
【2026年最新】特定技能×派遣の完全ガイド|認められる分野・要件・注意点を解説
外国人が日本で働くには、「在留資格」と呼ばれる就労の許可が必要です。
その在留資格の一つが「特定技能」で、人手不足が深刻な19の分野(工場・飲食・介護・ホテル・農業など)で外国人を受け入れるために設けられた制度です。
ただし、特定技能だからといって19分野すべてで派遣形態の受け入れができるわけではありません。
特定技能の雇用形態は原則として直接雇用(フルタイム)で、派遣が認められるのは農業と漁業の2分野だけです。
しかし、この2分野に限っては派遣会社・派遣先それぞれに要件が定められており、要件を満たせば派遣形態での受け入れが可能です。
本記事では、特定技能の派遣が認められる背景から、派遣先・派遣会社が満たすべき要件、受け入れまでの流れ、実務で注意すべきポイントまでを一記事で整理します。
特定技能で派遣が認められる分野と、例外的に派遣が許可されている理由
派遣先・派遣会社それぞれが満たすべき要件と、受け入れまでの具体的な流れ
在留期限と派遣期間の二重管理や、業務範囲の逸脱リスクなど実務上の注意点
なお、外国人を派遣で受け入れる際の注意点(在留資格の確認、不法就労助長罪のリスクなど)は下記記事で詳しく解説しています。
本記事ではそのなかでも、特定技能の派遣にテーマを絞り、制度の仕組みから実務の注意点までを整理します。

特定技能とは、人手不足が深刻な産業分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を受け入れるために、2019年4月に創設された在留資格です。
受け入れにあたっての雇用形態は原則として直接雇用(通常の労働者と同等の所定労働時間を満たすフルタイム)とされていますが、農業と漁業分野では例外的に派遣形態での受け入れも認められています。
本章では、まず特定技能の区分と対象分野の全体像を整理しましょう。
特定技能の種類|1号と2号 それぞれの特徴
特定技能の制度を理解するうえで押さえておきたいのが、1号と2号という2つの区分です。
特定技能1号は、対象分野で一定の知識・経験を持つ外国人が、人手不足の現場で即戦力として働くための在留資格です。
取得するには、分野ごとの技能試験と日本語試験に合格する必要があります。
特定技能2号は、1号からさらに経験を積み、熟練した技能を持つと認められた外国人向けの在留資格です。
1号と比べて在留期間や家族帯同の面で優遇されており、より長期的な就労・定着を想定した区分になっています。
両者の違いを表にまとめると以下の通りです。
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
|---|---|---|
技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
在留期間 | 通算で上限5年 | 在留期間の更新回数に上限なし(更新を続ける限り就労可能) |
家族の帯同 | 認められていない | 配偶者・子の帯同が可能 |
対象分野 | 19分野すべて | 11分野(※) |
派遣の可否 | 農業・漁業のみ可能 | 農業・漁業のみ可能 |
日本語試験 | 必要 | 不要 |
※特定技能2号は、介護などの分野を除く11分野が対象です。2024年以降に追加された新規分野(自動車運送業・鉄道・林業・木材産業・リネンサプライ・物流倉庫・資源循環)は、現時点では1号のみ受け入れ可能です。(参考:厚生労働省『育成就労制度・特定技能制度をはじめ最近の外国人政策の動き』)
派遣の可否は1号・2号の区分ではなく「分野」で決まるため、派遣という観点では1号と2号に違いはありません。
農業・漁業であれば1号でも2号でも派遣が可能で、それ以外の分野では2号であっても派遣は認められていません。
なお、1号が19分野すべてを対象としているのに対し、2号が11分野にとどまっているのは、介護分野では在留資格「介護」という別の長期就労の仕組みがすでに用意されていること、また2024年以降に追加された7分野ではまだ2号の技能評価試験が整備されていないことが理由になります。
一方、派遣で受け入れる期間を考えるうえでは、1号と2号の在留期間の違いが影響します。
1号は通算5年が上限のため、長期の戦力として見込む場合は契約期間と在留期限の兼ね合いに注意が必要です。
2号であれば在留期間の上限がなく、更新を続ける限り長期の受け入れが可能になります。
特定技能で受け入れ可能な19分野と派遣の可否
特定技能の受け入れ対象として指定されている分野は、2026年1月の閣議決定により19分野となっています。
いずれも直接雇用での受け入れが可能ですが、派遣形態が認められるのは農業と漁業の2分野のみです。(参考:厚生労働省『育成就労制度・特定技能制度をはじめ最近の外国人政策の動き』)
各分野の主な業務内容と、雇用形態ごとの受け入れ可否を以下の表にまとめました。
分野 | 主な業務内容 | 直接雇用可否 | 派遣可否 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
介護 | 身体介護・生活支援、施設での介護 | 〇 | × | ー |
ビルクリーニング | 建築物の内部の清掃 | 〇 | × | ー |
工場製品製造業 | 機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理など | 〇 | × | ー |
建設 | 土木、建築、ライフライン・設備など | 〇 | × | ー |
造船・舶用工業 | 造船、舶用機械、舶用電気電子機器 | 〇 | × | ー |
自動車整備 | 日常点検整備、定期点検整備、特定整備 | 〇 | × | ー |
航空 | 空港グランドハンドリング、航空機整備 | 〇 | × | ー |
宿泊 | フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなど | 〇 | × | ー |
農業 | 耕種農業全般(栽培管理、収穫など)、畜産農業全般(飼養管理など) | 〇 | 〇 | ー |
漁業 | 漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の採捕など)、養殖業 | 〇 | 〇 | ー |
飲食料品製造業 | 飲食料品の製造・加工、安全衛生管理 | 〇 | × | ー |
外食業 | 調理、接客、店舗管理 | 〇 | × | ー |
自動車運送業 | トラック、バス、タクシーの運転業務 | 〇 | × | 2024年追加。1号のみ |
鉄道 | 軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員 | 〇 | × | 2024年追加。1号のみ |
林業 | 育林、素材生産など | 〇 | × | 2024年追加。1号のみ |
木材産業 | 製材、合板製造など | 〇 | × | 2024年追加。1号のみ |
リネンサプライ | リネン類の洗濯、仕上げ、納品管理など | 〇 | × | 2026年追加。受け入れは2027年度開始予定 |
物流倉庫 | 倉庫内での荷物の管理・仕分けなど | 〇 | × | 2026年追加。受け入れは2027年度開始予定 |
資源循環 | 廃棄物の処理・リサイクルなど | 〇 | × | 2026年追加。受け入れは2027年度開始予定 |
このように、特定技能は現在19分野で受け入れが可能ですが、派遣形態が認められるのは農業・漁業の2分野のみです。
次章では、なぜこの2分野だけが例外的に派遣を認められているのか、その背景を整理します。
特定技能外国人の派遣が認められる分野とその背景
前章で見たとおり、特定技能の雇用形態は原則として直接雇用です。
しかし、農業と漁業の2分野に限っては例外的に派遣形態での受け入れが認められています。
他の分野で派遣が認められていないのは、外国人労働者の雇用の安定性を確保するためです。
派遣形態はフルタイムの直接雇用に比べて雇用が不安定になりやすく、制度上は直接雇用を基本としています。
ただし農業と漁業については、この考え方が逆に働きます。
農業・漁業で派遣が例外的に認められる理由
両分野には以下のような産業構造上の特性があり、直接雇用にこだわるとかえって外国人労働者の就労が不安定になるおそれがあります。
- 季節による繁閑差が大きい。
農業では作物の播種・収穫時期に労働需要が集中し、それ以外の時期は大幅に減少します。
漁業でも魚種や漁法によって漁期が限られ、年間を通じた安定的な業務量の確保が難しいケースが多くあります。
- 同じ地域でも事業者ごとに繁忙期がずれる。
農業では栽培する作物によって、漁業では対象とする魚種や漁法によって、同じ地域内でも人手が必要な時期が異なります。
例えば農業であれば、春はいちご農家、夏はトマト農家、秋はりんご農家と、季節ごとに忙しい農家が変わります。
派遣形態であれば、こうした繁忙期のずれに合わせて同じ外国人をA農家→B農家→C農家へ順に派遣できるため、外国人にとっても年間を通じた安定した就労につながります。
- 小規模な事業者が多く、半島・離島地域に点在している。
特に漁業では、個人経営や家族経営の小規模な事業者が多く、地理的にも分散しています。
個々の事業者が単独で外国人を直接雇用し支援義務を果たすのは負担が大きい場合があり、派遣会社が雇用管理や支援を一元的に担うことで受け入れがしやすくなります。
こうした特性から、農業・漁業では派遣形態を認めたほうが外国人労働者の安定的な就労につながるため、例外的に派遣が認められています。
特定技能を受け入れる際の派遣先・派遣会社それぞれが満たすべき要件

農業・漁業で派遣が認められる背景を整理したところで、実際に派遣形態で特定技能外国人を受け入れるには、派遣先と派遣会社がそれぞれ一定の要件を満たす必要があります。
特定技能の派遣は、一般的な人材派遣とは異なり、派遣会社になれる事業者の範囲が農業・漁業に関連する組織に限定されているのが大きな特徴です。
派遣先(受け入れ企業)が満たすべき要件
派遣先として特定技能外国人を受け入れるには、農業・漁業共通で以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
- 過去1年以内に、特定技能外国人が従事する予定の業務と同種の業務に従事していた労働者を、自社都合で離職させていないこと
- 過去1年以内に、自社の責めに帰すべき事由により行方不明の外国人を発生させていないこと
- 刑罰法令違反による罰則を受けていないことなど、欠格事由に該当しないこと
- 特定技能協議会が行う調査や情報提供の要請に対して、必要な協力を行うこと
※特定技能協議会とは、各分野を管轄する省庁(農業・漁業の場合は農林水産省)が設置する協議の場で、特定技能外国人の適正な受け入れと保護を目的に、受け入れ機関や業界団体、関係省庁が情報共有や課題への対応を行っています。
なお、農業分野では上記に加え、過去5年以内に同種の業務で労働者(技能実習生を含む)を6か月以上雇用した実績があること、または派遣先責任者講習を受講し派遣先責任者を選任していることも求められます。
派遣先は協議会への加入義務はありませんが、協議会からの調査や帳簿書類の提出要請には応じる必要がある点は押さえておきましょう。
派遣会社が満たすべき要件
派遣会社は、労働者派遣事業の許可を持っていることに加え、農業・漁業に関連する事業者であることが前提です。
一般的な人材派遣会社がそのまま参入できるわけではありません。
具体的には、以下のいずれかに該当する必要があります。
農業分野の場合
- 農業または農業関連業務を行っている事業者(農業協同組合、農業者が組織する事業協同組合など)
- 上記の事業者または地方公共団体が資本金の過半数を出資している事業者
- 地方公共団体または上記の事業者が業務執行に実質的に関与していると認められる事業者
- 国家戦略特別区域法に規定する「特定機関」の認定を受けた事業者
漁業分野の場合
- 漁業または漁業関連業務を行っている事業者(漁業協同組合、漁業生産組合など)
- 上記の事業者または地方公共団体が資本金の過半数を出資している事業者
- 地方公共団体または上記の事業者が業務執行に実質的に関与していると認められる事業者
いずれの分野でも、農協や漁協のように業界団体としての性格を持つ組織が派遣会社となるケースが想定されています。
加えて、派遣会社は農林水産省が設置する特定技能協議会に加入する義務があります。
派遣形態の場合、特定技能外国人の受け入れ機関(所属機関)は派遣会社となるため、協議会への加入義務も派遣会社側が負います。
派遣形態で特定技能外国人を受け入れるまでの流れ
前章では派遣先・派遣会社それぞれが満たすべき要件を整理しました。
ここでは、要件を満たしたうえで実際にどのような手順で受け入れを進めるのかを、派遣会社側・派遣先側に分けて整理します。
派遣会社側の準備と手続きのステップ

人材の募集・選考
海外から新規に呼び寄せる場合と、国内在住者(技能実習修了者や留学生など)を採用する場合の2パターンがあります。
いずれも技能試験と日本語試験に合格していること(または技能実習2号を良好に修了していること)が前提です。
求人媒体やあっせん機関を通じて候補者を集め、応募者の在留資格や試験合格状況を確認しながら選考を進めます。
応募数が増えるほど情報管理が煩雑になるため、 採用管理システム(ATS) を使って応募情報を一元管理しておくと、対応漏れを防ぎやすくなります。
派遣先との労働者派遣契約の締結
どの派遣先で、どの業務に、いつからいつまで従事するかを定めた労働者派遣契約を派遣先と結びます。
雇用契約の締結
派遣会社と特定技能外国人の間で雇用契約を締結します。
報酬は日本人と同等以上であること、通常の労働者と同等の所定労働時間を満たすフルタイムであることなど、制度上の要件を満たす内容にする必要があります。
1号特定技能外国人支援計画の作成
生活オリエンテーション、住居の確保、日本語学習の機会の提供など、10項目の義務的支援を盛り込んだ支援計画を作成します。
自社で支援が難しい場合は、登録支援機関に委託することも可能です。
特定技能協議会への加入
農林水産省が設置する協議会にオンラインで加入申請を行います。
申請から加入通知書の交付まで、通常2週間程度かかります。
在留資格の申請
海外から新規入国する場合は「在留資格認定証明書交付申請」、国内で在留資格を切り替える場合は「在留資格変更許可申請」を地方出入国在留管理局に提出します。
必要書類が多いため、行政書士に申請取次を依頼するケースも多いです。
事前ガイダンスの実施
就労開始前に、労働条件や日本での生活に関する情報を外国人が理解できる言語で説明します。
就労開始
在留資格の許可が下り、在留カードが交付されたら就労を開始できます。
海外からの入国の場合は、空港への送迎や住居の確保など、生活基盤を整えるサポートも必要です。
このように、派遣会社側は手続きのステップが多く、在留資格の申請から協議会への加入、支援計画の実行まで幅広い対応が求められます。
特に在留資格の審査には時間がかかるため、繁忙期に合わせて受け入れを計画する場合は、海外からの新規入国で一般的には3〜6か月、国内在住者の切替でも1〜3か月を見込んで早めに動き始めることが重要です。
派遣先(受け入れ企業)側のステップ

自社の要件確認
前章で整理した派遣先の要件(法令遵守、離職歴、欠格事由など)を自社が満たしているか確認します。
農業分野の場合は、過去5年以内の雇用実績または派遣先責任者の選任も必要です。
要件を満たしていなければ派遣契約自体が結べないため、早い段階で確認しておきましょう。
派遣会社との労働者派遣契約の締結
業務内容、派遣期間、就業場所、指揮命令者などを定めた契約を締結します。
業務内容は特定技能の在留資格で認められる範囲に限定する必要があるため、「現場の実際の作業」と「契約上の業務範囲」にズレがないか、派遣会社とすり合わせておくことが大切です。
受け入れ体制の整備
業務の指揮命令系統や安全衛生管理の体制を整えます。
具体的には、現場で指揮命令を行う担当者の選任、外国人が理解できる形での安全教育の実施、業務マニュアルや危険表示の多言語化などが挙げられます。
特に農業・漁業では作業中の事故リスクがあるため、安全面の準備は受け入れ前に済ませておく必要があります。
住居や生活環境のサポート
支援義務は派遣会社側にありますが、住居の確保や通勤手段の検討など、派遣先の地域事情に関わる部分では派遣先の協力が求められるケースがあります。
特に半島・離島地域では住居の選択肢が限られることもあるため、派遣会社と事前に相談しておくとスムーズです。
就労開始後の管理
派遣先管理台帳の作成・保管、業務内容が契約の範囲内に収まっているかの確認など、労働者派遣法に基づく管理義務を果たします。
また、協議会からの調査や帳簿書類の提出要請にも対応する必要があります。
派遣先管理台帳について詳しく知りたい方は下記記事を参照してください。
派遣先にとって手続き上の負担は派遣会社ほど大きくありませんが、現場の受け入れ体制が整っているかどうかが就労開始後のトラブル防止に直結します。
「人が来てから考える」のではなく、契約締結の段階で業務範囲と安全体制を固めておくことが、スムーズな受け入れのポイントです。
派遣形態での受け入れで押さえるべき実務上の注意点

受け入れまでの流れを把握したところで、実際に運用を始めてから見落としやすいポイントを整理します。
特定技能の派遣は、通常の派遣とも通常の特定技能(直接雇用)とも異なるルールが重なるため、事前に全体像を把握しておくことが重要です。
なお、外国人を派遣で受け入れる際の注意点(在留資格の確認方法、不法就労助長罪のリスクなど)については、下記記事で詳しく解説しています。
本章では、特定技能の派遣に固有の注意点に絞って整理します。
派遣の対象地域は「日帰りで苦情処理に行ける範囲」に限られる
特定技能の派遣では、派遣会社の責任者が日帰りで派遣労働者からの苦情処理を行える地域に派遣先が所在していることが求められます。
派遣会社と派遣先があまりにも遠方に離れている場合は、派遣形態での受け入れが認められません。
この要件は特に派遣会社にとって重要で、自社の拠点からどの範囲までカバーできるかを事前に把握しておく必要があります。
農業・漁業は地方や半島・離島に事業者が点在している場合もあるため、派遣先の候補を広げるなら、拠点の配置も含めた検討が求められます。
派遣先としても、依頼を検討している派遣会社がこの距離要件を満たしているかどうかを、契約前に確認しておくと安心です。
業務内容が在留資格の範囲を超えないよう管理する
派遣先の現場では、契約で定めた業務範囲を超えた作業を指示してしまうリスクがあります。
在留資格で認められない業務に従事させた場合、不法就労となり、派遣先も責任を問われるおそれがあります。
この点は、日々の業務指示を行う派遣先が特に注意すべきポイントです。
例えば、農業の耕種区分で受け入れた外国人に畜産の作業を指示する、本来の農作業とは無関係な業務を恒常的に行わせるといったケースが該当します。
派遣会社としても、派遣先の業務内容と在留資格の整合性を契約段階で確認し、就労開始後も定期的に実態を把握しておくことが重要です。
派遣業務に関わる法律ルールの全体像については、派遣業務とは?仕事内容・できない業務・法律ルールを解説も参考にしてください。
在留期限と派遣期間(3年ルール)の両方を管理する
特定技能の派遣では、性質の異なる2つの期限が同時に走ります。
1つは在留資格の期限、もう1つは労働者派遣法の派遣期間(原則最長3年)です。
特定技能1号の在留期間は通算5年ですが、派遣の3年ルールが先に適用されるケースがあります。
また、在留期限が先に来れば派遣期間の途中でも就労できなくなります。
派遣会社は在留期限の管理を、派遣先は派遣期間の抵触日の把握をそれぞれ主体的に行いつつ、互いの状況を共有しておくことがトラブル防止につながります。
3年ルールについて確認したい方は派遣の3年ルールとは?抵触日の例外パターンや延長手続きを完全解説も参考にしてください。
FAQ:よくある質問
介護分野で特定技能の派遣はできる?
介護分野では、派遣形態での受け入れは認められていません。
特定技能で派遣形態が認められるのは農業と漁業の2分野のみで、介護を含むその他の分野は直接雇用が前提です。
介護分野で特定技能外国人を受け入れるには、受け入れ企業が直接雇用契約を結ぶ必要があります。
なお、一般的な介護派遣は日本人や永住者など就労制限のない方を中心に行われており、それ自体は存在します。
ここで「できない」としているのは、あくまで在留資格「特定技能」での派遣形態についてです。
「特定派遣」と「特定技能の派遣」は何が違う?
名称は似ていますが、別の制度です。
「特定派遣」は、かつて労働者派遣法で定められていた届出制の派遣事業の区分で、2015年の法改正により廃止されました。
一方、「特定技能の派遣」は在留資格「特定技能」の枠組みのなかで農業・漁業に限り認められている雇用形態です。
制度の根拠も目的も異なります。
特定技能の派遣で受け入れられる人数に上限はある?
農業・漁業分野では、受け入れ企業ごとの人数上限は設けられていません。
ただし、特定技能制度全体として分野ごとの受け入れ見込数(上限として運用)が設定されており、分野全体の受け入れ状況によっては影響を受ける可能性があります。
繁忙期だけ派遣で受け入れて閑散期は帰国させることは可能?
制度上は可能です。在留資格の取扱いによっては帰国期間が通算期間に含まれないケースがあります。
例えば毎年繁忙期の半年間だけ受け入れ、閑散期は帰国してもらう場合、計算上は最大10シーズン分の受け入れが可能になります。
ただし、帰国・再入国のたびに渡航費用が発生するほか、在留資格の手続きも必要になるため、派遣会社と事前にスケジュールと費用を整理しておくことが重要です。
特定技能の派遣会社を選ぶときに確認すべきことは?
派遣先の立場から確認しておきたいポイントは主に4つあります。
農業・漁業分野での特定技能外国人の派遣実績があるか
義務的支援の体制が整っているか
自社の所在地から日帰りで苦情処理に行ける距離に派遣会社の拠点があるか
派遣料金の内訳(賃金、社会保険料、マージンなど)を明確に説明してくれるかどうか
特定技能の派遣は関わる制度が複雑なため、不明点を契約前に解消してくれる派遣会社かどうかが、スムーズな受け入れの分かれ目になります。
まとめ|特定技能の派遣は農業・漁業限定、要件の把握と管理体制の整備がカギ
本記事では、特定技能外国人の派遣について、制度の全体像から要件、受け入れの流れ、実務上の注意点までを整理しました。
最後に要点を振り返ります。
- 特定技能で派遣形態が認められるのは、19分野のうち農業と漁業の2分野のみ。季節による繁閑差や小規模な事業者が多いといった産業構造上の特性から、例外的に認められている
- 派遣先・派遣会社にはそれぞれ満たすべき要件があり、派遣会社は農業・漁業に関連する事業者に限られる
- 受け入れまでには在留資格の申請や支援計画の作成など複数のステップがあり、海外からの新規入国なら一般的には3〜6か月の準備期間が必要
- 実務では、在留期限と派遣期間(3年ルール)の二重管理や、業務内容が在留資格の範囲を超えないかの確認など、直接雇用にはない注意点がある
特定技能の派遣は制度が複雑なぶん、要件の把握と管理体制の整備が受け入れ成功のカギを握ります。
特に派遣会社にとっては、人材の募集から在留資格の管理、義務的支援の実施まで対応範囲が広く、スタッフの人数が増えるほど応募情報や在留情報の管理が煩雑になります。
こうした管理の負担を軽減する手段の一つとして、応募の受付から在留情報の一元管理までをカバーできる採用管理システム(ATS)の導入も選択肢に入ります。
採用管理システム「RPM」では、チャットボット機能を通じた登録時の在留資格確認や、質問項目のカスタマイズ、スタッフ情報の一元管理が可能です。
特定技能の派遣事業における管理体制の整備にご関心のある方は、以下の資料もあわせてご覧ください。







