catch-img

採用プロセスとは?新卒・中途の6ステップと作り方・改善策

採用プロセスとは、採用計画の策定から募集・選考・内定・入社後のフォローまで、企業が人材を採用するために行う一連の活動です。

採用プロセスが整理されていないと、応募が集まらない、歩留まりが低い、辞退が多いなど、さまざまな局面で問題が生じやすくなります。

多くの企業では、ターゲットの不明確さ、チャネル選定の誤り、面接基準のばらつき、内定後のフォロー不足などがボトルネックになりがちです。

本記事では、採用管理システム「RPM」を提供する株式会社ゼクウが、採用プロセスの基本構造と一般的な6ステップ、よくある課題と改善策を体系的に整理します。

応募対応の自動化機能ガイド
応募受付から面接設定までの対応を自動化できる、RPMの応募対応自動化機能をまとめた資料です。
24時間365日の初動対応や、条件分岐によるステップ配信、日程調整・リマインド・追加情報回収など、面接化率を高める仕組みをわかりやすく解説しています。
応募者対応の工数削減や対応漏れの防止、面接設定率の改善を進めたい方はぜひご活用ください。

目次[非表示]

  1. 採用プロセスとは?
    1. 採用プロセスを設計する目的とメリット
    2. 採用プロセスと採用フローの違い
    3. 新卒採用と中途採用での採用プロセスの違い
  2. 採用プロセスの作り方|一般的な6ステップ
    1. (1)採用計画の策定(採用要件・採用人数・スケジュール・予算)
    2. (2)母集団形成と集客(チャネル設計・求人募集)
    3. (3)情報提供と相互理解(企業説明会・カジュアル面談など)
    4. (4)選考実施(書類・面接・適性検査・評価基準の明確化)
    5. (5)内定通知と内定者フォロー(辞退を防ぐコミュニケーション)
    6. (6)入社手続きとオンボーディング(入社後フォロー・早期定着)
  3. 採用プロセスにおけるよくある課題6つと対策
    1. 課題1. 募集から応募への導線が機能していない(応募が集まりにくい)
    2. 課題2. 選考・面接辞退が多い
    3. 課題3. 内定辞退が多い
    4. 課題4. 採用ミスマッチで早期離職が発生する
    5. 課題5. 人事担当者の業務負担が大きく、プロセスが属人化する
    6. 課題6. 採用コストが高く、費用対効果が見合わない
  4. 採用プロセスを改善するポイント
    1. 採用ターゲットを明確にする
    2. ステークホルダー(関係者)を整理する
    3. 現状のボトルネックを特定する
    4. 採用プロセスを社内全体に周知する
    5. 採用プロセス見直しのチェックリスト
  5. 採用管理システム導入による採用プロセスの改善事例
    1. 応募者への連絡スピード向上で、接触率約10%、登録率約8%向上
    2. 応募時や面接前日の自動メール配信で、当日辞退が約2割減少。年間の面接件数は約38%増加
    3. 紹介会社との連絡方法の切り替えで、部署全体の工数を月100時間削減
  6. 採用プロセスに関するよくある質問
    1. 採用プロセスのどこをKPIとして管理すべきですか?
    2. 採用プロセスを変更する場合、選考中の候補者にはどう対応すべきですか?
    3. 採用管理システムはどのくらいの企業規模から導入すべきですか?
  7. まとめ

採用プロセスとは?

採用プロセスとは何か

採用プロセスとは、企業が人材を採用するために行う一連の活動を指します。採用計画の策定から応募者の募集、選考、内定、入社後のフォローまでを含みます。

誰が、いつ、何を基準に判断するのかを明確にし、候補者対応のスピードや判断のばらつきを防ぐ役割があります。プロセスが整うことで採用の属人化が解消され、ミスマッチや辞退を抑えながら、必要な人材を計画的に採用できる体制につながります

採用プロセスを設計する目的とメリット

採用プロセスを組み立てる大きな目的は、「誰が、いつ、何を基準に判断するのか」を明確にし、採用の再現性を高めることです。

手順が曖昧なままでは、候補者対応の遅延や現場との認識ズレ、面接基準のブレが起きやすく、判断が遅れるほど候補者が他社へ移る可能性も高まります。

採用プロセスを整理すると、主に次の3つのメリットが期待できます。

  • 採用活動の効率化:各ステップの担当と手順が決まり、対応漏れや二度手間が減る
  • ミスマッチ・辞退の防止:評価基準と情報提供が揃い、選考辞退や早期離職を抑えられる
  • 採用コストの最適化:ステップごとの歩留まりが見えるため、費用対効果の低い施策を見直せる

採用業務が属人化せず、誰が担当しても同じ品質で回る再現性のある採用に近づくことが、大きなメリットです。

採用プロセスと採用フローの違い

採用プロセスと採用フローに明確な定義上の違いはなく、同じ意味で使われることもあります。

本記事では、採用計画から入社後フォローまでの全体を「採用プロセス」、応募から内定までの選考手順を「採用フロー」として区別します。

この整理では、採用フローは採用プロセスの中核部分にあたります。選考手順そのものの組み立て方を詳しく知りたい方は、次の記事もあわせて参考にしてください。

新卒採用と中途採用での採用プロセスの違い

新卒は情報提供と動機形成、中途は選考スピードと見極めの精度が、プロセスを組み立てる際の主な軸になります。

項目

新卒採用

中途採用

採用目的

将来の戦力育成を見据えたポテンシャル採用

欠員補充・増員など、必要な人材の確保

開始時期

卒業時期に合わせた一定のスケジュールが中心

欠員・増員計画に応じて随時

募集期間

数か月から1年以上になりやすい

数週間から数か月が中心

フローの特徴

説明会→エントリー・書類選考→適性検査・複数回面接→内々定・内定

求人募集・スカウト→書類選考→面接2〜3回→条件提示・内定

新卒採用は、説明会・エントリー・複数回の面接・グループ選考などを通じて、母集団を段階的に絞り込む構造が中心です。

企業理解の促進や動機形成、内定後のフォローが重要になり、採用活動が数か月から1年以上にわたることもあります。

また、政府が示す就職・採用活動日程では、広報活動は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動は卒業・修了年度の6月1日以降、正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降が原則とされています。

そのため、6月から9月にかけて出す通知は、正式な内定ではなく内々定にあたり、内定者フォローもこの期間から始まります。※

一方、中途採用では、募集開始から入社までの期間が短くなりやすく、選考スピードが重要になります。面接回数は2〜3回程度に収める企業が多く、連絡の遅延や判断のブレは辞退につながりやすくなります。

※出典:厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について

採用プロセスの作り方|一般的な6ステップ

自社の採用プロセスを作成する際は、各ステップについて「担当者」「期限」「判断基準」「管理するKPI」を決めておくことが重要です。

工程だけを並べるのではなく、誰が、いつまでに、何を基準として進めるのかを明確にすることで、候補者対応の遅れや判断のばらつきを防ぎやすくなります。

採用プロセスの一般的なステップ

採用プロセスを設計する際は、採用計画から入社後のフォローまでを、次の6ステップに分けて整理すると分かりやすくなります。

  • (1)採用計画の策定(採用要件・採用人数・スケジュール・予算)
  • (2)母集団形成と集客(チャネル設計・求人募集)
  • (3)情報提供と相互理解(企業説明会・カジュアル面談など)
  • (4)選考実施(書類・面接・適性検査・評価基準の明確化)
  • (5)内定通知と内定者フォロー(辞退を防ぐコミュニケーション)
  • (6)入社手続きとオンボーディング(入社後フォロー・早期定着)

この6ステップは、自社の採用フローに当てはめ、抜けている工程がないかを確認する際にも活用できます。各ステップで取り入れられる具体的な施策も紹介しているため、採用プロセスの改善にお役立てください。

(1)採用計画の策定(採用要件・採用人数・スケジュール・予算)

採用計画の策定は、採用プロセス全体の土台になる工程です。ここで決めた前提が曖昧だと、母集団の集め方や選考フロー、内定フォローまですべてがぶれます。

まず、欠員補充か増員か、事業目標とどう関係するのかといった「なぜ採用するのか」を整理します。そのうえで、次の4点を関係者と合意しておくことが重要です。

  • 採用要件:中途なら業務に必要な経験・スキル、新卒なら入社後に伸ばせる素質・人物像をMUST/WANTで分解
  • 採用人数:いつまでに何名必要か、代替案はあるか
  • スケジュール:募集開始から内定・入社までの大まかなタイムライン
  • 予算:媒体費・紹介費・工数を含めた上限

ここまで決まっていると、次のステップで使うチャネルや打ち手も選びやすくなり、以降のプロセス全体でブレない判断がしやすくなります。

(2)母集団形成と集客(チャネル設計・求人募集)

母集団形成では、(1)で定義した採用要件・人数・時期を前提に、どのチャネルから、どの層を、どれくらい獲得するかを決めます

単に媒体に掲載するのではなく、ターゲットの行動特性に合わせて手法を選び、求人募集を開始しましょう。

  • 未経験・第二新卒を含む若手層:ナビサイト/説明会/SNS
  • 実務経験者層:スカウト/人材紹介
  • 専門職:スカウト/専門媒体
  • カルチャーフィット重視:SNS/採用広報/リファラル

たとえば中途採用で経験者を求める場合、求人媒体だけでは応募が集まりにくく、スカウト(ダイレクトリクルーティング)や人材紹介との併用が有効なことがあります。

専門職や実務経験の長い層は転職を急いでいないことも多いため、企業側から接触する手法が選択肢になります。

一方、新卒採用ではナビサイトや学校連携が母集団の中心となり、説明会の動員を高める採用広報も重要になります。

SNSや社員紹介(リファラル)など新しいチャネルも広がっており、候補者理解やブランド発信の手段になります。

重要なのは、チャネルごとに「どんな候補者が集まるか」「どの段階で効くか」を整理し、複数の手法を組み合わせて抜け漏れなく母集団を確保することです。

(3)情報提供と相互理解(企業説明会・カジュアル面談など)

企業説明会やカジュアル面談などの情報提供の場は、候補者に企業理解を深めてもらい、ミスマッチを防ぎながら志望度を高めるために設けます。

企業側が一方的に説明する場ではなく、双方が「合うかどうか」を確認する相互理解の場として組み立てることが重要です。

  • 中途採用:カジュアル面談や職種説明会の実施
  • 新卒採用:企業説明会やOB・OG訪問の実施

中途採用では、カジュアル面談や部署・職種の説明会を開催することで、選考前の不安解消に役立ちます。職務内容、期待役割、働き方を正確に伝えることで入社後のギャップを減らし、辞退や早期離職を防ぎます。

新卒採用では企業理解の浅い学生が多いため、理念・事業・働く環境を丁寧に伝えましょう。説明会の満足度は、その後のエントリー率や志望度にも影響します。

オンライン説明会や社員紹介動画、OB・OG訪問など、複数の導線を用意すると効果的です。

(4)選考実施(書類・面接・適性検査・評価基準の明確化)

選考実施のステップでは、応募者の経験や能力、価値観を多面的に評価し、自社で活躍できるかを見極める手順を標準化することが重要です。

  • 中途採用の選考フロー:書類→一次面接(現場)→最終面接(役員)→条件面談のシンプルな構成
  • 新卒採用の選考フロー:集団面接・グループワーク・複数回面接でポテンシャルを見極める

中途採用では限られた期間で経験・スキルを見極める必要があるため、工程を絞った構成が適しています。

評価は再現性・成果への貢献度・スタンスを中心に据え、現場とのギャップが出ないよう面接官トレーニングを行うと効果的です。

新卒採用ではポテンシャルや価値観を見極めるため、方式を変えた複数回の選考が適しています。

評価軸は思考力・コミュニケーション・人柄・成長意欲などが中心です。適性検査を加えることで、企業風土との相性を補完的に判断できるでしょう。

(5)内定通知と内定者フォロー(辞退を防ぐコミュニケーション)

内定通知と内定者フォローは、採用活動の終盤でありながら、辞退率と定着率を大きく左右するステップです。

選考を通じて採用したいと判断した候補者に対し、入社の意思決定を後押しするとともに、不安を解消するコミュニケーションが求められます。

このステップを「なんとなく連絡する期間」にせず、誰に、いつ、何を伝えるかをあらかじめ決めた標準フローとして整えることが、入社後のスムーズな立ち上がりにもつながります。

項目

新卒採用

中途採用

通知当日〜翌日

内々定または内定の連絡とあわせて、会社・配属イメージ資料を送付

条件提示・オファー面談の設定、質疑の受付

承諾まで

定期的なオンライン面談/先輩座談会への招待

他社状況を確認しつつ、メール・オンライン面談で不安点を解消

入社まで

交流会や内定者研修、アルバイトなどで関係性を醸成

手続き案内・初日の流れ・準備物を明確に伝える

中途採用では、まず条件と期待役割を曖昧にしないことが重要です。年収や評価グレード、働き方、残業時間など、候補者が気にしている点を内定通知やオファー面談で具体的に提示し、疑問や不安を解消します。

また、他社の選考状況を踏まえて「いつまでにどう決めてほしいか」をすり合わせ、スピード負けを防ぐこともポイントです。

新卒採用では、意思決定よりも不安解消と動機形成のウエイトが高くなります。

内定者同士や先輩社員との交流会、1on1面談、内定者アルバイトなどを通じて、ここで働く自分のイメージを具体化してもらうことが辞退防止につながります。

就職先の決定にあたって家族など周囲に相談する候補者もいるため、企業理解資料や将来像が伝わるコンテンツを用意しておくと効果的です。

(6)入社手続きとオンボーディング(入社後フォロー・早期定着)

入社手続きとオンボーディングは、採用活動の終了ではなく活躍してもらう準備を整えるステップです。ここを疎かにすると、時間とコストをかけて採用した人の早期離職や戦力化の遅れにつながります。

労務手続き・アカウント発行などの事務対応だけでなく、初日から3か月で何をどこまでできる状態にしたいかを逆算して、オンボーディングプランを組むことが重要です。

  • 中途採用:1on1の設定、目標設定、責任範囲の段階的な拡大など
  • 新卒採用:研修カリキュラムの実施、同期との関係づくり、メンター面談など

中途採用では、これまでの経験を早く発揮してもらうために、誰と何を進めるか、どの範囲まで任せるかを早い段階で明確にします。業務の引き継ぎやツール研修、1on1などを通して、短期間での立ち上がりを支援しましょう。

新卒採用では、社会人としての基礎や事業理解、配属先の業務理解などを身につけられる段階的な育成プログラムと、メンター制度を組み合わせます。

中途入社者の受け入れ体制づくりについては、次の記事で詳しく解説しています。

採用プロセスにおけるよくある課題6つと対策

採用プロセスを整備しても、現場で起きやすいのが「どの段階で候補者が離脱しているのか分からない」という課題です。ここからは、採用プロセス全体で頻出する課題を6つに整理し、それぞれの原因と改善策を具体的に解説します。

採用プロセスの中で生じる課題(採用課題)への対策は、次の記事でも詳しく紹介しています。

課題1. 募集から応募への導線が機能していない(応募が集まりにくい)

応募が集まりにくい背景には、どんな人に来てほしいかが曖昧で、求人票や集客チャネルがターゲットと合致していないケースが多くあります。

応募数はあるのに求める人材からの応募が少ない場合も、原因は同じくターゲット定義と訴求のズレにあります。

まず、求める経験・スキル・志向性を整理したうえで、ターゲットに届く媒体やスカウト手法、訴求を選び直すことが重要です。

  • 対策1. ターゲット人材のペルソナと採用要件の明確化
  • 対策2. 採用チャネルの見直し
  • 対策3. 求人票・求人広告の訴求改善

なお、募集条件そのものが市場水準と離れている場合は、求人票の表現やチャネルを変えても応募数は改善しにくくなります。

給与レンジ、勤務地、働き方といった条件面が競合と比べてどうかも、採用プロセスの見直しとあわせて確認しておく必要があります。

これらを見直すことで、募集から応募までの導線が整い、ターゲット人材からの応募増加が期待できます。

課題2. 選考・面接辞退が多い

選考・面接辞退が多いのは、時間がかかる、連絡が遅い、スケジュールが合わないなど、候補者にとっての選考体験が悪いことが要因です。

特に中途採用では他社との並行選考が多いため、連絡が遅れるほど辞退が起きやすくなります。

面接回数や選考ステップに過剰な負荷がかかっていないかを見直し、採用管理システムや自動調整ツールを活用して連絡工数を削減しましょう。

現場側の面接枠不足も離脱の原因になるため、事前に面接官の稼働を確保しておくことも重要です。

  • 対策1. 面接回数・選考ステップの適正化
  • 対策2. 日程調整の自動化やATS連携
  • 対策3. 面接官の稼働確保(枠の先出し)

これらを整えることで、候補者の離脱を抑えやすくなります。

課題3. 内定辞退が多い

内定辞退は、選考フローが良くても内定後の不安が解消されていないことで発生します。中途では条件・役割・働き方の認識差、新卒では企業理解不足や周囲からの反対が典型例です。

辞退防止のためには、選考の早い段階から期待値をすり合わせることや、丁寧なフォローの標準化、迅速な連絡が重要です。

  • 対策1. 期待値をすり合わせる工程を追加
  • 対策2. 内定者フォローの標準フローを整備
  • 対策3. 意思決定期限と連絡スピードの基準を設定

また、「自社を選ぶ理由」を言語化して伝えることは、複数の企業を比較している候補者にとって重要な判断材料になります。

課題4. 採用ミスマッチで早期離職が発生する

早期離職の多くは、採用段階での情報不足や入社後のギャップに起因します。求める人物像が曖昧なまま面接を行うと評価基準がばらつき、文化や働き方の相性を見落としがちです。

求める人物像を採用評価基準に落とし込み、基準に合致しているかを選考段階で精査しましょう。

  • 対策1. 求める人物像の言語化と採用基準への落とし込み
  • 対策2. 適性検査・アセスメントツールの活用
  • 対策3. 入社後オンボーディングと定着支援

新卒・中途のどちらでも「入社してからが本番」であるため、入社後のフォロー体制まで含めて採用プロセスと捉えることが重要です。ミスマッチの予防は、定着率の向上につながります。

課題5. 人事担当者の業務負担が大きく、プロセスが属人化する

採用における属人化は、生産性の低下だけでなく、候補者対応の抜け漏れや判断のばらつきを引き起こします。

特に複数職種を並行して採用している企業では、誰が何をいつ行うかが可視化されていないと、業務負荷の偏りや対応漏れが起きやすくなります。

まずは採用プロセスを標準化して社内全体へ周知し、採用管理システム(ATS)やワークフローを活用して、業務手順の改善や定型業務の自動化を進めましょう。

  • 対策1. 採用プロセスの標準フローとチェックリストの作成
  • 対策2. 採用プロセスの社内周知
  • 対策3. ATSやワークフローによる自動化

社内のリソースだけで回りきらない場合は、採用代行(RPO)に業務の一部を委託する選択肢もあります。

これらにより業務負荷が均等化され、担当者の経験値に依存しない再現性のある採用に近づきます。

課題6. 採用コストが高く、費用対効果が見合わない

採用コストが膨らむ背景には、どの媒体・手法が採用成果につながっているかを把握しないまま、費用を積み増している構造があります。

応募単価や採用単価をチャネル別に計測していないと、成果の低い媒体への出稿が続き、費用対効果は悪化しやすくなります。

見直しの手順としては、まず外部コスト(媒体費・紹介手数料など)と内部コスト(担当者の工数)を洗い出し、チャネル別の採用単価を算出します。そのうえで、成果の高いチャネルへ予算を再配分しましょう。

  • 対策1. チャネル別の応募単価・採用単価の可視化
  • 対策2. 成果の低い媒体の停止と予算の再配分
  • 対策3. 日程調整や連絡業務の自動化による内部コスト削減

Excelや分析機能が限定的な採用管理システムでは、チャネル別の採用単価を継続的に追いにくい場合があります。

媒体ごとの応募数と採用数を同じ画面で比較できる状態にしておくと、こうした費用対効果の検証を続けやすくなります。

採用コストの見直し方は、次の記事で詳しく解説しています。

採用プロセスを改善するポイント

ここまでは課題ごとの対策を見てきましたが、この章では課題の種類にかかわらず土台になる4つのポイントと、見直しの際に使えるチェックリストを紹介します。

採用ターゲットを明確にする

採用プロセスの改善は、まずどんな人を採用したいのかを明確にすることから始まります。

求める経験やスキル、志向性をMUST/WANTに分解し、職種ごとに「どのような行動特性の人が活躍しているか」も言語化することで、選考の一貫性が生まれます。

ターゲット定義は、母集団形成から面接評価、オンボーディングまでの各工程に影響するため、採用プロセス全体の出発点として優先的に整備すべき項目です。

ステークホルダー(関係者)を整理する

採用には複数の部署が関わるため、誰がどの段階で何を判断するのかを明確にすることが必須です。

経営層は採用方針の決定と最終判断、現場責任者は採用要件の定義と評価、採用担当者はプロセス全体の管理、面接官は選考と評価、バックオフィスは契約や入社手続きを担います。

ここが曖昧なままだと、合否判断や期待値が部署ごとにズレ続け、候補者体験も悪化します。役割と責任範囲を最初に整理し、共通フローとして社内に共有することで、選考スピードと判断の一貫性が向上しやすくなります。

現状のボトルネックを特定する

採用プロセスを改善するには、現状のどこで歩留まりが落ちているかを事実ベースで把握することが重要です。

書類通過率や面接出席率、内定承諾率などのKPIを段階ごとに可視化し、どのステップで候補者が離脱しているかを特定します。

感覚で改善すると的外れになりやすいため、採用管理システムのデータや面接官のフィードバックを用いて、数字でボトルネックを捉えることが有効です。

改善は一度で終わらせず、施策の実行後に同じKPIを再計測して効果を検証し、次の打ち手につなげるサイクル(PDCA)として回しましょう。

問題点が明確になれば、チャネル見直し、面接フローの簡素化、フォロー強化など、改善施策を正しく打てるようになります。

歩留まりの平均値や改善方法は、次の記事で詳しく解説しています。

採用プロセスを社内全体に周知する

採用プロセスは人事だけが理解していても機能しません。現場、経営、面接官、バックオフィスが同じルールと基準で動くことで、初めてスピードと候補者体験が安定します。

周知すべき内容は、選考フロー・役割分担・評価基準・連絡ルールの4点です。

特に面接官が基準を理解していないと、判断がブレて辞退やミスマッチにつながります。プロセスは資料化し、面接官向けの研修や定例会で繰り返し共有することで、属人化しない採用体制につながります。

採用プロセス見直しのチェックリスト

自社の採用プロセスを見直す際は、次の項目を確認してみてください。1つでも「できていない」項目があれば、そこが改善の起点になります

  • 採用要件がMUST/WANTで言語化され、関係者と合意できているか
  • ステップごとの歩留まり(通過率・辞退率)を数値で把握できているか
  • 応募から初回連絡までを当日〜翌営業日以内に行えているか
  • 面接の評価基準・評価シートが面接官全員に共有されているか
  • 内定から入社までのフォロー内容とタイミングが標準化されているか
  • チャネル別の採用単価を算出し、予算配分を定期的に見直しているか

採用管理システム導入による採用プロセスの改善事例

採用プロセスの見直し方は課題によって異なります。ここでは、採用管理システム「RPM」の導入によって、採用業務の効率化や歩留まりの向上を実現した事例を3つ紹介します。

採用業務にかかる工数がボトルネックになっている企業は、採用管理システムの導入も検討してみましょう。

応募者への連絡スピード向上で、接触率約10%、登録率約8%向上

アクトブレーン社は、月間1,000〜2,000件におよぶ応募情報の手動処理が負荷となり、候補者への初期連絡の遅れや対応漏れが課題でした。

そこで採用管理システム「RPM」を導入し、応募情報の取り込みと整理を自動化して、現場スタッフが迅速に連絡できる体制を構築しました。

これにより、時間を取られていた事務作業が削減され、確保できた時間を応募者への早期アプローチに活用できるようになりました。その結果、接触率が約10%、登録率も約8%向上しました。

対応スピードが向上したことで応募者の離脱が抑えられ、安定した候補者接触の流れを実現しています。人手不足の現場でも無理なく運用でき、選考序盤からの候補者体験向上につながった事例です。

応募時や面接前日の自動メール配信で、当日辞退が約2割減少。年間の面接件数は約38%増加

センコー埼玉業務センターでは、月間120名ほどの応募が集まる一方、応募後の連絡遅延や面接前日の案内漏れが原因で、当日辞退や音信不通が多発していました。

従来はExcel管理で手作業が多く、応募者データの整理にも時間がかかっていたため、安定した候補者フォローが困難でした。

採用管理システム「RPM」の導入後は、応募時の案内メールや面接前日のリマインドメールを自動配信できるようになり、情報伝達の漏れが解消されました。

候補者が安心して選考に臨める環境が整ったことで、当日辞退は約2割減少しました。また、年間の面接件数は205件から282件へ、約38%増加しました。

連絡の自動化によって現場の工数が削減され、対応スピードが向上したことで、応募者との接触品質が安定し、採用プロセス全体の歩留まり改善につながっています。

紹介会社との連絡方法の切り替えで、部署全体の工数を月100時間削減

日本交通では、年間200名以上の入社を目指すハイヤー乗務員採用において、複数の人材紹介会社とのやり取りを電話で行い、歩留まりの管理もExcelに頼っていたため、連絡や確認に多くの手間がかかっていました。

応募者管理・進捗管理が煩雑化し、採用担当者の負担が大きい状況でした。

採用管理システム「RPM」の導入後は、紹介会社とのやり取りを電話からシステム上のチャットへ切り替え、候補者情報の共有を一元化しました。

これにより連絡にかかる手間が減り、部署全体で月100時間程度の工数削減につながりました。

情報がシステム上に集約されたことで進捗の確認もしやすくなり、担当者は候補者対応に時間を使えるようになっています。手作業の転記を前提としない運用に変えたことで、選考のスピードを保ちやすくなった事例です。

採用プロセスに関するよくある質問

最後に、採用プロセスについてよくある質問を取り上げます。

採用プロセスのどこをKPIとして管理すべきですか?

採用KPIは、入口・プロセス・出口の3階層で見ると整理しやすくなります

入口指標は応募数や媒体・チャネル別の応募率、プロセス指標は書類選考・面接の通過率、選考リードタイム、面接辞退率、内定辞退率、出口指標は内定承諾率や入社後3か月・6か月の定着状況などです。

たとえば応募数が多くても通過率が低ければ要件定義に、通過率は高いのに辞退率が高ければ選考スピードや候補者体験に課題があると読み取れます。

3階層を通しで見ることで、どこから手を付けるべきかの優先順位を立てやすくなります。

採用プロセスを変更する場合、選考中の候補者にはどう対応すべきですか?

原則として、すでに選考が始まっている候補者には変更前のフローを適用し、新しいフローは新規の応募者から切り替えると混乱が起きにくくなります。

面接回数の削減など候補者の負担が減る変更であれば途中から適用しても問題は少ないものの、選考ステップの追加や評価基準の変更を途中で行うと、案内済みの内容と食い違い、辞退や不信につながる可能性があります。

やむを得ず途中で変更する場合は、変更内容と理由、今後のスケジュールを候補者に個別に伝え、面接官にも適用範囲を共有しておきましょう。

採用管理システムはどのくらいの企業規模から導入すべきですか?

企業規模よりも、応募数とチャネル数で判断するのが現実的です

月数十件以上の応募がある、複数の媒体や紹介会社を併用している、複数職種を並行して採用しているといった状態であれば、Excelや手作業の管理では対応漏れや連絡遅延が起きやすく、導入効果を見込めます。

多くのサービスは応募数や利用機能に応じた料金体系のため、自社の運用に合うかを資料請求やデモで確認しましょう。

まとめ

  • 採用プロセスは、計画・募集・説明会や面談・選考・内定・入社後フォローの6ステップを、役割・基準・手順まで具体的に決めて運用することで成果が出る
  • 応募数や歩留まり、辞退率、チャネル別の採用単価など、プロセスごとの指標を数値で把握すると、改善すべき箇所と費用対効果が明確になる
  • ターゲット、評価基準、関係者の役割を明確化し、社内全体が同じルールで採用を進められる状態をつくることが再現性につながる

応募が集まらない、選考辞退が多い、ミスマッチが起きるといった課題の多くは、基準や手順の不統一から生まれます。一度フローをつくって終わりにせず、各ステップが機能しているかを継続的に見直していきましょう。

採用管理システム「RPM」は、約400の求人媒体と連携した応募情報の自動取り込みから、面接スケジュール管理・リマインドの自動化、応募者情報の一元管理と属性別の分析までを一つのプラットフォームで支援します。

採用プロセスの標準化と改善を仕組みで進めたい方は、お気軽にお問い合わせください。

面接辞退・内定辞退を減らす選考プロセス改善ガイド
「応募は集まっているのに面接設定率・承諾率が伸びない」そんな方向けに、応募対応から面接後フォローまでの選考プロセス改善ポイントをまとめた資料を無料で公開しています。
  • 面接実施率を上げる初動対応と日程予約の仕組み
  • 候補者の志望度を高める面接設計のポイント
  • 承諾率を押し上げる面接後フォローの設計例
選考の最適化ガイドの図
髙田輝之
髙田輝之
エン株式会社(旧・エン・ジャパン)およびゼクウで営業部長を歴任。 15年以上にわたりHR業界に携わり、企業の新卒・中途採用支援を中心に、採用戦略設計・広告運用・採用管理システム(ATS)導入・歩留まり改善など、採用領域全般の課題解決に従事。現在はゼクウにて、採用管理やHRテクノロジーをはじめ、人材採用から定着・育成までをカバーするHR全体の仕組み最適化をテーマに、記事企画・監修・執筆を行っている。現場で培った知見を活かし、複雑な人事課題を構造的に整理し、読者が正しく判断できる情報発信を心がけている。

RPMの導入前に知っておきたいポイントをご紹介

目次[非表示]

  1. 採用プロセスとは?
    1. 採用プロセスを設計する目的とメリット
    2. 採用プロセスと採用フローの違い
    3. 新卒採用と中途採用での採用プロセスの違い
  2. 採用プロセスの作り方|一般的な6ステップ
    1. (1)採用計画の策定(採用要件・採用人数・スケジュール・予算)
    2. (2)母集団形成と集客(チャネル設計・求人募集)
    3. (3)情報提供と相互理解(企業説明会・カジュアル面談など)
    4. (4)選考実施(書類・面接・適性検査・評価基準の明確化)
    5. (5)内定通知と内定者フォロー(辞退を防ぐコミュニケーション)
    6. (6)入社手続きとオンボーディング(入社後フォロー・早期定着)
  3. 採用プロセスにおけるよくある課題6つと対策
    1. 課題1. 募集から応募への導線が機能していない(応募が集まりにくい)
    2. 課題2. 選考・面接辞退が多い
    3. 課題3. 内定辞退が多い
    4. 課題4. 採用ミスマッチで早期離職が発生する
    5. 課題5. 人事担当者の業務負担が大きく、プロセスが属人化する
    6. 課題6. 採用コストが高く、費用対効果が見合わない
  4. 採用プロセスを改善するポイント
    1. 採用ターゲットを明確にする
    2. ステークホルダー(関係者)を整理する
    3. 現状のボトルネックを特定する
    4. 採用プロセスを社内全体に周知する
    5. 採用プロセス見直しのチェックリスト
  5. 採用管理システム導入による採用プロセスの改善事例
    1. 応募者への連絡スピード向上で、接触率約10%、登録率約8%向上
    2. 応募時や面接前日の自動メール配信で、当日辞退が約2割減少。年間の面接件数は約38%増加
    3. 紹介会社との連絡方法の切り替えで、部署全体の工数を月100時間削減
  6. 採用プロセスに関するよくある質問
    1. 採用プロセスのどこをKPIとして管理すべきですか?
    2. 採用プロセスを変更する場合、選考中の候補者にはどう対応すべきですか?
    3. 採用管理システムはどのくらいの企業規模から導入すべきですか?
  7. まとめ