までをカバーするHR全体の仕組み最適化をテーマに、記事企画・監修・執筆を行っている。現場で培った知見を活かし、複雑な人事課題を構造的に整理し、読者が正しく判断できる情報発信を心がけている。

RPMの導入前に知っておきたいポイントをご紹介

目次[非表示]

  1. ・労務管理システムとは
    1. ・労務管理システムが扱う業務の範囲
    2. ・勤怠管理システムとの違い
    3. ・人事管理システムとの違い
  2. ・労務管理システムの主な機能
    1. ・従業員情報とマイナンバーの一元管理
    2. ・入退社・社会保険手続きの自動作成と電子申請
    3. ・勤怠管理・給与計算との連携
    4. ・年末調整のオンライン化
    5. ・給与明細や雇用契約書の電子配信
  3. ・労務管理システムの種類と提供形態
    1. ・対応範囲で分かれる3つのタイプ
    2. ・クラウド型とオンプレミス型の違い
  4. ・労務管理システムを導入するメリット
    1. ・労務管理業務の時間を減らし残業を抑えられる
    2. ・転記や記入漏れによる手続きミスを防げる
    3. ・法改正への対応が追いつきコンプライアンスを強化できる
  5. ・労務管理システムの費用相場
    1. ・初期費用はクラウド型なら0円のケースが多い
    2. ・月額利用料は従業員1人あたり数百円が中心
  6. ・労務管理システムの選び方と比較ポイント
    1. ・必要な業務と帳票をカバーしているか
    2. ・電子申請(e-Gov)に対応しているか
    3. ・勤怠・給与など他システムと連携できるか
    4. ・セキュリティ対策が自社の要件を満たすか
    5. ・現場が使い続けられる操作性とサポート体制か
  7. ・労務管理システムのおすすめ5選を比較
    1. ・SmartHR
    2. ・freee人事労務
    3. ・ジョブカン労務HR
    4. ・ジンジャー人事労務
    5. ・オフィスステーション労務
  8. ・労務管理システムの導入事例
    1. ・26種類の帳票を電子化し年間の申請処理を削減した事例
    2. ・勤怠と給与の一元化で給与計算の時間を短縮した事例
    3. ・年末調整の差し戻しと給与明細業務を圧縮した事例
  9. ・労務管理システムを導入する際の注意点
  10. ・労務管理システムに関するよくある質問
    1. ・中小企業でも労務管理システムは必要ですか?
    2. ・大企業向けの労務管理システムは何が違いますか?
    3. ・無料で使える労務管理システムはありますか?
  11. ・労務管理システムは自社の業務フローの改善に効果的