
面接評価シートとは?作り方・評価項目・点数の付け方とテンプレートを解説
面接評価シートとは、面接で確認する評価項目と評価基準を一覧にまとめ、面接官が同じ基準で候補者を評価するためのシートです。
面接の合否を決める場面で、面接官によって評価が分かれたり、なぜその判断になったのかを社内で説明しづらかったりすることはないでしょうか。
面接は会話の流れやその場の印象に影響されやすく、面接官の経験によって見るポイントも変わります。確認すべきことの聞き漏れも起こりがちです。
本記事では、採用管理システム「RPM」を提供する株式会社ゼクウが、面接評価シートの作り方と評価項目、点数の付け方、そのまま転記できるテンプレートまでを解説します。
公正な採用選考の観点から書いてはいけないことにも触れていますので、自社のシートを整える際にお役立てください。
- 面接実施率を上げる初動対応と日程予約の仕組み
- 候補者の志望度を高める面接設計のポイント
- 承諾率を押し上げる面接後フォローの設計例
目次[非表示]
- ・面接評価シートとは?導入するメリットと限界
- ・面接評価シートの作り方5ステップ
- ・ステップ1. 求める人物像をMust/Better/Willで整理する
- ・ステップ2. 評価項目をスキル・知識/能力/価値観から選ぶ
- ・ステップ3. 評価基準を行動レベルで言語化する
- ・ステップ4. 点数の付け方と配点を決める
- ・ステップ5. 合格ラインと足切り基準を決める
- ・面接評価シートで押さえるべき評価項目
- ・①コミュニケーション(理解・伝達・協働)
- ・②論理性・説明力(構造化・一貫性)
- ・③価値観・仕事観(行動の背景/判断軸)
- ・④スキル・知識の深さ(経験領域・再現性)
- ・⑤学習力・適応力(吸収スピード/自走性)
- ・⑥負荷対応力・レジリエンス(業務負荷への対応・立て直し)
- ・そのまま使える面接評価シートのテンプレート
- ・面接評価シートの正しい書き方
- ・面接官による評価のばらつきを抑える運用のコツ
- ・採用管理システム(ATS)で面接評価を一元管理するメリット
- ・面接評価シートに関するよくある質問(FAQ)
- ・まとめ|面接評価シートは採用判断を組織で支える土台になる
面接評価シートとは?導入するメリットと限界
面接評価シートは、面接官の主観だけで合否が決まる状態を避けるための道具です。

見極める対象は、候補者が自社の仕事をどこまで遂行できるかという仕事遂行力と、自社の働き方や環境になじめそうかという環境適応力の2つです。この2つを評価項目と評価基準に分解し、面接官が同じ観点で確認できる形にします。
評価項目と評価基準をシートの形で固定しておくと、面接ごとのばらつきを抑えられます。
メリットは、評価が面接官に左右されず、判断の根拠が社内に残ること
面接評価シートの効果は、面接そのものの質を一定に保つことと、判断の根拠を記録として残すことの2つに分かれます。
それぞれに含まれるメリットは、次の5つです。
効果の種類 | メリット | 実務で起きる変化 |
|---|---|---|
面接の質を一定に保つ | 面接官が変わっても評価の基準がそろう | 一次と二次で見ている観点が食い違わず、候補者を横並びで比較できる |
面接の質を一定に保つ | 確認すべき項目の聞き漏れを防げる | 会話が盛り上がった面接でも、必要な確認が抜けにくくなる |
面接の質を一定に保つ | 面接の進行と時間配分を組み立てやすくなる | どの項目にどれだけ時間を使うかを事前に決められる |
判断の根拠を記録に残す | 次の面接官への申し送りがそのまま渡せる | 気になった点と追加で確認したい項目を、口頭ではなく記録で引き継げる |
判断の根拠を記録に残す | 採用結果と照らして、採用基準そのものを見直せる | 入社後に活躍した人の評価傾向から、基準の妥当性を検証できる |
シートがない状態では、合否の理由が面接官の記憶と印象に依存します。
後から「なぜこの候補者を見送ったのか」と問われても説明が難しく、判断が社内で共有されないまま次の採用に進むことになりがちです。
限界は、シートを用意するだけでは機能しないこと
一方で、面接評価シートにできることには範囲があります。
シートに残せるのは、あくまで面接という限られた時間で確認できた内容までです。項目を並べただけでは、面接官が何を掘り下げるかは変わりません。
主な限界と、補うための工夫は次の通りです。
限界 | 補うための工夫 |
|---|---|
面接で確認できた範囲しか残らず、入社後に伸びる力までは測りきれない | 適性検査やリファレンスチェックなど、面接以外の情報と組み合わせる |
面接慣れした候補者ほど、受け答えの巧みさが高く評価されやすい | 抽象的な回答で終わらせず、実際の行動とその状況まで掘り下げて確認する |
項目を増やすほど記入の負担が増え、形だけの運用になりやすい | 項目を絞り、面接直後に記入し切れる分量に収める |
作成と更新に手間がかかる | 汎用のテンプレートから始め、採用結果を見て定期的に見直す |
後半の3つは、項目の絞り方と質問の設計、記入のルールをあらかじめ決めておくことで小さくできます。一方で1つ目は、面接以外の情報と組み合わせなければ埋まりません。
面接評価シートの作り方5ステップ
面接評価シートは、求める人物像を決めるところから合格ラインを引くところまで、次の5ステップで作ります。
- ステップ1. 求める人物像をMust/Better/Willで整理する
- ステップ2. 評価項目をスキル・知識/能力/価値観から選ぶ
- ステップ3. 評価基準を行動レベルで言語化する
- ステップ4. 点数の付け方と配点を決める
- ステップ5. 合格ラインと足切り基準を決める
この順序を崩して評価項目から作り始めると、誰を採りたいのかが定まらないまま項目だけが増えます。人物像の整理から着手しましょう。
ステップ1. 求める人物像をMust/Better/Willで整理する
求人票の要件をそのまま項目に移すと、優先順位のない一覧ができあがります。これでは、どれを満たしていれば合格なのかが決まりません。面接官ごとに重視する点が変わる原因にもなります。
求める人物像は、欠かせない要件と、あると望ましい要素と、意欲の方向性の3段階に分けて整理します。
区分 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
Must | 満たしていないと業務を任せられない要件 | 基礎的な業務遂行力、担当業務に必要な資格 |
Better | あると立ち上がりが早くなる要素 | 該当業務の経験、扱えるツール、業界理解 |
Will | 意欲と方向性の一致 | 中期的なキャリア観、自社の事業方向との重なり |
陥りやすいのは、Mustを増やしすぎることです。応募できる人が狭まるうえ、面接でMust以外を確認する余裕がなくなります。本当に欠かせない要件だけをMustに置きましょう。
ステップ2. 評価項目をスキル・知識/能力/価値観から選ぶ
求める人物像が決まったら、それを面接で確認できる評価項目に置き換えます。
評価項目は、できることの領域(What)、その力を実務でどう発揮するか(How)、行動の背景にある判断軸(Why)の3つの軸から選びます。項目を増やすほど1項目あたりの確認は浅くなるため、1回の面接で行動まで掘り下げられる数に収めることが前提です。
スキル・知識(What:できることの領域)
業務を遂行するために必要な技術・経験・理解を評価する軸です。業務経験、扱えるツールの知識、業界理解、専門スキルなどが該当します。
求人票に書いた必須要件と対応させながら選ぶと、確認すべき領域が漏れにくくなります。
能力(How:スキル・知識を実務でどう発揮するか)
持っているスキルや知識を、実際の業務でどう使うかを見る軸です。課題解決力、コミュニケーション力、論理的思考力、調整力などが該当します。
同じ経験年数でも成果に差が出る背景には、スキルや知識の「使い方」の違いがあります。
価値観(Why:行動の背景にある判断軸)
意思決定の軸や仕事観など、行動の背景を見る軸です。転職理由、仕事の選び方、困難な場面での判断の仕方などから確認します。
同じ職種でも、何を重視して仕事を進めるかは人それぞれです。この軸を項目に入れておくと、スキルだけでは見えない仕事の進め方や自社の業務環境との適合性を確認できます。
ステップ3. 評価基準を行動レベルで言語化する
評価項目を並べただけでは、面接官ごとに解釈が分かれます。「コミュニケーション力が高い」が何を指すのかは、人によって違うためです。
評価基準は、候補者が実際にどう行動したかと、その行動をどんな仕事の場面で取ったかの両方がそろって、判断できる形になります。
評価項目 | 行動の具体 | 行動を取った場面 |
|---|---|---|
対人適応力 | 相手の意図を確認してから回答する進め方を身につけた | 前職で問い合わせ対応を任され、認識のずれが起きた経験から |
負荷対応力 | 優先順位を決めて処理する手順を自分で組み立てた | 繁忙期に複数の案件を並行して担当したとき |
思考力 | 原因の切り分け手順を組み立てて特定にたどり着いた | 原因が判明していない不具合の対応を任されたとき |
行動と場面の両方を押さえると、面接での印象ではなく、自社でも再現できる力かどうかで判断できます。
背景を掘り下げるときは、職務上の経験にとどめましょう。生い立ちや家庭環境、家族に関することは、厚生労働省が就職差別につながるおそれのある事項として挙げており、面接で尋ねることも評価基準に含めることも避ける必要があります。
ステップ4. 点数の付け方と配点を決める
評価基準を言語化したら、それを点数に変換する方式を決めます。点数を付ける目的は順位を出すことではなく、面接官の判断を同じ尺度に乗せることです。
主な方式は3つあり、それぞれ向き不向きがあります。
方式 | 付け方 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
段階評価 | 各項目を3段階または5段階で採点する | 複数の候補者を横並びで比較したいとき | 判断に迷うと中央の評価に寄りやすい |
加点方式 | 基準を満たした強みを積み上げる | 伸びしろを重視する新卒採用 | 見過ごせない懸念が埋もれやすい |
減点方式 | 必須要件を満たさない点を差し引く | 欠かせない要件が明確な専門職 | 全体的に評価が辛くなりやすい |
実務では、段階評価を基本に据え、加点と減点の観点をコメント欄で補う形が扱いやすいでしょう。
段階評価を使う場合は、各段階の違いを短文で定義する作業が欠かせません。「5段階評価」とだけ決めても、3と4の差が面接官によって変わってしまうためです。1を不足、3を許容ライン、5を強みと置いたうえで、合否の判断に直結する3から5について、それぞれどんな状態かを1行ずつ書き分けておきましょう。
配点は全項目を同じ重みにする必要はありません。ステップ1でMustに置いた項目の比重を上げると、点数と採用したい人物像がずれにくくなります。
ステップ5. 合格ラインと足切り基準を決める
最後に、どの状態を合格とするかを面接前に決めます。面接後に基準を決めると、目の前の候補者に合わせて基準が動いてしまいがちです。
合計点だけで合否を決めず、項目ごとに下回ってはいけない下限を別に設けます。合計点が高くても、Must項目が基準に届いていなければ、入社後に苦労する場面が出てきやすいためです。
決めておく基準は、次の2つに分かれます。
- 合格ライン:合計点や平均点で、次の選考へ進む水準
- 足切り基準:Must項目それぞれについて、これを下回ったら見送るという下限
Mustに置かれやすいのは、意思疎通の基盤となるコミュニケーション、説明力と理解力を支える論理性、新しい業務を身につける学習力、負荷がかかる場面での立て直し方など、職種を問わず業務の前提になる項目です。自社の業務内容に合わせて、どれをMustに置くかを決めましょう。
逆に、Mustが満たされていれば、他の項目に課題があっても育成を前提に採用できる場合があります。合否を分けるのは合計点ではなく、どの項目を落とせないかの設定です。
面接評価シートで押さえるべき評価項目
評価項目は数を増やすほど良くなるわけではなく、仕事遂行力と環境適応力を見極められる項目に絞ることが大切です。

面接で重視したい評価軸は次の6つです。職種を問わず使える汎用的な項目です。
評価項目 | 対応する軸 | 何を確認するか |
|---|---|---|
①コミュニケーション | 能力(How) | 質問の意図を捉え、必要な情報を返せるか |
②論理性・説明力 | 能力(How) | 結論と理由を筋道立てて説明できるか |
③価値観・仕事観 | 価値観(Why) | 意思決定の軸が一貫しているか |
④スキル・知識の深さ | スキル・知識(What) | どの領域をどこまで自力で遂行できるか |
⑤学習力・適応力 | 能力(How) | 新しい知識や環境をどの速さで身につけるか |
⑥負荷対応力・レジリエンス | 能力(How) | 負荷にどう向き合い、どう立て直すか |
6項目のうち4つが、スキルをどう発揮するかという能力の軸に当たります。何を知っているかより、その知識を実務でどう使うかが成果を左右しやすいためです。
①コミュニケーション(理解・伝達・協働)
コミュニケーション力は、担当業務を問わず実務の土台になります。面接で確認するのは、次の3点です。
- 理解力:質問の意図を正しく捉え、相手の反応も踏まえて要点を返せるか
- 伝達力:必要な情報を、話す順序や量も含めて簡潔に伝えられるか
- 協働姿勢:相手の発言を踏まえて応答し、確認や補足を交えながら双方向のやり取りができているか
面接で交わすやり取りの質は、入社後の意思疎通や調整の進め方にそのまま表れやすい部分です。
②論理性・説明力(構造化・一貫性)
論理的思考と説明力は、状況を整理して意思決定する力を測る項目です。確認したいのは、次の観点です。
- 筋道立てた説明ができるか(結論から理由へ、抽象と具体を行き来できるか)
- 判断軸や価値観に矛盾がないか(転職理由と選択基準が一貫しているか)
- 相手の説明を理解し、構造にして返せるか
説明が曖昧、話が飛ぶ、因果のつながりが弱いといった傾向は、実務での認識のずれにつながりやすいため、具体例を挙げてもらいながら確認しましょう。
③価値観・仕事観(行動の背景/判断軸)
価値観は、行動の背景にある判断軸を理解するための項目です。面接では、次の3点を掘り下げましょう。
- 意思決定の軸が一貫しているか(これまでの職務やキャリアの選び方)
- 困難な場面での行動に、どんな考えがあったか
- 仕事で何を大切にしているか、それが業務内容と重なるか
価値観のずれはミスマッチにつながりやすく、スキルの不足と違って研修では埋めにくい領域です。丁寧に深掘りする価値があります。
なお、深掘りする範囲は職務やキャリアに関する事柄にとどめましょう。生い立ちや家庭環境まで広げると、公正な採用選考の考え方から外れます。
④スキル・知識の深さ(経験領域・再現性)
スキル評価の要点は、何をどこまで自力で遂行できるかという深さです。職種ごとの具体的な領域に踏み込むと、経験の水準が明確になります。
- 営業:商談設計、顧客課題の掘り下げ、意思決定プロセスの把握
- カスタマーサクセス:導入支援の進め方、要件整理の方法、システム理解の深さ
- エンジニア:担当レイヤー、要件分解の考え方、見積もりから運用までの経験範囲
深さと再現性の2つを押さえることで、どの業務を任せられるか、どこに支援が必要かが見えてきます。
⑤学習力・適応力(吸収スピード/自走性)
業務の進め方や使うツールが変わりやすい環境では、現時点のスキルと同じくらい、新しいことを身につける速さが成果に影響します。面接で確認するポイントは、次の通りです。
- 習得スピード:新しい知識や業務をどの程度の期間で身につけてきたか
- 改善力:フィードバックをどう受け取り、行動をどう変えたか
- 挑戦経験:未経験の領域に自ら踏み込み、やり切った経験があるか
入社後は誰もが未経験の状態から始まるため、学習の進め方は立ち上がりの速さに直結しやすい項目です。
⑥負荷対応力・レジリエンス(業務負荷への対応・立て直し)
負荷対応力・レジリエンスの評価では、業務上の負荷にどう向き合い、どう立て直すかを確認します。見極めたいのは、次の3点です。
- 負荷対応:業務量が増えた時期や難易度の高い案件をどう乗り越えたか
- ギャップ調整:認識の違いや意見の対立をどう整理したか
- 回復力:うまくいかなかった後、どう切り替えて次の行動に活かしたか
継続して成果を出せるか、環境の変化に対応できるかを判断する材料になります。特定の経験の有無ではなく、負荷がかかった場面での行動と、その後の立て直し方で評価しましょう。
そのまま使える面接評価シートのテンプレート
面接評価シートは、自社の形に落とし込んで初めて使えるようになります。基本形を1つ用意し、面接段階・採用区分・職種の3つの切り口で作り分ける形が扱いやすいでしょう。
最初から職種ごとに個別のシートを作る必要はありません。まず基本形を運用し、判断しづらかった項目だけを切り口ごとに差し替えていく進め方が現実的です。
汎用テンプレート(基本形)
どの職種・どの選考段階でも使える標準形です。このまま自社のシートに転記できます。
記入欄 | 記入する内容 |
|---|---|
基本情報 | 氏名、応募ポジション、面接日、面接官名、選考段階 |
評価項目と点数 | 評価項目それぞれを5段階で採点し、Must項目には下限を明記する |
評価の根拠 | 点数の理由になった発言と行動を、解釈を交えず事実のまま書く |
懸念点と追加確認事項 | 判断しきれなかった項目と、次の面接で確認したいこと |
総合評価 | 合否の判断と理由。Must項目を満たしているかを必ず含める |
配属案と必要な支援 | 想定する配属先と、立ち上がりで支援が必要になりそうな領域 |
点数欄と根拠欄を必ず横並びに配置しておくと、点数だけが独り歩きする状態を避けられます。
面接段階別テンプレート(一次・二次・最終)
毎回すべての項目を同じ深さで見る必要はありません。段階ごとに重点を変えると、限られた面接時間を使い切れます。
面接段階 | 重点を置く項目 | 確認の深さ |
|---|---|---|
一次面接 | ①コミュニケーション、③価値観・仕事観、⑥負荷対応力・レジリエンス | 働くうえでの土台がそろっているか |
二次面接 | ④スキル・知識の深さ、②論理性・説明力、⑤学習力・適応力 | 何をどこまで自力で遂行できるか、具体的な場面と数字で |
最終面接 | 一次と二次で残った懸念点、志望動機の確度 | 入社後の役割・期待・働き方について、企業と候補者の認識にずれがないか |
一次面接で基礎の部分に不安が残ったまま次へ進めると、後の工程でも判断がつかず、選考が長引きがちです。先送りせず、その場で確認しきる設計にしておきましょう。
最終面接は、合否を決めるだけの場ではありません。候補者の疑問に向き合い、入社後にどんな仕事を任せ、どう成長していくのかを一緒に描けるかを確かめる場でもあります。ここでのすり合わせが、入社後のミスマッチを減らす助けになるはずです。
採用区分別テンプレート(中途採用・新卒採用)
中途採用と新卒採用では、同じ評価項目でも重みが変わります。項目そのものを入れ替えるより、配点を変えるほうが運用は軽く済むでしょう。
採用区分 | 重みを上げる項目 | 補って確認する項目 |
|---|---|---|
中途採用 | ④スキル・知識の深さ、②論理性・説明力、①コミュニケーション | ③価値観・仕事観、⑥負荷対応力・レジリエンス |
新卒採用 | ⑤学習力・適応力、③価値観・仕事観、②論理性・説明力 | ①コミュニケーション、⑥荷対応力・レジリエンス |
中途採用で評価の中心になるのは、任せたい業務を任せられるかという実務の再現性です。成果そのものより、その成果をどう出したかを説明できるかを確かめましょう。
新卒採用では、現時点でできることより、これから何をどれだけ身につけられるかを見ます。学業や課外活動について聞く場合は、取り組んだ内容と進め方に絞り、生い立ちや家庭環境には踏み込まないよう注意が必要です。
新卒採用と中途採用の使い分けそのものを整理したい場合は、次の記事もあわせてご覧ください。
職種別テンプレート(営業・エンジニア・CS・マーケ)
職種ごとの見極めでは、抽象的な説明ではなく、業務プロセスの具体を聞くと差が表れます。プロセスを順序立てて語れない場合、経験が浅いか、知識が定着していない可能性があります。
営業|業界理解・商材理解・課題発見
評価の着眼点 | 深さが出る質問例 |
|---|---|
効果検証の型を持っているか | 担当した商材の効果分析を、最初から最後まで説明してもらえますか |
原因の切り分けができるか | 数字が下がったとき、どの順番で原因を切り分けますか |
成否の両方を振り返れるか | 改善できた案件とできなかった案件を、実際のプロセスで振り返ってもらえますか |
エンジニア|要件分解・見積もりの考え方・インシデント対応
評価の着眼点 | 深さが出る質問例 |
|---|---|
見積もりの根拠を持っているか | 直近の見積もりは、何を根拠にどう計算しましたか |
障害対応を再発防止まで進められるか | 直近のインシデントの原因は何で、どう特定し、どう再発防止しましたか |
技術選定を比較で語れるか | 技術選定の理由を、採用しなかった代替案との比較で説明してもらえますか |
CS|顧客課題把握・要件整理・運用支援
評価の着眼点 | 深さが出る質問例 |
|---|---|
表面的な要望と課題を切り分けられるか | 顧客の本当の課題をどう把握しましたか。具体的なケースで教えてください |
要件整理の手順を持っているか | 要件整理をどのステップで進めましたか |
トラブル時に方針を立てられるか | 障害やトラブルが起きたとき、どんな方針で対応し、解決しましたか |
マーケ(SEO)|検索意図・構造化・検証プロセス
評価の着眼点 | 深さが出る質問例 |
|---|---|
検索意図を構成に落とせるか | 対象キーワードの検索意図をどう分解し、構成に落としましたか |
競合分析を設計につなげられるか | 検索結果の分析から、どのように構成を組み立てましたか |
公開後の改善まで回せるか | 記事の公開後、どの指標を見て改善し、どんな効果が出ましたか |
面接評価シートの正しい書き方
面接評価シートは、記入されて初めて記録として機能します。面接官ごとに書き方が違うと、点数は付いていても比較や引き継ぎには使えません。
記入のルールは、何をいつ書くかだけでなく、書いてはいけない事柄まで含めて決めておく必要があります。後者は、公正な採用選考の観点から特に注意が必要な領域です。
事実と評価を分けて、面接直後に記入する
面接のメモは、時間が経つほど印象が優勢になり、発言の細部が抜け落ちます。記入は面接直後、遅くとも当日中に済ませるのが基本です。
記入するときは、次の2つを書き分けます。
- 事実:候補者が何を、どのように説明したか。発言と行動をそのまま書く
- 評価:その事実をどう解釈し、なぜその点数にしたか
2つを混ぜて書くと、後から読んだ人が事実なのか書き手の解釈なのかを区別できません。判断に迷った項目は無理に点数を確定させず、次の面接への確認依頼として残しましょう。
総合評価には合否理由と懸念点を残す
点数だけを残しても、なぜその判断になったかは伝わりません。総合評価に必ず含めたいのは、Must項目を満たしているかという合否理由と、判断しきれなかった懸念点の2つです。
- 合否理由:どのMust項目が基準を満たし、どれが届かなかったか
- 懸念点:判断しきれなかった項目と、次の面接官に確認してほしいこと
この2つが残っていれば、次の面接官は懸念点の確認から始められ、同じ質問を繰り返さずに済みます。内定後の配属を検討する際にも、どの領域に支援が必要かをそのまま引き継げます。
職務に関係のない情報は評価にも記入にも使わない
採用選考は、応募者の適性と能力に基づいた基準で行うことが基本です。厚生労働省は、これに関係のない事項を応募用紙や面接で把握することが就職差別につながるおそれがあるとして、避けるべき事項を挙げています。
主なものは次の2種類です。
区分 | 該当する事項 |
|---|---|
本人に責任のない事項 | 本籍・出生地、家族(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)、住宅状況(間取り・部屋数・住宅の種類・近隣の施設など)、生活環境・家庭環境 |
本来自由であるべき事項 | 宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合や学生運動などの社会運動、購読新聞・雑誌・愛読書 |
注意したいのは、採用基準にする意図がなくても、こうした事項を面接で尋ねることは就職差別につながるおそれがあるため、避ける必要がある点です。
応募者側は、尋ねられた事柄が選考基準にされていると受け取ります。
厚生労働省が令和6年度にハローワークで把握した854件のうち、家族に関する質問が多くを占めています。緊張をほぐす雑談から入ってしまうケースが多いとされているため、シートの記入欄にもこうした項目を設けないようにしましょう。
※出典:厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項」
年齢・性別を選考基準にしない
年齢や性別を理由とする募集・採用上の差別的な取り扱いは、原則として認められていません。評価項目に含めないことはもちろん、面接での質問や判断材料にも使わないよう徹底が必要です。
年齢について、労働施策総合推進法は募集・採用で年齢を理由とした制限を設けることを禁止しています。求人票を年齢不問としていても、実際に年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を基準に採否を判断したりすることは、法の規定に反する行為です。
性別については、男女雇用機会均等法が募集・採用における性別を理由とする差別を禁止しています。採用選考で能力や資質を判断する方法や基準を男女で変えることも、この差別に当たる取り扱いです。
面接で男女に同じ質問をしていても、一方の性についてだけその回答を採否の判断材料にする行為は、違法事例として明示されています。
シートの様式そのものも確認しておきましょう。性別欄が評価項目のすぐ隣にある、年齢の記入欄が冒頭に来るといった配置は、意図せず判断に影響しかねません。
※出典:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」
※出典:厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」
応募者の個人情報として保管・共有する
面接評価シートには、候補者の経歴や面接での発言が記録されます。シートは応募者の個人情報を含む書類であり、選考に関わる担当者の範囲で管理する必要があります。
決めておきたいのは、次の3点です。
- 保管場所と、閲覧できる担当者の範囲
- 選考終了後の保管期間と、廃棄の方法
- 共有の方法(個人のパソコンやメール添付での受け渡しを避ける)
職業安定法では、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報などについて、原則として収集が認められていません。記入欄を設計する段階から、集めない情報を決めておきましょう。
※出典:厚生労働省「公正な採用選考の基本」
面接官による評価のばらつきを抑える運用のコツ
シートを配っただけでは、面接官が見る観点はそろいません。同じ項目を見ていても、どの水準を3とするかは人によって変わります。

シートを機能させるのは、面接官の間で基準をそろえ続ける運用の仕組みです。
評価基準と質問の最小マニュアルを共通化する
大がかりなマニュアルは、作っても読まれないまま終わってしまいます。面接官が面接直前に読み返せる、A4一枚程度の分量に収めるのが実務的です。
最低限そろえたい内容は、次の通りです。
- 面接の進め方(導入、深掘り、逆質問、クロージングの時間配分)
- 評価シートの見方(どの項目を、どの質問で確認するか)
- 評価基準の定義(3から5の違いを短文で明文化)
- 深掘りの型(行動、その行動を取った場面、判断した理由の順に聞く)
- 判断に迷いやすい回答の例と、その場合の追加質問
- 面接官の役割分担(一次は基礎的な職務適合性、二次はスキル・再現性、最終は入社意向と期待のすり合わせ)
これがあるだけで、面接官が変わっても確認の観点と進め方がそろいやすくなります。
面接官同士ですり合わせ(キャリブレーション)を行う
面接官が複数いる場合は、面接後に短時間すり合わせるだけでも精度が上がるでしょう。同じ候補者に対する評価がなぜ分かれたのかを言葉にする作業が、基準そのものを鍛えます。
- 評価が分かれた点をその場ですり合わせられる
- 一方の面接官が見落とした点に気づける
- 合否理由が共通化され、社内での説明がしやすくなる
特に一次から二次へ引き継ぐ場面では、気になった点と確認してほしい項目を渡しておくと、選考全体が連続したものになります。個々の面接が独立していると、同じ質問を繰り返して候補者の負担を増やすことにもなりかねません。
評価のばらつきを生みやすいバイアスを知っておく
面接官が公平に見ているつもりでも、判断には一定の傾向が入り込みます。バイアスは意識するだけでは消えないため、シートの記入手順で抑える設計が有効です。
バイアス | 起きること | 抑える工夫 |
|---|---|---|
ハロー効果 | 目立つ経歴や長所に引かれ、他の項目まで高く評価する | 項目ごとに根拠を書いてから点数を付ける |
対比効果 | 直前に面接した候補者との比較で評価が上下する | 候補者同士ではなく、評価基準と照らして採点する |
寛大化・厳格化傾向 | 面接官によって、全体的に甘くなる、または辛くなる | 面接官ごとの平均点を定期的に確認する |
類似性バイアス | 自分と経歴や考え方が近い候補者を高く評価する | 複数の面接官で評価し、評価が分かれた項目を突き合わせる |
根拠を先に書いてから点数を付ける順序にするだけでも、印象が点数に直結しにくくなります。
採用結果と照らし合わせて定期的に見直す
評価シートは、作った時点が完成ではありません。見直しの材料になるのは、面接時の評価と入社後の状況を突き合わせた結果です。
確認したい観点は、次の3つです。
- 高く評価した項目が、入社後の活躍と関係していたか
- 早期離職があった場合、面接時にどの項目で兆候が表れていたか
- ほとんど差がつかない項目や、面接官が判断に迷い続けている項目がないか
見直しの頻度は、採用の件数によって変わります。年間の採用が数名であれば1年ごと、大量に採用している場合は四半期ごとなど、判断材料がたまるタイミングに合わせましょう。
採用管理システム(ATS)で面接評価を一元管理するメリット
面接評価シートを紙やExcelで運用している企業は少なくありません。採用の件数が限られ、面接官も固定されている段階では、この方法で十分に回ります。
一方で、募集する職種や拠点が増え、面接官の人数が増えてくると、次のような詰まりが起きがちです。
- 面接官ごとにファイルが分かれ、候補者単位で評価をそろえるのに手作業がかかる
- 記入されたシートの回収と催促に時間を取られる
- 過去の評価を後から探しにくく、採用基準の振り返りに使えない
- 個人情報を含むファイルが複数の端末に分散する
採用管理システム(ATS)を使うと、面接評価とコメント、申し送りを候補者の情報にひもづけて管理できます。評価シートの運用で手間になりやすい部分は、仕組み側に寄せられるでしょう。

評価・コメント・申し送りが1か所にまとまる
候補者の情報に評価がひもづくため、誰がどの項目をどう評価したかを一覧で確認できます。
- 各面接官の評価を横並びで比較できる
- コメントが分散せず、履歴として残る
- 次の面接官への申し送り(懸念点と確認依頼)をそのまま渡せる
面接官ごとに見ている観点が違うという状態を、記録の上で確認できるようになる点が大きな違いです。
採用管理システム「RPM」の面接評価シート機能では、評価項目・配点・コメント欄を職種や選考フェーズごとに設定でき、面接後にその場で入力した内容を関係者へ共有できます。権限設定によって閲覧できる範囲を制御することも可能です。
面接の記録が蓄積し、採用基準の見直しに使える
評価が個別のファイルに散らばっていると、過去の面接を振り返る作業そのものが負担です。記録が1か所にたまると、次のような検証に使えます。
- どの質問で見極めがうまくいったか
- 入社後に活躍した人材の評価には、どんな傾向があったか
- 早期に離職した場合、面接時の評価にどんな共通点があったか
面接評価シートの精度は、面接そのものの改善ではなく、採用結果と突き合わせる作業によって上がっていきます。この突き合わせが手作業では続きにくいことが、紙やExcel運用のつまずきやすい点です。
面接から配属判断までの情報を一元管理できる
選考の記録が分断されていると、内定後の受け入れ準備を一から組み立て直すことになりがちです。ATS上では、次の情報を同じ候補者の画面に集約できます。
- 書類選考の結果
- 一次から最終までの面接評価
- 配属の案
- 懸念点と、支援が必要になりそうな領域
面接で把握した強みと懸念が受け入れ側に引き継がれると、入社後の育成計画を立てやすくなります。選考のために集めた情報は、入社後の立ち上がりにも使える資産になるはずです。
ATSをまだ導入していない、あるいはどれを選べばよいか分からないという場合は、次の記事もあわせてご覧ください。
面接評価シートに関するよくある質問(FAQ)
評価項目はいくつくらいが適切ですか?
決まった数はありません。面接時間から逆算し、それぞれの項目について行動とその場面まで掘り下げられる範囲に収めるのが基準になります。
項目を増やすより、必須項目を漏れなく確認できる構成を優先しましょう。減らす判断に迷う場合は、直近の面接で実際には判断に使われていない項目から外していくと決めやすくなります。
既成のテンプレートをそのまま使ってもよいですか?
出発点として使うのは有効ですが、そのまま使い続けるのは避けたほうがよいでしょう。既成のテンプレートは評価項目が一般化されているため、自社の必須項目が抜けていたり、使わない項目が残っていたりします。
まず基本形として運用し、数回の面接を経て、判断に使った項目と使わなかった項目を仕分けてから自社版に整えましょう。
オンライン面接では評価項目を変えるべきですか?
項目そのものを変える必要はありませんが、判断材料が変わる点に注意が必要です。画面越しでは表情や間の取り方が伝わりにくく、通信環境の影響も受けます。
言葉以外の情報を根拠にした評価は慎重に扱い、発言の内容と説明の組み立て方で判断できるよう、質問を具体的にしておきましょう。
アルバイト・パート採用でも必要ですか?
必要です。面接官が店舗や現場の責任者に分散するぶん、基準をそろえる必要性はむしろ高まります。ただし、正社員採用と同じ項目数では記入が続かないため、Must項目を絞り、1枚で完結する様式にしておきましょう。
まとめ|面接評価シートは採用判断を組織で支える土台になる
- 面接評価シートは、評価が面接官に左右されない状態をつくり、判断の根拠を社内に残すために使う
- 作り方は、求める人物像の整理から合格ラインの設定までの5ステップ。点数の付け方と足切り基準は、面接を始める前に決めておく
- 職務に関係のない情報は評価にも記入にも使わない
シートを整えるだけでは、評価はそろいません。記入のルールを決め、面接官同士で基準をすり合わせ、採用結果と突き合わせて見直すところまでがそろって、ようやく機能します。
面接評価が紙やExcelに分散していて、回収と集計に時間がかかっているなら、採用管理システムの活用も選択肢の一つでしょう。募集する職種や拠点が多いほど、一元管理で減らせる手間は大きくなります。採用管理システム「RPM」でも、面接評価の一元管理に対応しています。
面接評価シートを整え、記録が残る形で運用することは、採用の判断を個人の経験から組織の仕組みへ移していく取り組みです。まずは基本形のテンプレートを1枚作るところから始めてみてください。
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