
紹介予定派遣とは?仕組み・派遣との違い・正社員になれる確率を解説
紹介予定派遣とは、最長6ヶ月間派遣社員として働いた後、企業と本人が合意すれば直接雇用(正社員・契約社員など)へ切り替わる制度です。
入社前に実際の職場で働き、相性や適性を見極められるため、採用ミスマッチを防ぐ手法として活用されています。
厚生労働省のデータでは、直接雇用に至る割合は約56%。本記事では仕組みや派遣との違い、正社員になれる確率までわかりやすく解説します。
目次[非表示]
- 1.紹介予定派遣とは?最長6ヶ月で直接雇用を目指す派遣制度
- 2.紹介予定派遣の仕組み|正社員になるまでの流れ(5ステップ)
- 2.1.Step1 派遣会社に登録し紹介予定派遣の求人に応募する
- 2.2.Step2 書類選考・面接を経て派遣就業がスタートする
- 2.3.Step3 派遣期間中に仕事内容や職場の相性を見極める
- 2.4.Step4 満了前に企業と本人の意思確認が行われる
- 2.5.Step5 合意すれば直接雇用(正社員・契約社員など)へ切り替わる
- 3.通常の派遣との違い|「直接雇用が前提」が最大のポイント
- 4.人材紹介との違い|紹介予定派遣は「働いてから採用判断できる」
- 5.【比較表】紹介予定派遣・派遣・人材紹介の違いをわかりやすく整理
- 6.雇用主の違い(派遣期間中は派遣会社/採用後は企業)
- 7.紹介予定派遣のメリット|入社前に職場を見極められる
- 8.紹介予定派遣のデメリット・注意点|必ず正社員になれるわけではない
- 9.紹介予定派遣で正社員になれる確率は?(直接雇用率56%)
- 10.紹介予定派遣が向いている人・向かない人
- 10.1.向いている人:安定して長く働ける職場を探したい人
- 10.2.向いている人:未経験職種に挑戦したい人
- 10.3.向かない人:すぐ正社員として転職したい人
- 10.4.向かない人:短期・柔軟な働き方を優先したい人
- 11.企業側のメリット|採用ミスマッチを減らしコストも抑えられる
- 11.1.働きぶりを見てから採用でき定着率が上がる
- 11.2.採用業務を派遣会社が担うため工数を削減できる
- 11.3.即戦力人材をスピーディに確保しやすい
- 12.企業側の注意点|期間制限・手数料など制度上のルール
- 12.1.派遣期間は最長6ヶ月で延長できない
- 12.2.紹介予定派遣後に試用期間を設けられない
- 12.3.採用決定時には紹介手数料が発生する
- 12.4.派遣禁止業務では利用できない
- 13.派遣会社にとっての紹介予定派遣とは?(補足)
- 14.よくある質問(FAQ)|面接・辞退・雇用形態の疑問を解消
- 14.1.紹介予定派遣は必ず正社員になれますか?
- 14.2.派遣期間中に辞退することはできますか?
- 14.3.面接や筆記試験はありますか?
- 14.4.直接雇用後の待遇は事前にわかりますか?
- 15.まとめ|紹介予定派遣は「お試し転職」で直接雇用を目指せる制度
紹介予定派遣とは?最長6ヶ月で直接雇用を目指す派遣制度
紹介予定派遣は、将来的な直接雇用を前提として、まずは派遣社員として就業をスタートする制度です。
まずはこの制度の法的な立て付けと、基本的な概念を整理しておきましょう。
紹介予定派遣は「派遣+職業紹介」を組み合わせた働き方
この制度は、人材を供給する「労働者派遣」と、企業へ人材を斡旋する「有料職業紹介(人材紹介)」の2つの機能を併せ持っています。
まずは派遣社員として働きながら業務適性や社風とのマッチングを確認し、派遣期間の終了時に双方が合意すれば、派遣会社が職業紹介を行い、企業の直接雇用へ切り替わる仕組みです。
最初から正社員として入社するプレッシャーを軽減し、現場のリアルな空気を体感できるのが最大の魅力です。
派遣期間終了後に双方が合意すれば正社員・契約社員として採用される
最も重要なポイントは、派遣期間が終われば「自動的に正社員になれるわけではない」という点です。
企業側は「自社で長く活躍できる人材か」を評価し、求職者側も「ここで働き続けたいか」を判断します。
どちらか一方が合意しなければ直接雇用には至らず、派遣契約の満了をもって終了となります。 お互いに「断る権利」を持っていることが、この制度の公平性を担保しています。
厚生労働省でも「直接雇用を予定した派遣」と定義されている
労働者派遣法において、紹介予定派遣は「労働者派遣のうち、派遣元事業主が、派遣労働者・派遣先に対して、職業紹介を行うことを予定しているもの」と明確に定義されています。
そのため、通常の派遣業務とは異なる法規制が適用されます。企業側も求職者側も、この制度独自のルールを正しく理解した上で活用することが、後々のトラブルを回避する鍵となります。
紹介予定派遣の仕組み|正社員になるまでの流れ(5ステップ)
紹介予定派遣を利用して入社するまでのプロセスは、一般的な中途採用や登録型派遣とはフローが異なります。
派遣会社への登録から直接雇用に至るまでの具体的な5つのステップを解説します。
Step1 派遣会社に登録し紹介予定派遣の求人に応募する
まずは紹介予定派遣を取り扱っている派遣会社に登録します。
求人検索の際は、通常の派遣求人とは区別されているため「紹介予定派遣」のカテゴリで絞り込みを行います。
希望する業界や職種だけでなく、「直接雇用後の想定年収や雇用形態」を事前にしっかり確認し、担当のコーディネーター経由でエントリーします。
Step2 書類選考・面接を経て派遣就業がスタートする
応募後は、派遣先企業による書類選考と面接が実施されます。
企業側も「将来の自社社員」として選考を行うため、単なるスキル確認だけでなく、志望動機やこれまでの経験がしっかりと問われます。
この選考を通過して初めて、派遣会社と雇用契約を結び、派遣スタッフとしての就業がスタートします。
企業側はここで対応スピードを上げないと、優秀な層は他社へ流れてしまうため注意が必要です。
Step3 派遣期間中に仕事内容や職場の相性を見極める
派遣期間は最長6ヶ月に設定され、この期間が実質的な「試用期間」として機能します。
実際の業務に取り組みながら、仕事の進め方や職場の人間関係、残業の実態などが自分に合うかをチェックします。
企業側も、実務スキルや勤務態度をシビアに評価し、本採用の可否を多角的に検討します。
Step4 満了前に企業と本人の意思確認が行われる
派遣契約が満了する約1ヶ月前を目安に、派遣会社の担当者が企業と求職者の双方へ意思確認を行います。
直接雇用へ移行する意思があるかを確認するとともに、給与や役職といった最終的な雇用条件のすり合わせを、派遣会社が間に入って調整します。
直接言いにくい条件交渉をプロに代行してもらえるのは、求職者にとって大きな利点です。
Step5 合意すれば直接雇用(正社員・契約社員など)へ切り替わる
双方が条件に納得し合意すれば、派遣契約は終了し、原則として派遣期間満了後にその企業へ直接雇用として切り替わります。
万が一、合意に至らなかった場合は派遣期間満了で退職となり、派遣会社を通じてまた別の仕事を探すことになります。
経歴に「短期離職」の傷がつきにくいのも特徴です。
通常の派遣との違い|「直接雇用が前提」が最大のポイント
同じ「派遣会社から就業する」という形態でも、一般派遣(登録型派遣)と紹介予定派遣では、目的も法律上のルールも全く異なります。
実務上トラブルになりやすい3つの違いを解説します。
通常派遣は期間満了で終了、紹介予定派遣は採用を目的とする
一般派遣: 繁忙期対応や産休代替など、一時的な労働力の確保が目的。契約期間が終われば就業終了となるのが基本です。
紹介予定派遣: 最初から「直接雇用すること」を最終目標として設計された制度。派遣期間はあくまで、採用前の見極めプロセスに過ぎません。
派遣期間は通常派遣(最長3年)より短く最長6ヶ月
一般派遣の場合、労働者派遣法の「3年ルール」により、同じ部署で最長3年まで働くことができます。
しかし、紹介予定派遣の派遣期間は「最長6ヶ月」と法律で厳格に定められています。
実務上は、3ヶ月〜6ヶ月程度で見極め期間を設定し、ダラダラと派遣期間を延ばさない運用を行う企業が大半です。
紹介予定派遣では面接・履歴書提出が法律上認められている
一般派遣では、派遣先企業がスタッフを事前面接したり、履歴書を選考したりする行為(特定行為)は法律で固く禁じられています。
これに対し、紹介予定派遣は採用を前提としているため、例外的に事前面接や履歴書の提出が認められています。
企業は自社の基準でしっかりと選考した上で、納得して受け入れることができます。
人材紹介との違い|紹介予定派遣は「働いてから採用判断できる」
企業が直接雇用を前提として外部のサービスを使う場合、「人材紹介(転職エージェント)」と比較されることがよくあります。
この両者の決定的な違いは、採用を判断するタイミングにあります。
人材紹介は入社前に採用決定、紹介予定派遣は就業後に判断できる
人材紹介: 数回の面接のみで合否を判断し、入社した時点で即座に直接雇用がスタートします。
紹介予定派遣: 数ヶ月間一緒に働いて現場でのパフォーマンスを見てから、最終的な採用決定を下すことができます。面接だけでは見抜けない「リアルな適性」を測れるため、採用のリスクを極限まで減らせる構造です。
企業は仕事ぶりを見て採用できミスマッチを減らせる
短い面接時間だけでは、以下のような「リアルな適性」を見抜くのは困難です。
チームメンバーとの協調性
地道な作業への耐性や正確性
予期せぬトラブルやストレスへの対応力
紹介予定派遣であれば、これらを実務を通じて確認できるため、「スキルはあるが社風に合わない」といった早期離職につながる採用ミスマッチを未然に防ぐことができます。
求職者も職場の雰囲気を確認してから入社を決められる
求職者側にとっても、入社前に「上司との相性」「残業の実態」「有給の取りやすさ」などを肌で感じられるメリットは絶大です。
もし自分に合わない職場だと感じた場合でも、履歴書に「短期離職」の傷をつけることなく、派遣期間満了という形でクリーンに辞退することが可能です。
【比較表】紹介予定派遣・派遣・人材紹介の違いをわかりやすく整理
雇用形態やサービスのルールの違いを正確に把握しておくことは、採用戦略を練る上で欠かせません。
実務で重要となる項目別に、3つの違いを比較表で整理しました。
比較項目 | 紹介予定派遣 | 一般派遣(登録型) | 人材紹介(転職エージェント) |
|---|---|---|---|
目的 | 直接雇用のための見極め | 一時的な労働力確保 | 正社員・契約社員の採用 |
派遣中の雇用主 | 派遣会社 | 派遣会社 | なし |
採用後の雇用主 | 企業(直接雇用) | なし(派遣会社のまま) | 企業(直接雇用) |
事前の選考・面接 | 可能 | 不可 | 可能 |
期間 | 最長6ヶ月 | 最長3年 | 無期(正社員)など |
費用発生 | 派遣料金 + 紹介手数料 | 派遣料金のみ | 紹介手数料のみ |
ミスマッチ防止 | ◎(実務で確認できる) | △(事前に選べない) | ◯(面接で見極め) |
雇用主の違い(派遣期間中は派遣会社/採用後は企業)
紹介予定派遣は、期間によって雇用主が切り替わる特殊な形態です。
派遣期間中は派遣会社の福利厚生や給与体系が適用され、直接雇用への切り替え後は就業先企業の就業規則が適用されます。
この切り替えのタイミングで、有給休暇の付与日数などがリセットされる点には注意が必要です。
選考の有無(派遣は不可・紹介予定派遣は可)
面接ができるかどうかは、企業にとって大きな違いです。
一般派遣ではスキルシートの確認と職場見学のみですが、紹介予定派遣と人材紹介では、自社の基準に沿った厳格な採用面接や適性検査を実施できます。
費用発生のタイミング(派遣料金/採用時の紹介手数料)
紹介予定派遣では、派遣期間中の「毎月の派遣料金」と、直接雇用切り替え時の「紹介手数料(年収の20〜30%程度)」の2段階で費用が発生します。
コストはかかりますが、採用失敗による損失(再採用の手間や現場の混乱)を防ぐためのリスクヘッジ費用と捉えられています。
ミスマッチ防止効果が最も高いのは紹介予定派遣
「実際に現場で働いてみる」というプロセスを挟むため、入社後のギャップが最も少ない手法です。
お互いに納得した上で直接雇用契約を結べるため、長期的な定着率が高くなる傾向があり、企業にとっても求職者にとっても安心感があります。
紹介予定派遣のメリット|入社前に職場を見極められる
求職者側から見た紹介予定派遣のメリットは、なんといっても「安全性」の高さにあります。
転職活動のリスクを最小限に抑えつつ、希望のキャリアを目指せる理由を解説します。
実際に働いてから「自分に合う会社か」を判断できる
「入社してみたらブラック企業だった」「聞いていた業務内容と違う」という悲劇を防げます。
お試し期間中に社内のリアルな情報や人間関係に直接触れられるため、納得感を持って正社員への道を選択できます。
百聞は一見に如かずを体現できるのが最大の強みです。
派遣会社のサポートで転職活動の負担を減らせる
派遣会社を利用することで、以下のような手厚いサポートを受けられます。
履歴書の添削・面接対策
企業との面接日程の調整
自分では言いにくい給与交渉・待遇確認の代行
担当者が間に入ってくれるため、心理的負担を大きく減らして選考に臨むことができます。
正社員求人が少ない企業にも入社できるチャンスがある
大手企業や人気企業の中には、「中途採用はリスクを減らすために紹介予定派遣のみで行う」としているケースも少なくありません。
いきなり正社員求人に応募すると書類選考で弾かれてしまうような企業でも、紹介予定派遣というルートを使うことで、実力で正社員の座を勝ち取れる可能性が広がります。
紹介予定派遣のデメリット・注意点|必ず正社員になれるわけではない
非常にメリットの多い制度ですが、求職者にとってはリスクや注意点も存在します。
制度のネガティブな側面も正しく理解した上で活用を検討してください。
合意がなければ契約終了となり採用されない場合もある
最大の注意点は、派遣期間を終えれば100%直接雇用されるわけではないという点です。
企業側が「自社の基準に達していない」と判断すれば、派遣期間終了とともに契約は終わります。
これを「不成立」と呼び、再びゼロから仕事探しを始めなければならないリスクが伴います。
正社員ではなく契約社員採用になるケースもある
「直接雇用=正社員」とは限りません。直接雇用には契約社員や嘱託社員も含まれます。
求人によっては「まずは契約社員として登用し、1年後に正社員登用試験がある」といった条件のケースもあるため、応募時に「直接雇用後の具体的な雇用形態」を必ず確認しておく必要があります。
求人数が通常派遣より少なく選択肢が限られる
求人市場全体で見ると、紹介予定派遣の求人数は通常の登録型派遣や正社員求人に比べて少ないのが現状です。
希望する職種やエリア、条件によっては、マッチする案件がなかなか見つからず、就業決定までに時間がかかってしまう場合があります。
紹介予定派遣で正社員になれる確率は?(直接雇用率56%)
「実際、どれくらいの人が直接雇用されているのか?」という疑問に対し、データをもとに実態を解説します。必ず採用されるわけではないからこそ、客観的な数値を知っておくことが重要です。
厚生労働省データでは直接雇用に至る割合は約56%
厚生労働省の「労働者派遣事業報告書(令和4年度)」によると、紹介予定派遣によって派遣された労働者のうち、直接雇用に結びついた割合は約56%(56.2%)です。
つまり、約半数以上が直接雇用へと切り替わっています。残りの半数は、企業側が採用を見送ったか、あるいは求職者側が辞退して不成立となったケースです。
引用元:厚生労働省の「労働者派遣事業報告書(令和4年度)」
「直接雇用率」と「正社員化率」は一致しない点に注意
前述の通り、この「56%」という数字はあくまで直接雇用に至った割合であり、全員が正社員になったわけではありません。ここには契約社員やパートへの切り替えも含まれています。
実務上の感覚では、直接雇用されたうちの約6〜7割程度が正社員として迎えられている印象ですが、案件ごとの条件確認が必須となります。
成功確度を上げるには派遣期間中の評価が重要
直接雇用への移行率を高めるには、企業側が派遣期間中の「評価の質」にこだわる必要があります。
単にスキルを採点するだけでなく、定期的な面談でフィードバックを行い、本人の不安を解消するような「育成を伴う評価プロセス(オンボーディング)」を築くこと。
これが、求職者の志望度を高め、最終的な内定承諾率(歩留まり)を大きく左右します。
紹介予定派遣が向いている人・向かない人
これまでの特徴を踏まえ、この働き方がマッチする人と、別の転職手法を選んだ方が良い人の傾向を整理します。
向いている人:安定して長く働ける職場を探したい人
「もう転職を繰り返したくない」「過去に社風のミスマッチで早期退職した経験がある」という人には最適な制度です。
現場の空気を自分の目で確かめ、慎重に職場を見極めたい人の期待に応えられます。
向いている人:未経験職種に挑戦したい人
「未経験から事務職やITエンジニアに就きたい」といった場合、いきなり正社員選考では経験者と比較されて不利になりがちです。
紹介予定派遣ならポテンシャル(人間性や意欲)で採用されやすく、実務を通じて適性を証明できるチャンスがあります。
向かない人:すぐ正社員として転職したい人
「今すぐ正社員の肩書きと給与が欲しい」「派遣期間(数ヶ月)の不安定な状態が耐えられない」と感じる人には不向きです。
スピーディに身分を安定させたい場合は、通常の人材紹介(転職エージェント)の利用をおすすめします。
向かない人:短期・柔軟な働き方を優先したい人
「いろいろな会社や業務を経験したい」「責任の重い仕事や残業は避けたい」という人は、通常の登録型派遣の方が合っています。
紹介予定派遣はあくまで「一つの企業での長期雇用」を前提とした制度です。
企業側のメリット|採用ミスマッチを減らしコストも抑えられる
企業や採用担当者から見た場合、紹介予定派遣を導入することで得られるメリットは多岐にわたります。
特に採用活動の質と効率を大幅に引き上げることが可能です。
働きぶりを見てから採用でき定着率が上がる
書類や面接だけでは判断しきれない「現場での適応力」や「既存社員との相性」を、数ヶ月かけて確認してから採用できます。
自社のカルチャーにフィットした人材のみを社員として迎え入れられるため、入社直後の早期離職リスクが激減し、組織の安定化につながります。
「面接の印象は良かったが実務が伴わなかった」という採用事故を防げるのは大きな強みです。
採用業務を派遣会社が担うため工数を削減できる
煩雑な採用業務の多くを派遣会社が代行してくれるため、大幅な工数削減が可能です。
求人媒体への掲載・母集団形成
応募者の一次スクリーニング
候補者との面接日程の調整
人事担当者は、最終的な見極めや面接といったコア業務に集中できるため、採用部門のリソース不足解消にも効果的です。
即戦力人材をスピーディに確保しやすい
派遣会社が抱える豊富な登録スタッフのデータベースから人選を行うため、自社でゼロから一般公募をかけるよりも、要件に合う即戦力の候補者がスピーディに見つかるケースが多いです。
さらに、採用管理システム(ATS)を利用して派遣会社からの推薦をシームレスに取り込み、面接調整を自動化すれば、選考スピードが格段に上がります。
結果として、優秀な人材を他社に取られる前に現場へアサインすることが可能になります。
企業側の注意点|期間制限・手数料など制度上のルール
企業が紹介予定派遣を活用するにあたって、押さえておくべき法的・運用上のルールがあります。
知らずに運用するとコンプライアンス違反となるため注意が必要です。
派遣期間は最長6ヶ月で延長できない
派遣期間は最長6ヶ月までと法律で上限が定められており、これを超えて「もう少し様子を見たいから」と派遣契約のまま延長することはできません。
6ヶ月経過時点(または契約満了時)で、必ず「採用するか、終了するか」の結論を出す必要があります。
紹介予定派遣後に試用期間を設けられない
原則として、派遣期間が実質的な見極め期間とみなされるため、改めて長期の試用期間を設ける運用は慎重に検討する必要があります。
派遣期間そのものが試用期間としての役割を果たしているとみなされるためです。
この点を踏まえ、派遣期間中に以下の見極めを完了させておく必要があります。
業務スキルが求める水準に達しているか
社風や既存メンバーとマッチしているか
勤怠(遅刻・欠勤など)に問題はないか
採用決定時には紹介手数料が発生する
直接雇用への切り替え時には、人材紹介会社へ支払う紹介手数料(理論年収の20〜30%程度が相場)が発生します。
派遣期間中に支払う派遣料金(ランニングコスト)に加え、採用時のイニシャルコストが必要になるため、採用予算のトータルコストを事前に試算しておくことが重要です。
派遣禁止業務では利用できない
通常の労働者派遣と同様、以下の「派遣禁止業務」では、紹介予定派遣制度を利用することはできません。
港湾運送業務
建設業務
警備業務
医療関連業務(一部例外あり)
派遣会社にとっての紹介予定派遣とは?(補足)
業界の裏側として、なぜ派遣会社が紹介予定派遣の提案に力を入れているのか、その構造的な背景を短く補足します。
派遣収益と紹介収益を組み合わせられるハイブリッド型
派遣会社にとっては、派遣期間中のマージン(継続的な派遣収益)と、採用決定時の手数料(高単価な紹介収益)の両方を得られる魅力的なビジネスモデルです。
ストック型とショット型の良さを併せ持っています。
採用難が続く中でニーズが拡大している
企業の人手不足が深刻化し、「採用の失敗」が経営に与えるダメージが大きくなっている中、ミスマッチを防げる紹介予定派遣の需要は堅調に伸びています。
派遣会社は紹介・RPOへ広がる流れもある
単純な人材派遣の利益率が低下する中、派遣各社は人材紹介や採用代行(RPO)へと事業領域を広げており、紹介予定派遣はその足がかりとなる重要なサービスと位置づけられています。
よくある質問(FAQ)|面接・辞退・雇用形態の疑問を解消
最後に、紹介予定派遣に関して求職者や企業担当者から頻繁に寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
面接の有無や辞退のルールなど、実務で迷いやすいポイントを解消しておきましょう。
紹介予定派遣は必ず正社員になれますか?
必ずなれるわけではありません。派遣期間終了時に、企業側の評価と求職者側の意思が合致した場合のみ採用となります。
また、直接雇用が「契約社員」となるケースもあるため、事前の条件確認が重要です。
派遣期間中に辞退することはできますか?
はい、可能です。「働いてみたけれど社風が合わなかった」という場合は、派遣期間満了のタイミングで直接雇用を辞退できます。
通常の退職手続きよりも精神的な負担が少なく、スムーズに辞退できる点が特徴です。
面接や筆記試験はありますか?
はい、あります。紹介予定派遣は直接雇用を前提としているため、通常の転職活動と同様に事前の書類選考や面接が法律で認められています。
企業によっては適性検査や筆記試験が行われることもあります。
直接雇用後の待遇は事前にわかりますか?
はい、派遣契約を結ぶ前に明示されます。派遣会社から提示される求人票や条件明示書に、直接雇用後の想定年収、雇用形態(正社員か契約社員か)、福利厚生などが記載されています。
不明な点は、選考に進む前に派遣会社を通じて確認しておきましょう。
まとめ|紹介予定派遣は「お試し転職」で直接雇用を目指せる制度
紹介予定派遣は、企業と求職者が互いに「見極め期間」を持つことで、納得度の高い雇用契約を実現する非常に合理的な制度です。
求職者のメリット: 職場の雰囲気や実際の業務内容を体験してから、安心して入社を決められる
企業のメリット: スキルや定着性を現場で確認してから採用でき、早期離職のリスクを大幅に減らせる
「いきなりの転職は不安がある」「採用の失敗によるコストや現場の疲弊を防ぎたい」と考える双方にとって、ミスマッチを防ぐ強力な選択肢となります。
制度のメリット・デメリットを正しく理解し、ATSやエージェントと連携した歩留まりの改善など、自社の採用戦略に上手く組み込んで活用してください。






