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製造業界におすすめの採用管理システム5選。業界ならではの課題や選定ポイント

製造業の採用は、熟練人材の高齢化や人手不足に加え、工場・工程ごとの運用の違い、正社員・期間工・派遣の混在、そしてアナログ管理による属人化などが重なり、管理そのものが難しくなっています。

こうした状況の中で、採用管理システム(ATS)は、単なる応募者管理ツールではなく現場実態に合わせた運用基盤としての役割を担います。

本記事では、採用管理システム「RPM」を提供する株式会社ゼクウが、製造業ならではの選定ポイントやおすすめの採用管理システムを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.製造業ならではの採用管理の課題
    1. 1.1.技能人材の高齢化と人材確保の難しさ
    2. 1.2.多拠点・多雇用形態による採用管理の複雑化
    3. 1.3.デジタル化の遅れによる採用業務の属人化
  2. 2.製造業に適した採用管理システム(ATS)とは
  3. 3.製造業向け採用管理システムに求められる主な機能
    1. 3.1.拠点・工場単位での選考管理機能
    2. 3.2.求人ページの作成と媒体連携機能
    3. 3.3.応募対応・日程調整を支援する機能
    4. 3.4.権限管理・個人情報管理に関する機能
  4. 4.製造業向け採用管理システムの比較ポイント
    1. 4.1.採用スピードをどれだけ高められるか
    2. 4.2.拠点ごとの実態に合わせられる柔軟性があるか
    3. 4.3.現場担当者が使いやすい設計・操作性か
    4. 4.4.セキュリティ・権限管理が十分か
  5. 5.製造業界に導入実績のあるおすすめの採用管理システム
    1. 5.1.RPM
    2. 5.2.sonar ATS
    3. 5.3.JobSuite CAREER
    4. 5.4.HRMOS採用
    5. 5.5.採用一括かんりくん
  6. 6.製造業向け採用管理システムの費用相場と考え方
    1. 6.1.クラウド型・オンプレミス型による料金形態の違い
    2. 6.2.製造業における費用対効果の考え方
  7. 7.製造業で採用管理システムを導入するメリット
    1. 7.1.採用業務を属人化させず、安定して回せる体制を作れる
    2. 7.2.採用状況が可視化され、改善ポイントを見つけやすくなる
    3. 7.3.採用コストと欠員コストを抑えられる
    4. 7.4.個人情報管理のリスクを抑えた採用運用ができる
  8. 8.製造業での採用管理システム導入にあたってよくある質問
    1. 8.1.派遣社員や期間工の採用も同じシステムで管理できますか?
    2. 8.2.現場ではパソコンを使用しないのですが、採用管理システムは定着しますか?
    3. 8.3.採用管理システムの導入にはどのくらい時間がかかりますか?
  9. 9.まとめ:製造業の実務に合う採用管理システム選定が採用成果を左右する

製造業ならではの採用管理の課題

製造業の採用は、単に「人が足りない」という問題だけでなく、人材構造の変化・拠点運用の複雑さ・業務のアナログ管理が重なり合うことで、採用管理そのものが難しくなりがちです。

製造業ならではの採用管理の課題

これらは個別の問題というより、互いに影響し合って採用現場の負担を大きくしている構造的な課題と言えます。

技能人材の高齢化と人材確保の難しさ

日本の製造業では熟練技能者の高齢化や退職が進む一方で、若手の確保が追いつかないといった構造的な人材不足が続いています。厚生労働省による統計では、2003年の約1,178万人だった製造業の就業者数が、2025年には約1,033万人へと約20年間で140万人が減少している状況です。

労働人口全体が減少傾向にある中、入職者より離職者が多い状況が続くと、技能継承や現場戦力の確保が難しくなり、採用活動の長期化や候補者の重複対応など採用管理の負荷も増しています。

こうした背景から、単に人を募集するだけでは不足を補えず、辞退やミスマッチを減らす採用プロセスの設計と管理も重要になっています。

※出典:厚生労働省「労働力調査 基本集計 全都道府県 全国 年次2-5-1 産業,職業別就業者数(2000年~2008年)」、「労働力調査 基本集計 全都道府県 全国 年次2-5-1 産業,職業別就業者数(2009年~)

多拠点・多雇用形態による採用管理の複雑化

製造業の採用は、本社一括で完結するものではなく、工場や拠点、工程ごとに行うことがほとんどです。そのため、採用活動そのものよりも、管理の複雑さが負担になっている企業は少なくありません。

  • 欠員が出たラインを優先的に補充する採用や、数か月先を見据えた採用が拠点ごとに同時に進んでいる
  • 正社員、期間工、派遣社員など雇用形態が混在し、同じ職種名であっても選考基準や契約条件が異なる
  • 求人媒体、紹介会社、派遣会社と応募経路が多岐に渡る

結果、どの採用を優先すべきか判断できず、連絡漏れや対応遅延、重複応募が起こりやすい状態です。

拠点や雇用形態、応募経路が異なっていても、採用状況を横断的に把握し、優先順位や対応状況を一元的に管理できる体制が重要になります。

デジタル化の遅れによる採用業務の属人化

製造業では、採用業務がExcelやメール、各求人媒体の管理画面に分散し、全体を一元的に把握できないまま運用されているケースが少なくありません。中には電話対応で採用管理が進んでいる企業もあるでしょう。

応募情報や対応状況が担当者個人に依存すると、応募への初回対応が遅れ、そのまま辞退につながることもあります。面接日程の調整が後回しになり、日程がなかなか決まらない、何度も日程調整が発生するといった問題も起きやすいです。

こうした状態が続くと、採用対応の質は担当者の経験に左右され、異動や退職時の引き継ぎも困難になります。属人化を防ぐためにも、アナログ運用からの脱却が重要視されています。

製造業に適した採用管理システム(ATS)とは

採用管理システム(ATS)とは、応募者情報や選考状況、対応履歴をオンラインで一元管理し、採用業務を効率化するシステムです。導入によって応募対応の遅れや進捗の見落としを防ぎ、採用状況を把握しやすくなります。

中でも製造業に適した採用管理システムとは、前述のような採用課題の解消に長けた機能を備えたシステムです。

製造業におすすめの採用管理システム

拠点・工場ごとの運用の違いや派遣を含む多様な採用経路といった、実務の複雑さを前提に設計される必要があり、単なる応募者管理にとどまらず、現場実態を吸収できる仕組みであるかが重要です。

ここからは、製造業の採用管理で押さえておきたい具体的な機能を見ていきます。

製造業向け採用管理システムに求められる主な機能

製造業の採用を安定的に運用する際には、実務に即した機能が備わっている必要があります。製造業向け採用管理システムに必要な機能

ここでは、製造業の採用実務を前提とした場合に、採用管理システムに最低限求められる主要な機能を整理します。

拠点・工場単位での選考管理機能

製造業の採用では、拠点・工場単位で選考状況を管理できる機能が不可欠です。採用単位が「職種」ではなく工場・ライン・工程になりやすく、たとえば同じ「製造オペレーター」でもラインAとラインBでは必要人数や緊急度が異なるためです。

欠員は生産計画や残業、納期に直結します。「どの工場のどの工程で選考が滞っているのか」をすぐに把握するためには、拠点別に選考ステータスを整理し、面接官や評価者を紐づけ、滞留箇所を可視化できることが重要です。

さらに、緊急度に応じて優先順位を付けられる設計であれば、人事は「今どこに介入すべきか」を迷わず判断できるでしょう。

求人ページの作成と媒体連携機能

拠点・工場ごとに求人ページを作成し、主要媒体と連携できる機能も重要です。具体的には、下記の一連の機能を指します。

  • 工場別の求人原稿を採用管理システム上で作成・編集する機能
  • Indeedや求人ボックスなどの主要媒体へ掲載できる機能
  • 各媒体からの応募データを自動で採用管理システムへ取り込む機能

応募母集団を短期間で増やしにくい業界だからこそ、求人内容の質と掲載スピードが採用成果を左右します。工場ごとに夜勤の有無、交代制、休日カレンダー、手当などの条件が異なるため、テンプレを活用しつつ必要部分だけを個別編集できる機能があれば十分です。

媒体連携の面では、自動掲載できる求人媒体数の数も重要です。多くの媒体と連携できるシステムであれば、応募数の改善にもつながります。

応募対応・日程調整を支援する機能

製造業の採用では、応募対応や日程調整を仕組みとして回せる機能が重要です。人材確保が難しく、応募数を短期間で増やしにくい業界だからこそ、来た応募を確実に逃さない運用が求められます。

応募への初回連絡が遅れたり、日程調整が属人化すると、少ない母集団の中で辞退が発生しやすくなります。下記のような機能があれば、対応の遅れやバラつきを防ぎ、安定した選考につなげられます。

  • 応募直後の自動返信
  • 未返信者へのリマインド通知
  • 候補者側での面接日程選択(候補日時提示)

権限管理・個人情報管理に関する機能

製造業の採用管理では、権限管理と個人情報管理を細かく制御できる機能が必要です。

現場を巻き込むほど情報共有は進みますが、その分、履歴書や連絡先といった個人情報が広がりやすくなります。一方で、現場が関与しなければ選考が進まないのも事実です。

システムには、役割ごとに閲覧・編集範囲を分け、現場には必要最低限の情報だけを共有する設計が求められます。アクセス履歴の記録や情報持ち出し防止など、事故を防ぐ仕組みがあるかも重要な判断材料です。

製造業向け採用管理システムの比較ポイント

採用管理システムは、必要な機能が揃っているだけでは十分ではありません。ここでは単なる機能の有無ではなく、導入効果が発揮されるか見極めるための比較観点を整理します。

製造業におけるATS選定のポイント

採用スピードをどれだけ高められるか

製造業は応募母集団を短期間で増やしにくく、来た応募を取りこぼさないことが採用成果を左右します。そのため、比較ポイントとして重要なのは「どれだけ初動対応を早められるか」です。

具体的には、連携できる求人媒体の数と、実装品質(自動取り込み・重複排除・拠点振り分け)が十分かを確認しましょう。そのうえで、未対応者への自動リマインド(追いかけ)機能の有無・条件設定の柔軟性を確認します。

さらに、面接候補日の自動提示、対応期限アラート、滞留の可視化などが一連で回るかどうかで、実際の採用リードタイムは大きく変わります

拠点ごとの実態に合わせられる柔軟性があるか

製造業では本部の標準と現場の実態が乖離するケースがあるため、システム比較では「例外処理をどう吸収できるか」を確認しましょう。

  • 拠点別に選考ステータスや面接フローを分けて設定できるか
  • 面接官・承認者を工場単位で切り替えられるか
  • 工場カレンダー(夜勤・交代制・停止日)を面接可能枠に反映できるか
  • 滞留アラートを拠点ごとに出し分けられるか

高機能な採用管理システムであれば、共通ルールを保ちつつ拠点例外を許容できます。

現場担当者が使いやすい設計・操作性か

製造現場は「毎日PCにログインする前提」が成り立たないため、比較の軸はアクセスのしやすさと最小関与です。確認すべきは下記の機能が備わっているかどうかです。

  • スマホ・タブレット対応

  • 面接日程の確認・承認だけで完結できる日程調整機能

  • 評価やコメントを後回しにしても選考が止まらない運用設計

現場がマニュアルなしでも操作できるシンプルな設計であるほど協力が得られ、人事が個別に催促する手間も減ります。

セキュリティ・権限管理が十分か

現場を巻き込みながら個人情報を守るために、権限管理とログの仕組みが十分かを最終確認しましょう。役割ごとに閲覧・編集範囲を分け、現場には面接に必要な情報だけを共有し、履歴書原本や連絡先などは人事に限定できる設計が望ましいです。

アクセスログ、IP制限や二要素認証などの基本対策に加え、社外(紹介・派遣)との共有範囲を細かく切れるかも重要です。運用で事故を起こさない前提を満たす必要があります。

製造業界に導入実績のあるおすすめの採用管理システム

ここでは、製造業への導入実績があり、機能要件としても十分におすすめできる代表的な採用管理システムを紹介します。

  • RPM:雇用形態を問わない大規模採用向け
  • sonar ATS:新卒採用に強み
  • JobSuite CAREER:中途採用に強み
  • HRMOS採用:中途採用に強み
  • 採用一括かんりくん:必要機能に絞ったシンプルな構成が強み

RPM

  • 業界最大級の400以上の求人媒体との自動連携に対応
  • 新卒、中途、派遣の一元管理が可能
  • SMSやLINEを含む多彩な連絡手段や追いかけ機能で、候補者の離脱を防止

RPMは、株式会社ゼクウが提供する、応募者管理から分析までを網羅した採用管理システムです。400以上の媒体連携と強力な自動化機能により、応募受付から面接予約までを24時間365日止めることなく運用できる点が特徴です。

応募情報を自動で拠点別に振り分けられるため、多拠点展開ならではの複雑な管理の一元化・効率化が可能。また、面接予約の自動化機能によってPCを常時使用しない現場担当者の負担を最小限に抑えます。

初動対応のスピードを上げることで、母集団の少ない状況においても候補者の離脱を防ぎます。

sonar ATS

  • ドラッグ&ドロップで自在に設計できる、柔軟な選考フロー管理
  • 適性検査やカレンダーなど、多種多様なHRツールとのAPI連携
  • 日本を代表する大手メーカーでの実績も多数

sonar ATSは、Thinkings株式会社が提供する、新卒・中途採用を統合管理できるシステムです。ノーコードで直感的に選考フローを作成でき、多種多様な外部HRサービスと連携することで、自社独自の採用基盤を構築できます。

面接官ごとに必要な情報だけをカスタム表示できる機能や、IT環境が限られる現場でも使い勝手の良い操作性は、現場担当者の協力を得やすく、採用業務の属人化解消に貢献します。

JobSuite CAREER

  • 中途採用実務に特化した、シンプルで迷わない操作性
  • 80以上の求人媒体との連携が可能
  • 人材紹介会社(エージェント)とのやり取りを一元化する専用ページあり

JobSuite CAREERは、株式会社ステラスが提供する、中途採用に特化したシステムです。多くの導入実績に基づく使いやすいUIが特徴で、必要に応じてオーダーメイド感覚の機能カスタマイズにも柔軟に対応しています。

役割に応じた細かい権限設定が可能で、現場を巻き込みつつ機密性の高い個人情報を適切に守れる安全性が、多階層な組織を持つ製造業での採用管理に適しています。

HRMOS採用

  • ビズリーチと強固に連携し、ダイレクトリクルーティングを効率化
  • AIによる求人票の自動生成機能で、作成工数を大幅に削減
  • レポート機能が豊富で、歩留まりや費用対効果を多角的に分析可能

HRMOS採用は、株式会社ビズリーチが提供する中途採用に強い採用管理システムです。応募者管理の効率化から高度な分析までを一気通貫で行え、カレンダーやチャットツールとの連携も豊富です。同社の持つ採用ノウハウを活かした運用支援も受けられます。

また、データに基づく分析を行うことで、製造業における課題である辞退理由の傾向把握や改善活動をスムーズに進められます。

採用一括かんりくん

  • LINE連携により、メールを見ない若手層への迅速なアプローチが可能
  • 月額2.2万円から導入できるコストパフォーマンスの高さ
  • AIサポートによる求人票作成やスカウト文面のパーソナライズ

採用一括かんりくんはHRクラウド株式会社が提供する、AIとRPAを活用した採用管理システムです。新卒・中途の両方に対応し、応募者情報の自動取り込みから日程調整、分析までを一気通貫で自動化し、採用オペレーションを最適化します。

AIとロボットが定型業務の多くを代行するため、人手不足が深刻な製造現場においても、応募への初動を早めて候補者の離脱を防ぐことが可能です。

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採用管理システム(ATS)18選を比較!失敗しない選び方や料金プランも解説

製造業向け採用管理システムの費用相場と考え方

採用管理システムの費用相場は、一般的に月額2万円〜10万円ほどです。この費用が適切かどうかは、大きく「料金のかかり方」と「その費用をどう評価するか」の2つに分けて整理しましょう。

まずはクラウド型とオンプレミス型で異なる料金構造を理解したうえで、製造業の採用実態に照らして費用対効果を判断していくことが重要です。

クラウド型・オンプレミス型による料金形態の違い

費用を見積もる際は、まずクラウド型かオンプレミス型かで「お金のかかり方」が根本的に違う点をおさえる必要があります。

  • クラウド型:初期費用がかからないものが多く、月額(ID数・応募数・求人本数などの課金軸)で支払う形が一般的
  • オンプレミス型:導入時にライセンス費用やサーバー構築費が数百万円規模で発生し、保守・運用が自社負担になりやすい

これまではセキュリティ観点でオンプレミス型が選ばれることもありましたが、近年はクラウド型でもセキュリティ水準が担保されている製品が多いです。コストや運用負担の面から、初めて導入する場合はクラウド型の採用管理システムが適しているでしょう。

製造業における費用対効果の考え方

採用管理システムは、「月額が安いか」よりも、「採用の詰まりを減らして欠員期間を短くできるか」で費用対効果を考えるのが現実的です。

たとえば初回連絡の遅れや日程調整の滞留が減れば、辞退が減り、採用決定までのリードタイムが短縮されます。欠員が続くと残業増や生産計画への影響が出るため、採用の遅れ自体がコストであり、決定が早まればその分のコストは回収可能です。

導入費用は、拠点別管理・雇用形態別フロー・権限管理など「運用が回る前提」を満たすための投資として比較することが重要です。

製造業で採用管理システムを導入するメリット

製造業の採用は、拠点・工程・雇用形態が入り混じり、現場も巻き込みながら進むため、属人的な運用では限界があります。採用管理システム(ATS)を導入することで、業務の標準化やデータ可視化、コストの最適化、個人情報管理の強化といった変化が起こります。

ここでは、製造業の実務に即して、ATSを導入することで得られる代表的なメリットを整理します。

採用業務を属人化させず、安定して回せる体制を作れる

採用管理システムを導入する最大のメリットは、採用運用を「人に依存しない形」にできることです。製造業では拠点・工程・雇用形態ごとに採用が同時並行で進みやすく、メールやExcel管理だと担当者ごとのやり方にばらつきが出ます。

採用管理システムに応募情報、対応履歴、選考ステータス、期限管理を集約すれば、担当者が変わっても同じ手順で進められます。結果として、連絡漏れや対応遅延が減り、繁忙期でも採用オペレーションが大きく崩れにくい体制を作れます。

採用状況が可視化され、改善ポイントを見つけやすくなる

採用管理システムは、「なんとなく」の傾向をデータに変える点が大きな価値です。製造業では拠点・工程ごとに状況が異なるため、応募数だけでは課題が特定できません。

採用管理システムで初回対応時間、面接設定率、辞退率、滞留箇所を拠点別に可視化できれば、「どの工場で詰まっているか」「どの工程の辞退が多いか」が一目でわかります。

これにより、場当たり的な対応ではなく、ボトルネックに絞った改善が可能になります。

採用コストと欠員コストを抑えられる

採用管理システムの導入は、採用コストと欠員コストの双方を下げる方向に働きます。

採用コスト面では、媒体掲載の重複、手動転記、二重管理が減り、工数削減によって人事の残業や外注依存を抑えることが可能です。また、初動遅れや選考滞留が減ることで欠員充足までの期間が短縮され、ライン停止や過剰残業のリスクを下げられるでしょう。

結果として、採用にかかる「見えるコスト」と「見えにくいコスト」の両方を圧縮できます。

個人情報管理のリスクを抑えた採用運用ができる

製造業での採用は現場参加が避けられない分、個人情報が拠点に拡散しやすい構造にあります。

採用管理システムでは、役割ごとに閲覧・編集権限を細かく分け、現場には面接に必要な情報だけを表示する運用が可能です。履歴書原本や連絡先を人事に限定することも可能な設計です。

加えて、アクセスログの記録、IP制限、二要素認証などの基本対策を標準化でき、社内外(派遣会社など)との共有範囲も制御可能。結果として、実務を回しながらコンプライアンスを担保できる体制が整います。

製造業での採用管理システム導入にあたってよくある質問

最後に、製造業での採用管理システム導入に関してよくある質問を取り上げます。

派遣社員や期間工の採用も同じシステムで管理できますか?

雇用形態が異なっていても管理できるシステムが多いです。ただし、正社員と同じ運用を当てはめると詰まりやすいため、派遣・期間工は「応募経路」「連絡先(派遣会社)」「契約更新・入社日」など管理項目を分ける前提で設計するのが現実的です。派遣会社とのやり取り履歴や進捗共有まで一元化できるかも確認しましょう。

現場ではパソコンを使用しないのですが、採用管理システムは定着しますか?

運用設計によって定着させることが可能です。現場が毎日ログインして入力する前提だと形骸化しがちです。スマホ・タブレット対応、通知から面接確認や評価画面に直接遷移できること、現場は最低限の承認・評価だけで済むことを条件に選ぶと定着しやすくなります。

採用管理システムの導入にはどのくらい時間がかかりますか?

設定がシンプルなら数週間、拠点が多く運用が複雑なら1〜3か月程度を見ておくのが安全です。時間がかかるのはツール設定よりも「誰が何を入力し、どこで承認するか」を決める運用設計です。最初は1工場で試し、問題点を潰して横展開すると失敗しにくいです。

まとめ:製造業の実務に合う採用管理システム選定が採用成果を左右する

  • 製造業の採用課題は「人材不足・多拠点運用・属人化」の重なりにある
  • 必要なのは機能の豊富さではなく、製造現場に適合する運用設計
  • 採用スピード・柔軟性・使いやすさ・権限管理の4点が選定の分かれ目

製造業の採用は、人材構造の変化、多拠点・多雇用形態による運用の複雑化、アナログ管理による属人化という三重の課題を抱えています。だからこそ、採用管理システムは単なる応募者管理ツールではなく、拠点実態に合わせた運用ができ、初動スピードを高め、現場が無理なく使え、個人情報を安全に管理できることが重要です。

製造業の実務に合った採用管理システムの選定で、採用成果の向上と現場負担の軽減を両立させましょう。

髙田輝之
髙田輝之
エン株式会社(旧・エン・ジャパン)、ゼクウで営業部長を歴任。 15年以上にわたりHR業界に携わり、企業の新卒・中途採用支援を中心に、採用戦略設計・広告運用・採用管理システム(ATS)導入・歩留まり改善など、採用領域全般の課題解決に従事。現在はゼクウにて、採用管理やHRテクノロジーをはじめ、人材採用から定着・育成までをカバーするHR全体の仕組み最適化をテーマに、記事企画・監修・執筆を行っている。現場で培った知見を活かし、複雑な人事課題を構造的に整理し、読者が正しく判断できる情報発信を心がけている。

RPMの導入前に知っておきたいポイントをご紹介