
内定者に送るメールの書き方とは?場面別の例文と辞退を防ぐフォロー術も解説
マイナビの「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」によると、2026年の中途採用に向けて「91.1%の企業が積極的」と回答しています。
さらに「採用要件に満たない人材は採用しない」という企業は62.1%にのぼり、自社にマッチする優秀な人材の争奪戦が激化しています。
せっかく見つけた人材に確実に入社してもらうためにも、内定後のフォロー体制を整えておきましょう。
とくに内定者とのメール対応は、入社意欲や企業への信頼感を左右する重要な要素のひとつです。
件名の付け方ひとつ、返信の速さひとつで、企業の印象はプラスにもマイナスにも変わります。
この記事では、企業の人事・採用担当者に向けて、内定者メールの基本マナーから場面別の例文、内定辞退を防ぐフォロー施策、さらに採用管理システム(ATS)を活用した効率化まで幅広く解説します。
「テンプレートをそのまま使いたい」「辞退を止める方法を知りたい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
内定者メールは「原則24時間以内の返信」「用件がわかる件名」「フルネーム宛名」が基本
通知から入社手続きまでの5場面でテンプレートを活用すれば、対応のばらつきや抜け漏れを防げる
辞退を防ぐには、月1回程度の定期連絡や先輩社員の声を共有し、内定者の孤立感を和らげることが有効
懇親会の強制は「オワハラ」、安易な内定取消は「解雇権の濫用」として法的リスクにつながりかねない
採用管理システム(ATS)を導入すれば、複数拠点や大量採用でもメールの自動送信と一元管理が可能になる
内定者メールを含む応募者対応を自動化・効率化したい方は、国内最大級の400以上の媒体と連携可能な採用管理システム(ATS)「RPM」をご覧ください。
目次[非表示]
- ・内定者メールで人事担当者が押さえるべき基本マナー
- ・返信や連絡は原則24時間以内に送る
- ・件名はひと目で用件と差出人が伝わる形にする
- ・宛名はフルネームで記載して署名には担当者の連絡先を入れる
- ・送信する時間帯は営業時間内を基本にする
- ・敬語の誤用は企業全体の印象を損ねかねない
- ・内定者メールの場面別例文とテンプレート
- ・内定通知メールは選考結果と歓迎の気持ちを添えて送る
- ・承諾返信メールは今後の流れを明記する
- ・入社手続きの案内メールは提出書類・期限を漏れなく記載する
- ・懇親会や研修の招待メールは参加しやすい雰囲気で書く
- ・入社直前のリマインドメールで持ち物や集合場所を伝える
- ・内定者メールで内定辞退を防ぐフォローの工夫
- ・月1回程度の定期連絡で放置されているという不安を和らげる
- ・先輩社員の声や社内の雰囲気を伝えて入社後をイメージさせる
- ・返信や参加の強制は逆効果のため任意にとどめる
- ・辞退の兆候が見えたら個別に電話や面談で丁寧に対応する
- ・内定者メールで企業が避けるべきNG対応
- ・内定者メールを採用管理システム(ATS)で効率化する方法
- ・内定者メールに関するよくある質問
- ・内定者から返信がない場合はどのように対応すればよいですか?
- ・辞退を申し出るメールへはどう返信するのが適切ですか?
- ・内定通知はメールと電話のどちらで行うのが望ましいですか?
- ・メールの文面は新卒と中途で変えるべきですか?
- ・労働条件通知書をメールに添付して送っても問題ありませんか?
- ・【まとめ】内定者メールの質が入社意欲を左右する
内定者メールで人事担当者が押さえるべき基本マナー

内定者メールは、入社までのあいだに企業と内定者をつなぐ大切な接点です。
たった一通のメールでも、対応の丁寧さやスピードが企業全体の印象を決めてしまうケースはよくあります。
内定者メールを送るうえで人事担当者が押さえておくべき5つの基本マナーを取り上げます。
- 返信や連絡は原則24時間以内に送る
- 件名はひと目で用件と差出人が伝わる形にする
- 宛名はフルネームで記載し、署名には担当者の連絡先を入れる
- 送信する時間帯は営業時間内を基本にする
- 敬語の誤用は企業全体の印象に影響する
返信や連絡は原則24時間以内に送る
内定者から届いた質問や確認のメールには、原則として24時間以内に返信するのが望ましい対応です。
内定者は複数の企業を比較しながら入社先を検討しています。
連絡が遅いと「自分は歓迎されていないのではないか」と不安を覚え、他社への気持ちが傾く原因になりかねません。
日本ビジネスメール協会の調査でも、返信が遅い企業に対して不快感を抱くといったデータが出ており、対応のスピードは見過ごせないポイントです。
すぐに回答できない内容であっても、「確認のうえ◯日までにご連絡いたします」と中間報告を入れるだけで印象は大きく変わります。
社内で「内定者からの問い合わせは担当者が24時間以内に一次返信する」というルールを設けておくと、対応のばらつきも防げます。
件名はひと目で用件と差出人が伝わる形にする
前提として、ビジネスメールの件名は、受信一覧を見ただけで用件と差出人が分かる書き方を心がけましょう。
内定者はさまざまな企業から連絡を受け取っています。
「ご連絡」「お知らせ」のような漠然とした件名では、他のメールに埋もれて見落とされるおそれもあります。
押さえておきたい件名のコツは3つです。
- 用件を端的に書く(例:「入社手続き書類のご提出について」)
- 会社名と担当者名を入れる(例:「【株式会社〇〇 採用担当 山田】」)
- 返信の場合は「Re:」をそのまま残し、件名を書き換えない
迷ったときは「用件+会社名+担当者名」の順で組み立てれば、読み落としの少ない件名にまとまります。
宛名はフルネームで記載して署名には担当者の連絡先を入れる
内定者メールでは、宛名をフルネーム(姓+名)で記載し、署名欄に担当者の直通連絡先を書くことが基本のマナーです。
「〇〇様」と苗字だけで呼ぶケースもありますが、同姓の内定者がいる場合に混乱を招きます。
フルネームで宛名を書くことで丁寧な姿勢が伝わります。
署名には、会社名・部署名・担当者名・電話番号・メールアドレスを最低限含めておきたいところです。
内定者が電話で問い合わせたいときに連絡先が分からないと、それだけで不安を感じかねません。
送信する時間帯は営業時間内を基本にする
原則として、内定者へのメールは、平日の営業時間内に送るのが基本です。
9時〜18時の時間帯を目安にするとトラブルを避けられます。
深夜や早朝にメールが届くと、内定者は「この会社は残業が多いのではないか」「休日も対応が必要なのか」と不安を覚えるかもしれません。
とくに新卒内定者は社会人経験がないため、送信時刻ひとつで企業の労働環境を推測する傾向があります。
やむを得ず時間外に作成する場合は、メーラーの「送信予約」機能で翌朝9時以降に届くよう設定しておくのが無難です。
こういった配慮が、内定者への誠実な姿勢として伝わります。
敬語の誤用は企業全体の印象を損ねかねない
万が一、メール本文の敬語に誤りがあると、担当者個人ではなく企業全体の信頼が損なわれるリスクがあります。
よくある誤用をまとめました。
- 「ご確認してください」→ 正しくは「ご確認ください」(尊敬語と謙譲語の混同)
- 「了解しました」→ 正しくは「承知いたしました」(目上への表現として不適切)
- 「〇〇様でございますか」→ 正しくは「〇〇様でいらっしゃいますか」
企業からの連絡での言葉遣いの丁寧さは、内定者の入社意欲を左右する要素のひとつです。
送信前のダブルチェックを習慣にしておけば、こうしたミスは未然に防げるはずです。
内定者メールの場面別例文とテンプレート

内定者に送るメールは、目的や場面によって書き方が異なります。
内定通知から入社直前のリマインドまで、採用の各段階で適切な文面を用意しておくことで、対応の抜け漏れを防ぎやすくなります。
ここでは、人事担当者が実務で使いやすい5つの場面別に例文の書き方を整理しました。
- 内定通知メールは選考結果と歓迎の気持ちを添えて送る
- 承諾返信メールは今後の流れを明記する
- 入社手続きの案内メールは提出書類・期限を漏れなく記載する
- 懇親会や研修の招待メールは参加しやすい雰囲気で書く
- 入社直前のリマインドメールで持ち物や集合場所を伝える
内定通知メールは選考結果と歓迎の気持ちを添えて送る
「御社に入社したい」と言ってもらえるかどうか。
その最初の分岐点が、内定通知メールです。
選考結果の正式な通知に加え、歓迎の気持ちを一文添えることで内定者の入社意欲が高まります。
事務的な結果通知だけでは、内定者は「自分が本当に必要とされているのか」を感じ取れません。
たとえば「〇〇様と一緒に働けることを楽しみにしております」のような一言を添えるだけで、企業への印象は大きく変わります。
件名の例は「【株式会社〇〇】選考結果のご連絡(採用担当 山田)」のような形式が一般的です。
本文には選考結果・今後のスケジュール概要・問い合わせ先を漏れなく盛り込んでおきたいところです。
メールとあわせて電話でも一報を入れると、より丁寧な対応として内定者に伝わります。
承諾返信メールは今後の流れを明記する
仮に内定者から承諾の連絡を受けたら、感謝の言葉とともに入社までの具体的なスケジュールを伝えるようにしましょう。
「承諾を受け取りました」だけの返信では、内定者は次に何をすればよいか分からず不安を抱えてしまいます。
入社手続きの書類案内、研修日程、入社式の日時など、直近で必要になる情報をまとめて伝えてください。
承諾返信メールには、「承諾への感謝」「今後の手続きの流れ(時系列)」「直近で対応が必要な事項と期限」「問い合わせ先の担当者名と連絡先」の4つの要素を盛り込んでください。
「入社までのあいだ、何かご不明な点があればいつでもご連絡ください」の一文を末尾に添えると、内定者の安心感にもつながるでしょう。
入社手続きの案内メールは提出書類・期限を漏れなく記載する
入社手続きの案内メールでは、必要な提出書類の一覧と、それぞれの提出期限を箇条書きで書くことが大切です。
書類の提出漏れは、入社日当日のトラブルにつながります。
年金手帳、雇用保険被保険者証、源泉徴収票など、必要な書類は企業によって異なるため、テンプレートを用意しておくと対応が安定します。
記載するべき項目は、「提出書類名と通数」「各書類の提出期限」「提出方法(郵送・メール添付・持参など)」「書類の取得方法(前職への依頼が必要な場合はその旨も記載)」の4点です。
労働条件通知書をメールで送付する際の法的なマナーや注意点については、後述のよくある質問をご参照ください。
懇親会や研修の招待メールは参加しやすい雰囲気で書く
内定者懇親会や入社前研修の招待メールは、参加を強制する印象を与えず、内定者が気軽に出席できる文面で書くことを意識してください。
「必ず出席してください」のような表現は、内定者にプレッシャーを与え、かえって参加意欲を下げてしまいます。
「ぜひお気軽にご参加ください」「ご都合が合わない場合はお知らせください」など、任意参加のニュアンスを添えておきましょう。
招待メールに盛り込んでおきたい情報を整理します。
- 日時と所要時間
- 開催場所とアクセス方法
- 当日の内容(簡単な自己紹介、先輩社員との座談会など)
- 服装の目安
- 出欠回答の期限と回答方法
内定者懇親会は、同期や先輩社員と顔を合わせる貴重な機会です。
「入社までの不安を解消できる場にしたい」という企業側の意図を併せて伝えると、参加意欲を引き出しやすくなります。
入社直前のリマインドメールで持ち物や集合場所を伝える
入社日の1週間〜3日前を目安に、当日の持ち物・集合場所・集合時間を再案内するリマインドメールを送ってください。
入社日はただでさえ緊張しやすい場面です。
「何を持っていけばいいのか」「何時にどこへ行けばいいのか」が曖昧なまま当日を迎えると、内定者の不安はさらに増してしまいます。
当日に向けて、以下の項目をリマインドしておきましょう。
- 入社日の日時
- 集合場所(住所・最寄り駅・ビル名・階数)
- 受付の方法(受付で採用担当の名前を伝える、など)
- 持ち物リスト(書類・筆記用具・印鑑など)
- 服装の指定(スーツ・オフィスカジュアルなど)
- 当日の連絡先(担当者の携帯電話番号)
「ご不明な点があれば遠慮なくお問い合わせください」と一言添えておくと、内定者は安心して入社日を迎えられます。
内定者メールで内定辞退を防ぐフォローの工夫

内定を出してから入社日までの期間は、内定者が最も辞退を検討しやすいタイミングでもあります。
放置すれば「この会社で本当にいいのか」という、いわゆる内定ブルーを招きかねません。
ここでは、内定者メールを活用して辞退を未然に防ぐための4つのフォロー施策を取り上げます。
- 月1回程度の定期連絡で放置されているという不安を和らげる
- 先輩社員の声や社内の雰囲気を伝えて入社後をイメージさせる
- 返信や参加の強制は逆効果のため任意にとどめる
- 辞退の兆候が見えたら個別に電話や面談で丁寧に対応する
月1回程度の定期連絡で放置されているという不安を和らげる
内定通知から入社日まで何の連絡もなければ、内定者は「忘れられているのではないか」という不安を抱えやすくなります。
内定者が辞退を考える理由のひとつに、「企業からの連絡が途絶えた」という孤立感があるかもしれません。
定期的にメールを送るだけでも、「あなたの入社を待っています」という姿勢は伝わるはずです。
月1回程度を目安に、社内イベントの近況報告や先輩社員からの歓迎メッセージなどを共有しましょう。
多すぎると負担になり、少なすぎると放置感が生まれるため、内定者の反応を見ながら調整するのが望ましいところです。
先輩社員の声や社内の雰囲気を伝えて入社後をイメージさせる
入社後の自分をどこまで具体的にイメージできるか。
これが内定者の不安を左右します。
先輩社員のコメントや社内の日常風景を共有することで、入社後の生活を肌感覚で理解してもらえます。
若手社員の「1日の仕事の流れ」や「入社の決め手」をメールで伝える、社内の写真やイベントの様子を添付する、配属予定のチームメンバーから一言メッセージを添えるなど、方法はさまざまです。
採用サイトの情報だけでは伝わらない「職場の日常の空気感」を届けることで、内定者の帰属意識が育ちやすくなります。
RPMのような採用管理システム(ATS)を活用し、定期的なコミュニケーションの仕組みを構築している企業ほど、辞退を防ぎやすい傾向にあります。
返信や参加の強制は逆効果のため任意にとどめる
フォローメールに対して返信を義務づけたり、研修・懇親会への参加を強制したりすることは避けてください。
心理的なプレッシャーを与えてしまうと、内定者は「この会社は自分を管理しようとしている」と感じ、かえって距離を置かれる原因になります。
「ご返信は任意です」「ご都合が合わなければ欠席いただいて問題ございません」といった一文を添えるだけで、内定者は安心してやり取りを続けられるようになります。
結果的に、強制しないほうが内定者の心理的な距離は縮まりやすくなります。
辞退の兆候が見えたら個別に電話や面談で丁寧に対応する
メールの返信が遅くなった、イベントへの参加率が下がったなどの兆候は、内定辞退を検討しているサインかもしれません。
こうした変化をメールだけで追うのは限界があります。
気になる動きがあれば、早い段階で電話や対面の面談を設定し、内定者の本音を聞く姿勢を大切にしたいところです。
面談では以下の点を意識すると効果的です。
- 「入社を迷っている?」と直接聞かない
- 転職活動の状況を無理に聞き出さない
- 「何か不安なことはありますか」とオープンに尋ねる
- 待遇面・業務内容など具体的な疑問には、できる限りその場で回答する
辞退を完全に防ぐことは容易ではありません。
ただし、丁寧な対話を重ねた結果として辞退されたのであれば、企業として「やるべきことはやった」と言えるだけの対応を残しておく意識が必要です。
内定者メールで企業が避けるべきNG対応

内定者メールは、書き方次第で企業への信頼を築くこともあれば、一転して不信感を生む原因にもなります。
「悪気はなかった」では済まされないケースも存在するため、NG対応を事前に把握しておきましょう。
人事担当者が見落としやすい3つの注意点を取り上げます。
- 一斉送信の定型文だけでは内定者の帰属意識が育たない
- 過度な連絡や参加の強制はオワハラと見なされるリスクがある
- 内定取消は労働契約法上の解雇に準じた扱いになる
一斉送信の定型文だけでは内定者の帰属意識が育たない
定型文だけのメールでは、内定者が「自分ごと」として受け止めにくくなる傾向があります。
テンプレートをそのままBCC一斉送信するだけの対応は、内定者の帰属意識を育てにくいという点で注意が必要です。
「各位」「皆さま」という宛名のメールが続くと、内定者は「自分は大勢のうちのひとり」という印象を受けてしまいます。
結果として企業への帰属意識が育たず、他社からのオファーに気持ちが傾く原因になりかねません。
すべてのメールを個別対応にする必要はありませんが、少しの工夫で印象は大きく変わります。
- 宛名をフルネームにする
- 面接時のエピソードを一文だけ添える(「最終面接で〇〇の経験をお聞きし、当社で活かしていただきたいと感じました」など)
- テンプレートの冒頭を内定者ごとにカスタマイズする
採用管理システム(ATS)を導入し、メールのテンプレート送信や自動送信を活用すれば、手作業をなくし対応スピードを飛躍的に向上させることができます。
過度な連絡や参加の強制はオワハラと見なされるリスクがある
実際に、内定者への連絡頻度が過剰だったり、イベント参加を半ば強制する行為はオワハラに該当するおそれがあります。
文部科学省や厚生労働省も、企業による不当な囲い込み行為に対して注意喚起を繰り返しています。
2026年10月からは、令和7年労働施策総合推進法等の改正により就活ハラスメント対策が企業に義務化されるため、不適切な囲い込み行為は法的リスクにもつながりかねません。
「他社の選考を辞退してほしい」と直接または暗に言う、内定承諾書の即日提出を執拗に迫る、長時間の研修を強制して他社選考の機会を事実上奪うといった行為が該当します。
辞退の申し出に対して損害賠償をちらつかせるケースも、オワハラと見なされるおそれがあります。
フォローメールの末尾に「ご返信は任意です」の一文を入れるなど、参加の強制と受け取れかねない表現を避ける配慮が必須です。
内定取消は労働契約法上の解雇に準じた扱いになる
内定取消のメールを安易に送ることは、法的に重大なリスクを伴う行為です。
最高裁昭和54年7月20日の判決(大日本印刷事件)では、内定は「始期付解約権留保付の労働契約」と位置づけられています。
つまり内定取消は、労働契約法第16条が定める解雇権濫用法理の適用対象です。
取消が有効と認められるには、「採用内定時に知ることができなかった事実」が後に判明し、それを理由とする取消が「客観的に合理的で社会通念上相当」であることが必要です。
認められやすいケースと認められにくいケースの例を整理しました。
- 取消が有効と認められやすいケース:卒業できなかった、重大な経歴詐称が発覚した、健康上の理由で就労が不可能になった
- 取消が無効となりやすいケース:経営悪化のみが理由、面接時に確認できたはずの適性不足
やむを得ず内定取消に至る場合は、メール一通で済ませず、弁護士への事前相談と丁寧な面談をセットで進めなければなりません。
内定者メールを採用管理システム(ATS)で効率化する方法
内定者メールの作成・送信・管理を手作業で行うと、対応漏れや送信ミスが発生しやすくなります。
採用管理システム(ATS)を導入すれば、テンプレート管理から送信履歴の一元管理まで、メール業務全体の効率と精度を高められます。
ATSを使った3つの効率化手法を見ていきます。
- テンプレート管理と自動送信で対応漏れを防ぐ
- 送信履歴の共有・管理でフォローの質を上げる
- 複数拠点や大量採用でも内定者メールを一元管理できる
テンプレート管理と自動送信で対応漏れを防ぐ
「あの内定者にメールを送り忘れた」。
こうした事態を防ぐには、ATSの活用が有効です。
テンプレートを登録し、送信タイミングを自動化することで、対応品質のばらつきは解消しやすくなります。
内定通知・承諾返信・手続き案内・リマインドなど、場面ごとのテンプレートをあらかじめ作成しておけば、担当者ごとに文面がばらつく問題も解消しやすくなるはずです。
さらに、送信日の自動スケジューリング機能を活用すれば、「入社30日前に手続き案内を送る」「7日前にリマインドを送る」といったルーティンの自動化も可能になります。
手作業での管理では、担当者の異動や退職でノウハウが失われるリスクも否定できません。
ATSにテンプレートを蓄積しておけば、担当が変わっても同じ品質のメールを安定して送り続けていけるでしょう。
送信履歴の共有・管理でフォローの質を上げる
ATSの送信履歴や共有機能を使えば、「どの内定者に、誰が、いつどんなメールを送ったのか」をシステム上で一覧として正確に把握できます。
複数人でフォロー対応を分担している場合、「Aさんがすでに連絡したのに、Bさんも重複して連絡してしまった」「誰も連絡しておらず放置されてしまった」といった属人的なミスを防ぐのに効果的です。
これまでの記録に基づいたフォロー体制は、個人の勘や記憶に頼る事後対応と比べ、対応の漏れがなくなり、内定者からの信頼獲得にも直結します。
複数拠点や大量採用でも内定者メールを一元管理できる
複数の営業所や拠点で採用を行う企業では、内定者メールの送信状況を本社で一元的に管理できるATSの活用が有効です。
拠点ごとに異なるフォーマット・異なる担当者がメールを送っている状態では、対応品質のばらつきやコンプライアンス上のリスクが高まります。
ATSで全拠点のメール送受信を集約すれば、統一された品質で運用できます。
大量採用でも、100人規模の内定者に対して個別にメールを管理するのは現実的ではありません。
ゼクウが開発・運用する採用管理システム(ATS)「RPM」は、400以上の求人媒体と連携し、大量のメール配信やSMS送信、面接予約などの応募者対応を自動化・一元管理できる仕組みを備えています。
内定者メールに関するよくある質問
内定者メールについて、人事・採用担当者が疑問に感じやすい事柄をQ&A形式で整理しました。
- 内定者から返信がない場合はどのように対応すればよいですか?
- 辞退を申し出るメールへはどう返信するのが適切ですか?
- 内定通知はメールと電話のどちらで行うのが望ましいですか?
- メールの文面は新卒と中途で変えるべきですか?
- 労働条件通知書は内定者メールに添付して送っても問題ありませんか?
内定者から返信がない場合はどのように対応すればよいですか?
メール送信後3〜5営業日経っても返信がない場合は、まずリマインドメールを1通送ってみてください。
リマインドメールの件名に「【再送】」と付けたうえで、前回と同じ内容を簡潔に再送するのが一般的です。
それでも返信がなければ、電話で直接確認するのが確実です。
メール自体が迷惑フォルダに入っている可能性も否定できません。
「メールはお手元に届いていますか」と一言確認を入れると、原因が分かるかもしれません。
なお、Ccに上司や関連部署の担当者を入れるべきかどうかは、社内ルールに沿って判断するのがよいです。
内定者との1対1のやり取りを基本としつつ、情報共有が必要な場面ではCcを活用するのが一般的です。
辞退を申し出るメールへはどう返信するのが適切ですか?
辞退の申し出には、速やかに受理の意思を伝えるとともに、感謝の言葉を添えた返信を送る必要があります。
「なぜ辞退するのですか」と詰問したり、翻意を迫ったりすることは逆効果です。
辞退を引き留めたい場合でも、まずは「ご連絡いただきありがとうございます」「〇〇様のご決断を尊重いたします」と丁寧に受け止めてください。
辞退理由を伺う場合は、「今後の採用活動の参考にさせていただきたいのですが、差し支えなければ辞退の理由をお聞かせいただけますか」と任意であることをはっきり伝えるのがポイントです。
丁寧な対応は、将来的な再応募や口コミでの企業評価にもつながります。
内定通知はメールと電話のどちらで行うのが望ましいですか?
電話とメールの併用がもっとも丁寧な対応です。
まず電話で合格の一報を伝え、その後メールで正式な内定通知と今後の手続き案内を送る流れがよいでしょう。
電話では声のトーンから歓迎の気持ちが伝わりやすく、メールでは「記録として残る」という利点があります。
電話がつながらなかった場合は、留守番電話にメッセージを残し、メールで「お電話差し上げましたが、ご不在でしたのでメールにてご連絡いたします」と補足してください。
メールの文面は新卒と中途で変えるべきですか?
基本のマナーは同じですが、文面のトーンと情報量は調整した方がよいでしょう。
新卒内定者には、ビジネスメールに不慣れな場合が多いため、やや丁寧で噛み砕いた説明を心がけると伝わりやすくなります。
中途内定者には、ビジネス経験があることを前提に、簡潔で要点を押さえた文面が適しています。
新卒・中途それぞれに適した採用戦略や違いを踏まえ、相手に合わせたコミュニケーションを心がけましょう。
また、中途採用では「現職からの退職日」の調整が発生します。
入社日の確定やそれに伴う手続きスケジュールにはとくに注意が必要です。
労働条件通知書をメールに添付して送っても問題ありませんか?
本人が希望する場合に限り、メール添付での電子交付が認められています。
2019年4月の労働基準法施行規則改正により、書面だけでなくFAX・メール・SNSなどによる交付が可能になりました。
ただし電子交付の条件として、「本人が希望していること」「印刷できる形式であること(PDF推奨)」が定められています。
口頭で「メールで送ってほしい」と希望があった場合でも、記録として「電子交付を希望する旨」をメール本文に残しておくと安心です。
詳細は厚生労働省の労働条件ルールをご参照ください。
【まとめ】内定者メールの質が入社意欲を左右する
内定者メールは、入社までのあいだに企業と内定者をつなぐ最も身近な手段です。
件名の付け方、返信のスピード、文面の丁寧さといった一つひとつの積み重ねが、内定者の入社意欲を高め、辞退を防ぐ力になります。
この記事で解説した内容を改めて整理します。
- 返信は24時間以内、件名は用件が分かる形、宛名はフルネームが基本マナー
- 内定通知・承諾返信・手続き案内・懇親会招待・リマインドの5場面で例文を用意しておく
- 月1回の定期連絡、先輩社員の声の共有、強制しない姿勢で辞退を防ぐ
- 定型文の一斉送信、オワハラ、安易な内定取消はNG対応として避ける
- テンプレート管理・送信履歴の一元管理をATSで仕組み化する
内定者メールの質を高めるには、メール作成の手間を減らしつつ対応の精度を上げる仕組みが必要です。
ゼクウの採用管理システム(ATS)「RPM」は、400以上の媒体連携と強力な自動送信機能を備え、メールやSMSでの応募者対応から面接調整まで、採用業務全体を一元管理できます。
内定者メールの運用を効率化し、辞退を防ぐ体制を整えたい方は、ぜひ詳細をご確認ください。






