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【2025年】Web面接(オンライン面接)のおすすめツール8選|メリット・デメリットや導入成功のコツを徹底解説

Web面接(オンライン面接)とは、PCやスマートフォンを活用し、インターネット経由で行う採用面接の手法です。

採用コストの大幅な削減や、遠方の優秀な人材へのアプローチが可能になる一方、「応募者の人柄が掴みにくい」「通信トラブル」といった特有の課題も存在します。

この記事では、Web面接のメリット・デメリット、導入の具体的なステップ、おすすめツールの比較、そして応募者を的確に見極めるための質問のコツや注意点まで、導入成功に必要なノウハウを網羅的に解説します。

目次[非表示]

  1. 1.Web面接(オンライン面接)とは?基礎知識を解説
    1. 1.1.対面面接・動画面接(録画面接)との違い
      1. 1.1.1.対面面接(オフライン / リアルタイム) 
      2. 1.1.2.Web面接(オンライン / リアルタイム) 
      3. 1.1.3.動画面接(録画面接)(オンライン / 非同期) 
  2. 2.Web面接のメリット
    1. 2.1.採用コスト(交通費・採用費)の削減
    2. 2.2.採用業務の効率化とスピードアップ
    3. 2.3.採用ターゲットの拡大(遠方・在職中)
    4. 2.4.応募辞退の防止
  3. 3.Web面接のデメリットと具体的な対策
    1. 3.1.応募者の人柄や雰囲気が掴みにくい
    2. 3.2.通信環境によるトラブルのリスク
  4. 4.Web面接ツールの主な機能
    1. 4.1.スケジュール調整・管理機能
    2. 4.2.応募者情報の一元管理(ATS連携)
    3. 4.3.面接の録画・分析機能
    4. 4.4.画面録画機能
    5. 4.5.チャット機能
  5. 5.Web面接ツールの種類と選び方
    1. 5.1.種類1:Web会議ツール
      1. 5.1.1.メリット
      2. 5.1.2.デメリット
    2. 5.2.種類2:Web面接専用ツール
      1. 5.2.1.メリット
      2. 5.2.2.デメリット
    3. 5.3.Web会議ツールとWeb面接専用ツールの違い
    4. 5.4.自社に合うツールの選定ポイント3つ
      1. 5.4.1.コストと機能のバランス
      2. 5.4.2.応募者の使いやすさ
      3. 5.4.3.セキュリティ
  6. 6.おすすめWeb面接ツール8選(汎用型・特化型 比較表付き)
    1. 6.1.【汎用型】Web会議ツール 比較表 (4選)
    2. 6.2.【特化型】Web面接専用ツール 比較表 (4選)
  7. 7.Web面接の導入から実施までの3ステップ
    1. 7.1.STEP1:導入目的の明確化と実施フェーズの決定
    2. 7.2.STEP2:ツールの選定と社内環境整備
    3. 7.3.STEP3:応募者への案内方法の規定
  8. 8.Web面接を成功させる企業側のコツ
    1. 8.1.画面共有やホワイトボード機能を活用する
    2. 8.2.背景画像(バーチャル背景)を適切に設定する
    3. 8.3.評価の標準化と再現性
    4. 8.4.本人確認と待機室の活用
  9. 9.Web面接実施時の注意点とトラブル対処法
    1. 9.1.注意点1:面接官側の通信環境・機材・場所の準備
    2. 9.2.注意点2:応募者への配慮(服装の指示など)
    3. 9.3.トラブル対処法:接続不良や音声トラブル時の対応フロー
  10. 10.Web面接に関するよくある質問
    1. 10.1.Web面接だけで採用を決定しても大丈夫ですか?ミスマッチが不安です。
    2. 10.2.応募者にどこまでの準備を案内(指示)すべきですか?
    3. 10.3.面接中に通信トラブルが起きたら、評価はどうすべき?
  11. 11.まとめ:Web面接を戦略的に活用し、採用の質と効率を高めよう
  12. 12.Web面接だけでなく、採用プロセス全体を効率化したい方へ

Web面接(オンライン面接)とは?基礎知識を解説

Web面接(オンライン面接)とは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを用いて、インターネット経由で実施する採用面接手法のことです。

対面面接との最大の違いは、物理的な場所の制約がないことです。

応募者は自宅や静かなカフェなど好きな場所から、企業側はオフィスや在宅勤務先から面接を実施できます。

採用手法のオンライン化が進む中で、一次面接だけでなく最終面接でも活用が広がり、現代の採用活動において不可欠な手法となっています。

対面面接・動画面接(録画面接)との違い

採用選考における面接手法は、実施形態によって大きく「対面面接」「Web面接(オンライン面接)」「動画面接(録画面接)」の3つに分類されます。

対面面接(オフライン / リアルタイム) 

従来型の最も一般的な方法です。企業オフィスなどの指定会場に応募者が出向き、面接官と直接顔を合わせてリアルタイムに対話します。

応募者の雰囲気や熱意といった非言語的な情報を最も多く得られますが、移動コストや日程調整が課題となります。

Web面接(オンライン / リアルタイム) 

本記事で解説する手法で、「オンライン面接」とも呼ばれます。

場所はオンラインで離れていますが、対面面接と同様にリアルタイムで双方向の対話を行います。

コスト削減や効率化に優れますが、対面面接と比較し、候補者の雰囲気や熱意といった非言語情報の掴み難さが課題です。

動画面接(録画面接)(オンライン / 非同期) 

「オンデマンド面接」とも呼ばれます。これは面接官と応募者がリアルタイムで対話しないのが最大の特徴です。

企業が事前に設定した質問に対し、応募者が好きなタイミングで回答動画を撮影・提出します。

主に一次選考のスクリーニングや工数削減に用いられますが、その場での深掘りはできず、使用用途は限定的です。

対面面接・Web面接・録画面接の違いと特徴を比較。リアルタイム性やコスト、活用シーンの違いをまとめた図解。

Web面接のメリット

Web面接の導入は、企業側に多くのメリットをもたらします。特に「コスト」と「効率」の面で大きな効果が期待できます。

採用コスト(交通費・採用費)の削減

最大のメリットはコスト削減です。

  • 応募者の交通費 : 遠方からの応募者に対して支給していた交通費が不要になります。

  • 面接官の移動費 : 支社や地方で面接を行う際の面接官の出張費・宿泊費が削減できます。

  • 会場費 : 外部の貸会議室などを利用している場合、その費用も不要になります。

採用業務の効率化とスピードアップ

面接の日程調整や移動時間が大幅に短縮されるため、採用プロセス全体がスピードアップします。

  • 面接官は自席や自宅から参加できるため、移動時間を他の業務に充てられます。

  • 応募者との日程調整が容易になり、1日に実施できる面接数が増加します。

  • 選考スピードが上がることで、優秀な人材が他社に流れるのを防ぐ効果も期待できます。

採用ターゲットの拡大(遠方・在職中)

場所や時間の制約が少なくなるため、これまでアプローチが難しかった層にも採用ターゲットを広げることができます。

  • 遠方の応募者: 地方や海外在住の優秀な人材にも、物理的な負担なくアプローチできます。

  • 在職中の応募者: 多忙な在職中の転職希望者も、仕事の合間や終業後に面接を設定しやすくなります。

応募辞退の防止

「面接会場に行くのが面倒」「交通費がかかる」といった心理的・物理的なハードルが下がるため、面接設定後の辞退や無断キャンセルの防止にも繋がります。

特に、選考の初期段階である一次面接で効果を発揮します。

Web面接のデメリットと具体的な対策

多くのメリットがある一方、Web面接特有のデメリットも存在します。対策を講じることで、その多くは解消可能です。

応募者の人柄や雰囲気が掴みにくい

対面と比べて得られる情報が「画面越し」に限定されるため、応募者の細かな表情、声のトーン、全体の雰囲気といった非言語情報が伝わりにくいのが最大の課題です。

【対策】

  • 面接官は、意識的に相槌を大きくしたり、笑顔を見せたりすることで、応募者が話しやすい雰囲気作りを心がけましょう。
  • 目的に応じて対面面接を組み込むことで、選考フロー全体の効率と精度を最適化しましょう。

通信環境によるトラブルのリスク

企業側・応募者側どちらかの通信環境が不安定だと、音声が途切れたり、映像が固まったりして面接が中断するリスクがあります。

【対策】

  • 企業側は、安定した通信環境(有線LAN等)を準備しましょう。
  • 応募者向け案内には、使用ツール・推奨される通信環境・トラブル時の緊急連絡先を必ず記載しましょう。

Web面接ツールの主な機能

Web面接ツールには、単にオンラインで会話する機能以外にも、採用業務を効率化するための様々な機能が搭載されています。

特に、Web面接専用ツールには、以下のような機能が含まれていることが多いです。

スケジュール調整・管理機能

面接官と応募者の空き日程を照合し、面接日時を自動で調整・確定させる機能です。

URLの発行やカレンダー自動連携を行えるツールもあり、日程調整にかかる工数を大幅に削減できます。

応募者情報の一元管理(ATS連携)

応募者の履歴書・職務経歴書データや、過去の選考履歴(書類選考、一次面接など)をシステム上で一元管理する機能です。

採用管理システム(ATS)と連携できるツールも多く、面接官は面接中に必要な情報をすぐに確認できます。

【関連記事】

採用管理システム(ATS)とは?機能やメリット、料金を比較し失敗しない選び方を解説

面接の録画・分析機能

面接の様子を録画・録音する機能です。後から面接を見返すことで、評価のすり合わせや、聞き逃した内容の確認ができます。

また、発言内容をAIでテキスト化したり、表情を分析したりする高度な機能を備えたツールもあります。

画面録画機能

面接官や応募者が、自分のPC画面を相手に見せる機能です。

企業側は会社説明資料や業務内容を視覚的に説明でき、応募者側はポートフォリオやプレゼン資料を共有できるため、相互理解の促進に役立ちます。

チャット機能

面接中にテキストメッセージを送り合える機能です。

音声トラブルが発生した際の連絡機能として利用したり、URLや専門用語など、口頭で伝えにくい情報を正確に共有したりする際に便利です。

Web面接ツールの種類と選び方

ウェブ面接を実施するツールは、大きく「Web会議ツール」と「Web面接専用ツール」の2種類に分けられます。

まずはそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

種類1:Web会議ツール

普段の社内会議や商談で使われる、汎用的なコミュニケーションツールです。(Zoom, Teams, Google Meetなど)

メリット

  • 低コスト: 無料または非常に安価に利用でき、すでに社内に導入済みのケースも多いため、追加コストがかかりません。
  • 知名度と習熟度: 応募者側も使い慣れている可能性が高く、参加への心理的ハードルが低くなります。
  • 基本機能の充足: 画面共有、チャット、録画など、面接に必要な基本機能は揃っています。

デメリット

  • 採用管理機能がない: 採用に特化していないため、面接の日程調整、URLの発行・管理、評価シートの共有、リマインドメールの送信などは、すべて手動で別途行う必要があります。
  • 応募者側の手間: ツールによっては、応募者にアプリのインストールアカウント登録を強いる場合があり、選考辞退の原因になり得ます。
  • 工数コストの発生: 低コストな反面、採用担当者や面接官の煩雑な管理業務が発生します。

種類2:Web面接専用ツール

採用の効率化を目的に開発されたツールで、候補者管理機能などを備えた採用特化型のオンライン面接ツールです。

(例:SOKUMEN, HireVue, HARUTAKAなど)

メリット

  • 採用業務の大幅な効率化: 日程調整の自動化、評価シートのシステム上での統一・管理、ATS(採用管理システム)連携、リマインドメール自動送信など、採用工数を削減する機能が豊富です。
  • 応募者の負担軽減: ほとんどのツールがアカウント登録・アプリインストール一切不要で、応募者はURLをクリックするだけで面接に参加できます。これにより、辞退率の低下が見込めます。
  • 採用の質向上: 録画面接機能や、面接評価の均一化、録画データの共有による客観的評価など、採用の「質」を高める機能が搭載されています。

デメリット

  • 導入コスト: 汎用ツールに比べ、月額利用料や初期費用などの導入コストがかかります。
  • 機能の多さ: 多機能なツールの場合、社内の面接官全員が使いこなすまでに一定の学習コストがかかる場合があります。

Web会議ツールとWeb面接専用ツールの違い

両者の違いをまとめると、以下のようになります。

比較観点

Web会議ツール

Web面接専用ツール

主目的

汎用的な会議・コミュニケーション

採用選考の効率化

応募者の手間

アプリインストール/アカウント登録が必要な場合あり

アプリインストール/アカウント登録が原則不要

日程調整・URL発行

手動

一部、または全てが自動

評価シート・応募者管理

ツール外で別途管理

ツール上で一元管理

コスト

安価または無料

有料だが、工数コストは削減

録画面接機能

非対応

多くが対応

自社に合うツールの選定ポイント3つ

コストと機能のバランス

採用人数が少ない、またはスポットで利用したい場合は、「Web会議ツール」で十分な場合が多いです。

一方、新卒採用や大規模な中途採用で、面接数や管理工数が多い場合は「専用ツール」が効率的です。

応募者の使いやすさ

応募者がURLをクリックするだけですぐに面接が開始できるか、専用アプリのインストールや複雑なアカウント登録が必要か、といった応募者側の負担は必ず確認しましょう。

セキュリティ

応募者の個人情報を取り扱うため、通信が暗号化されているかなど、セキュリティ対策が万全なツールを選定する必要があります。

おすすめWeb面接ツール8選(汎用型・特化型 比較表付き)

ここでは、多くの企業で導入されている代表的なWeb面接ツールを、「汎用型」と「特化型」に分けて比較表で紹介します。

【汎用型】Web会議ツール 比較表 (4選)

ツール名

費用

無料利用時の制限

アカウント登録の要否

特徴・機能

推奨ブラウザ

サービス提供会社名

公式サイト

Zoom

無料

(有料プランあり)

100人 / 40分までは無料

主催は必要

会議・ウェビナー等の統合スイート

Chrome / Firefox / Edge / Safari

Zoom Communications, Inc.

https://www.zoom.com/ja/products/virtual-meetings/

Microsoft Teams

無料

(有料プランあり)

100人 / 60分までは無料

(1:1の場合は最大30時間)

主催は必要

Microsoft 365との連携

Edge / Chrome / Firefox / Safari

Microsoft Corporation

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

Google Meet

無料

(有料プランあり)

100人 / 60分までは無料

(1:1の場合は無制限)

主催は必要

Google Workspaceとの連携

Chrome / Firefox / Edge / Safar

Google LLC

https://workspace.google.com/intl/ja/products/meet/

Bizmee

完全無料

なし

不要

(URL作成のみ)

無料・登録不要/WebRTC

Chrome / Firefox / Safari / Edge

株式会社grabss

https://bizmee.net/

【特化型】Web面接専用ツール 比較表 (4選)

ツール名

費用

無料トライアル有無

特徴

サービス提供会社名

公式サイト

SOKUMEN

初期費用無料

月額19,800円〜

あり

低コスト・分かりやすいUI設計

・応募者は登録・アプリ一切不要、URLクリックのみで実施可能

・初期費用無料・面接回数や時間の制限もなく低コストで導入可能

・多言語対応で外国人応募者にも活用できる

株式会社マルジュ

https://www.maru.jp/sokumen-g/

HARUTAKA

要問い合わせ

あり

(全機能を14日間)

採用の質と効率を両立

・Web面接・録画面接の両対応ツール

・応募者データ管理・評価機能が充実

・AIが面接官の話す比率や表情を分析し「面接の質」向上を支援

株式会社ZENKIGEN

https://harutaka.jp/interview-assessment

HireVue

要問い合わせ

なし

(デモあり)

AIによる客観的評価

・グローバル大手サービス

・データ主導の選考を実現してくれるAIアセスメント

・録画面接で候補者を分析し、自社の優秀層と予測比較が可能

HireVue, Inc.

https://www.hirevue.com/

BioGraph

無料〜

あり

(無料利用プラン)

無料から始められる手軽さ

・無料プラン(利用制限あり)から導入可能

・応募者側の登録・アプリが一切不要で参加ハードルが低い

・シンプルな操作性で導入が容易

株式会社マージナル

https://www.biograph.jp/

Web面接の導入から実施までの3ステップ

実際にWeb面接を導入する際の具体的な流れを解説します。

STEP1:導入目的の明確化と実施フェーズの決定

まず、Web面接導入の目的を明確にします。

「コスト削減」「採用力の強化」「選考スピードアップ」など、目的によって最適なツールや運用方法が変わります。

併せて、どの選考フェーズでWeb面接を実施するかを決定し、採用フロー全体でパフォーマンスを最適化しましょう。

STEP2:ツールの選定と社内環境整備

前述のポイントに基づき、自社に合うツールを選定します。

同時に、面接官が使用するPC、カメラ、マイク付きイヤホン、そして何より安定した通信環境を整備します。

また、背景が整理された静かな会議室などを確保しましょう。

STEP3:応募者への案内方法の規定

応募者への案内は、対面面接以上に丁寧に行う必要があります。

以下の情報を整理して候補者に周知しましょう。

  • 面接日時
  • 使用するツールの名称
  • 面接用のURL(パスワードが必要な場合はそれも)
  • 推奨環境(静かな場所、安定した通信環境、PC推奨など)
  • 服装の指定(「スーツ着用」「オフィスカジュアル」など具体的に)
  • 緊急連絡先(担当者の電話番号)
  • ツールの簡単な使い方や入室方法

Web面接を成功させる企業側のコツ

Web面接で応募者の本質を見極め、ミスマッチを防ぐためには、企業側にも対面とは異なる環境を活かした工夫が必要です。

ここでは採用担当者が実践すべき4つのコツを紹介します。

画面共有やホワイトボード機能を活用する

言葉だけでは伝わりにくい情報を視覚的に共有することで、相互理解を深めましょう。

  • 企業側: 会社説明資料や事業内容の図解、オフィスの写真などを「画面共有」機能で映し出すことで、応募者の企業理解を促進できます。
  • 応募者側: デザイナー職やエンジニア職の面接では、応募者にポートフォリオや企画書を画面共有してもらうことで、スキルの具体的な評価が可能になります。
  • ホワイトボード機能: 複雑な質問の意図を整理したり、応募者に思考プロセスを書き出してもらったりする際にも活用できます。

背景画像(バーチャル背景)を適切に設定する

面接官の背景は、応募者にとって企業の印象を左右する要素の一つです。

  • プライバシー保護: 面接官が在宅勤務で面接する場合、生活感のある背景が映り込むのを防ぎます。
  • 企業ブランディング: 企業のロゴが入ったオフィシャルな画像や、清潔感のあるオフィスの風景画像を設定することで、「しっかりとした企業である」という安心感と統一感を応募者に与えることができます。派手すぎる背景は避け、あくまで面接官の表情がはっきり見えるシンプルなものを選びましょう。

評価の標準化と再現性

面接官による評価のブレは、採用のミスマッチに直結します。

特にWeb面接では、対面よりも候補者の雰囲気が伝わりにくいので、事前に評価基準のすり合わせを行いましょう。 

  • 録画機能の活用: 面接を録画し、後から別の面接官や決裁者が見返すことで、より多角的で客観的な評価が可能になります。候補者の回答を正確に振り返ることができ、評価の再現性が高まります。
  • 評価シートの統一: Web面接専用ツールに搭載されている評価シート機能や、共通の評価基準を事前に定義し、面接官全員がそれに沿ってリアルタイムで評価を入力するルールを決めましょう。

本人確認と待機室の活用

オンラインならではのリスク(入室ミスやなりすまし等)を回避し、応募者に安心感を提供することも重要です。

  • 待機室の活用: 応募者がいきなり面接ルームに入室する設定は避け、「待機室」機能を有効にしましょう。面接官が応募者名を確認してから入室を許可することで、部外者の侵入を防ぎます。
  • 面接官の表示名: 応募者が「この面接ルームで間違いない」と安心できるよう、面接官の表示名を「[会社名] 面接担当 〇〇」など、所属と氏名が明確に分かるユニークなものに設定します。
  • 本人確認: 面接開始時に、応募者名簿と照らし合わせながらフルネームで確認します。必要に応じて、公的な身分証明書(運転免許証など)をカメラに提示してもらうオペレーションを組み込むことも有効です。

Web面接実施時の注意点とトラブル対処法

最後に、企業側が気をつけるべき注意点と、万が一のトラブル対応について確認します。

注意点1:面接官側の通信環境・機材・場所の準備

応募者に万全の準備を求める以上、面接官側の環境不備は言語道断です。

  • 通信: 不安定なWi-Fiではなく、有線LANで接続する。
  • 場所: 静かな個室(会議室など)を確保する。背後が散らかっていたり、他の社員が映り込んだりしないようにする。
  • 機材: PCの充電、カメラの映り、マイク付きイヤホンの動作確認を事前に行う。

注意点2:応募者への配慮(服装の指示など)

応募者は「服装はどうすれば?」「背景は?」など、対面以上に不安を感じています。

  • 「スーツでご参加ください」「服装は自由(オフィスカジュアル推奨)です」など、服装は具体的に指示しましょう。
  • 背景について「バーチャル背景は使用しないでください」または「使用しても構いません」といった指示も、必要に応じて伝えると親切です。

トラブル対処法:接続不良や音声トラブル時の対応フロー

トラブルは起こるものとして、対応フローを決めておきましょう。

  • 音声が聞こえない/届かない: まず自社のミュート設定を確認。チャット機能で「音声が聞こえません」と連絡。それでもダメなら一度退出・再入室を試みます。
  • 画面が固まった/接続が切れた: 慌てずに、事前に応募者に伝えておいた**緊急連絡先(電話)**に連絡します。状況を説明し、再接続を試みるか、場合によっては日程変更を打診します。
  • 重要なポイント: トラブルは応募者の責任とは限りません。応募者が動揺している場合は、面接官が冷静にリードし、再開後はアイスブレイクから入り直すなどの配慮が重要です。

Web面接に関するよくある質問

最後に、企業様からよく寄せられるWeb面接に関する質問にお答えします。

Web面接だけで採用を決定しても大丈夫ですか?ミスマッチが不安です。

職種やポジションによりますが、可能です。ただし、不安な場合は対面面接との併用をおすすめします。

多くの企業が、一次・二次面接はWeb面接で効率化し、最終面接は対面で実施し、人柄や社風とのマッチ度を直接確認する「ハイブリッド型」を採用しています。

Web面接のデメリットである「雰囲気の掴みにくさ」を、最終の対面で補う最も現実的かつ効果的な方法です。

応募者にどこまでの準備を案内(指示)すべきですか?

「服装」「通信環境」「緊急連絡先」の3点は明確に指定しましょう。

応募者の不安を取り除き、面接の質を担保するために、案内メールには以下を明記することをおすすめします。

  • 服装: 「スーツでご参加ください」「服装自由ですが、ビジネスカジュアルを推奨します」など具体的に指定します。
  • 通信環境: 「安定した通信環境(有線LANまたは強力なWi-Fi)で接続し、フリーWi-Fiは避けてください」と伝えます。
  • 緊急連絡先: 「急なご予定・機器エラーなどでご都合がつかない場合は、以下連絡先までご連絡ください。」など緊急時の連絡先を明記しましょう。

面接中に通信トラブルが起きたら、評価はどうすべき?

トラブル自体をマイナス評価に直結させるべきではありません。

通信トラブルは、企業側・応募者側どちらの責任とも断定できないケースが多々あります。

評価すべきはトラブルそのものではなく、「その後の応募者の対応」です。

慌てずに冷静に対応しようとしているか、復旧後に謝罪や取り乱したことへのお詫びができるかなど、トラブル対応の姿勢を見るようにしましょう。企業側も冷静に候補者をリードすることが重要です。

まとめ:Web面接を戦略的に活用し、採用の質と効率を高めよう

Web面接(オンライン面接)は、単なる対面面接の代替手段ではありません。

コスト削減や採用効率化、採用ターゲットの拡大など、企業にとって多くの戦略的メリットをもたらす採用手法です。

一方で、「人柄が掴みにくい」「通信トラブル」といったデメリットも存在します。

これらの課題を克服するには、自社に合ったツール選定や、通信環境の整備、オンライン特有の面接スキルを身につけることが不可欠です。

この記事で紹介した導入ステップや成功のコツを参考に、Web面接を効果的に活用し、採用活動の質と効率を最大限に高めましょう。

Web面接だけでなく、採用プロセス全体を効率化したい方へ

Web面接を導入しても、その前後の関連業務(応募者管理や面接日程調整)が手作業のままでは、採用担当者の工数はなかなか削減できません。

特に応募者数が多くスピードが求められる現場では、応募対応から面接設定までの自動化が採用成功の鍵となります。

RPM」は、Web会議ツールと連携し、応募者情報の一元管理、面接日程の自動調整機能、面接URL発行など、採用プロセス全体を劇的に効率化します。

採用業務を自動化するRPMの紹介バナー。Web面接ツールと連携し、選考対応を24時間365日効率化できる採用管理システムの案内。

髙田輝之
髙田輝之
エン株式会社(旧・エン・ジャパン)、ゼクウで営業部長を歴任。 15年以上にわたりHR業界に携わり、企業の新卒・中途採用支援を中心に、採用戦略設計・広告運用・採用管理システム(ATS)導入・歩留まり改善など、採用領域全般の課題解決に従事。現在はゼクウにて、採用管理やHRテクノロジーをはじめ、人材採用から定着・育成までをカバーするHR全体の仕組み最適化をテーマに、記事企画・監修・執筆を行っている。現場で培った知見を活かし、複雑な人事課題を構造的に整理し、読者が正しく判断できる情報発信を心がけている。

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