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採用における歩留まりとは?2026年最新の平均値や改善方法を解説

採用活動をしていると、「応募はあるのに面接に来ない」「内定を出しても決まらない」といった状況に直面することがあります。こうした課題を感覚ではなく構造的に捉える指標が「採用の歩留まり」です。歩留まりを見ることで、選考プロセスのどこに問題があるのかを切り分けられます。

本記事では、採用管理システム「RPM」を提供する株式会社ゼクウが、歩留まりの意味や平均値、悪化しやすいポイント、改善の優先順位と具体策までを整理します。まず何から手を付けるべきかを判断できるようになる内容です。

採用歩留まりの改善にはRPM

目次[非表示]

  1. 1.採用の歩留まりとは「次工程に進む候補者の割合」
    1. 1.1.歩留まりを見てわかること
    2. 1.2.「歩留まりが悪い」の典型課題
  2. 2.歩留まり率の計算方法と平均値
    1. 2.1.歩留まり率の計算式
    2. 2.2.新卒採用の場合の平均的な歩留まり率
    3. 2.3.中途採用の場合の平均的な歩留まり率
  3. 3.採用の歩留まり率が悪化しやすいポイント
    1. 3.1.面接参加率
    2. 3.2.内定承諾率
  4. 4.採用の歩留まりが悪化する主な原因
    1. 4.1.他社と比較して内定出しが遅い
    2. 4.2.選考が長い/遅い
    3. 4.3.求人や説明と実態のギャップ
    4. 4.4.自社の魅力が伝わらない
    5. 4.5.家族や現職の反対
  5. 5.採用の歩留まり改善の優先順位のつけ方
    1. 5.1.判断基準1.落ちている人数が一番多いポイント(インパクト大)
    2. 5.2.判断基準2.今すぐ動かせるポイント(権限・工数・関係者の少なさ)
    3. 5.3.判断基準3.候補者の温度が高いタイミング(機会損失)
  6. 6.採用の歩留まり改善の5つの方法
    1. 6.1.採用フローの短縮(内定率・内定承諾率/面接参加率に直結)
    2. 6.2.募集要項・採用要件の見直し(書類通過率/一次→次工程の通過率に直結)
    3. 6.3.日程調整や連絡オペレーションの改善(面接参加率に直結)
    4. 6.4.内定者フォローの強化(内定承諾率/内定辞退率に直結)
    5. 6.5.面接官トレーニング(一次→次工程の通過率/内定承諾率に直結)
  7. 7.歩留まり悪化を放置した場合のリスク
    1. 7.1.採用単価の上昇
    2. 7.2.採用の遅れによる事業ダメージ
    3. 7.3.ミスマッチによる短期離職
  8. 8.採用の歩留まりについてよくある質問
    1. 8.1.歩留まりの目安はどのくらいですか?
    2. 8.2.採用の歩留まりが悪いかどうかは、何を基準に判断すればいいですか?
    3. 8.3.採用管理システム(ATS)がなくても、歩留まり改善は可能ですか?
    4. 8.4.歩留まりが悪い原因を、現場にどう伝えればいいですか?
  9. 9.まとめ

採用の歩留まりとは「次工程に進む候補者の割合」

採用における歩留まりは、「応募→書類通過→一次面接→最終→内定→承諾」といった採用フローの各工程で、次に進む候補者の割合を示している指標です。

採用の歩留まりとは

【実際の歩留まり率の例】

  • 新卒採用の例:書類選考通過率、面接通過率、内定率、内定承諾率、内定辞退率など
  • 中途採用の例:スカウト返信率、書類選考通過率、面接参加率、面接通過率、内定承諾率など

たとえば応募100名のうち一次面接を実施したのが30名なら、応募→一次の歩留まりは30%となります。この数字を見ると、問題が「母集団の量」ではなく「途中離脱(辞退・不参加)」にあるのかが切り分けやすくなります。

歩留まりを見てわかること

歩留まりを見ると、採用活動のどこに問題があるかを構造的に判断できます。

面接参加率が低ければ、母集団の質や日程調整・連絡オペレーションに問題がある可能性が高いです。一方、内定承諾率が低い場合は、条件や仕事内容そのもの、もしくは面接を通じた魅力づけに課題があると考えられます。

歩留まりを見ることで、「応募が足りない」のか、「選考の進め方が悪い」のか、「内定後の詰めが甘い」のかを切り分けられます。感覚ではなく、事実として改善すべき領域を特定するための判断材料です。

「歩留まりが悪い」の典型課題

「自社の採用は歩留まりが悪いのか?」と聞かれても、すぐに答えられる人は多くないでしょう。応募数や面接数は把握していても、どの状態をもって歩留まりが悪いと言えるのかが曖昧であるためです。実務上、歩留まりが悪いと判断されるのは、特定の工程で候補者が想定以上に減っている状態です。

代表的なのは下記のケースです。

  • 面接日程調整後に辞退や当日キャンセルが続く(面接参加率)
  • 選考が長引き、最終面接前後で他社に流れる(面接参加率、内定承諾率)
  • 内定は出せているのに承諾されない(内定承諾率)

歩留まり率の計算方法と平均値

歩留まり改善の第一歩は、「どこが悪いか」を感覚ではなく数字で言える状態にすることです。平均との差は異常値かどうかの参考にはなりますが、最終的に見るべきは自社のボトルネック(落ち幅が大きい箇所)です。

歩留まりの計算方法

まずは計算式を押さえ、取れている範囲のデータで仮説を立てられる状態にしましょう。

歩留まり率の計算式

歩留まり率は「次工程に進んだ人数 ÷ 前工程の人数」で計算します。

応募100人のうち面接を設定できたのが40人であれば、面接設定率(応募→面接設定の歩留まり)は40%です。同様に、面接40人のうち内定が20人なら内定率は50%、内定20人のうち入社が16人なら承諾率(内定→入社)は80%となります。

工程ごとに同じ式で出せるため、どこから直すべきか(インパクト大の落ちポイント)が見えるようになります。

新卒採用の場合の平均的な歩留まり率

新卒採用の場合は「内定を出しても辞退される」前提で歩留まりを見ます。参考値として、リクルートの調査によると、2025年卒の採用未充足企業では「採用予定数=100」に対して下記のデータが出されています。

  • 内定出し人数160.8
  • 内定辞退81.8
  • 内定人数78.3

上記の場合の内定出し→内定(実質の承諾)の歩留まりは、78.3 ÷ 160.8 = 約48.7%です。つまり「内定を2人に出して、入社は1人弱」が平均となりました。未充足企業のデータではあるため、あくまで参考としてご覧ください。

※出典:リクルート「就職白書2025

中途採用の場合の平均的な歩留まり率

中途採用の場合は、応募から採用までを全体像で捉えるのが有効です。マイナビの2024年の調査では、1社あたりの1年間の平均として下記のデータが示されています。

  • 総応募者79.5人(A)
  • 面接設定43.9人(B)
  • 内定22.9人(C)
  • 採用20.8人(D)

歩留まりは 面接設定率55.2%(B/A)、内定率52.2%(C/B)、面接設定→採用47.4%(D/B) となりました。

加えて、歩留まりを崩しやすい指標として、面接無断キャンセル率7.4%、内定辞退率9.3%といったデータも示されています。データが揃っていない企業でも、まずこの2つだけでも取ると改善の当たりがつくでしょう。

※出典:マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)

※ただし本データは「年間平均・全職種合算」の結果です。職種や求人の魅力度、募集チャネル(求人媒体/スカウト/紹介)によって数値は大きく変わるため、実務上はこれを下回る工程がボトルネックになることも少なくありません。

採用の歩留まり率が悪化しやすいポイント

歩留まりの悪化は、「面接参加率」「内定承諾率」の2ポイントで発生しやすいです。

面接参加率

面接参加率が落ちるのは、母集団が足りない時よりも「集めたのに接触できない」時です。

  • 書類通過者に案内したのに日程が決まらない
  • 返信が遅い
  • 面接前日にリマインドしても無断キャンセルが出る
  • オンライン面接のURLが分かりづらく当日トラブルになる

こうした運用の詰まりが積み上がると、候補者の熱が冷めます。特に競合選考が進んでいる層ほど、調整の手間や連絡の遅さがそのまま辞退理由になります。「面接に来ない=志望度が低い」と片付けず、連絡スピードや候補者負担、面接前の不安解消が整っているかで見直すのがポイントです。

内定承諾率

内定承諾率の悪化は、下記のような状況が積み重なることで発生します。

  • 内定後に返答期限が伸び続ける
  • 条件面の確認が往復して温度が下がる
  • 現場との接点が薄く不安が残る
  • 家族・現職の反対で揺れる

内定承諾は最後の説得ではなく、候補者が抱える不安(仕事内容・評価制度・働き方・人間関係・将来性)を、納得できる情報に置き換えられたかで決まります。

特に中途は現職調整や他社比較が並行して進むため、内定通知後の初動(当日〜48時間)が勝負です。条件提示の明確さ、意思決定に必要な材料の提示、現場からのフォロー設計(誰が・何を・いつ伝えるか)をセットで整えると改善しやすいです。

採用の歩留まりが悪化する主な原因

	歩留まり悪化の原因

採用の歩留まりの悪化が起こる原因はおおよそ次の5つに絞られます。

他社と比較して内定出しが遅い

内定を出すまでに社内の承認や評価すり合わせに時間がかかると、その間に候補者は他社の選考・提示条件と見比べて気持ちが動きます

特に最終面接後〜1週間は、候補者側の意思決定が進む比較・相談の期間です。このタイミングで連絡が空くと「後回しにされた」「温度感が低い」と受け取られやすく、他社が先に内定と条件提示を出すと、承諾の流れは他社に傾きます。

選考が長い/遅い

選考工程が多い、面接官の調整がつかない、合否連絡が遅いといった、待ち時間が積み重なると歩留まりが落ちます。候補者は転職活動を並行して進めており、どこか1社でもテンポが悪いと優先度が下がりやすいです。

さらに、連絡が遅い会社は「入社後も意思決定が遅そう」「現場が忙しくて育成されないかも」と不安を招きます。辞退理由として表に出にくいですが、実際はスピードの遅さ=信頼低下が積み重なって離脱につながります。

求人や説明と実態のギャップ

求人票や面談で伝えた内容と、面接で聞いた話やオファー条件、職場の実態にズレがあると、候補者は「この会社の説明は信じていいのか」といった懸念を抱きます。たとえば下記のようなギャップが挙げられます。

  • 「残業少なめ」と言っていたのに繁忙期の話が強い
  • 「裁量あり」と言いながら承認が多い
  • 業務範囲が想定より広い

ギャップがあると、選考途中の辞退(面接参加率低下)にも、内定後の辞退(承諾率低下)にも直結します。ミスマッチ回避のための離脱です。

自社の魅力が伝わらない

条件面が突出していない企業ほど、「なぜこの会社なのか」を候補者が腹落ちできるかが歩留まりを左右します。魅力が伝わらない状態とは、給与・制度の説明に終始し、配属先で何を任され、どんな成長ができ、誰と働くのかが見えない状態です。

面接官によって説明がバラバラだったり、質問への回答が抽象的だと、候補者は判断材料が不足し「他社の方がイメージできる」となります。結果として、選考参加の優先度も、内定承諾の決め手も弱くなります。

家族や現職の反対

内定後に歩留まりが落ちやすい要因のひとつが、候補者の周囲(家族・パートナー・現職)からの反対や引き留めです。候補者本人は前向きでも、年収の変動、勤務地や働き方、将来の安定性が不安視されると、最後の最後で意思決定が揺れます。

また現職から「条件を上げる」「役割を変える」と対抗提案を出されるケースもあります。この局面では企業側のフォローが弱いと流れが止まり、承諾に至らず辞退となり、内定承諾率が悪化します。

採用の歩留まり改善の優先順位のつけ方

歩留まり改善の優先順位

歩留まりは「どこを直せば一番効くのか」が見えないまま手当たり次第に改善しがちです。ここでは、忙しい中でも着実に改善していくための、優先順位の付け方を3つの判断基準に分けて整理します。

判断基準1.落ちている人数が一番多いポイント(インパクト大)

最優先は、直すことで次工程に進む人数が最も増えるポイントです。例えば応募200名のうち面接参加が60名なら、参加率を少し改善するだけで母数が一気に増えます。

反対に、10名に内定を出した場合の承諾率改善は効果が大きい一方、対象人数は少なめです。各工程の人数の減り幅を並べ、「減っている人数が最大の工程」から着手すると改善の手応えが出やすいです。

判断基準2.今すぐ動かせるポイント(権限・工数・関係者の少なさ)

次に見るべきは、自分の裁量で今すぐ変えられるポイントです。たとえば下記は人事主導で即日でも実行できるでしょう。

  • 一次面接の日程候補を増やす
  • 返信テンプレを整える
  • リマインドを前日に送る
  • 説明資料を差し替える

一方で、給与改定や制度変更は関係者が多く時間もかかる。効果が同程度なら、まず権限があり工数が軽い改善から着手し、成果を数字で示してから大きい改善に広げるのが現実的です。

判断基準3.候補者の温度が高いタイミング(機会損失)

候補者の意思が固まる前後は、対応の遅れがそのまま辞退につながります。特に「応募直後〜一次面接まで」「最終面接後〜内定提示〜承諾」は、他社の選考も同時進行で、連絡の遅れ・日程の空き・情報不足が致命傷になりがちです。

温度が高いタイミングほど、逃すと戻らない機会であることが多いです。そのため、スピード(連絡・調整・合否決裁)と納得材料(説明・魅力付け・不安解消)を優先して厚くすると歩留まりが改善されます。

採用の歩留まり改善の5つの方法

歩留まり改善の施策は多くありますが、すべてを同時に実行する必要はありません。重要なのは、自社で歩留まりが落ちている工程に対して、効果の出やすい打ち手を選ぶことです。

歩留まり改善の方法ここでは、採用現場で実際によく使われ、かつ歩留まり改善につながりやすい方法を5つに整理します。

採用フローの短縮(内定率・内定承諾率/面接参加率に直結)

面接日程が決まらない、面接回数が多い、最終面接が先になるといった状態は「面接参加率」と「内定承諾率」が落ちやすくなります。改善は「工程」を減らすことよりも、下記のようなフロー改善が現実的です。

  • 合否判断の基準を事前に揃える
  • 面接官の意思決定をその場で確定できる体制に寄せる
  • 候補者の稼働に合わせて最短で日程を提示する

特に中途は「選考が長い=不安・他社へ流れる」になりやすいので、選考フローの短縮は歩留まり改善の最優先の着手ポイントです。フローの改善や基本的な流れについては下記記事でも詳しく紹介しています。

募集要項・採用要件の見直し(書類通過率/一次→次工程の通過率に直結)

書類で落ちすぎる、一次面接での見極めがブレる、面接後に「思っていた人と違う」といった状況である場合は、要件と訴求がズレています。まずは募集要項や、その前段の採用要件を見直しましょう。

しかし要件が厳しすぎると母集団が痩せて書類通過率自体が下がり、逆に曖昧だと面接で落ちて、一次→次工程の通過率が下がります。見直しは下記3点が効果的です。

  • 必須条件と歓迎条件を分ける
  • 評価項目を行動事実で見える形に落とす
  • 求人内で「合わない人」も明確にする

結果としてミスマッチ由来の辞退も減り、後工程の歩留まりも安定します。また、採用要件の改善には下記記事もご参考ください。

日程調整や連絡オペレーションの改善(面接参加率に直結)

「面接に来ない」「日程が決まるまでが長い」「リマインド不足で当日キャンセル」といった状況であれば、原因は評価ではなくオペレーションです。ここが崩れると面接参加率が落ち、現場からは候補者の質が悪いと誤解されがちですが、実際は連絡スピードや案内の分かりやすさで大きく変わります。

【オペレーション改善の例】

  • 初回連絡は当日〜翌営業日
  • 候補者に3候補日+オンライン可否をセット提示
  • 前日・当日の自動リマインド
  • 面接URL・持ち物・所要時間をテンプレ化

採用管理システムがなくても、スプレッドシート+カレンダー運用である程度は改善できます。オペレーション設計の方法や改善方法は下記記事でも詳しく紹介しています。

内定者フォローの強化(内定承諾率/内定辞退率に直結)

内定はゴールではなく、承諾までの不安を消すフェーズです。内定辞退が多い企業は、条件面よりも入社後の解像度が不足していることが多いです。承諾率や辞退率に課題がある場合は下記の打ち手が効果的でしょう。

  • 内定直後に意思決定に必要な情報をまとめて渡す(配属・評価・働き方・入社までの流れ)
  • 現場面談や社員面談で不安点を潰す
  • オファー面談で懸念を言語化して合意を取る
  • 家族・現職への説明材料を用意する

特に承諾率が下がっている時は、ここが最短で効く打ち手になります。

面接官トレーニング(一次→次工程の通過率/内定承諾率に直結)

一次通過率が極端に低い場合や、候補者からの辞退理由が「面接が微妙」「会社の話がわからない」に寄っているなら、面接官側の再現性が足りません。面接官トレーニングで実施すべきは「話し方」の訓練ではなく、下記3つのポイントです。

  • 評価基準(何を見て合否を決めるか)
  • 質問設計(引き出すべき事実は何か)
  • 魅力づけ(候補者が知りたい順に伝える)

特に承諾率が落ちている会社は、面接での情報提供が不足しがちです。面接官が「判断」と同時に「動機形成」も担えるように整えると、次工程の歩留まりまで連鎖的に改善しやすくなります。

歩留まり悪化を放置した場合のリスク

歩留まりが悪い状態は、採用が「うまくいっていない」だけでなく、放置するほど影響が広がります。短期的には採用コストや工数の増加として表れますが、中長期では事業の成長や組織の安定性にも影響します。

採用単価の上昇

歩留まりが悪い状態を放置すると、同じ採用人数を確保するために必要な応募数・スカウト数・面接数が増え、結果として採用単価が上がります

たとえば内定承諾率が下がると、内定数を増やす必要が出て広告費用が膨らみます。面接参加率が低いと、日程調整・リマインド・再設定の工数が増え、現場面接官の稼働も無駄打ちに。「採用費だけが増えて採れない」状態が固定化します。

採用の遅れによる事業ダメージ

歩留まりが悪いと採用計画どおりに人が入らず、欠員補充や増員が遅れます。すると現場は人手不足のまま回すことになり、残業増・品質低下・顧客対応の遅延などが起きやすくなるでしょう。

特に営業・CS・開発など人が成果に直結する職種では、採用の遅れが売上機会の損失や納期遅延に直結します。採用の問題が「人事だけの課題」ではなく、事業KPIの未達として表面化しやすくなるのが放置のリスクです。

ミスマッチによる短期離職

歩留まりが悪い状態で「とにかく採る」に寄ると、選考の質よりスピードや数を優先しがちになり、入社後のミスマッチが増えます。求人・説明と実態のギャップを放置したまま採用すると、早期離職につながります。

短期離職は採用費が回収できないだけでなく、現場の育成コストや評価・配置のやり直し、チームの士気低下も発生するでしょう。結果的に採用がさらに難しくなる悪循環を招きます。

採用の歩留まりについてよくある質問

最後に、採用の歩留まりに関してよくある質問を取り上げます。

歩留まりの目安はどのくらいですか?

「平均値」は参考程度で、まずは自社の過去3〜6か月を基準にしましょう。同時に、同じ職種・同じチャネルで工程別(応募→面接、面接→内定、内定→承諾)を並べ、どこが相対的に低いかを見るのが現実的です。

採用の歩留まりが悪いかどうかは、何を基準に判断すればいいですか?

基準は3つです。過去平均との差(自社の通常時より落ちているか)、同職種・同チャネルとの差(特定のルートだけ悪いか)、目標採用数に対する不足(この歩留まりだと最終的に人数が足りないか)の3点で良し悪しを定義できます。

採用管理システム(ATS)がなくても、歩留まり改善は可能ですか?

最初はExcelやスプレッドシートで十分です。応募数/面接設定数/面接実施数/内定数/承諾数の5つを週次で記録します。まず「面接が組めない」「当日来ない」「内定が決まらない」「承諾されない」のどれが主要因かを切り分ければ、打ち手は決められます。

採用数の多い企業やフローが複雑な場合は、採用管理システムの導入が適しています。下記ではタイプ別におすすめの採用管理システムを紹介しているためぜひご参考ください。

歩留まりが悪い原因を、現場にどう伝えればいいですか?

「現場が悪い」ではなく、事実→影響→依頼の順で伝えるのが通ります。

「一次面接の当日キャンセルが増え、内定必要数に届きません。日程確定までを48時間以内にしたいので、面接枠を週2つ増やせますか」といった形で、数字と具体依頼に落としましょう。

まとめ

  • 採用の歩留まりは、工程ごとの離脱を可視化し「何が悪いか」を切り分ける指標

  • 改善は平均値よりも、自社で落ちている工程と優先順位の見極めが重要

  • 面接参加率・内定承諾率を中心に、運用と情報提供を整えると効果が出やすい

採用の歩留まりは、単に数値を追うための指標ではなく、採用活動のどこに手を入れるべきかを判断するための材料です。応募数を増やす前に、どの工程で候補者が離脱しているのかを把握すれば、無駄なコストや工数を抑えながら採用数を伸ばすことができます。本記事で整理した考え方をもとに、まずは自社の歩留まりを確認し、影響の大きいポイントから改善を進めてみてください。

また、採用管理システム「RPM」は、採用の歩留まり改善に効果的な定型業務の自動化効率化に優れたシステムです。現在の採用業務に課題がある方は、まずはご相談ください。

髙田輝之
髙田輝之
エン株式会社(旧・エン・ジャパン)、ゼクウで営業部長を歴任。 15年以上にわたりHR業界に携わり、企業の新卒・中途採用支援を中心に、採用戦略設計・広告運用・採用管理システム(ATS)導入・歩留まり改善など、採用領域全般の課題解決に従事。現在はゼクウにて、採用管理やHRテクノロジーをはじめ、人材採用から定着・育成までをカバーするHR全体の仕組み最適化をテーマに、記事企画・監修・執筆を行っている。現場で培った知見を活かし、複雑な人事課題を構造的に整理し、読者が正しく判断できる情報発信を心がけている。

RPMの導入前に知っておきたいポイントをご紹介