
新卒採用と中途採用の違いを比較!人事が採用戦略で迷わなくなる判断軸を解説
新卒採用と中途採用は、採用対象・採用時期・選考で見る点・採用コスト・給与・入社後の育成の6点が異なります。どちらを選ぶかは、採用で急いで解決したい課題と、採用活動や入社後の受け入れに割ける社内の余力で決まります。
新卒と中途のどちらで採用するかを決める段になって、判断に迷うことがあるでしょう。経営層に理由を説明するとなると、「育成か即戦力か」という大まかな違いだけでは根拠が足りません。
本記事では、採用管理システム「RPM」を提供する株式会社ゼクウが、新卒採用と中途採用の違いを6つのポイントで比較します。
新卒・中途それぞれのメリット・デメリットと第二新卒・既卒・キャリア採用の扱いを整理したうえで、新卒・中途・併用の選び方と、失敗しやすい点や追うべきKPIまで解説します。
目次[非表示]
- ・新卒採用と中途採用の違いを6つのポイントで比較
- ・違い①採用対象は、新卒では卒業予定の学生、中途では就業経験のある人が中心になる
- ・違い②採用時期は、新卒では毎年決まった日程で動き、中途では必要なときに募集する
- ・違い③選考で確かめるのは、新卒では入社後に伸びる素地、中途では経験とスキル
- ・違い④採用コストは、新卒では活動期間の長さで、中途では採用手段で変わる
- ・違い⑤給与は、新卒では初任給として事前に定め、中途では候補者ごとに決めることが多い
- ・違い⑥入社後の育成は、新卒では基礎研修から、中途では自社の仕事の進め方への適応から始まる
- ・第二新卒・既卒・キャリア採用は新卒と中途のどちらに入るか
- ・第二新卒は、中途と新卒のどちらの枠で受け付けるかを決める
- ・既卒者は、卒業後少なくとも3年間は新卒枠で受け付けるよう国の指針が求めている
- ・キャリア採用は中途採用とほぼ同じ意味で使われ、経験者に絞る意図で使い分ける企業もある
- ・新卒採用と中途採用のメリット・デメリット
- ・新卒・中途・併用の選び方|採用目的の優先度と採用前後の余力で決める
- ・中途採用が向くのは、短期の課題を優先し、採用前の準備が整っているとき
- ・新卒採用が向くのは、中核人材の育成を優先し、受け入れ体制を用意できるとき
- ・併用が向くのは、短期と中期の課題が重なり、採用前後の余力を確保できるとき
- ・新卒と中途の採用で失敗しやすい4つのポイント
- ・求める水準に見合う条件や魅力を示せないと、採用が進まない
- ・新卒と中途に同じ評価基準を当てはめると、見極めを誤りやすい
- ・中途の選考を新卒と同じ速さで進めると、面接につながる割合が下がりやすい
- ・受け入れ体制を整えないまま採用人数を増やすと、育成が止まる
- ・新卒と中途で見るべき採用KPIの違い
- ・応募から内定承諾までのファネル指標は、新卒と中途で共通して追える
- ・新卒は、インターンシップや説明会など本選考の前の指標が増える
- ・採用後の指標のうち、立ち上がりと定着は評価する時期が新卒と中途で異なる
- ・よくある質問(FAQ)
- ・まとめ|新卒と中途の違いを踏まえ、採用目的と余力で選ぶ
新卒採用と中途採用の違いを6つのポイントで比較
新卒採用と中途採用は、誰をいつ採るかから入社後の育て方まで、前提が異なります。実務で違いが出るのは、次の6点です。
比較ポイント | 新卒採用 | 中途採用 |
|---|---|---|
①採用対象 | 卒業予定の学生(卒業後少なくとも3年以内の既卒者も応募できるよう、国が求めている) | 新卒者以外。就業経験のある人が中心で、業種・職種の未経験者も含む |
②採用時期 | 毎年決まった日程で進め、卒業後の4月に入社する | 欠員や事業計画に応じて随時募集し、入社日は候補者ごとに調整する |
③選考で見る点 | 学業などで培った力と、入社後に伸びる素地 | これまでの経験とスキルを、自社の業務で発揮できるか |
④採用コスト | 広報から入社まで続く活動期間の長さに応じて積み上がる | 人材紹介など、使う採用手段によって変わる |
⑤給与 | 初任給としてあらかじめ定める | 経験や前職の給与をふまえ、候補者ごとに決めることが多い |
⑥入社後の育成 | ビジネスの基礎を教える研修から始まる | 自社の仕事の進め方や社内の人間関係に慣れる支援から始まる |
違い①採用対象は、新卒では卒業予定の学生、中途では就業経験のある人が中心になる
新卒採用の中心は、翌春に卒業を予定している大学生や大学院生などです。就業経験がないことを前提に選考し、卒業直後の4月にまとめて入社してもらいます。
中途採用は、新卒者以外を主な対象とする採用区分です。就業経験のある人が中心ですが、前職と異なる業種や職種に挑戦する未経験者の採用も中途採用に含まれます。
第二新卒や既卒者をどちらの枠で受け付けるかは、次章で説明します。
違い②採用時期は、新卒では毎年決まった日程で動き、中途では必要なときに募集する
新卒採用は、政府が経済団体などに要請する日程に沿って、毎年同じ時期に進む採用です。2027年度に卒業・修了する学生(2028年3月卒)向けの日程は、次のとおりです。
- 広報活動の開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
- 採用選考活動の開始:卒業・修了年度の6月1日以降
- 正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降
※出典:内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について」
マイナビが2025年9〜10月に企業1,810社から回答を得た「2026年卒企業新卒内定状況調査」では、面接を始めた月として3月を挙げた企業が28.7%ともっとも多くなりました。
同じ日程が要請されていた2026年卒でも、要請より前に選考を始める企業は少なくありません。新卒採用は広報活動の開始から入社までに1年以上かかるため、入社時期から逆算して計画を立てる必要があります。
※出典:内閣官房「2025(令和7)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について」
中途採用は、欠員や事業計画に応じて、必要なときに募集します。
マイナビが2025年12月に中途採用担当者1,500名を対象に行った「中途採用状況調査2026年版」では、採用活動の実施を決めてから募集を始めるまでが平均22.7日でした。
応募から内定承諾まではおよそ1か月で、WEB面接では平均31.5日、対面面接では平均30.2日です。中途採用では入社の時期が候補者ごとに異なり、在職中の人は退職の手続きを終えてから入社します。

※出典:マイナビ「2026年卒企業新卒内定状況調査」
※出典:マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」
新卒採用スケジュールについては、次の記事で解説しています。
違い③選考で確かめるのは、新卒では入社後に伸びる素地、中途では経験とスキル
新卒採用の選考で見るのは、学業などで培った力と、入社後に伸びる素地です。
政府も、成績証明などを基礎資料にして大学での学びの成果や学業を通じて身につけた幅広い能力を評価するよう、企業に求めています。
中途採用で確かめるのは、これまでの経験とスキルが自社で任せる業務でも発揮できるかどうかです。
職務経歴書をもとに、どの業務で何をどこまで担ってきたかを具体的に聞き、前職で挙げた成果を自社でも再現できるかを見極めます。配属先の責任者が面接に加わり、業務に即した質問をする企業もあるでしょう。
※出典:内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について」
違い④採用コストは、新卒では活動期間の長さで、中途では採用手段で変わる
新卒採用では、就職情報サイトへの掲載や会社説明会・インターンシップの運営、内定者のフォローにかかる費用が活動の期間を通じて積み上がります。
マイナビの新卒採用の調査では、2026年卒の採用活動を9月までに終える企業は33.0%でした(予定を含む)。翌年2月まで続ける企業は11.6%、翌年3月まで続ける企業は16.9%です。
活動が長引くほど、説明会や面接の費用と担当者の工数は増えていきます。
中途採用の費用を左右するのは、使う採用手段です。人材紹介では、紹介された人を採用した段階で手数料が発生します。
手数料の額は、その人の年収の30%程度が目安とされています。マイナビの中途採用の調査では、2025年の中途採用費用の年間実績がもっとも高いサービスは人材紹介で、利用企業1社あたりの平均は375.5万円でした。
※出典:マイナビ「2026年卒企業新卒内定状況調査」
※出典:マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」
採用にかかる費用の見直し方は、次の記事で紹介しています。
違い⑤給与は、新卒では初任給として事前に定め、中途では候補者ごとに決めることが多い
新卒採用では、初任給をあらかじめ定めて募集します。
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(2025年6月分)では、新規学卒者の賃金は大学卒で26万2,300円、高校卒で20万7,300円でした。大学卒は前年より5.6%増えています。
中途採用では、経験やスキルと前職の給与をふまえて、候補者ごとに金額を決めることが多いでしょう。求人に金額の幅を示しておき、内定の段階で確定させる企業もあります。
新卒の初任給を引き上げると、入社年次の近い既存社員や中途入社者との給与の釣り合いも見直す必要が出てきます。
採用区分ごとに給与を決めるだけでなく、その金額が社内の等級や役割に見合っているかも確かめておきましょう。
※出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況(新規学卒者の学歴別にみた賃金)」
違い⑥入社後の育成は、新卒では基礎研修から、中途では自社の仕事の進め方への適応から始まる
新卒の育成は、ビジネスマナーや仕事の進め方といった基礎を、研修で教えるところから始まります。
入社前から研修を始める企業もあり、マイナビの新卒採用の調査では、2026年卒の内定者に研修を実施している企業は36.7%でした。
内容は「社会人としての心構え」が60.9%でもっとも多く、「基本的なビジネスマナー」が48.8%で続きます。
中途入社者は仕事の基礎を身につけている一方で、自社の仕事の進め方や社内の人間関係に慣れるまでには時間がかかるでしょう。
業務の説明に加えて、誰に何を聞けばよいかを示しておくと、中途入社者は早く力を発揮しやすくなります。
※出典:マイナビ「2026年卒企業新卒内定状況調査」
中途入社者の受け入れ方は、次の記事で解説しています。
第二新卒・既卒・キャリア採用は新卒と中途のどちらに入るか
新卒と中途のどちらに当たるかが紛らわしい呼び方に、第二新卒・既卒・キャリア採用があります。第二新卒をどちらの枠で受け付けるかは企業が決めますが、既卒者には新卒枠での受け付けを求める国の指針があります。
第二新卒は、中途と新卒のどちらの枠で受け付けるかを決める
第二新卒は、学校を卒業していったん就職し、卒業後数年以内に転職を考える人の呼び方です。決まった定義はなく、卒業後おおむね3年以内の人を指すことが多いでしょう。
就業経験があるため中途採用の枠で受け付ける企業がある一方で、卒業後3年以内であれば新卒枠への応募を認める企業もあります。
新卒枠に就業経験のある人を含めるかどうかを決め、応募資格として募集要項に書いておきましょう。新卒枠なら4月の一括入社、中途枠なら随時の入社になるため、研修の組み方も枠によって変わります。
既卒者は、卒業後少なくとも3年間は新卒枠で受け付けるよう国の指針が求めている
既卒者は、在学中に就職先が決まらないまま卒業した人などを指す言葉です。政府は、卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者が新卒の採用枠に応募できるよう、企業に要請しています。
若者雇用促進法に基づく国の指針も、卒業後少なくとも3年間は新卒枠への応募を受け付けるよう努めることを、企業に求めています。
新卒枠の応募資格を「卒業見込みの人」に限っていないか、募集要項を見直しましょう。指針は、新卒枠の募集ではできる限り上限年齢を設けないよう努めることも、あわせて定めています。
※出典:内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について」
※出典:厚生労働省「卒業後3年以内の既卒者は、「新卒枠」での応募受付を!」
政府は同じ要請のなかで、既卒者や海外留学者に、通年採用も含めて選考の機会を設けるよう求めています。通年採用のメリット・デメリットについては、次の記事もあわせてご覧ください。
キャリア採用は中途採用とほぼ同じ意味で使われ、経験者に絞る意図で使い分ける企業もある
キャリア採用は、中途採用とほぼ同じ意味で使われる呼び方です。企業によっては、特定の職務経験を持つ人に絞った採用をキャリア採用と呼び、未経験者も含む中途採用と区別しています。
呼び方に共通の決まりはないため、求人には区分の名前だけでなく、求める職務経験を具体的に書きましょう。中途採用で使える手法の比較は、次の記事でまとめています。
新卒採用と中途採用のメリット・デメリット
新卒採用と中途採用の主なメリットとデメリットは、次のとおりです。

新卒採用は将来の中核を計画的に育てられるが、戦力になるまで時間がかかる
新卒採用のメリットは、将来の中核となる人材を、自社の計画に沿って育てられることです。同じ時期に入社する人は、まとめて研修できます。
前職で身についた仕事の習慣がない分、自社の仕事の進め方や価値観を最初から共有しやすい点もメリットです。
デメリットは、戦力になるまで時間がかかることです。戦力になるまでの間、研修と配属後の指導を続ける人手が要ります。
入社後の定着にも目を配る必要があります。厚生労働省が2025年10月に公表した統計では、2022年3月に大学を卒業して就職した人の3年以内の離職率は33.8%でした。
事業所の規模が小さいほど高く、従業員5〜29人の事業所では52.0%、1,000人以上では27.0%です。
※出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」
中途採用は早く戦力になりやすいが、費用がかさみやすく、自社に慣れる時間も要る
中途採用のメリットは、仕事の基礎を身につけた人を迎えられるため、早く戦力になりやすいことです。
自社にない知識や他社での経験を取り込めるほか、欠員が出たときや新しい事業を始めるときなど、必要な時期に合わせて募集を始められます。
デメリットは、採用手段によっては費用がかさむことと、自社に慣れるまでに時間がかかることです。人材紹介を使えば費用が増え、求める経験を持つ人ほど他社との採り合いになります。
経験があっても前職と同じ成果を自社ですぐに出せるとは限らず、入社後の働きが期待とずれることもあるでしょう。
中途採用が難しくなる原因と改善策は、次の記事で解説しています。
新卒・中途・併用の選び方|採用目的の優先度と採用前後の余力で決める
新卒か中途かは、採用目的の優先度と採用前後の余力の2つの軸で判断できます。
採用目的の優先度で問うのは、目の前の欠員を埋める短期の課題と、将来の中核を育てる中期の課題のどちらを急ぐかです。
採用前後の余力で問うのは、採用前の準備を整えられるかと、入社後の受け入れに人手を割けるかです。
採用前の準備には、求める人材の要件を決めることや条件と魅力を示すこと、応募者を集めることが含まれます。入社後の受け入れで用意するのは、育成の担当者と任せる業務の順序、評価の方法です。

中途採用が向くのは、短期の課題を優先し、採用前の準備が整っているとき
中途採用が向くのは、欠員補充や急な増員など、今期のうちに人を確保したいときです。
事業を立ち上げたばかりの時期も、研修や指導の体制を整える余裕が少ないため、立ち上げの業務を経験者に任せるほうが進めやすいでしょう。
募集を始める前に、任せる役割と、入社後3〜6か月で期待する成果を決めておきましょう。求める経験に見合う条件と魅力を示せなければ、中途でも採用は進みません(詳しくは次章)。
入社後も、自社の仕事の進め方に慣れるまで相談できる窓口役を用意しておきましょう。中期の課題でも、企画や組織づくりを担える人を採用できるなら、中途採用で事業の成長を早められることもあります。
新卒採用が向くのは、中核人材の育成を優先し、受け入れ体制を用意できるとき
新卒採用が向くのは、数年先の中核となる人材を計画的に育てたいときです。毎年の採用を続けると、次の世代の中核を担う人材を途切れずに迎える計画を立てられます。
前提になるのは、入社後の受け入れ体制です。受け入れる部署に、新人を指導できる人手と時間があるかを、採用人数を決める前に確かめましょう。
受け入れの準備が追いつかないまま人数だけ増やしたときに起きることは、次章で取り上げます。
併用が向くのは、短期と中期の課題が重なり、採用前後の余力を確保できるとき
併用が向くのは、欠員補充と中核人材の育成を同時に進めたいときです。事業が伸びる時期には、現場の人手不足と、次の世代を育てる必要が重なりやすくなります。
併用すると、採用活動と入社後の受け入れが新卒と中途の2系統に分かれるため、必要な余力も大きくなるでしょう。
中途には現場の業務を、新卒には将来の中核を担ってもらうというように、期待する役割を分けて決めておきましょう。役割が決まっていれば、選考で見る点を区分ごとに決めやすくなります。
採用戦略の立て方は、次の記事で7つのステップに分けて解説しています。
新卒と中途の採用で失敗しやすい4つのポイント
新卒と中途の違いを踏まえないまま採用を進めると、募集の段階から入社後までのどこかでつまずきやすくなります。失敗しやすいのは次の4点で、採用の前に1つ、選考中に2つ、入社後に1つあります。

求める水準に見合う条件や魅力を示せないと、採用が進まない
採用が進まない原因の1つは、求める人材の水準と、提示している条件や魅力が見合っていないことです。
マイナビの中途採用の調査でも、2025年の中途採用が厳しかった理由として「採用条件の面が弱かった」が上位に挙がっています。
中途では候補者ごとに給与を決めるため、求める経験に見合う額と任せる裁量を具体的に示す必要があります。
新卒は初任給をあらかじめ定めて募集するため、給与に加えて配属後の育て方や成長の機会を示すと、学生が他社と比べるときの判断材料の1つになるでしょう。
※出典:マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」
新卒と中途に同じ評価基準を当てはめると、見極めを誤りやすい
新卒と中途で面接の評価基準を分けないと、新卒には就業経験を前提とした完成度を求め、入社後に伸びる学生を落としかねません。中途では逆に、育成を前提に見てしまい、任せる業務を担えるかの確認が甘くなります。
面接評価シートを新卒用と中途用に分け、面接官どうしで評価の観点をすり合わせておきましょう。面接官が増えるほど、基準のずれは合否のぶれとして表れます。
評価項目の決め方と点数の付け方は、次の記事で解説しています。
中途の選考を新卒と同じ速さで進めると、面接につながる割合が下がりやすい
中途の選考で目を向けたいのは、応募直後の対応の速さと、面接につながる割合の関係です。
ゼクウが2026年2〜3月に中途採用担当者793名(月間50名以上の応募がある企業)に聞いた調査では、初回対応が早い企業ほど面接予約率が高くなっていました。
面接予約率(有効な応募のうち面接の予約に至った割合)は、応募者への初回対応が5分未満の企業で67.5%、3日以上かかる企業で45.8%です。中途採用全体の平均は55.4%です。
マイナビの中途採用の調査でも、2025年の中途採用を「楽だった」と答えた担当者の理由は、「求職者の質が高かった」と並んで「採用スピードが速かった」が最多の30.5%でした。
新卒の選考は毎年決まった日程で組まれるため、同じ速さで中途の選考を進めると、面接日程の調整や結果の連絡が遅れがちです。中途では、応募後の初回連絡と日程の調整をできるだけ早く済ませましょう。
※出典:ゼクウ「採用歩留まり調査(2026年)」
※出典:マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」
応募者対応を見直して選考辞退を防ぐ方法は、次の記事で紹介しています。
受け入れ体制を整えないまま採用人数を増やすと、育成が止まる
受け入れの準備がないまま採用人数を増やすと、配属先で次のような状態が続き、育成が止まって早期の離職につながりかねません。
- 任せる業務がなく、成長の機会が足りない
- 指導役が忙しく、新人が仕事を教わる時間を取れない
- 評価の基準がなく、本人も上司も改善点が分からない
育成の担当者・任せる業務の順序・評価の方法の3点を、入社前に決めておきましょう。新卒には指導役やメンターを、中途には業務の進め方と社内の窓口を案内する担当者を置くと、受け入れの負担が特定の人に偏りにくくなります。
メンター制度の導入手順と注意点は、次の記事で解説しています。
新卒と中途で見るべき採用KPIの違い
新卒と中途で追う指標の多くは共通しています。違いが出るのは、新卒で本選考の前の段階の指標が加わる点と、採用後の成果を評価する時期が異なる点です。

応募から内定承諾までのファネル指標は、新卒と中途で共通して追える
応募から内定承諾までは、新卒も中途も同じ段階を踏みます。共通して追える指標は、次のとおりです。
- 応募数:母集団の大きさ
- 段階ごとの通過率:書類選考や各面接で次に進んだ人の割合
- 選考途中の辞退率と内定辞退率
- 内定承諾率
- 応募から内定承諾までの日数
どの段階で人数が減っているかを見れば、応募者が集まらないのか選考で落ちるのか、内定を承諾してもらえないのかを切り分けられます。
マイナビの中途採用の調査では、2025年の中途採用で応募者に占める面接設定者の割合が48.3%でした。
※出典:マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」
歩留まりの平均値と改善方法は、次の記事で解説しています。
新卒は、インターンシップや説明会など本選考の前の指標が増える
新卒採用では、本選考の前に会社説明会やインターンシップなどの段階があり、追う指標が増えます。
マイナビの新卒採用の調査では、2026年卒の内定者1人あたりの平均で、応募した学生が48.3人でした。説明会に参加した学生は14.6人、1次面接を受けた学生は6.0人です。
インターンシップを実施する場合は、参加者のうち本選考に進んだ割合も追いましょう。
大学などの関係団体でつくる就職問題懇談会は、オープン・カンパニー(企業などが主催する説明会やイベント)やキャリア教育で得た学生情報を採用活動に使わないよう、企業に求めています。
採用活動に使えるのは一定の要件を満たすインターンシップで得た学生情報で、使える時期も原則として広報は3月以降、選考は6月以降とされています。
※出典:マイナビ「2026年卒企業新卒内定状況調査」
※出典:内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について(参考資料:就職問題懇談会による企業等への要請)」
※出典:内閣官房「2025(令和7)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について」
採用後の指標のうち、立ち上がりと定着は評価する時期が新卒と中途で異なる
採用後の成果として新卒と中途に共通する指標は、採用単価・立ち上がり・定着の3つです。採用単価は、採用にかかった費用を採用人数で割って求めます。立ち上がりは、任せた業務を一人で担えるようになるまでの期間です。
採用単価は、新卒も中途も採用を終えた時点で計算できます。違うのは、立ち上がりと定着を評価する時期です。
中途は入社後数か月で立ち上がりを、新卒は数年をかけて立ち上がりと定着を評価しましょう。新卒の定着は、自社の3年以内の離職率を厚生労働省の公表値と比べると、水準をつかみやすいでしょう。
指標が増えるほど、Excelや、分析機能が限定的な採用管理システムでは集計に手間がかかりがちです。
採用管理システム「RPM」の選考ファネル分析では、段階ごとの通過率を確認できます。リードタイム分析では応募から採用までにかかる時間を工程ごとに、費用対効果分析では媒体ごとの費用と採用単価を把握できます。
よくある質問(FAQ)
新卒採用と中途採用を進めるうえで、よく挙がる疑問は次の3つです。
新卒採用と中途採用はどちらが難しいですか。
どちらが難しいかは一概に言えず、つまずきやすい点が違います。
新卒では、マイナビの新卒採用の調査で2026年卒の採用充足率が69.7%と、2017年卒以降の同じ時期の調査でもっとも低くなりました。採用活動が厳しかったと答えた企業のうち81.1%が、理由に「母集団の確保」を挙げています。
中途では、2025年の中途採用が前年と比べて「厳しかった」とした担当者が80.6%にのぼり、理由は「求職者の質が低かった」が33.3%で最多でした。
どちらの場合も、応募者がどの段階で減っているかを自社の数字で確かめてから手を打ちましょう。
卒業予定の学生が中途採用の求人に応募してきたら受け付けてよいですか。
受け付けることはできます。ただし卒業予定の学生は、政府が要請する就職・採用活動日程の対象です。採用選考や内定の時期は違い②で示した日程が原則で、入社は卒業後になります。
求人の応募資格に実務経験を求めている場合は、その条件を満たすかどうかで判断できます。受け付ける場合は入社の時期と、給与に新卒・中途のどちらの基準を当てはめるかを先に決め、本人に伝えておきましょう。
入社後の研修や評価・昇進は新卒と中途で分けるべきですか。
研修は入社時点の経験に合わせて分け、評価と昇進の基準はそろえましょう。評価と昇進は、入社の経路ではなく役割と成果で決めると、同じ仕事をする社員の間で処遇の差を説明できます。
昇進の時期を入社年次で定めている場合は、中途入社者の前職での経験をどう数えるかも決めておきましょう。
まとめ|新卒と中途の違いを踏まえ、採用目的と余力で選ぶ
- 新卒採用と中途採用は、採用対象・時期・選考で見る点・採用コスト・給与・入社後の育成の6点が異なる
- 欠員補充や増員を急ぐなら中途、中核人材を育てたいなら新卒が向く
- 求める水準に見合う条件を示し、面接の評価基準は新卒と中途で分ける
新卒と中途のどちらを選ぶかは、採用の目的と社内の余力次第で変わります。どちらを選ぶ場合も、応募から入社までの段階ごとの人数と日数を、採用区分ごとに押さえておきましょう。
新卒と中途を併用すると応募の経路も選考の段階も増え、人数や日数を手作業で集めるほど担当者の負担が重くなります。
採用管理システム「RPM」は、約400の求人媒体と連携し、採用サイトやエージェント経由を含む応募情報を一元管理できるサービスです。
応募受付から面接予約までの連絡を自動化し、選考段階ごとの通過率や媒体ごとの採用単価も確認できます。採用管理に課題がある場合はぜひご検討ください。








