catch-img

求人広告の効果を高める方法とは?費用対効果の測り方・改善ポイントを解説

求人広告の効果は、応募数や採用人数だけでなく、応募単価・採用単価・採用率などの指標を使って測定します。

特に費用対効果を判断する際は、採用1名あたりにかかった費用(採用単価)と、採用後の定着まで含めて評価することが重要です

求人広告の成果が伸びないとき、原稿を直すべきか媒体を変えるべきか、あるいは掲載自体を見直すべきか、判断に迷うことがあるでしょう。社内に説明する段になると、なおさら根拠が必要になります。

こうした場面で判断の物差しになるのが費用対効果です。応募数だけを追っていると、採用に至らなかった応募まで成果として数えてしまい、広告費が見合っているかを説明できません。

本記事では、採用管理システム「RPM」を提供する株式会社ゼクウが、求人広告の費用対効果を算出する手順と、掲載前に費用対効果を見積もる方法を解説します。

あわせて、効果が出ない原因の特定から、応募が集まる求人原稿の書き方までを扱います。

採用成果を高める実践ガイド 告知・訴求・選考の最適化
採用成果を左右する「告知・訴求・選考」の各プロセスを整理し、求人接点から採用成功までの改善ポイントをまとめた資料です。
媒体・プラン・スカウトによる出稿設計、求職者に響く求人訴求、応募対応から面接後フォローまで、採用プロセス全体を一貫して最適化するための考え方を解説しています。
応募数が伸びない、面接辞退が多い、採用につながらないといった課題をお持ちの方、採用活動をプロセス単位で見直したい方はぜひご活用ください。

目次[非表示]

  1. 求人広告の費用対効果を算出する方法
    1. 採用コスト全体を算出する
    2. 採用単価を算出する
    3. 採用後の定着まで含めて評価する
  2. 掲載前に費用対効果を予測する方法
    1. 料金体系ごとに費用の発生タイミングを押さえる
    2. 想定応募数から採用単価を試算する
  3. 求人広告の効果が出ない3つの原因と改善策
    1. 求職者に求人広告が見られていない(告知段階)
    2. 求人広告で企業の魅力が伝わっていない(訴求段階)
    3. 応募から採用までの選考フローに課題がある(選考段階)
  4. 応募が集まる求人広告の書き方7つのコツ
    1. 職種名は具体的に分かりやすく記載する
    2. 求職者の心をつかむキャッチコピーを作成する
    3. 仕事内容は働く姿をイメージできるように書く
    4. 応募条件は必須と歓迎を分けて記載する
    5. 給与や待遇は誤解のないように正確に記載する
    6. 職場の雰囲気が伝わる写真を活用する
    7. スマホでの読みやすさを意識して最適化する
  5. 求人広告で成果が出ないときに検討したい採用手法
  6. 求人広告で効果を落とさないための法律と注意点
    1. 年齢・性別による募集制限は原則禁止
    2. 実態と異なる記載(虚偽表示)に注意
    3. 最低賃金を下回る給与設定はNG
  7. 求人広告の費用対効果に関するよくある質問
    1. 掲載を始めてから、どのくらいで効果を判断すればよいですか
    2. 掲載期間の途中で原稿を変更できますか
    3. 掲載課金型と成果報酬型は、どちらを選べばよいですか
    4. 効果が出ないとき、掲載を止める判断はどこですればよいですか
    5. 求人広告と人材紹介は、どちらが費用対効果が高いですか
  8. 【まとめ】求人広告の効果を高めて採用を成功させよう

求人広告の費用対効果を算出する方法

求人広告の費用対効果は、採用コストを集計し、採用単価を出し、採用後の定着まで含めて評価する3つの手順で算出します。応募数や採用人数だけを見るのではなく、1名を採用するのにいくらかかったかを金額で示すと、媒体やプランを続けるかどうかを社内で判断できるようになります。

採用コスト全体を算出する

最初に、対象期間に採用へ使った費用をすべて集めます。採用コストは、外部に支払った費用と、社内で発生した工数(採用工数)の2つに分かれます

外部コストは請求書が残るため、比較的集計しやすい部分です。

  • 求人広告の掲載料とオプション費用
  • 人材紹介会社への成功報酬
  • 採用イベントの出展料
  • 採用サイトの制作費・運用費

内部コストは見落とされがちですが、担当者の人件費として実際に発生しています。

  • 募集要項や求人原稿の作成にかかった時間
  • 応募者への連絡と面接の日程調整
  • 書類選考と面接の実施
  • 選考結果の連絡、内定後のフォロー

内部コストは、担当者の時給換算に対応時間を掛けて概算すれば足ります。精緻さより、毎回同じ基準で出し続けることのほうが大切でしょう。

集計期間を決めておかないと、前年や前回との比較ができません。四半期か半期で区切り、同じ期間で毎回集計しましょう。

採用単価を算出する

採用コストが出たら、採用人数で割ります。採用単価は、採用コストの合計を採用人数で割った金額です。

  • 採用単価=採用コストの合計÷採用人数
  • 応募単価=採用コストの合計÷応募数

この2つを並べると、どこで詰まっているかが分かります。応募単価が低いのに採用単価が高い場合、応募は集まっているものの、採用まで残っていないという意味になります。逆に応募単価の時点で高ければ、そもそも応募が届いていません。

さらに媒体ごとに分けて出すと、次の出稿判断に使えます。全体の平均だけでは、成果の出ている媒体と出ていない媒体が打ち消し合ってしまうためです。

採用後の定着まで含めて評価する

採用単価は、採用した時点で確定する金額です。入社後まもなく離職が起きれば同じポジションを再度募集することになり、実際の負担は膨らみます。

評価するときは、次の3点を確認しましょう。

  • 入社から半年以内の離職が続いていないか
  • 特定の媒体からの入社者に離職が偏っていないか
  • 採用単価の安い媒体ほど、定着が悪くなっていないか

採用単価の安さだけで媒体を選ぶと、定着まで含めた負担が見えなくなります。安く採用できた媒体で早期離職が重なっていれば、実質的な費用は数字より高くなっているでしょう。

定着状況まで含めて評価すると、どの媒体に予算を寄せるべきかの判断が変わってきます。

ここまでの集計を手作業で続けると、媒体が増えるほど負担が重くなります。Excelや、分析機能が限定的な採用管理システムでは、媒体別の費用と採用実績を突き合わせる作業が毎回発生しがちです。

採用管理システム「RPM」なら、媒体ごとの広告費と採用成果を同じ画面で集計し、費用対効果を確認できます。
▶︎RPMの分析機能を見る

掲載前に費用対効果を予測する方法

費用対効果は、掲載が終わってから振り返るだけのものではありません。出稿を決める前に、料金体系ごとの費用の発生タイミングを押さえ、想定応募数から採用単価を試算しておけば、予算が見合うかどうかを申し込み前に判断できます。

料金体系ごとに費用の発生タイミングを押さえる

求人広告は料金体系によって、費用が発生するタイミングも、外したときの損失の大きさも変わります。同じ予算でも、採用ゼロで全額が消える体系と、成果が出た分だけ支払う体系では、負うリスクの性質が変わります。

料金体系

費用が発生するタイミング

見積もるときの注意点

掲載課金型

掲載を申し込んだ時点。採用の有無にかかわらず発生する

採用ゼロでも費用は戻らない。プランを決める前に想定応募数を置いて採用単価を試算する

クリック課金型

求人がクリックされたとき

上限予算を決められる一方、クリックが応募につながらないと費用だけが積み上がる。応募単価まで見る

成果報酬型

応募または採用が発生したとき

初期費用は抑えられるが、成果が出るたびに費用が積み上がる。総額で比べる

完全無料型

掲載では発生しない

掲載料はかからないものの、原稿作成と応募者対応の工数はかかる。内部コストを含めて採用単価を出す

クリック課金型は、1クリックあたりの上限額を自社で決める仕組みです。

求人ボックスの採用ボードでは入札単価を25円から1,000円の範囲で設定でき、掲載料金はクリック数にクリック単価を掛けた金額に消費税を加えた額になります。Indeedのスポンサー求人も同じくクリック課金型で、掲載自体は無料、上限予算を決めたうえで運用する形です。

掲載課金型と成果報酬型の金額は、職種・エリア・掲載期間・オプションの組み合わせで変わり、個別見積もりになる媒体が大半です。相場の数字を持ち込むより、自社の条件で見積もりを取り、次の試算に当てはめるほうが精度が上がります。

※出典:求人ボックス「【採用ボード】有料オプションの料金体系
※出典:Indeed「
料金・有料オプションでの掲載について

想定応募数から採用単価を試算する

料金体系を押さえたら、出稿前に採用単価を置いてみます。必要な数字は3つだけです。

  • 掲載にかける予算
  • 想定する応募数
  • 応募が採用に至る割合(採用率)

試算式は、予算÷(想定応募数×採用率)=採用単価となります。

たとえば予算30万円、想定応募20件、採用率10%なら、採用できるのは2名、採用単価は15万円という見立てになります。この数字が社内で許容できる範囲かどうかを、申し込み前に見ておきましょう。

判断の順序を逆にする方法もあります。1名の採用にいくらまで出せるかを先に決め、そこから逆算して予算の上限を置く進め方です。人件費や採用予算の枠が決まっている場合は、こちらのほうが社内で通しやすくなります。

試算で外しやすいのは、想定応募数を高く置いてしまうところです。前回の募集で何件の応募から何名を採用できたかという自社の実績か、媒体の担当者から示された同職種・同エリアの実績値を使いましょう。

過去の数字が残っていなければ、今回の募集から媒体別に応募数と採用数を記録し、次回の試算に使える形にしておくことをおすすめします。

求人広告の効果が出ない3つの原因と改善策

求人広告の効果が出ない原因は、見られていない・伝わっていない・選考で離脱している、の3段階のどこかに現れます。原稿を感覚で書き直す前に、どの段階で数字が落ちているかを特定すると、打つべき手を絞り込めます。

段階ごとに確認する指標は次のとおりです。

段階

起きていること

確認する指標

告知

求人が求職者の目に触れていない

表示回数(IMP)、クリック率(CTR)

訴求

求人は見られているが応募に至らない

応募率(応募数÷クリック数)

選考

応募はあるが面接・採用まで残らない

面接実施率、内定承諾率

表示回数が少なければ告知、表示はあるのに応募率が低ければ訴求、応募後に人が減っていれば選考が原因です。3つを同時に直そうとせず、数字が落ちている段階から手を付けましょう。

採用はどの工程でも一定の離脱が起きます。株式会社ゼクウは2026年2月27日から3月2日にかけて、月間応募50名以上の大量採用を行う企業の人事・採用担当者1,496名を対象に調査を実施しました。

応募を100とすると、面接予約に至るのは約33%、入社まで到達するのは約6%という結果でした。応募を増やす前に、どの工程で人が減っているかを押さえておきましょう。

※出典:株式会社ゼクウ「採用における歩留まり・直近の変化・運用の実態に関する調査

求職者に求人広告が見られていない(告知段階)

告知段階は、求人が求職者の画面に届いているかどうかの問題です。ここが弱いと、原稿をどれだけ磨いても読まれる母数が増えません。

告知段階の改善ポイント。求人媒体の選定・プラン選定・スカウト活用の3つを示した図

求人媒体を選び直す

媒体ごとに、登録している求職者の層は違います。その層は、媒体を運営する会社がどこへマーケティング投資をしてきたかで形づくられます

  • 新卒向けイベントや大学での募集に力を入れてきた媒体は、学生の登録が厚くなる
  • 都市部の交通広告を継続している媒体は、その地域の登録者が集まりやすい
  • 短時間勤務や在宅勤務の特集を組んできた媒体は、その条件を希望する登録者が増える

求人媒体の分類一覧。新卒・中途・アルバイト・派遣・地域特化・業種特化などの区分と主な媒体例

自社が求める人材と、媒体の登録者層が噛み合っていなければ、掲載順位を上げても応募は増えません。プランを上げる前に、狙う層がその媒体に登録しているかを媒体の担当者に確認しましょう。

求人媒体そのものが合っていない場合は、後述する別の採用手法も候補になります。

掲載プランと露出を見直す

同じ原稿でも、掲載プランによって検索結果での表示順位と見え方が変わります。プラン間で違うのは、主に次の3点です。

  • 検索結果のどの位置に表示されるか
  • 一覧画面での見え方(写真の点数、表示される領域の広さ)
  • スカウト通数などのオプション

プラン名だけで判断せず、実際の検索結果を自分の目で見て決める方法をおすすめします。自社の職種と勤務地で媒体内を検索し、各プランがどの位置にどう表示されているかを見比べてから決めましょう。

競合の掲載が多い職種なら上位プランが要りますが、競合が少ない職種では下位プランでも十分な場合があります。

スカウトとDMを組み合わせる

スカウトやDMは、検索で自社を見つけてもらうのを待つのではなく、こちらから候補者に届ける施策です。通常の応募では出会えない層に接触できる点が強みでしょう。

一方で、スカウトの送信数そのものは各社で増えており、1通あたりの返信率は下がりやすい状況にあります。文面を練るより、誰に、どれだけ送るかという対象者の絞り込みと送信量の設計が成果を左右します。

自社の返信率は、媒体の管理画面で確かめましょう。送信数と返信率を記録しておけば、次回は必要な応募数から逆算して送信数を決められます。

求人広告で企業の魅力が伝わっていない(訴求段階)

表示もクリックもされているのに応募が来ない場合、原因は訴求にあります。訴求は、誰に、何を、どう伝えるかを決める工程です。原稿の書き方そのものは次章で扱います。

訴求で決めることは3つ。誰に届けるか・何で選ばれるか・どう伝えるかを整理した図

誰に届けるかを定める

ターゲットが定まっていない求人は、誰の目にも自分向けに見えません。職種によって、求職者が重視する条件は変わります。事務職なら勤務時間や休日の見通し、営業職なら扱う商材や評価の仕組みというように、関心の的が違うためです。

同時に、採用要件が現実的かどうかも確かめましょう。要件を絞り込みすぎると、応募の間口が狭まります。

  • 業務に必要な条件から、入社後の教育で補えるものを引く
  • 残った条件を必須要件、あると望ましい条件を歓迎要件に分ける
  • その要件に当てはまる人が、市場にどれくらいいるかを媒体の担当者に確認する

年齢を要件に入れることは、例外にあたる場合を除いて認められていません。経験・スキル・適性で書きましょう。

必須要件は業務に必要な条件から教育で補える条件を引いて決めることを示した図

何で選ばれるかを決める

求人は他社と並べて比較されるのが前提です。抽象的な言葉のままでは、似た条件の求人に埋もれます。差がつくのは、具体性と根拠がある表現です。

よくある表現

具体性と根拠を足した表現

研修制度あり

入社後3か月は専任のメンターが業務を通じて指導

定着率が高い

直近3年間の定着率は90%以上

未経験歓迎

直近1年の入社者のうち8割が未経験からのスタート

働きやすい

フルリモート勤務可、1日6時間から相談可

表の右側は書き方の例で、数字は自社の実績に置き換えて使います。根拠のない数字を載せることは、後述する虚偽表示にあたるおそれがあります

差別化の手順は3つです。同じ媒体内で同職種・同エリアの求人を洗い出し、給与・休日・育成・働き方・キャリアといった軸で自社と並べ、最も差が出た項目を原稿の前半に置きます。

下記のような表を作成し、差別化軸を見つけましょう。

競合と自社を比較軸ごとに書き出すポジショニング表の記入フォーマット

どのトーンで伝えるかを揃える

同じ内容でも、伝え方によって受け取られ方は変わります。誰に何をどう伝えるかを一文にまとめ、原稿全体の軸にしましょう。3か月で成果を出せる営業職へ、生活の予定を優先して働ける事務職へ、といった具合です。

求職者は求人票だけを見て決めるわけではありません。求人、自社の採用サイト、口コミサイトを横断して見比べるのが一般的です。

ここで書かれている内容がずれていると、違和感が離脱につながります。媒体をまたいでも同じことを言っている状態にそろえておくと、判断の材料として信頼されやすくなります

求人・採用サイト・口コミを同じコンセプトで統一するイメージ図

応募から採用までの選考フローに課題がある(選考段階)

応募が増えても、選考の進め方が整っていなければ採用にはつながりません。離脱は、面接前・面接中・面接後の3つの場面で起きます。

選考フロー改善のポイント。面接前・面接対応・面接後の体験設計を示した図

面接前の対応を速く、簡単にする

もっとも離脱が起きやすいのは、応募から面接の日程が決まるまでの間です。

株式会社ゼクウが実施した調査でも、最も歩留まりが悪い工程として面接予約(初回接触から日程確定まで)を挙げた企業が49.2%にのぼり、次点の有効応募の獲得(25.7%)を大きく引き離しました。

ただし、速いだけでは足りません。初回対応が30分以内の企業に絞っても、応募者がその場で面接日時を選んで確定できる仕組みを導入している企業の予約率は64.9%、導入していない企業は52.9%でした。

連絡を早めるだけでなく、その一通で予約まで完結できる導線があるかどうかが分かれ目になります。

面接予約率が伸びない要因として挙がった上位3つも、同じところを指しています。

  • 日程が決まっていない応募者への追客が足りない(46.2%)
  • 面接日程の提示と確定の仕組みが整っていない(43.1%)
  • 初回対応が遅い(25.5%)

整えるべきは、速さ、連絡手段の複線化、予約のしやすさの3点です。応募後できるだけ早く一次連絡を入れ、メールに加えて電話やSMSでも届くようにし、初回の案内で面接枠を複数提示してその場で確定できる形にしておきましょう。

なお、メールの開封率は、受信側のプライバシー保護機能によって実態とずれることがあります。開封率だけで判断せず、返信率と面接予約率まで確かめましょう。

※出典:株式会社ゼクウ「採用における歩留まり・直近の変化・運用の実態に関する調査

面接では見極めと魅力づけを両立させる

面接は候補者を見極める場であると同時に、自社を選んでもらう場でもあります。見極めに偏ると、候補者の志望度が上がらないまま選考だけが進みます。

面接でよく起きるのは、次のような状態です。

  • 質問が中心で、事業や仕事の説明がほとんどない
  • 面接官によって伝える内容が変わる
  • 定型の質問だけで、その会社らしさが伝わらない

見極めと魅力づけは、評価軸をそろえることで両立できます。論理性、コミュニケーション、学習の姿勢、困難への対処といった観点をあらかじめ決め、面接官の間で共有しておけば、評価のばらつきを抑えながら会話に集中できます。

面接で重視する4つの判断軸。論理性・コミュニケーション・学習の姿勢・困難への対処

面接後は早く、具体的に返す

面接が終わってから結果が届くまでの間は、候補者が不安を感じやすい時間です。ここでの対応が承諾率を左右します。

  • 合否はできるだけ早く伝える
  • 面接の内容を踏まえた具体的なコメントを添える
  • 人材紹介会社を経由している場合は、伝えている条件や魅力に食い違いがないかをそろえる
  • 内定後に、条件や入社後の仕事について改めて説明する場を用意する

自分をきちんと見てもらえたという実感が、入社の判断を後押しします。逆に、連絡が遅く理由もわからないまま待たされると、志望度は下がっていくでしょう。

ここまでの改善は、どこで人が減っているかを把握できていることが前提になります。段階ごとの通過率を手作業で集計していると、気づいたときには募集期間が終わっていたという事態も起こりがちです。

採用管理システム「RPM」では、選考の各段階の通過率を媒体別に確認できるため、詰まっている場所を見つけてから手を打てます。

応募が集まる求人広告の書き方7つのコツ

原稿は、検索結果で見つけてもらい、開いてもらい、応募してもらうという3つの関門を通ります。関門ごとに効く要素が違うため、職種名から順に整えると手戻りが少なくなります。前章で決めた誰に何を伝えるかを、7つの記載項目へ落とし込む作業です。

職種名は具体的に分かりやすく記載する

検索結果で最初に目に入るのが職種名です。ここを直すとクリック率が動きやすく、原稿全体のなかでも手を付けやすい部分でしょう。

職種名だけで終わらせず、求職者が条件で絞り込むときに使う言葉を1つか2つ足しましょう。

  • カスタマーサポート(未経験歓迎)フルリモート/短時間勤務可/土日祝休み
  • 軽作業スタッフ(正社員)シンプル作業/面接1回/年間休日125日

職種名は検索と絞り込みのための言葉、キャッチコピーは開いた後に読ませるための言葉です。役割が違うので、同じ内容を両方に書くと、伝えられる情報量が減ります。

求職者の心をつかむキャッチコピーを作成する

キャッチコピーは、求人を開いた求職者が、その先を読み進めるかどうかを左右する重要な要素です。自分に向けられた求人だと感じてもらうには、感情に届く言葉と具体的な条件を組み合わせます。

  • 働き方を軸にする:フルリモートだから続けられる、生活の予定を優先した働き方
  • 成長を軸にする:3か月で提案の型を習得、未経験から営業デビュー
  • 制度を軸にする:残業は月10時間程度、土日祝休み、入社後はメンターが伴走

キャッチコピーに載せる魅力は、前章で決めた差別化の軸1つに絞りましょう。複数を詰め込むと、どれも印象に残りません。

求人広告の職種名とキャッチコピーの良い例と悪い例を比較した図

仕事内容は働く姿をイメージできるように書く

応募するかどうかを大きく左右するのが仕事内容です。入社後の1日が想像できるかどうかで、応募率は変わります。

  • 何を、どれくらいの頻度で行うのかを書く
  • 1日の流れを時間帯で描く
  • 問い合わせの内容や件数など、量が分かる情報を添える

たとえば、問い合わせの多くはツール操作に関する内容でマニュアルを見ながら対応できる、午前はメール対応で午後は社内のオンライン会議が中心、といった書き方です。業務名を並べるのではなく、1日の流れが追える文にすると、働く姿を想像してもらえます

応募条件は必須と歓迎を分けて記載する

応募条件は、集まる人数と質の両方を左右します。書き方ひとつで応募が大きく減ることもあるため、慎重に組み立てましょう。

前章で絞り込んだ必須要件と歓迎要件を、原稿では見出しごとに分けて並べます。ひとまとめに書くと、どこまでが応募の条件なのかが読み取れません。歓迎要件は、資格名ではなく行動で書くと伝わりやすくなるでしょう。提案資料を作った経験がある、顧客の課題を聞いて提案した経験がある、といった形にします。

避けたいのは次の2つです。

  • 高いコミット力、強い成長意欲必須といった、圧力を感じさせる表現
  • 企画から営業まで幅広くといった、実態より広く見える業務範囲

圧力を感じさせる表現も、実態より広い業務範囲も、応募をためらわせる点では同じです。読んだ人が自分に当てはまるかどうかを迷わず判断できる書き方にしましょう。

給与や待遇は誤解のないように正確に記載する

給与はクリック率と応募率の両方に影響する項目です。金額そのものより、誤解が生まれない書き方かどうかが問われます。

  • 給与に幅がある場合は、その理由(経験に応じて決定、固定残業代を含む)
  • 想定年収の例(入社2年目で430万円から550万円)
  • 昇給と賞与の条件
  • 働き方(リモートの可否、シフトの幅、固定残業の時間数)

固定残業代を含む場合は、固定残業代を除いた基本給、固定残業代の対象となる時間数と金額、固定残業時間を超えた場合に追加で支給することを明示します。試用期間中に給与や固定残業代の条件が変わる場合も、その内容を正確に記載しましょう。

職場の雰囲気が伝わる写真を活用する

写真は、文章より速く働く場面を伝えられます。求職者が知りたいのは、そこで働く人と環境です。

効果が出やすい写真

避けたい写真

社員同士が実際に話している場面

全員が並んだ集合写真だけ

執務スペースや設備が分かる写真

建物の外観や商品だけ

在宅勤務なら自宅での作業風景

どこでも見かける汎用的な素材写真

写真は雰囲気を伝えるためのものですが、実態と違う印象を与える使い方は避けましょう。撮影のタイミングや人数が普段と大きく異なる場合は、その旨を本文で補います。

スマホでの読みやすさを意識して最適化する

求人の閲覧はスマートフォンからが中心です。読みにくいと感じた時点で離脱につながります。

  • 3行から4行を目安に改行を入れる
  • 箇条書きは7項目以内にまとめる
  • 冒頭の数行に、給与と働き方と仕事内容の要点を置く
  • 公開前に実機で表示を確認する

長文が続く、抽象語が並ぶ、条件が文章に埋もれているという3つは、スマートフォンでは特に読みづらくなります。パソコンの画面で問題がなくても、実機では印象が変わるため、必ず自分の端末で見てから公開しましょう。

なお、求人票として記載が必要な項目は法令で定められています。記載漏れがないかは、原稿を作る前に一度目を通しておきましょう。

求人広告で成果が出ないときに検討したい採用手法

求人広告を改善しても目標に届かない場合、手法そのものが職種と合っていない可能性があります。求人広告は、応募を待つ形の手法だからです。

  • 人材紹介(転職エージェント):候補者の探索と推薦を任せられる。採用が決まったときに費用が発生するため1名あたりの単価は高くなりやすい一方、母集団づくりの工数は抑えられる。最終的な合否の判断は自社が行う。
  • ダイレクトリクルーティング:企業から候補者へ直接声をかける手法。求人広告では出会えない、転職活動を本格化していない層にも届く。
  • リファラル採用:社員の紹介から採用する手法。人物像の理解が進んだ状態で選考に入れる一方、紹介が出るまでの時間は読みにくくなる。
  • 採用オウンドメディア:自社で情報を発信し、求人票では伝えきれない仕事の中身や社風を届ける。成果が出るまでに時間がかかるため、求人広告と並行して育てる形が現実的。

どの手法にも向き不向きがあり、求人広告の代わりというより組み合わせて使うものです。募集する職種の経験者が市場にどれくらいいるか、いつまでに何名必要かで、比重の置き方を決めましょう。

求人広告で効果を落とさないための法律と注意点

求人広告は、魅力を伝えることと同じくらい、法令に沿った記載が求められます。違反があると、掲載の停止や行政指導の対象になります。

年齢・性別による募集制限は原則禁止

労働施策総合推進法では、労働者の募集と採用について、年齢にかかわりなく均等な機会を与えることが定められています。性別についても同様で、根拠となるのは男女雇用機会均等法です。

求人票を年齢不問としながら、実際には年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を基準に判断したりすることも、法の規定に反します

避けるべき表現と、業務要件に置き換えた書き方は次のとおりです。

避けたい表現

業務要件に置き換えた表現

20代男性限定

営業経験2年以上

女性限定、若手歓迎

営業経験2年以上

体力に自信のある方

重量物の運搬を伴う業務があります

年齢制限が認められるのは、労働施策総合推進法施行規則で定められた例外事由に該当する場合だけです。主なものは次の6つで、それぞれ設定できる範囲が決まっています。

例外事由

内容

設定できる範囲

定年を上限

定年年齢を上限に、期間の定めのない労働契約で募集する

定年年齢を上限に設定する場合のみ

法令の規定

労働基準法など法令で年齢制限が定められている

下限のみ

キャリア形成

長期勤続によるキャリア形成のため若年者等を募集する

上限のみ

技能・ノウハウの継承

技能・ノウハウの継承のため、特定の職種において特定の年齢層の労働者が相当程度少ない場合に、その年齢層に限定して募集する

30歳から49歳までの範囲内で、5歳以上10歳以下の幅で年齢を設定するなど、法令で定められた要件を満たす場合

芸術・芸能の分野

表現の真実性などの要請がある

上限と下限

高年齢者等の雇用促進

60歳以上や国の施策の対象者に限定する

60歳以上の下限、または施策に該当する年齢

※出典:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について
※出典:e-Gov法令検索「
男女雇用機会均等法第五条
※出典:ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について

実態と異なる記載(虚偽表示)に注意

職業安定法では、求人や労働者の募集に関する情報を提供するとき、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないと定められています。同じ条文には、募集情報を正確かつ最新の内容に保つ義務も置かれました。

悪意がなくても、次のような記載は問題になります。

  • 完全週休2日制と書いているが、実際は隔週で休みの週がある
  • 残業なしと書いているが、実際は月に20時間程度発生している
  • 賞与年2回と書いているが、支給の実績がない
  • 正社員登用ありと書いているが、過去に登用した実績がない

「業界No.1」「最大手」といった比較・最上級表現を使う場合は、客観的な調査結果などの根拠を示せる状態にしておきましょう。根拠を示せない場合は、具体的な導入実績やサービスの特徴など、事実として確認できる内容に置き換えます。

※出典:e-Gov法令検索「職業安定法第五条の四

最低賃金を下回る給与設定はNG

給与は、最低賃金法にもとづき、勤務地の都道府県の地域別最低賃金を下回ってはいけません。違反すると掲載の停止や行政指導の対象になります。

最低賃金は毎年10月ごろに改定され、都道府県ごとに金額が異なります。2026年8月時点で厚生労働省が公表している最新の一覧は令和7年度分です。掲載前に最新額を確認しましょう。

確認するのは次の3点です。

  • 勤務地の都道府県の最新の最低賃金額
  • 月給制や日給制の場合の時給換算額(月給を1か月あたりの所定労働時間で割った額)
  • 固定残業代を含む場合の、対象時間数と金額

月給制でも、時給に換算した額が最低賃金を下回っていれば違反になります。たとえば月給20万円で月160時間の勤務なら、時給換算はおよそ1,250円です。試用期間中に給与が変わる場合は、その期間の金額でも下回っていないかを確かめましょう。

※出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧

求人広告の費用対効果に関するよくある質問

求人広告は、掲載してからも判断が続きます。効果の見極め方、原稿の修正、料金体系の選び方について、実務で相談の多い点をまとめました。

掲載を始めてから、どのくらいで効果を判断すればよいですか

掲載直後は表示回数が安定しないため、最初の数日で判断するのは避けましょう。表示が安定するまでの期間は媒体とプランで変わるので、契約時に担当者へ目安を聞いておくと迷わずに済みます。

最初の数日で応募が来ないからと原稿を作り直すと、表示が伸びていないだけの状態を訴求の問題と取り違えてしまいます。まずは表示回数が想定どおり出ているかを確かめ、原稿の判断はそのあとに回しましょう。

掲載期間の途中で原稿を変更できますか

多くの媒体で変更できますが、変更できる範囲と回数、反映までの時間は媒体とプランによって違います。契約前に、担当者へ確認しておきましょう。

変更するときは、一度に複数の箇所を直さないほうが判断しやすくなります。職種名を変えたのかキャッチコピーを変えたのかが分からなくなると、次の改善につながりません。

掲載課金型と成果報酬型は、どちらを選べばよいですか

判断の基準は、採用予定人数と社内で運用に割ける時間の2つです。複数名を採用する予定があり、原稿の改善に手をかけられるなら、掲載課金型のほうが1名あたりの単価を抑えやすくなります。1名だけの募集で、採用できなかったときの費用を避けたいなら成果報酬型が向くでしょう。

なお、同じ職種でも、媒体によって利用できる料金体系は異なります。複数の媒体に出すなら、体系ごとに分けて採用単価を出しておくと、次回どちらに寄せるかを判断できます。

効果が出ないとき、掲載を止める判断はどこですればよいですか

掲載課金型では、期間の途中で止めても費用は戻りません。考えるべきは止めるかどうかよりも、次の出稿で何を変えるかです。

表示回数が出ていないなら媒体かプラン、表示はあるのに応募がないなら原稿というように、落ちている指標から次の一手を決めましょう。

そのうえで、実際の採用単価が出稿前に置いた見積もりを大幅に上回った場合は、同じ条件でそのまま再出稿するのではなく、媒体・プラン・原稿・選考フローのどこに原因があったかを振り返りましょう。

求人広告と人材紹介は、どちらが費用対効果が高いですか

職種と採用人数によって変わるため、一律には比べられません。未経験者を含めて複数名を募集するなら求人広告のほうが1名あたりの単価を抑えやすく、経験者を1名だけ探すなら人材紹介のほうが工数を抑えられます。

自社の過去の採用単価を手法別に出しておくと、次回の判断材料になります。

【まとめ】求人広告の効果を高めて採用を成功させよう

  • 費用対効果を測る単位は採用単価。外部への支払いに加え、社内で発生した工数も含めて算出する
  • 出稿前の試算は、予算÷(想定応募数×採用率)で算出する
  • 成果が伸びないときは、告知・訴求・選考の3段階のうち、数字が落ちている場所から直す

求人広告は、原稿を書いて掲載すれば終わりという仕事ではありません。いくらかけて何名を採用できたのかを数字で押さえ、詰まっている工程から順に手を入れていく取り組みです。

原稿の改善だけで完結しない点にも注意が必要でしょう。応募が届いたあとの対応まで含めて整えて、初めて採用単価に反映されます。

採用管理システム「RPM」は、こうした数字の把握と初動対応の改善を1つの基盤で進められるサービスです。400以上の求人媒体と連携し、応募受付から面接設定までの連絡を自動化できます。

採用コストを抑えながら成果を伸ばしていきたい場合は、ぜひご検討ください。

採用成果を高める実践ガイド 告知・訴求・選考の最適化
採用成果を左右する「告知・訴求・選考」の各プロセスを整理し、求人接点から採用成功までの改善ポイントをまとめた資料です。
媒体・プラン・スカウトによる出稿設計、求職者に響く求人訴求、応募対応から面接後フォローまで、採用プロセス全体を一貫して最適化するための考え方を解説しています。
応募数が伸びない、面接辞退が多い、採用につながらないといった課題をお持ちの方、採用活動をプロセス単位で見直したい方はぜひご活用ください。

髙田輝之
髙田輝之
エン株式会社(旧・エン・ジャパン)およびゼクウで営業部長を歴任。 15年以上にわたりHR業界に携わり、企業の新卒・中途採用支援を中心に、採用戦略設計・広告運用・採用管理システム(ATS)導入・歩留まり改善など、採用領域全般の課題解決に従事。現在はゼクウにて、採用管理やHRテクノロジーをはじめ、人材採用から定着・育成までをカバーするHR全体の仕組み最適化をテーマに、記事企画・監修・執筆を行っている。現場で培った知見を活かし、複雑な人事課題を構造的に整理し、読者が正しく判断できる情報発信を心がけている。

RPMの導入前に知っておきたいポイントをご紹介

目次[非表示]

  1. 求人広告の費用対効果を算出する方法
    1. 採用コスト全体を算出する
    2. 採用単価を算出する
    3. 採用後の定着まで含めて評価する
  2. 掲載前に費用対効果を予測する方法
    1. 料金体系ごとに費用の発生タイミングを押さえる
    2. 想定応募数から採用単価を試算する
  3. 求人広告の効果が出ない3つの原因と改善策
    1. 求職者に求人広告が見られていない(告知段階)
    2. 求人広告で企業の魅力が伝わっていない(訴求段階)
    3. 応募から採用までの選考フローに課題がある(選考段階)
  4. 応募が集まる求人広告の書き方7つのコツ
    1. 職種名は具体的に分かりやすく記載する
    2. 求職者の心をつかむキャッチコピーを作成する
    3. 仕事内容は働く姿をイメージできるように書く
    4. 応募条件は必須と歓迎を分けて記載する
    5. 給与や待遇は誤解のないように正確に記載する
    6. 職場の雰囲気が伝わる写真を活用する
    7. スマホでの読みやすさを意識して最適化する
  5. 求人広告で成果が出ないときに検討したい採用手法
  6. 求人広告で効果を落とさないための法律と注意点
    1. 年齢・性別による募集制限は原則禁止
    2. 実態と異なる記載(虚偽表示)に注意
    3. 最低賃金を下回る給与設定はNG
  7. 求人広告の費用対効果に関するよくある質問
    1. 掲載を始めてから、どのくらいで効果を判断すればよいですか
    2. 掲載期間の途中で原稿を変更できますか
    3. 掲載課金型と成果報酬型は、どちらを選べばよいですか
    4. 効果が出ないとき、掲載を止める判断はどこですればよいですか
    5. 求人広告と人材紹介は、どちらが費用対効果が高いですか
  8. 【まとめ】求人広告の効果を高めて採用を成功させよう