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採用広報とは?成功に導く手法・メリット・事例を徹底解説

労働人口の減少と採用市場の激化に伴い、従来の求人サイトに広告を出し、応募を待つという手法だけでは、優秀な人材の獲得が極めて困難になっています。

こうした中、多くの先進企業が注力しているのが、自社の魅力を自ら発信し、候補者との信頼関係を築く採用広報という手法です。本記事では、採用広報の定義やメリット、具体的な施策からKPIの設定方法まで、実務に即した知見を網羅的に解説します。

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目次[非表示]

  1. 採用広報とは?定義と注目される背景
    1. 採用ブランディングとの違い
    2. 採用広報が注目される背景
  2. 採用広報に取り組む目的と得られるメリット
    1. 認知度の向上と潜在層へのアプローチ
    2. 採用ミスマッチの防止と離職率の低下
    3. 採用コストの最適化
  3. 採用広報の手法と各チャネルの特性
    1. SNSを活用したリアルタイム発信
    2. オウンドメディアを活用した理解促進
    3. 動画メディアの活用による志望度の向上
    4. 広告(ペイドメディア)の活用
    5. PR・プレスリリース(アーンドメディア)の活用
  4. 採用広報は誰が担う?体制づくりと社員の巻き込み方
    1. 採用広報を担う部門・担当者の決め方
    2. 現場社員を巻き込むための進め方
    3. 兼任・少人数で運用する際の役割分担
  5. 採用広報を成功させるための戦略立案4ステップ
    1. ターゲット像を定める(誰に届けるか)
    2. 自社の魅力とコンセプトを整理する(何を伝えるか)
    3. メッセージと媒体を設計する(どう伝えるか)
    4. KPIを設定して効果を検証する(どう計測し、改善するか)
  6. 採用広報の始め方|小さく始めて成果につなげる手順
    1. まずは社員インタビュー1本から始める
    2. 日々の業務から発信ネタを見つけて整理する
    3. 採用サイト・オウンドメディアを発信基盤として整える
  7. 採用広報を継続させるための運用のポイント
    1. 採用広報が続かない原因と、運用を仕組み化する方法
    2. 成果が見えにくい時期の乗り越え方と先行指標
    3. 経営層・上長に必要性を伝え、予算を確保する
    4. 自社で抱える範囲と外注する範囲の見極め方
  8. 採用広報の成功事例
    1. メルカリ
    2. サイボウズ
  9. 採用広報のトレンド
    1. 影響力のあるメディアとの関係を築き、発信を広げる
    2. YouTube・社員密着型コンテンツの活用
    3. 良い面も課題も開示する「ありのままの発信」
  10. まとめ:採用広報は、採用力を支える重要な取り組み

採用広報とは?定義と注目される背景

採用広報とは?

採用広報とは、企業が求める人材に向けて、自社の魅力や働く環境を発信する取り組みです。

給与や勤務地などの募集要項を伝えるだけでなく、企業理念や事業の方向性、実際の仕事内容、職場の雰囲気、社員の声などもあわせて届けることで、応募前の理解を深めてもらう役割があります。

発信手段としては、SNSや採用サイト、オウンドメディアなどが活用されます。

その目的は、応募意欲を高めることだけではありません。まだ転職を考えていない潜在層にも認知を広げ、定着につなげることまでを含む、相互理解のための活動です。

採用ブランディングとの違い

採用広報と混同されやすい言葉に、採用ブランディングがあります。両者は地続きですが役割が異なります。

採用ブランディングは、採用市場のなかで自社をどのような会社として認識してもらうかを定める「方向性の設計」です。

一方の採用広報は、その方向性をもとに情報を発信し、求職者に届けていく「実行の取り組み」を指します。

比較項目

採用ブランディング

採用広報

性質

抽象的・静的・戦略的

具体的・動的・戦術的

役割

目指すイメージを定義する

定義した内容を発信して届ける

主なアウトプット

タグライン、バリュー策定、ロゴ

記事、動画、SNS投稿、イベント

効果

中長期的なイメージの醸成

段階的・具体的なリアクションの向上

つまりブランディングが地図を作り、広報がその地図に沿って歩くといった関係です。両者がずれずに連動してはじめて、求職者に一貫したメッセージが伝わります。

採用広報が注目される背景

採用広報が注目されている背景には、主に3つの変化があります。

人材獲得競争の激化

少子高齢化により働き手が減るなかで、企業はこれまで以上に限られた候補者を取り合う状況になっています。

そのため、求人を出して応募を待つだけでは、必要な人材を十分に確保しにくい状況です。

厚生労働省の労働経済白書2025年版では、直近の有効求人倍率は大きく動いていない一方で、人手不足感のさらなる高まりがみられ、大企業・中堅企業・中小企業のいずれでも不足感が強いと整理されています。

厚生労働省 令和7年版 労働経済の分析※出典:厚生労働省 令和7年版 労働経済の分析

求職者の価値観の変化

給与や条件だけでなく、働く意味や職場の雰囲気、働き方との相性を重視する人が増えています

転職を今すぐ考えていない層も含めて、企業のリアルな情報を見ながら比較検討する傾向が強まっています。

リクルートマネジメントソリューションズの調査では、退職理由の上位に「人間関係」や「働き方」、「仕事のやりがい」が挙げられています。

こうした入社ミスマッチを減らすためにも、求人票では伝えきれないリアルな情報発信の重要性が高まっています。

退職理由※出典:リクルートマネジメントソリューションズ:「新人・若手の早期離職に関する実態調査」

情報収集手段の変化

求職者は、求人票だけでなく、SNSやWebメディア、企業サイトなどを通じて企業情報を集めています

特に若い世代ほどその傾向が強く、企業側にも自ら情報を発信する姿勢が求められるようになっています。

No Companyの調査では、​「就職活動においてSNSで情報収集をすることはありますか」について、57.2%の就活生が「ある」と回答しており、SNSでの情報収集がメジャーになりつつあることがわかります。

就職活動でのSNS利用に関する調査※出典:No Company:「Z世代就活生のSNS活用に関する実態調査」

採用広報に取り組む目的と得られるメリット

企業が採用広報に取り組む目的は、突き詰めれば人材獲得の安定化と、入社後のマッチング精度を高めることにあります。

優秀な候補者は常に複数の企業を比較しており、条件面だけで自社を選んでもらうのは容易ではありません。

だからこそ、この会社で働きたいと思ってもらえる納得感や共感を、継続的な発信を通じて育てていく必要があります。

認知度の向上と潜在層へのアプローチ

採用広報の大きな効果のひとつが、これまで接点のなかった層に自社を知ってもらえることです。

転職市場には、今すぐ動きたい人だけでなく、良い会社があれば話を聞いてみたいという潜在層が数多く存在します。

事業内容や働く人の姿をSNSやオウンドメディアで継続的に発信すれば、普段は求人サイトを見ないこうした層にも情報が届きます。

特に知名度だけでは候補者を集めにくいBtoB企業や中小企業にとって、自社らしい魅力を伝える有力な手段になります。

採用ミスマッチの防止と離職率の低下

採用広報は、入社後のミスマッチを防ぐうえでも重要な役割を果たします。

良い面だけでなく、仕事の難しさや求められる姿勢、職場の実際の雰囲気まで含めて発信することで、候補者は入社前に企業理解を深められます。

あらかじめ現場に近い情報に触れてもらえば、入社後に思っていた環境と違ったと感じるズレを減らせます。

結果として早期離職を防ぎ、定着率の向上につながる点が、採用広報の見過ごせない効果です。

採用コストの最適化

採用広報は、長期的に見れば採用にかかるコストの見直しにもつながります。

自社メディアやSNSでの発信を続けることで直接応募の比率が高まり、求人媒体への掲載費や人材紹介会社への手数料を抑えやすくなるためです。

さらに採用広報は、社員による紹介採用も後押しします。自社の魅力や事業の意義が社外向けに整理されていれば、社員自身も会社を説明しやすくなり、知人へ自信を持って紹介できるようになります。

発信の積み重ねが、より持続的な採用体制を支える土台になります。

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採用広報の手法と各チャネルの特性

採用広報のチャネル

採用広報を効果的に進めるには、発信する内容だけでなく、どの媒体でどう届けるかを考えることが欠かせません。

求職者はひとつの媒体だけで企業を判断するわけではなく、SNSで動きを知り、記事で考え方を読み、動画で雰囲気を確かめるというように、複数の情報を組み合わせて理解を深めていきます。

だからこそ各チャネルを役割ごとに使い分け、一貫した情報を届けることが重要です。

SNSを活用したリアルタイム発信

SNSは、企業の雰囲気や日々の動きをタイムリーに伝えやすい手段です。

  • 強み:更新が手軽で、リアルタイムに親近感を伝えられる
  • 向く場面:候補者との最初の接点づくり、認知の入り口

採用サイトや記事に比べて更新のハードルが低く、今の会社の空気感をそのまま届けられます。

媒体

向いている発信

X(旧Twitter)

最新情報の発信、経営層・人事による温度感の伝達

Instagram

オフィスや社員の日常など、写真・動画での可視化

TikTok

カジュアルな見せ方による若い世代との接点づくり

オウンドメディアを活用した理解促進

SNSが接点を広げる役割を担うのに対し、オウンドメディアは企業理解を深めてもらう場として機能します。

社員インタビューや仕事の進め方、プロジェクトの裏側を丁寧に発信することで、短い投稿では伝えきれない考え方やカルチャーまで届けられます。

  • 強み:考え方やカルチャーを深く伝え、記事が資産として残る
  • 向く場面:企業理解の促進、検索経由での長期的な接点づくり

プラットフォームとしてはnoteは始めやすく、記事が資産として蓄積されていく点が特徴です。

動画メディアの活用による志望度の向上

動画は、文章や写真だけでは伝わりにくい情報を届けやすい手段です。

社員の話し方や表情、職場の空気感、働く人同士の距離感までが伝わり、候補者は自分が働く姿を具体的にイメージしやすくなります。

  • 強み:働く姿を具体的にイメージしてもらえる
  • 向く場面:志望度の引き上げ、選考前後の疑問解消

加えて、オンラインイベントやカジュアル面談は対話につなげる場として有効で、候補者の疑問にその場で答えられるため理解が深まります。

広告(ペイドメディア)の活用

ペイドメディアは、費用をかけて広告枠を確保し、狙った層に発信を届ける手法です。

求人広告やSNS広告、リスティング広告などが該当し、短期間でまとまった認知を獲得できる即効性が強みです。

  • 強み:短期間で、狙った層にまとまった認知を届けられる
  • 向く場面:立ち上げ初期の集客、特定職種・エリアへのリーチ

自社メディアにまだ集客力がない段階や、特定の職種・エリアの候補者に確実にリーチしたい場面で力を発揮します。

PR・プレスリリース(アーンドメディア)の活用

アーンドメディアは、報道機関や第三者による発信を通じて信頼を獲得する手法です。

プレスリリースの配信や取材対応、メディア掲載などがこれにあたり、第三者を介することで客観性と信頼性が高まる点が特徴です。

  • 強み:第三者を介するため客観性が高く、信頼を得やすい
  • 向く場面:独自の取り組みや調査結果の発信、認知の波及

新サービスや独自の取り組み、働き方に関する調査結果などは記事として取り上げられやすく、採用広報の文脈でも有効です。

採用広報は誰が担う?体制づくりと社員の巻き込み方

採用広報は、担当者を一人決めれば回るものではありません。誰が旗を振り、現場をどう巻き込むかという体制づくりが、継続できるかどうかを左右します。

採用広報を担う部門・担当者の決め方

採用広報は、人事部門が主体となって進めるのが一般的ですが、発信内容には広報やマーケティングの視点も求められます。

そのため、人事が中心となりつつ、関連部門と連携できる体制が理想です。

重要なのは、肩書きよりも自社の魅力を言語化し、発信を続けられる人をコアに据えることです。専任を置けない場合でも、責任の所在を一人に定めておくと、施策が進みます。

体制を組む際は、次の役割を意識すると整理しやすくなります。

役割

主な担当

全体の方針・意思決定

人事責任者、経営層

企画・発信の実務

人事担当、広報・マーケ担当

コンテンツへの協力

現場社員、各部門のメンバー

現場社員を巻き込むための進め方

採用広報の説得力は、現場社員のリアルな声から生まれます。ただし、通常業務を抱える社員に協力を求めるには工夫が必要です。

いきなり負担の大きい依頼をするのではなく、短時間のインタビューやコメント提供など、小さく関わってもらうところから始めるのが現実的です。

  • 依頼は短時間・低負担のものから始める
  • 協力の目的と、発信後の反響をこまめに共有する
  • 特定の人に偏らせず、複数の部署から少しずつ集める

協力が採用にどう役立つのかを伝え、発信後の反響を共有すれば、社員の納得感も高まります。

兼任・少人数で運用する際の役割分担

専任を置けず、人事担当が他業務と兼任しながら運用するケースは少なくありません。その場合は、一人ですべてを抱えず、工程を分けて負担を平準化することが続けるコツです。

たとえば、企画と編集は担当者が担い、執筆や撮影の素材は現場社員に協力してもらうといった形です。

  • 企画・編集:採用広報の担当者が担う
  • 素材提供(取材・写真など):現場社員が協力する
  • 手が回らない工程:外部パートナーに委託する

すべてを内製にこだわらず、手が回らない工程は外部の力を借りる前提で設計すると、無理なく回せます。

採用広報を成功させるための戦略立案4ステップ

採用広報は、始めること自体が目的ではありません。誰に何をどう届け、どう成果を測るかを最初に設計しておくことで、発信が単発で終わらず、成果につながりやすくなります。ここでは戦略立案の流れを4つのステップで整理します。

ターゲット像を定める(誰に届けるか)

まず明確にすべきは、どのような人材に来てほしいかです。

必要なスキルや経験だけでなく、どんな価値観を持ち、何にやりがいを感じる人かまで描くことで、発信すべき内容の輪郭が見えてきます。

対象が曖昧なまま発信すると、誰の心にも残らないメッセージになりがちです。実在する一人を思い浮かべられるくらい具体的にしておくことが、その後のすべての判断の土台になります。

自社の魅力とコンセプトを整理する(何を伝えるか)

ターゲットが定まったら、その人に対して自社が提供できる価値を整理します。

仕事の裁量、挑戦できる環境、評価制度の納得感、柔軟な働き方、組織の雰囲気など、候補者が魅力に感じうる要素を洗い出し、競合と比べて何が際立つかを見極めます。

注意したいのは、自社が言いたいことではなく、ターゲットが知りたいことを軸に選ぶ点です。

整理の際は、次の観点で書き出すと魅力が言語化しやすくなります。

観点

問いかけの例

事業・仕事

どんな課題に取り組め、何が身につくか

人・組織

どんな人が働き、どんな雰囲気か

働き方・制度

働き方や評価にどんな特徴があるか

メッセージと媒体を設計する(どう伝えるか)

伝えたい魅力が定まったら、それをどの媒体でどう見せるかを設計します。すべてのチャネルで共通の軸を保ちつつ、媒体ごとに見せ方を変えるのがポイントです。

たとえば挑戦できる環境を打ち出すなら、SNSでは日々の動きを、記事では具体的なエピソードを通じて背景まで伝えます。

各チャネルの特性は前章のとおりで、ターゲットとの相性をふまえて組み合わせを決めます。

KPIを設定して効果を検証する(どう計測し、改善するか)

採用広報は応募数だけで成果を測りにくいため、認知・興味・行動の段階ごとに指標を分けて設計します。どの段階で反応が弱いかが見えれば、改善の方向も定まります。

段階

見るべき主な指標

認知フェーズ

記事の閲覧数、SNSの表示回数・反応

興味関心フェーズ

滞在時間、読了率、指名検索数の推移

行動フェーズ

記事経由の応募数、カジュアル面談数

こうした指標を継続的に追うには、応募者の動きを一元的に記録し、どの接点が成果につながったかを可視化できる仕組みがあると効率的です。

採用管理システム「RPM」のように、採用データの分析機能を備えたツールを使えば、施策の検証と改善のサイクルを回しやすくなります。

▶︎RPMの採用データ分析機能を詳しく見る

採用広報の始め方|小さく始めて成果につなげる手順

戦略を固めても、完璧な体制が整うまで動けないままでは前に進みません。採用広報は、小さく始めて続けながら形にしていくのが現実的です。

まずは社員インタビュー1本から始める

最初から大がかりな企画を立てる必要はありません。身近な社員一人にに話を聞くところから始めれば十分です。

入社の経緯や仕事のやりがい、働く環境の実感といった等身大の声は、募集要項では伝わらない魅力を補ってくれます。一本つくれば発信の型ができ、二本目以降のハードルも下がります

まずは協力を得やすい社員に声をかけることから始めましょう。

日々の業務から発信ネタを見つけて整理する

採用広報が続かない大きな原因が、ネタ切れです。これを防ぐには、特別な出来事を探すのではなく、日々の業務の中に題材があると捉える視点が役立ちます。

新しいプロジェクトの始動、社内勉強会、チームの取り組みなど、普段見過ごしている出来事の多くが発信の素材になります。

発信ネタの例としては次のようなものがあります。

  • 社員インタビューや入社エントリー
  • プロジェクトの裏側や仕事の進め方
  • 社内イベントや勉強会のレポート
  • 制度や働き方に関する社内の取り組み

気づいたときにメモを残し、ストックしておくと、書くたびに題材を探す手間がなくなります。

採用サイト・オウンドメディアを発信基盤として整える

SNSは手軽な反面、投稿が時間とともに流れていきます。発信を資産として積み上げるには、自社で管理できる採用サイトやオウンドメディアという基盤を持っておくことが大切です。

記事を蓄積していけば検索からの流入も見込め、候補者がじっくり読み込める場にもなります。

専門知識がなくても更新しやすいよう、採用サイトを自社で構築・運用できる仕組みを選ぶと、発信を無理なく続けられます。

採用管理システム「RPM」は、専門的な知識がなくても採用サイトを作成・更新できるCMS機能を備えており、発信基盤づくりの選択肢になります。

▶︎「RPM」のCMS機能を詳しく見る

5分でわかるRPMの採用サイト作成(CMS)機能

SEOに強い採用サイトの構築から、求人更新・応募管理までを一元化できるRPMの採用サイト作成「ジョブサイトPlus」(CMS)機能の特徴・活用方法をまとめた資料です。

独自ドメイン対応やIndeed連携など、媒体に頼らず自社採用サイトを軸に運用したい方、採用サイトの構築から運用までをシンプルに整えたい方はぜひご活用ください。

採用広報を継続させるための運用のポイント

採用広報は、成果が出るまで時間がかかる取り組みです。だからこそ、いかに無理なく続け、社内の理解を得ながら運用するかが成否を分けます。ここでは継続に欠かせない4つのポイントを解説します。

採用広報が続かない原因と、運用を仕組み化する方法

採用広報が途絶える背景には、担当者の頑張りに依存しすぎているといった共通点があります。ネタ切れ、多忙による後回し、属人化が重なると、発信はやがて止まります。

これを防ぐには仕組み化が必要です。発信の頻度や担当をあらかじめ決め、ネタをストックし、簡単な型に沿って作る流れをつくっておけば、一定のペースを保てます。

仕組み化のために、最低限決めておきたいことは次の3つです。

  • 発信の頻度と公開のタイミング
  • ネタを集めてストックする場所と方法
  • 記事や投稿の基本となる型(テンプレート)

成果が見えにくい時期の乗り越え方と先行指標

採用広報は、応募や採用といった最終成果が出るまでに時間がかかります。その間、効果がないと判断して止めてしまうと、それまでの積み重ねが無駄になります。

大切なのは、最終成果の手前にある先行指標に目を向けることです。

  • 先行指標(早く表れる):閲覧数、フォロワー数、指名検索数
  • 成果指標(あとから表れる):応募数、カジュアル面談数、採用数

閲覧数やフォロワーの増加、指名検索の伸びといった反応は、成果が育ちつつあるサインです。こうした小さな変化を追うことで、手応えを保ちながら継続できます。

経営層・上長に必要性を伝え、予算を確保する

採用広報は成果が見えにくいぶん、社内で予算や工数の確保に苦労しがちです。説得の際は、感覚ではなく数字と事業上の意味で説得することが効果的です。

求人媒体費や人材紹介手数料といった既存の採用コストと比較し、中長期的にどう抑えられるかを示すと、経営層にも価値が伝わりやすくなります。

あわせて、すぐに成果が出る施策ではないという前提を共有しておくと、短期で打ち切られるリスクを減らせます。

自社で抱える範囲と外注する範囲の見極め方

採用広報のすべてを内製で抱える必要はありません。

自社にしか語れない部分は社内で担い、専門性や工数を要する部分は外部の力を借りると、無理なく品質を保てます。判断の軸は、自社の独自性が必要かどうかです。

内製が向く領域

外注が向く領域

発信の方針・コンセプト設計

記事の執筆・編集

社員インタビューなど一次情報

写真・動画の撮影・制作

発信内容の最終確認

サイト構築などの技術対応

外注を活用する場合も、方針や最終判断は自社で持っておくことが、発信の軸をぶらさないコツです。

採用広報の成功事例

採用広報で成果を出している企業には、いくつか共通点があります。

特に重要な点は、企業として見せたい姿だけを発信するのではなく、実際の働き方や組織の特徴をできるだけ率直に伝えていることです。

良い面だけでなく、仕事の難しさや組織としての課題も含めて発信することで、かえって信頼につながっているケースも少なくありません。

また、どの企業も自社らしさを明確にしたうえで、それに合った発信手段を選んでいる点も特徴です。

SNSを中心に認知を広げる企業もあれば、オウンドメディアで理解を深める企業、動画やイベントで雰囲気を伝える企業もあります。

ここでは、採用広報で成果を上げている企業の事例を紹介します。

メルカリ

メルカリは、社員を主役にしたオウンドメディアを通じて、企業のリアルな姿を継続的に発信しています。

社員インタビューだけでなく、社内イベントの様子や入社直後の体験、組織運営における課題まで幅広く取り上げている点が特徴です。

こうした発信によって、候補者は入社前の段階から働く環境やカルチャーを具体的にイメージしやすくなります。

結果として、会社への理解や納得感を持ったうえで応募につながりやすくなり、入社後のギャップも生まれにくくなります。

メルカリの事例からわかるのは、きれいに見せることよりも、実態に近い情報を継続的に届けることの重要性です。情報の量と鮮度を保ちながら発信を続けることで、自社に合う人材と出会いやすくなっているといえます。

参考1:Mercari Careers

参考2:Mercan

サイボウズ

サイボウズは、多様な働き方を認める企業としての姿勢を、一貫した発信を通じて伝えてきた企業です。

アニメ動画や広告、公式ブログなど複数の手段を活用しながら、チームワークや働き方に対する考え方を継続的に発信しています。

こうした取り組みによって、制度やメッセージだけでなく、企業として何を大切にしているのかが伝わりやすくなっています。

その結果、働き方や価値観に共感した人からの応募につながりやすくなり、入社後のミスマッチも起こりにくくなります。

サイボウズの事例からわかるのは、採用広報は単発の発信ではなく、自社の考え方を一貫して伝え続けることが重要だという点です。企業としての姿勢が明確であるほど、共感を軸にした採用につながりやすくなります。

参考1:THE HYBRID WORK

参考2:働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。|サイボウズ アニメ『アリキリ』

採用広報のトレンド

採用広報の手法は、媒体環境の変化とともに移り変わっています。

ここでは近年広がりつつある3つの動きと、取り組む際の現実的な注意点を解説します。

影響力のあるメディアとの関係を築き、発信を広げる

自社発信だけでは届く範囲に限界があるため、業界メディアや影響力のある個人と関係を築き、取り上げてもらう動きが広がっています。

  • 関係構築には時間がかかり、即効性は期待しにくい
  • 一度の掲載で終わらせず、継続的な接点を持つことが前提
  • 自社で語れる独自の切り口や情報を用意しておく

第三者を介することで信頼性が高まり、自社では届かない層にも認知が広がります。

ただし、一度きりの掲載では効果は続きません。継続的に情報を提供し、関係を育てていく前提で取り組む必要があります。

YouTube・社員密着型コンテンツの活用

動画で社員の日常や仕事の様子を伝えるYouTubeは、職場の雰囲気をリアルに届けられる手段として注目されています。

一方で、華やかに見える反面、形骸化しやすい点には注意が必要です。

  • 企画・撮影・編集に想像以上の工数がかかる
  • 更新が止まると逆効果になりやすい
  • 再生数より、候補者に届いているかを重視する

再生数が伸びず更新が止まったチャンネルは、反対に熱量の低さを印象づけてしまいます。

始める前に、誰が継続して制作するか、何本くらいのペースで出せるかを見極めておくことが欠かせません。

良い面も課題も開示する「ありのままの発信」

良い面だけでなく仕事の厳しさや課題も含めて開示する考え方は、RJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)と呼ばれます。

情報があふれ、入社後のギャップが離職につながりやすい今、あらためて重視されています。

ネガティブに見える情報も率直に伝えることで、かえって信頼と納得感が高まり、自社に合う人材が集まりやすくなります。

ただし、課題をただ並べるのではなく、それにどう向き合っているかまで添えることが大切です。

まとめ:採用広報は、採用力を支える重要な取り組み

採用広報は、求人を出して応募を待つ採用から、自社の魅力を自ら伝えて候補者との関係を築く採用へと、軸足を移すための取り組みです。

成果が出るまでには時間がかかりますが、認知の拡大、ミスマッチの防止、採用コストの最適化といった効果は、続けるほど確かなものになっていきます。

大切なのは、完璧な体制を整えてから動くことではなく、社員インタビュー一本からでも小さく始め、無理のない仕組みに乗せて続けることです。

まずは自社のリアルな姿を、できるところから発信してみましょう。

採用広報で認知が広がったあとは、応募者への対応スピードや選考管理の質が採用成果を左右します。

採用関連業務の効率化をお考えの方は、応募者管理から面接調整、採用サイトの作成、効果分析までを一元化できる採用管理システム(ATS)「RPM」もあわせてご検討ください。

RPMは400以上の求人媒体と連携し、採用業務全体の効率化をサポートします。

採用広報の効果を最大化する応募対応と選考管理を自動化できるシステム

採用広報で応募が増えても、初動対応の遅れや選考管理の煩雑さがあると獲得した候補者を取りこぼしてしまいます。

そうした課題を解消するツールとして、採用管理システム「RPM」のサービス概要をまとめた資料です。

400以上の求人媒体との自動連携や応募対応の自動化など、採用広報と組み合わせて採用業務全体を効率化したい方はぜひご活用ください。

髙田輝之
髙田輝之
エン株式会社(旧・エン・ジャパン)およびゼクウで営業部長を歴任。 15年以上にわたりHR業界に携わり、企業の新卒・中途採用支援を中心に、採用戦略設計・広告運用・採用管理システム(ATS)導入・歩留まり改善など、採用領域全般の課題解決に従事。現在はゼクウにて、採用管理やHRテクノロジーをはじめ、人材採用から定着・育成までをカバーするHR全体の仕組み最適化をテーマに、記事企画・監修・執筆を行っている。現場で培った知見を活かし、複雑な人事課題を構造的に整理し、読者が正しく判断できる情報発信を心がけている。

RPMの導入前に知っておきたいポイントをご紹介

目次[非表示]

  1. 採用広報とは?定義と注目される背景
    1. 採用ブランディングとの違い
    2. 採用広報が注目される背景
  2. 採用広報に取り組む目的と得られるメリット
    1. 認知度の向上と潜在層へのアプローチ
    2. 採用ミスマッチの防止と離職率の低下
    3. 採用コストの最適化
  3. 採用広報の手法と各チャネルの特性
    1. SNSを活用したリアルタイム発信
    2. オウンドメディアを活用した理解促進
    3. 動画メディアの活用による志望度の向上
    4. 広告(ペイドメディア)の活用
    5. PR・プレスリリース(アーンドメディア)の活用
  4. 採用広報は誰が担う?体制づくりと社員の巻き込み方
    1. 採用広報を担う部門・担当者の決め方
    2. 現場社員を巻き込むための進め方
    3. 兼任・少人数で運用する際の役割分担
  5. 採用広報を成功させるための戦略立案4ステップ
    1. ターゲット像を定める(誰に届けるか)
    2. 自社の魅力とコンセプトを整理する(何を伝えるか)
    3. メッセージと媒体を設計する(どう伝えるか)
    4. KPIを設定して効果を検証する(どう計測し、改善するか)
  6. 採用広報の始め方|小さく始めて成果につなげる手順
    1. まずは社員インタビュー1本から始める
    2. 日々の業務から発信ネタを見つけて整理する
    3. 採用サイト・オウンドメディアを発信基盤として整える
  7. 採用広報を継続させるための運用のポイント
    1. 採用広報が続かない原因と、運用を仕組み化する方法
    2. 成果が見えにくい時期の乗り越え方と先行指標
    3. 経営層・上長に必要性を伝え、予算を確保する
    4. 自社で抱える範囲と外注する範囲の見極め方
  8. 採用広報の成功事例
    1. メルカリ
    2. サイボウズ
  9. 採用広報のトレンド
    1. 影響力のあるメディアとの関係を築き、発信を広げる
    2. YouTube・社員密着型コンテンツの活用
    3. 良い面も課題も開示する「ありのままの発信」
  10. まとめ:採用広報は、採用力を支える重要な取り組み