
エージェントコントロールとは?人材紹介会社との連携で採用を成功させるコツ
エージェント(人材紹介会社)経由で採用を進めているものの、紹介が集まらない、要件ズレが続く、選考が滞るといった課題に悩む企業は少なくありません。
こうした問題は、特定のエージェントの質や相性だけが原因ではなく、企業側の情報共有や運用が属人化していることで起きているケースも多くあります。
本記事では、採用管理システム「RPM」を提供する株式会社ゼクウが、エージェントコントロールの基本から成果を安定させる進め方までを実務視点で整理します。
目次[非表示]
- 1.エージェントコントロールとは
- 2.エージェント経由での採用活動がうまくいかない原因
- 2.1.エージェント内で優先度が上がらない(紹介が集まらない)
- 2.2.求人理解が浅いまま進んでいる(要件ズレのある推薦)
- 2.3.エージェントを介した返信待ち・確認待ちが発生する(選考が進まない)
- 2.4.期待値や温度感の情報連携が弱い(辞退が増える)
- 2.5.窓口が分散し、連絡履歴が残らない(連絡ミスや認識の齟齬)
- 3.エージェントコントロールの進め方
- 3.1.募集要件とターゲットを固める
- 3.2.取引しているエージェントを整理する
- 3.3.共有情報と連絡ルールを決める
- 3.4.定例ミーティングをフェーズに応じて運用する
- 3.5.振り返って改善する
- 4.エージェントコントロールで差がつくポイント(成果が出る企業の共通点)
- 4.1.エージェントの優先順位が上がる「決まりやすい求人」の作り方
- 4.2.エージェントに思い出される情報設計(注力企業になる伝え方)
- 4.3.要件ズレを防ぐ判断基準共有(Must/Want/NGライン)
- 4.4.推薦が改善する面接後フィードバックの返し方
- 4.5.エージェント別の成果を可視化する評価指標と改善サイクル
- 5.エージェントコントロールは採用管理システム(ATS)での仕組み化がおすすめ
- 6.エージェントコントロールでやってはいけないNGポイント
- 7.エージェントを増やしても崩れない仕組みづくりのコツ
- 8.エージェントコントロールについてよくある質問
- 8.1.エージェントコントロールとは何ですか?
- 8.2.優先エージェントはどう決めれば良いですか?
- 8.3.エージェントとの定例は必要ですか?
- 8.4.採用管理システムでエージェントごとの成果を確認できますか?
- 9.まとめ:エージェントコントロールで紹介の量・質・スピードを安定させる
エージェントコントロールとは
エージェントコントロールとは、人材紹介会社との連携の質を高めることで、紹介の量・質・選考スピードを安定させ、採用成果を拡大していく取り組みです。

紹介が集まらない、要件ズレが続く、選考が滞るといった課題は、特定のエージェントの質だけで決まるものではありません。
企業側が情報の出し方や判断のルール、連絡の運用を整えることで、エージェントが動きやすくなり、結果として採用全体の成果が最大化されていきます。
※エージェントコントロールは、紹介会社を「統制する」という意味ではありません。
企業側が情報共有の粒度や判断基準、連絡フローを整理し、紹介の量・質・スピードを安定させるための運用設計です。
エージェントコントロールが必要となる背景(情報ギャップと運用の限界)
人材紹介は、企業の窓口(採用担当)と、エージェント側の担当(CA/RA)が介在して進みます。この構造上、企業とエージェントの間には情報量や理解度に差が生まれやすくなります。
募集要項には採用要件を記載できても、現場が重視している評価軸や判断の優先順位、決裁条件までを正確に共有するのは難しいのが実情です。
一方エージェント側は、限られた情報の中で複数社の求人を同時に扱うため、企業側が「伝えたつもり」でも解釈のズレによって推薦の質や紹介数、選考の進行が不安定になりがちです。
さらに実務では、やり取りがメールや担当者ごとに分散し、履歴書・職務経歴書などの書類管理もバラバラになるケースも少なくありません。
情報が散らばるほど、要件ズレや連絡ミス、対応遅れが起きやすくなり、エージェント対応が属人化して運用が限界を迎えます。
こうしたギャップを埋めるには、紹介会社との連絡履歴や候補者書類を一元管理し、企業側の判断基準と最新情報が揃った状態で運用できる仕組みが重要です。
これが結果として、紹介の量・質・スピードを安定させる土台になります。
エージェントコントロールで改善できる3つの成果(量・質・スピード)
エージェントコントロールによって連携が強化されると、紹介の量、質、スピードが改善されます。
紹介が集まらないのはエージェント内で優先度が上がっていないことが多く、要件ズレが続くのは評価観点や許容ラインが共有されていないことが原因です。また、返信待ちや確認待ちが増えると、選考全体のスピードが落ちます。
これらは別々の問題に見えて、実際には運用設計の不足が共通課題です。情報共有の粒度、連絡ルール、面接後フィードバックの出し方を整えることで、エージェントが動きやすくなり、結果として成果が安定します。
取引先が増えても運用を崩さないためには、紹介会社対応をATSで仕組み化することが有効です。
RPMではエージェント管理機能により、やり取りや書類を一元管理できます。
エージェント経由での採用活動がうまくいかない原因
エージェント経由の採用がうまくいかないとき、個別の出来事だけに焦点を当てると原因を見誤ってしまいます。

紹介が来ない、要件が合わない、選考が進まないといった問題は、いずれも偶発的に起きているわけではありません。多くの場合、エージェントが介在する採用特有の構造や、企業側の運用の歪みが背景にあります。
エージェント内で優先度が上がらない(紹介が集まらない)
紹介が集まるかどうかは、エージェント側で「優先的に提案したい求人」として扱われるかで大きく決まります。
前提として、年収条件や求人の魅力など、推薦に足る最低限の求人設計が整っていなければ、そもそも紹介対象に上がりにくくなります。
そのうえでエージェントは、多数の求人案件を同時に抱えているため、限られた時間の中で優先順位をつけています。判断が早く、要件が明確で、選考がスムーズに進みやすい企業ほど優先的に候補者が提案されます。
また候補者と面談したときに「あの企業が合いそうだ」と思い出される状態を作れているかも重要です。
求人票だけでは伝わらない魅力や判断軸、最新情報が共有されている企業ほど推薦の優先度は上がります。
逆に、返信が遅い、要件が揺れる、情報共有が不足しているといった状態では案件が後回しにされがちです。
結果として紹介数が伸びず、推薦の精度も安定しません。
優先度を上げるには、求人の土台を整えたうえで、企業側の情報提供と運用を仕組みとして回すことが前提になります。
求人理解が浅いまま進んでいる(要件ズレのある推薦)
要件ズレのある推薦が続く背景には、人材紹介会社が求人を十分に理解できないまま候補者提案を進めている問題があります。
募集要項に条件を書くだけでは、現場が重視する評価軸や優先順位、許容ラインまでは伝わりません。
その結果、解釈のズレが起きやすくなります。
企業側が「経験者なら誰でも」と曖昧に伝えてしまったり、逆に条件を盛り込みすぎたりすると、エージェントは推薦基準を整理できずミスマッチの提案が増えてしまいます。
お見送りが続くと推薦精度や書類通過率が下がるだけでなく、紹介会社との信頼関係にも影響します。
要件ズレを防ぐには、Must/Wantの整理やNGライン、面接で見たいポイントを言語化し、判断基準を揃えた状態で共有することが重要です。
エージェントを介した返信待ち・確認待ちが発生する(選考が進まない)
エージェント経由の採用では、企業・候補者・紹介会社の間で確認が増えるため、返信待ちが積み上がりやすくなります。
面接の日程調整ひとつでも三者間で往復が発生し、確認に半日〜数日かかるケースは珍しくありません。
さらに社内で面接官の予定確認や合否判断が遅れると、その遅れが増幅され、選考スピードが大きく落ちてしまいます。
選考が長引くほど途中辞退や他社決定につながるリスクも高まります。
スピードを改善するには、一次返信の期限を決めることに加え、判断フローと連絡ルールを固定し、確認の往復を最小化する運用設計が重要です。
期待値や温度感の情報連携が弱い(辞退が増える)
辞退が増えている場合、選考中の期待値調整が機能していないことが多いです。
企業側が評価している点や懸念点、次回面接で見たいポイントが共有されないと、候補者への説明は表面的になり納得感が高まりません。
反対に、候補者の不安や他社選考状況といった温度感が企業側に入らなければ、適切なフォローや条件提示が遅れてしまいます。
結果として選考辞退や内定辞退が発生します。
定性的な情報は雑談で拾うのではなく、確認項目として運用に組み込み、紹介会社と継続的に共有することが重要です。
窓口が分散し、連絡履歴が残らない(連絡ミスや認識の齟齬)
窓口が分散すると、連絡ミスや認識の齟齬が起きやすくなります。
下記のような状態では最新情報がわからなくなります。
採用担当が複数いる
現場が直接エージェントと話す
メール・電話・チャットが混在する
要件の更新や評価のすり合わせなど重要な情報ほど断片化しやすく、企業側も過去のやり取りを追えない状態になります。
連絡ミスや認識の齟齬は運用設計が招く問題です。エージェント対応を安定させるには、窓口と連絡履歴を一元化し、情報が常に揃った状態で運用することが重要になります。
エージェントコントロールの進め方
エージェント経由の採用を安定させるには、個別対応やその場しのぎの判断から抜け出し、企業側の運用を整理(=エージェントコントロール)する必要があります。

重要なのは、特別な施策を打つことではなく、何を決め、どの順番で整えていくかを明確にすることです。
ここでは、エージェントコントロールを機能させるために、まず押さえるべき基本的な考え方と進め方を整理します。
募集要件とターゲットを固める
まずは、募集要件を「誰が見ても認識が同じになる状態」にすることです。
Must(必須要件)とWant(歓迎要件)を分け、下記を言語化して要件に落とし込みましょう。
- どこまでなら許容するか
- 何があれば必ず見送るか
- 現場が重視する評価軸
- 面接で見たい点
要件が曖昧なままだと、推薦の質がブレてしまいます。
まずは採用ターゲットを固定し、全員が同じ基準で判断できる状態を作ります。
取引しているエージェントを整理する
過去の採用実績を振り返り、やり取りを優先すべきエージェントを見極めましょう。
単に内定が出たかどうかだけでなく、紹介から選考通過、内定に至るまでの通過状況を確認し、再現性があるかを見ておくことが重要です。
成果とプロセスの両面で安定しているエージェントは、優先的に関係を深める価値があります。
一方、まだ採用実績がない場合でも、定期的に推薦があり、要件理解や改善意欲が見られるかによって今後の伸びしろを判断できます。
注力するエージェントに対しては、一定期間の条件調整や情報開示の範囲を広げるなど、成果につながる形で関係を設計すると効果的です。
【関連記事】
転職エージェントおすすめ比較150選!年代・職種・年収別に厳選ガイド
共有情報と連絡ルールを決める
エージェント経由で選考が滞る大きな原因は、返信待ちと確認待ちが積み上がることです。
これを防ぐには、「何を共有するか」だけでなく、「どこに最新版があり、いつまでに返すか」を運用として決める必要があります。
【決めるべきルールの例】
- 要件の更新はどのタイミングで誰が通知するか
- 面接後の所感はいつまでに返すか
- 日程調整は何時間以内に一次返信するか
ルールを固定することで往復が減り、紹介の量とスピードが安定します。
定例ミーティングをフェーズに応じて運用する
初動では要件理解や優先順位を揃えるため、短い頻度で定例を設けることが有効です。
一方、推薦や選考が安定してきた段階では、個別連絡を中心に運用し、定例の頻度を落とした方が工数を抑えられます。
要件ズレや選考停滞といった問題が見え始めた場合には、再度定例を設定し、状況整理と打ち手の合意を行いましょう。
定例を儀式化せず、フェーズに応じて使い分けることがポイントです。
振り返って改善する
募集要件の整理や情報共有、定例の設計といった取り組みは、実行して終わりでは意味がありません。
一定期間運用したら、想定どおりに機能しているかを振り返ることが重要です。
要件ズレは減っているか、選考スピードは改善しているか、連絡や判断に無駄な往復が発生していないかを確認しましょう。
そのうえで、結果として成果につながっているエージェントや、改善が進んでいる先を見極め、関わり方を見直す必要があります。
エージェントコントロールは一過性ではなく、振り返りを前提に運用することで、継続的に機能する仕組みになります。
ここまでがエージェントコントロールの基本です。
成果に差が出るのは、この先の「注力エージェント設計」と「求人の決まりやすさ」をどこまで詰められるかです。
エージェントコントロールで差がつくポイント(成果が出る企業の共通点)
エージェントコントロールは、基本的な運用を整えるだけでも一定の改善が見込めます。
しかし採用成果に大きな差がつくのは、その先の「優先順位を上げる運用設計」ができているかどうかです。
転職エージェント(人材紹介会社)は常に複数社の求人を同時に扱っており、すべての企業に均等な時間を割けるわけではありません。
だからこそ、成果が出る企業には共通点があります。
- エージェント側で「決まりやすい案件」として認識されている
- 候補者面談の瞬間に「この企業が合う」と想起される
- 要件と判断基準が揃っていて推薦がブレない
- 面接後のフィードバックによって次の推薦が改善される
- 成果を数字で把握し、紹介会社との関係性を最適化できている
ここでは、エージェント経由の採用で成果を伸ばす企業が実践している「差がつくポイント」を整理します。
エージェントの優先順位が上がる「決まりやすい求人」の作り方
紹介が集まるかどうかは、紹介会社で「優先的に提案したい求人」として扱われるかで決まります。
エージェントは常に複数社の求人を同時に抱えているため、紹介が増える企業には共通して「決まりやすい求人」の前提が整っています。
ここでいう決まりやすさとは、単に選考が早い企業という意味ではありません。
採用要件に対して、年収条件・求人の魅力・紹介手数料(フィー)が市場相場と釣り合っている状態を指します。
実務では、要件が高い一方で年収や条件が相場より低いまま据え置かれているケースも少なくありません。
このズレがあると、紹介会社でも「決まりにくい求人」と判断され、推薦の優先順位が下がりやすくなります。
決まりやすさを高める調整軸は大きく3つです。
条件を上げる(年収・フィー)
魅力で補う(フルリモート、研修、キャリア支援など)
要件を見直す(Must条件を減らし役割を再設計する)
そのうえで、返信が早く要件がブレず、選考フローが明確な企業ほど「動いても報われる案件」として優先的に推薦されます。
紹介を安定させるには、市場で勝てる求人の土台を整えたうえで、情報共有と運用を仕組みとして回すことが前提になります。
エージェントに思い出される情報設計(注力企業になる伝え方)
人材紹介会社からの紹介数は、年収や条件面だけで決まるわけではありません。
実務では「候補者と面談した瞬間に、その企業が思い出されるか」が大きく影響します。
エージェントは常に多数の求人を扱っているため、求人票を渡しただけでは印象に残りにくいのが現実です。
紹介が集まる企業は、エージェント側で「注力企業」として想起される情報が整理されています。
思い出される企業になるために重要なのは、次のような情報設計です。
どんな候補者に刺さる求人なのか(ターゲット像)
他社と比べた強みは何か(魅力・EVP)
面接で何を見ているか(評価軸・判断基準)
最新の状況や温度感(急募度・決裁条件)
こうした情報が揃うほど、エージェント側も候補者に説明しやすくなり、推薦の成功確率が上がります。
また、すべての紹介会社に同じ時間を割くのは現実的ではありません。
だからこそ注力エージェントには、求人票では伝わらない背景や魅力を補足し、「この企業なら決まる」というイメージを持ってもらうことが重要です。
エージェントに思い出される状態を作れるかどうかが、紹介の量と質を安定させる分かれ目になります。
要件ズレを防ぐ判断基準共有(Must/Want/NGライン)
エージェント経由の採用でミスマッチが起きる大きな原因は、エージェント側の能力ではなく、企業側の判断基準が十分に共有されていないことです。
募集要項に条件を書いていても、現場が重視する評価軸や優先順位までは伝わらず、紹介会社は限られた情報の中で解釈して推薦するため、要件ズレが起きやすくなります。
要件ズレを防ぐには、求人要件を次の3つに整理して共有することが重要です。
Must(必須要件):これがないと見送りになる条件
Want(歓迎要件):あれば評価が上がるが必須ではない条件
NGライン:過去にミスマッチになりやすかったパターン
MustとWantが曖昧なままだと推薦基準がブレますし、条件を盛り込みすぎると提案が止まる原因にもなります。
さらに、面接で見ているポイントも言語化して揃えておくことが重要です。
何を評価しているのか
どこが許容ラインなのか
どんな人物像なら採用したいのか
判断基準が揃うほど推薦精度は改善され、書類通過率や面接化率も安定していきます。
推薦が改善する面接後フィードバックの返し方
エージェント経由の採用で成果を伸ばす企業ほど、面接後のフィードバックを「合否連絡」で終わらせません。
エージェントにとって面接結果は、次の推薦を改善するための重要な情報です。
しかし「見送りです」「スキルが合いませんでした」といった抽象的な回答だけでは、紹介会社側も解釈で埋めるしかなく、要件ズレが繰り返されます。
推薦精度を高めるには、評価軸に沿って理由を具体化することが重要です。
どの業務フェーズの経験が不足していたのか
技術面か思考プロセスか
役割期待とのズレか、自走力の問題か
あわせて良かった点も共有できると、紹介会社は「次に刺さる候補者像」を理解しやすくなります。
面接後フィードバックを運用として仕組み化できれば、推薦の質が上がり、書類通過率や面接化率も安定していきます。
エージェント別の成果を可視化する評価指標と改善サイクル
エージェントコントロールを継続的に機能させるには、関係性だけでなく、紹介会社ごとの成果を数字で把握することが重要です。
転職エージェントは数が多く、すべてに同じ深さで対応するのは現実的ではありません。
だからこそ、成果に基づいて注力先を整理し、改善を回す必要があります。
見るべき指標は推薦数や内定数だけではなく、プロセスを分解して追うことがポイントです。
推薦数
書類通過率
面接化率
内定率・決定率
選考リードタイム
たとえば「推薦は多いが面接化率が低い」なら要件ズレ、「面接は進むが決定率が低い」なら期待値調整に課題があると切り分けられます。
エージェント別の成果を可視化できると、感覚ではなく指標にもとづいて関係性を最適化でき、推薦の質も安定していきます。
エージェントコントロールを継続的に機能させるには、こうした情報共有や成果管理を属人化させず、仕組みとして回せる状態を作ることが重要です。
紹介会社とのやり取りや候補者情報を一元化できる採用管理システム(ATS)を活用することで、紹介の量・質・スピードを安定させやすくなります。
エージェントコントロールは採用管理システム(ATS)での仕組み化がおすすめ
ここまで解説してきたエージェントコントロールは、運用を整えるだけでも改善しますが、紹介会社や転職エージェントの数が増えるほど属人化しやすくなります。
特に採用担当者の人数は限られているため、エージェント対応を「個別の頑張り」で回し続けるのには限界があります。
そのため、エージェントコントロールを継続的に機能させるには、採用管理システム(ATS)で仕組み化することが有効です。
たとえばRPMでは、紹介会社とのやり取りや成果分析を一元化し、エージェントコントロールを仕組みとして回せる機能を備えています。
よくある課題(採用管理システム「ATS」でエージェント管理をしていない場合)
エージェント経由の採用では、紹介会社とのやり取りや候補者情報が増えるほど、次のような課題が起きやすくなります。
連絡や書類が分散する:履歴書・職務経歴書、メール、ファイルがバラバラになり、「誰がどのエージェント経由か」が追いにくくなります。
求人案内や紹介依頼が手作業になる:求人ごとに個別連絡が必要になり、案内漏れや工数が増えます。
日程調整が煩雑になり選考が遅れる:やり取りが増えるほど返信待ちが積み上がり、対応漏れも起きやすくなります。
成果の出ているエージェントを分析できない:推薦数や通過率、内定率を把握できず、成果に基づいた付き合い方ができません。
こうした状態では、紹介の量・質・スピードを安定させる運用が難しくなります。
ATSのエージェント管理機能でできること
採用管理システム(ATS)では、紹介会社との連携を「属人化させずに回す」ためのエージェント管理機能を備えています。
エージェントとのやり取り・候補者書類の一元管理:連絡履歴や履歴書・職務経歴書を候補者ごとに集約し、情報の分散を防ぎます。
公開案件の出し分け・一括管理:求人はエージェントごとに公開範囲を制御でき、ラベル管理で複数社へ一括で案内することも可能です。
エージェント自身による推薦・状況確認:紹介会社側で求人確認や候補者推薦、選考状況の把握ができるため、状況共有の手間が減ります。
エージェント別の成果可視化(推薦数・通過率・内定数):応募数/選考通過数/内定数を紹介会社別に確認でき、成果に基づいた評価が可能です。
ステータス更新起点の自動通知(追いかけ連絡も可能):選考ステータスの更新を起点に通知を自動化し、対応遅れや情報ギャップを防ぎます。
エージェント管理に強い採用管理システム(ATS)
エージェント管理を重視するなら、少なくとも権限設定、やり取りの一元管理、紹介会社別の成果集計を備えた採用管理システム(ATS)を選ぶのが前提です。
そのうえで候補者情報を紹介会社側で登録できるか、紹介会社の特徴をタグで整理できるかまで見ると運用が崩れにくくなります。
たとえば主要機能を広く備えるRPMや中途採用に強いHRMOS採用、運用効率に強みを持つsonar ATSが候補になります。
製品 | 権限管理 | 成果分析 | タグ管理 |
|---|---|---|---|
RPM | ◯ | ◯ | ◯ |
HRMOS採用 | ◯ | ◯ | ◯ |
sonar ATS | ◯ | ◯ | ー |
エージェント管理に強いシステムについては下記をご覧ください。
エージェントコントロールでやってはいけないNGポイント
エージェントコントロールでは、正しい進め方を理解することと同時に、やらない方がいい行動を知っておくことも重要です。
成果が出ない状況ほど、善意や焦りから打った一手が、かえって注力度を下げたり運用を複雑にしたりすることがあります。
紹介料の値下げ交渉(優先順位が下がりやすい)
紹介料の交渉を最初に行うと、エージェント側には「収益性が低い案件」として認識されやすく、結果的に注力度が下がることがあります。
もちろん条件次第で交渉自体は可能ですが、運用が整っていない段階で値下げだけを求めると、紹介数が減ったり、難しい候補者を後回しにされたりしやすいです。
まずは要件や判断基準、返信スピードを整え「決まる案件」にしてから、実績を踏まえて条件を見直す方が現実的です。
紹介数ノルマの設定(条件次第では逆効果)
紹介数を増やしたいからといって、単純にノルマを課すと質が下がります。
要件や優先順位が曖昧なまま「とにかく出してほしい」と伝えると、エージェントは候補者の納得度より件数を優先し、ミスマッチの推薦が増えがちです。
結果として書類選考の負荷が増え、見送りの判断も増加するでしょう。量を増やしたい場合ほど、まず判断基準とNGラインを明確にし、改善が回るフィードバックを返すのが先です。
取引先のやみくもな追加(運用が破綻)
紹介が来ない時に取引先を増やすと、一見打席は増えますが、共有すべき情報と対応窓口が増え、運用が崩れやすくなります。
要件の更新や面接官の評価軸を全社に正しく伝え続けるだけでも負荷は高く、返信が遅れれば選考スピードは落ちます。
結果として、どのエージェントとも関係性が深まらず、注力もされにくい状態になるでしょう。追加する前に、既存エージェントの対応分けと運用の型化で成果を出す方が再現性があります。
エージェントを増やしても崩れない仕組みづくりのコツ
取引先を無計画に増やすと運用が破綻しますが、設計次第ではエージェントを増やしても採用は安定させられます。重要なのは、人数を増やすことではなく、関わり方を整理し、役割を分けたうえで運用できているかどうかです。
運用コストに応じて対応を分ける(定例・情報開示・優先度)
エージェントを増やしても運用を崩さないためには、対応を役割に応じて設計することが重要です。すべてのエージェントに同じ頻度で定例を行い、同じ深さで情報を開示すると、企業側の対応工数が先に限界を迎えます。
- 継続的に成果が出ているエージェント:定例や詳細な情報共有を行い、改善を前提に採用活動を一緒に進める
- スポットでの依頼先:必要な情報と連絡ルールを明確にし、スムーズに連携
対応の差は恣意的なものではなく、役割分担の結果であることを前提に設計することで、関係性を損なわずにスケールさせられます。
新規エージェントのオンボーディングを型化する
新規エージェントは、最初に要件理解と運用ルールを揃えないと、解釈違いの推薦と確認往復が増えます。初回は短時間でもよいので、下記をセットにして共有し、推薦前に確認すべき項目も明確にします。
- 募集背景
- 必須要件と歓迎要件
- 許容ラインとNGライン
- 面接で見たい観点
あわせて窓口、連絡手段、返信期限、要件更新の共有方法を決め、最新版の置き場を一本化しましょう。オンボーディングを型化すれば、担当が変わっても品質がぶれません。
案件単位でアサイン設計を検討する
取引先を増やすほど、全案件を全社に依頼すると運用が破綻します。案件ごとに、どのエージェントが強い領域かを見て依頼先を絞る方が、推薦の精度とスピードが上がります。
たとえば難易度が高いポジションは注力先に限定し、母集団を広げたい案件はスポット先も含めるといった設計です。エージェント管理機能がある採用管理システムを利用すれば、エージェントごとに閲覧範囲を設定できます。
依頼先を設計することで、情報共有の負荷を抑えつつ、リソースを必要な部分に集中できます。
エージェントコントロールについてよくある質問
最後に、エージェントコントロールに関してよくある質問を取り上げます。
エージェントコントロールとは何ですか?
エージェントコントロールとは、人材紹介会社とのやり取りを場当たりにせず、情報共有の仕方や連絡ルール、判断基準を企業側で整えることで、紹介の量・質・スピードを安定させる取り組みです。
関係性に頼るのではなく、運用として再現できる状態を作ります。
優先エージェントはどう決めれば良いですか?
相性や付き合いの長さではなく、成果と運用のしやすさで判断します。
推薦数だけでなく、書類通過率や面接化率、内定率、レスポンスの速さ、要件理解の精度を見て、継続的に成果が出ているエージェントを優先します。まずは少数に絞って改善を回すのが現実的です。
エージェントとの定例は必要ですか?
定例は必須ではありませんが、初動で要件理解を揃えたい時や、要件ズレ・選考停滞が起きた時には効果的です。
採用が安定している際は個別連絡で運用し、必要になったタイミングで定例を入れるのが良いでしょう。目的と議題を固定し、報告会にしないことが重要です。
採用管理システムでエージェントごとの成果を確認できますか?
多くの採用管理システムでは、紹介会社別に推薦数、通過率、内定率、リードタイムなどを集計できます。
やり取りや候補者情報も履歴として残るため、感覚ではなく数字で注力度や改善点を判断しやすくなります。権限設定で見せる情報を分けられる点も有効です。
まとめ:エージェントコントロールで紹介の量・質・スピードを安定させる
- エージェントコントロールは、人材紹介会社との連携強化で成果を最大化させる考え方
- 紹介が集まらない・要件ズレ・選考停滞といった課題は、構造と運用の設計次第で改善できる
- 情報共有・推薦評価・面接後フィードバックを採用管理システムで仕組み化することで、効率的な採用体制を作れる
エージェントコントロールは、エージェントを統制することではありません。企業側が情報の出し方や判断ルール、関わり方を整理し、連携の質を高めていくための運用設計です。
紹介が集まらない、要件ズレが続く、選考が進まないといった悩みの多くは、場当たり的な対応や属人化した運用から生まれます。エージェント管理を仕組み化することで、対応のばらつきを抑え、採用成果を安定して積み上げていくことが可能です。
採用管理システム(ATS)の活用も視野に入れ、成果につながる運用を進めていきましょう。
エージェント管理を仕組みとして整えたい場合は、RPMのエージェント機能も参考にしてみてください。






