
中途採用が難しいのはなぜ?原因と改善策を構造的に解説
近年、「中途採用が難しい」「求人を出しても採れない」と感じる企業は増えています。実際に中途採用は、売り手市場の常態化や採用手法の多様化により、以前よりも難易度が高まっています。
しかし、その原因を「人がいないから」「市場が悪いから」と捉えてしまうと、具体的な改善策が見えなくなってしまいます。
中途採用が難しくなっている背景には、個社の取り組みだけでは解決しにくい、採用環境や候補者行動の変化があります。
本記事では、「中途採用が難しいのはなぜか?」という疑問に対して、原因を構造的に整理したうえで、「露出・訴求・歩留まり」という3つの観点から課題を切り分けます。
採用がうまくいかない理由を明確にし、再現性のある改善策と全体設計の考え方を解説します。
今どこに課題があるのかを把握し、優先順位をつけて改善したい方は、ぜひ参考にしてください。
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中途採用が難しいのはなぜ?

「中途採用が年々難しくなっている」と感じる企業は少なくありません。しかし、その原因を「人材がいない」「採用市場が厳しい」と一括りにしてしまうと、自社で何を改善すべきかが見えにくくなります。
中途採用の難しさは、担当者個人の努力不足だけで生じているわけではありません。働き手の減少や採用競争の激化、候補者行動の変化など、採用を取り巻く前提そのものが変わっています。
ここでは、中途採用が難しくなっている背景を4つに分けて整理します。
働き手の減少により、売り手市場が続いている
中途採用が難しくなっている大きな背景の一つが、働き手の減少です。
厚生労働省によると、ハローワークにおける令和7年度平均の有効求人倍率は1.20倍でした。求人が求職者を上回る状態が続いており、企業間で人材を獲得する競争が起きやすい環境となっています。
加えて、働き手の中心となる生産年齢人口は長期的に減少しています。採用対象となる人口そのものが縮小するなかでは、求人を出すだけで十分な応募を集めることは難しくなります。
待遇の見直しだけでなく、採用要件や募集方法、選考プロセスまで含めて改善する必要があります。
※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について」
経験やスキルを持つ人材に求人が集中している
中途採用では、入社後すぐに活躍できる経験者や、専門的なスキルを持つ人材が求められやすい傾向があります。
しかし、多くの企業が似た経験やスキルを持つ人材を採用しようとするため、限られた候補者に求人が集中します。候補者は複数社からアプローチを受け、条件や仕事内容、働き方、選考時の対応を比較しながら応募先や入社先を選びます。
そのため、給与や知名度だけでなく、初動の速さ、連絡の丁寧さ、面接での魅力付けといった運用面の差も採用結果に影響します。
企業側には、「応募を待つ採用」から「候補者に選ばれる採用」への転換が求められています。
採用手法が多様化し、候補者との接点が分散している
以前は求人媒体に掲載することで、一定数の応募を集められるケースもありました。しかし現在は、候補者が求人を知り、企業を調べ、応募するまでの経路が多様化しています。
求人媒体だけでなく、人材紹介、スカウト、リファラル採用、SNS、採用サイトなど、候補者との接点は複数のチャネルに分散しています。
そのため、一つの媒体に求人を掲載するだけでは、採用したい人材に十分届かない可能性があります。求人内容に魅力があっても、候補者の目に触れなければ応募にはつながりません。
採用ターゲットがどこで情報を集めているのかを把握し、チャネルごとの役割を整理することが重要です。
採用プロセスの設計と運用の差が結果を分けている
同じ採用市場にいる企業でも、採用結果には差が生じます。
採用がうまくいっている企業は、求人を掲載して応募を待つだけではありません。求人がどれだけ見られ、どれだけ応募され、選考の各段階で何人が離脱しているのかを数値で把握し、改善を繰り返しています。
一方で、「とりあえず求人を出す」「応募が来なければ別の媒体を試す」といった対応だけでは、うまくいかない原因を特定できません。
採用市場や人口構造は一社だけでは変えられませんが、求人の露出、訴求内容、応募後の対応は自社で改善できます。
そこで次に、中途採用がうまくいかない原因を「露出・訴求・歩留まり」の3つに分けて見ていきます。
中途採用が難しい原因は「露出・訴求・歩留まり」で切り分ける
中途採用がうまくいかない原因は、「なんとなく難しい」と一括りにされがちです。
しかし実際には、課題は大きく「露出・訴求・歩留まり」の3つに分解できます。
ここでいう「訴求」には、求人原稿の表現だけでなく、給与や休日などの条件、採用要件、応募のしやすさ、企業への信頼材料も含まれます。
この3つの観点で切り分けることで、
- そもそも見られていない、クリックされていないのか
- 見られているものの、応募には至っていないのか
- 応募後、面接や入社承諾までの間に離脱しているのか
が明確になり、効果の薄い施策を闇雲に増やすことを避けられます。
ここでは、それぞれの典型的な課題を整理します。
露出が足りない(そもそも見られていない・クリックされない)
応募が少ない場合、求人内容以前に「見られていない」「クリックされていない」可能性があります。
表示回数(IMP)が不足しているのか、表示はされているがCTRが弱いのかで打ち手は変わります。
掲載順位・検索条件の設定漏れ・職種名の弱さ・写真の印象など、入口の段階で損をしているケースは多いです。
露出が足りなければ、どれだけ良い求人でも応募は生まれません。
まずは「見られる状態」を作ることが最優先になります。
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訴求が弱い(見られても応募されない/応募者層が採用要件と合わない)
クリックはされているのに応募が少ない場合、訴求が弱い、またはズレている可能性が高いです。
候補者はクリック後に「ここなら応募してもいい」と判断できる材料を探しますが、抽象表現ばかりだと決断できません。
ターゲットが曖昧だと訴求軸が散り、届けたい層に刺さりにくくなります。また、必須要件が厳しすぎれば応募対象が狭まり、反対に広すぎればミスマッチが増えます。
応募は「勢い」ではなく「納得」で発生するため、判断材料を増やす設計が必要です。
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歩留まりが悪い(面接参加率・入社承諾率で落ちる)
応募はあるのに採用につながらない場合、歩留まりにボトルネックがあります。
特に中途採用では、応募後の初動が遅い、日程調整が面倒、リマインド不足など「運用」の差が面接参加率に直結します。
さらに面接で魅力付けが弱いと入社承諾率も落ち、結果として「応募はあるのに採れない」状態になります。
歩留まりは人の問題に見えがちですが、多くは設計と運用の問題です。
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中途採用を改善する「露出・訴求・歩留まり」の全体設計
中途採用を安定させるために必要なのは、施策を断片的に増やすことではありません。
採用プロセス全体を、各段階の通過率を確認できる「ファネル構造」として捉え直し、露出・訴求・歩留まりを一気通貫で設計することです。
中途採用が難しい企業ほど、どこか一部分だけを改善しようとして成果が出ないケースが多くあります。
採用に強い企業は感覚に頼らず、次のような「基本設計」を仕組み化しています。
- 入口で集める:必要な層への表示回数(IMP)を確保し、クリック率(CTR)を高める
- 内容で納得させる:具体的な訴求でCVR(応募率)を高める
- 選考で取りこぼさない:スピード対応で歩留まりを維持する
この再現性の高い改善パターンを、露出・訴求・歩留まりの3つの設計として整理します。
露出を増やす設計(見られる状態をつくる)
露出は、母集団形成の前提条件です。ターゲットの目に触れない状態では、どれだけ魅力的な訴求を用意しても、応募につながりにくくなってしまいます。
闇雲な掲載は予算の無駄になります。重要なのは、各チャネルのデータベース構造を理解し、ターゲットが利用するチャネルに合わせて露出を最大化することです。
あわせて、表示された求人がクリックされやすくなるよう、タイトル・冒頭・写真といったCTR要素も磨き込みます。
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ターゲットに応じてチャネルを分ける(媒体・紹介・スカウト・SNS)
求職者の居場所は一様ではありません。
「誰に・どこで出会うか」を整理し、媒体ごとの登録者層やデータベースの特性を見極めることが、無駄な露出コストを削減する第一歩です。
転職顕在層:求人媒体で検索行動を狙う
潜在層・ハイクラス層:スカウトやSNSでこちらから接触する
若手層・管理職層・特定職種の経験者:各媒体の登録者分布に合わせて選定する
露出を最大化する(掲載面・順位・検索導線・スカウト通数)
露出を増やす鍵は、求職者の「検索行動」にあります。
以下を見直すだけで、表示回数(IMP)が大きく変わることがあります。
掲載プランと順位:ターゲットに見られる位置に表示されているか
職種カテゴリー:検索されやすいカテゴリを選べているか
検索キーワードの反映:実際の勤務条件に合う「リモート」「土日休み」などのキーワードが原稿に含まれているか
まずは見つけられる土台を固めることが先決です。
CTRを改善する(タイトル・冒頭・写真・見せ方)
検索結果に表示されても、クリックされなければ存在しないも同然です。
クリック率に影響しやすいのは、検索結果や求人一覧に表示される職種名、キャッチコピー、給与・勤務地などの主要情報です。
職種名の具体化:「営業」ではなく「反響営業」など具体的に書く
ベネフィットの明示:「年収」「休日」「リモート可否」を一目で伝える
写真の魅力:職場の雰囲気が直感的に伝わる素材を選ぶ
CTR改善は、追加の掲載費をかけずに応募数の増加を狙える、比較的着手しやすい施策です。
訴求を強める設計(応募したい理由をつくる)
クリックはされるのに応募に至らない場合、求人の訴求が抽象的であることや、条件がターゲットに合っていないこと、応募への心理的なハードルが高いことなどが原因として考えられます。
訴求設計の起点は、ターゲットを明確にし、その層が応募を判断できる具体的な材料を揃えることです。
万人受けを狙った曖昧な表現ではなく、Must(必須)/Want(歓迎)を整理し、ターゲットに合わせて訴求内容を具体化することが鍵となります。
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必須と歓迎を分け、不要な必須要件を削る
要件を盛りすぎると、市場にいる対象者が大幅に少なくなります。
母集団形成のスタートラインに立つために、以下を徹底してください。
Must(必須要件):業務に絶対必要なスキルだけに絞る
Want(歓迎要件):教育で補える要素は必須に含めない
応募対象を必要以上に狭めず、選考で確認すべき要件を明確にできます。
ターゲットを明確にし、訴求軸を絞る
「誰でもいい」という求人は「誰にも刺さらない」求人になります。
経験者狙いなら:「裁量権」「キャリアパス」を軸に訴求
未経験者狙いなら:「研修体制」「フォロー環境」を軸に訴求
訴求軸を絞ることで、ターゲットに判断材料が伝わりやすくなり、CVRの改善が期待できます。
魅力を「具体性×根拠性」で言い切る(比較で優位に立つ表現)
「風通しが良い」「成長できる」だけでは伝わりません。
求職者は常に他社と比較しています。魅力は数字と事実に変換してください。
×風通しが良い→例:「直近1年間の離職率5%」「月1回、経営陣へ直接質問できる全社ミーティングを実施」
×成長できる→例:「入社1年以内にリーダーへ昇格した実績あり」「対象資格の取得時に最大10万円を支給」
具体性と根拠が、応募の決断を後押しします。
応募前に参照される情報を整える
候補者は応募を決める前に社名を検索し、口コミサイト・SNS・採用サイトで「実際どうなのか」を確かめます。
求人票の訴求がどれだけ良くても、検索して出てきた情報がネガティブに偏っていたり、そもそも情報が乏しかったりすると、応募直前で離脱されてしまいます。
訴求は求人票の中だけでなく、候補者が下調べする場所まで含めて設計する必要があります。
最低限、次の3点を押さえておくと、下調べ段階での取りこぼしを減らせます。
- 情報の空白を埋める:社員インタビューや職場写真など、一次情報を自社発信で用意する
- ネガティブ情報を放置しない:候補者が不安を感じやすい点について、採用サイトや社員インタビューを通じて、実態や改善の取り組みを一次情報として発信する
- 発信の一貫性を保つ:求人票・採用サイト・SNSで語る魅力の軸をそろえ、印象のブレをなくす
口コミは完全にコントロールできませんが、「調べたときに何も出てこない/悪い情報しかない」状態を避けることで、応募直前の離脱を抑えやすくなります。
歩留まりを上げる設計(面接・承諾で落とさない)
歩留まりが悪化する原因は、候補者と採用要件の適合度だけでなく、企業側の対応スピードや、候補者に生じる手間にあるケースも少なくありません。
特に売り手市場では、初動の遅れや日程調整の手間が「サイレント辞退」につながりやすくなります。
候補者の熱量が冷める前に、「スピード」と「自動化」で取りこぼしを減らす設計が重要です。
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初動対応を速くする(当日〜翌営業日)
応募後のファーストコンタクトは、できるだけ早い対応が理想です。
候補者は同時に複数社へ応募しているため、連絡が早い企業ほど面接につながりやすくなります。
スピード対応:採用管理システム(ATS)の自動返信機能やテンプレートを活用する
即時レスポンス:土日や夜間の応募でも「受け付けました」と反応できる仕組みを作る
初動の速さは安心感につながり、志望度にも影響します。
日程調整の往復を減らす(予約URLで候補者が選べるようにする)
「候補日を3つください」→「調整します」というメールの往復は、離脱要因になりやすいポイントです。
候補者の熱量が高いタイミングを逃さず、スマホ一つで完結できる手軽さが、選考参加率を底上げします。
カレンダー予約ツールの導入:企業側が提示したURLから候補者が選ぶだけで確定する仕組みにする
1回完結型フロー:調整の手間を減らし、面接設定率を改善する
面接前の辞退・不参加を減らす(事前案内・不安解消)
面接当日のドタキャンや辞退を防ぐには、リマインドの徹底が有効です。
辞退や不参加には、「うっかり忘れ」や「準備不足による不安」が影響している場合もあります。先回りしてフォローすることで心理的なハードルを下げられます。
リマインドメール:前日と当日の朝に、日時・場所・緊急連絡先を送る(自動送信が理想)
事前情報の提供:「面接官」「所要時間」「聞くこと」を案内し、不安を取り除く
なお、面接での見極め精度そのものを高めたい場合は、面接の質問設計や評価基準の統一が有効です。
内定後の辞退を減らす(魅力付け・条件提示・フォロー)
内定通知はゴールではありません。承諾に向けた意向形成のフェーズです。
条件面だけで比較されれば、わずかな差で辞退につながることもあります。
だからこそ、納得感を醸成する最後のひと押しが重要です。
オファー面談の設定:条件通知書を送るだけでなく、「なぜ評価したか」「期待する役割」を丁寧に伝える
伴走型のフォロー:入社直前まで不安に寄り添い、入社承諾率を安定させる
なお、入社後の早期離職防止まで見据えると、定着施策への投資も採用コストの回収につながります。詳しくは下記でも紹介しています。
ここまで初動対応の速さや日程調整の自動化など、歩留まり改善に直結する内容を解説してきました。
こうした採用オペレーションの自動化に強い採用管理システム(ATS)として、株式会社ゼクウが提供する「RPM」があります。
「RPM」の応募対応自動化機能の具体的な仕組みをより詳しく知りたい方は、下記の資料を無料でダウンロードいただけます。
中途採用を改善する手順|まずは「どこが課題か」を診断する
改善を急ぐほど、施策を増やしたくなりますが、診断なしに動くと遠回りになりがちです。
中途採用はファネル構造なので、どこで人数が減っているかを把握すれば、改善の優先順位をつけやすくなります。
まずは数値を揃え、減っている地点(露出・訴求・歩留まりのどこか)を特定することが最短ルートです。
ここでは、診断の最低限の手順を整理します。
求人の露出から採用までの数値を把握する
中途採用の課題は、感覚ではなく数値で捉えると整理しやすくなります。
まずは、確認できる範囲で次の指標を揃えましょう。
- 表示回数(IMP):求人が検索結果などに表示された回数
- クリック率(CTR):表示された求人のうち、詳細ページがクリックされた割合
- 応募率(CVR):求人の詳細ページを見た人のうち、応募に至った割合
- 書類選考通過率:応募者のうち、面接へ進んだ割合
- 面接設定率:面接を案内した候補者のうち、日程が確定した割合
- 面接参加率:面接日程が確定した候補者のうち、実際に参加した割合
- 内定率:面接に参加した候補者のうち、内定に至った割合
- 入社承諾率:内定者のうち、入社を承諾した割合
これらを確認すると、求人が見られていないのか、応募につながっていないのか、書類選考や面接で減っているのか、内定後に辞退されているのかを切り分けやすくなります。
すべての数値を最初から厳密に揃える必要はありません。まずは取得できるKPIから確認し、改善の優先順位を判断できる状態をつくることが重要です。
相場と比較しつつ「どこにボトルネックがあるか」を特定する
数値を取得したら、自社内の前月比較に加え、可能であれば媒体の平均や過去の採用実績と照らして確認します。
- IMPが少ない:掲載媒体や掲載条件など、露出に課題がある可能性
- CTRが低い:職種名・タイトル・写真など、求人の入口に課題がある可能性
- CVRが低い:採用要件や条件、求人の訴求内容に課題がある可能性
- 書類選考通過率が低い:応募者層と採用要件が合っていない可能性
- 面接設定率が低い:初動対応や日程調整に課題がある可能性
- 面接参加率が低い:リマインドや事前案内に課題がある可能性
- 内定率が低い:採用要件や面接での評価基準に課題がある可能性
- 入社承諾率が低い:魅力付けや条件提示、内定後のフォローに課題がある可能性
各指標を比較し、想定より低い数値や移行率を確認すると、優先的に調べるべき原因を絞り込めます。ただし、数値だけで原因を断定するのではなく、求人内容や候補者の反応、辞退理由なども踏まえて改善仮説を立てることが重要です。
限られた人員・予算で中途採用を進めるコツ
ここまでの設計や診断を「専任チームがいて初めてできること」と感じた方もいるかもしれません。しかし採用現場の多くは、他業務と兼任する少人数体制で回されているのが実情です。
全部を一度にやる必要はありません。限られた人員と予算でも、優先順位をつけて取り組むことで改善を進められます。
1人・低予算でも回せる最小限の運用手順
限られた人員と予算で成果を出すには、施策を一度に増やすのではなく、最も大きな課題を一つに絞って改善することが重要です。
応募が来ない、選考途中で辞退されるといった問題をまとめて解決しようとすると、リソースが分散し、どの施策も中途半端になりやすくなります。まずは、表示回数・応募数・面接参加数・入社承諾数など、確認できる範囲で数値を整理しましょう。
そのうえで、課題に応じて次の施策から一つを選びます。
- 求人が見られていない場合:掲載媒体や職種カテゴリー、検索条件を見直す
- 見られているのに応募されない場合:タイトル・冒頭文・必須要件など、求人票の訴求を改善する
- 応募後に辞退されている場合:初動対応や日程調整、リマインドを見直す
改善後は一定期間の数値を確認し、効果が見られた施策を継続します。低予算のうちは、新しい媒体や施策を次々に増やすより、現在の採用プロセスで最も大きな穴を一つずつふさぐ方が、費用対効果を高めやすくなります。
上司・現場への進捗報告と予算の通し方
非専任担当がつまずきやすいのが、社内への説明です。「なぜ決まらないのか」を感覚で報告すると、努力不足に見えてしまいます。
応募数・面接数・辞退数といった数字を使い、どの段階で詰まっているかを示すことで、原因が市場要因なのか運用課題なのかを共有でき、追加予算の必要性も説明しやすくなります。
予算を通すときは、放置した場合のコストを可視化すると説得力が増します。
- 欠員1名あたりの機会損失:その人員が生むはずだった売上や、現場の残業増による負担
- 採用の長期化コスト:追加掲載や再募集が必要になると、媒体費や採用工数がかさむ
- 再採用のリスク:無理に妥協採用すると早期離職で振り出しに戻る
採用費用だけでなく、欠員が続くことで生じる機会損失や現場負担も示すと、追加予算の必要性を説明しやすくなります。
人材紹介会社との付き合い方・依頼のコツ
採用業務に割ける人手が少ない場合、人材紹介会社は有力な選択肢になります。ただし「丸投げ」では、要件とずれた候補者ばかり紹介される事態になりがちです。
エージェントは複数社を同時に担当しているため、依頼の質が紹介の質を左右します。求める人物像を具体的に伝え、こまめにフィードバックを返すことが、良質な紹介を引き出すコツです。
依頼時に押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 要件の優先順位を渡す:Must(必須)とWant(歓迎)を明確に分けて共有する
- 見送り理由を必ず返す:「なぜ合わなかったか」を伝え、次の紹介精度を上げる
- 費用構造を把握する:成功報酬型の相場を理解して予算に織り込む
紹介会社を「使いこなす」意識を持つだけで、少人数でも採用の打ち手は広がります。
なお、中途採用の手法一覧や選び方は次の記事で解説しています。
中途採用の難しさに関してよくある質問(FAQ)
ここでは、採用担当者から特に多い質問を取り上げ、露出・訴求・歩留まりの考え方に沿って整理します。
答えの判断軸が揃うと社内説明もしやすくなり、改善の実行スピードも上がります。
中途採用が急に難しくなったのはなぜですか?
急に中途採用が難しく感じる背景には、売り手市場の長期化や候補者行動の変化があります。
特に近年は、候補者が複数社を並行して比較しやすくなり、返信が遅い・日程調整が面倒・情報が少ない求人は選ばれにくくなりました。
また、採用手法が分散しているため、従来の媒体中心の運用だけでは接点が不足しがちです。
「環境が変わった」前提で、露出・訴求・歩留まりのどこが詰まっているかを見直す必要があります。
採用単価が上がるのはなぜですか?
採用単価が上がる要因には、採用競争の激化や歩留まりの低下があります。
応募数が同じでも、面接不参加や辞退が増えると、採用までに必要な接点数が増え、結果としてコストが膨らみます。また、スカウトや人材紹介の利用比率が上がることで、1人あたりの採用費用が高くなる場合もあります。
採用単価を下げるには、まずどの段階でコストや離脱が増えているかを確認することが重要です。面接不参加や辞退によって歩留まりが低下している場合は、初動対応・日程調整・面接・フォローの改善が有効です。
人材紹介に頼るべき?求人媒体でも採用できますか?
求人媒体でも採用は可能ですが、適した手法は募集職種や採用要件、採用期限によって異なります。
採用対象が比較的広く、一定数の応募を集めたい場合は、求人媒体が有力な選択肢です。一方、専門性の高い人材や採用難易度の高い職種を短期間で採用したい場合は、人材紹介やスカウトの方が適していることもあります。
主な手法の特徴は次のとおりです。
- 求人媒体:幅広い求職者から応募を集めやすい
- スカウト:条件に合う候補者へ企業側から接触できる
- 人材紹介:要件に合う候補者の紹介を受けられる
- リファラル採用:社員のつながりを通じて候補者と接点を持てる
すべての手法を併用する必要はありません。まずは採用ターゲットや予算に合う主力チャネルを決め、不足する候補者層や採用スピードを補う目的で、ほかの手法を組み合わせるのが現実的です。
歩留まりが悪い原因を現場にどう伝えればいいですか?
歩留まりの話は感情論になりやすいため、まずは数値で事実を共有するのが有効です。
たとえば
応募は来ているが面接参加率が低い
入社承諾率が落ちている
など、どこで減っているかを示すと納得が得られます。
そのうえで、現場の負担を増やす話ではなく、迅速な初動対応や候補者の不安解消など「取りこぼしを減らす投資」として伝えると協力を得やすくなります。
まとめ|中途採用が難しいときは「原因特定→優先順位」で改善できる
中途採用が難しい時代において重要なのは、「全部やること」ではありません。
露出・訴求・歩留まりのどこに課題があるのかを特定し、最も影響の大きい部分から改善することです。
原因を構造で捉え、優先順位をつけて改善を回すことで、中途採用は再現性のある取り組みに変わります。
まずは採用プロセスを数値で分解し、「一番詰まっている場所(露出・訴求・歩留まり)」から着手していきましょう。
また、課題によって取るべき手段も変わります。
応募数を増やしたい/Indeed連携で露出を強化したい場合は、求人導線を広げられる「ジョブサイトプラス(JSP)」も選択肢になります。
一方で、工数削減や歩留まり改善(初動対応・面接設定・辞退防止)まで含めて採用プロセス全体を整えたい場合は、「RPM」のような採用自動化ツールが有効です。
自社のボトルネックに合わせて、最適な改善策を検討してみてください。
採用工数の削減や辞退防止まで含めて、採用プロセス全体を整えたい方は下記の資料をご確認ください。
「応募はあるのに採れない」「初動対応や日程調整に工数がかかりすぎる」といった中途採用の課題を抱える企業向けに、採用管理システム「RPM」のサービス概要をまとめた資料です。
採用プロセスの自動化による工数削減から、面接設定率・入社承諾率の改善まで、歩留まり全体を仕組みで解決したい方はぜひご活用ください。








