新卒一括採用のメリットとは?必要な人材を確保するためのポイント

企業が人材を採用するときに用いる方法のひとつが、新卒一括採用です。多くの人材をまとめて採用できるメリットがある一方、デメリットもあるため、適切な運用が不可欠です。この記事では、新卒一括採用のメリット・デメリットと運用のコツを紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.新卒一括採用とは?いつから始まった?
  2. 2.新卒一括採用が時代遅れと言われる理由
    1. 2.1.日本の雇用システムが機能しなくなってきている
    2. 2.2.海外の学生を受け入れにくい
  3. 3.企業が新卒一括採用を行うメリット・デメリット
    1. 3.1.【メリット】多くの学生に一斉にアプローチできる
    2. 3.2.【メリット】採用・教育コストを抑えられる
    3. 3.3.【メリット】採用担当者の負担を軽減できる
    4. 3.4.【メリット】ノウハウを蓄積して採用戦略に生かせる
    5. 3.5.【デメリット】内定辞退による人材の補填が難しい
    6. 3.6.【デメリット】多様な人材を得られない
  4. 4.学生が新卒一括採用を受けるメリット・デメリット
    1. 4.1.【メリット】高い経験やスキルは求められない
    2. 4.2.【メリット】同期と不安や悩みを相談できる
    3. 4.3.【デメリット】余裕を持って就職活動しにくい
    4. 4.4.【デメリット】プレッシャーがかかる
  5. 5.新卒一括採用で効果的に人材を確保するポイント3つ
    1. 5.1.採用選考の時期をずらす
    2. 5.2.企業から学生へ積極的にアプローチする
    3. 5.3.採用管理システムを導入する
  6. 6.通年採用の検討もおすすめ
  7. 7.まとめ


新卒一括採用とは?いつから始まった?

新卒一括採用は同じ年に卒業する学生をまとめて採用する手法

新卒一括採用とは、企業が毎年決まった時期に新卒学生を対象として在学中に選考を実施し、採用された学生は卒業したらすぐに入社する仕組みです。新卒採用市場で広く用いられる手法と言えるでしょう。
 
新卒一括採用が始まったのは1895年(明治28年)で、当時の日本郵船と三井銀行が導入したと言われています。その後、第一次世界大戦後から本格的な導入が進み、第二次世界大戦後の高度経済成長期には多くの企業が用いる一般的な採用手法となりました。



新卒一括採用が時代遅れと言われる理由

新卒一括採用は時代遅れと言われることもあり、状況に応じた対応が求められる

新卒一括採用は100年以上用いられてきた採用手法ですが、すでに時代遅れと言われることもあります。新卒一括採用にこだわると優秀な人材を採用しにくいという側面もあるため、本当に自社のニーズを満たせる採用手法なのか検討することが大切です。ここでは、新卒一括採用が時代遅れと言われる理由を紹介します。


日本の雇用システムが機能しなくなってきている

毎年同じ時期に多くの人材を受け入れるのが新卒一括採用の特徴です。この方法は、終身雇用や職能資格制度に基づく年功序列型の評価制度といった長期雇用を前提として続いてきました。
 
しかし、最近は転職を繰り返してキャリアアップすることを目指す方が増えており、長期雇用を前提としたシステムが成立しにくいのが現状です。さまざまなテクノロジーが発展し、職種によってはスキルや経験が陳腐化しやすいことも影響しています。
 
今後の採用活動は人材の流動化やテクノロジーの発展に合わせて、時流に合った手法を取り入れる必要があるでしょう。

海外の学生を受け入れにくい

新卒一括採用は、日本国内の学生を対象としたスケジュールで実施します。そのため、卒業時期が違う海外の学校に通う学生を採用しにくいのが大きな問題です。自社が求めるスキルを高いレベルで有した優秀な人材が留学中の学生や海外の人材の場合、従来型の新卒一括採用では採用は難しいでしょう。
 
他にも、やむを得ない事情で新卒一括採用の時期に就職活動できない学生がいるかもしれません。そのような学生にとっては、就職の機会が減ることにつながります。



企業が新卒一括採用を行うメリット・デメリット

新卒一括採用を主軸にするメリット・デメリットを正しく把握しよう

新卒一括採用は時代遅れと言われる一方、多くのメリットがあるのも事実です。自社に合った採用手法かどうかは、求める人材や運用中の人事評価制度によって異なります。メリット・デメリットを把握した上で、採用活動に生かしましょう。ここでは、新卒一括採用のメリット・デメリットを紹介します。

【メリット】多くの学生に一斉にアプローチできる

毎年新卒一括採用の時期になると、学生が一斉に就職活動を始めます。企業にとっては、多くの学生にまとめてアプローチできるのがメリットです。
 
学生の就活に対する意欲が高まっている時期でもあり、モチベーションが高い人材を確保しやすいでしょう。特に、知名度が高い企業や大手企業にとっては有利な環境です。多くの方が入社したいと希望する企業は学生の注目を集めるため、より優秀な人材が集まりやすいと言えます。


【メリット】採用・教育コストを抑えられる

毎年選考の時期が決まっており、期間が限られるのも新卒一括採用の特徴です。求人広告の出稿や選考を一括で行うため、選考にかかる費用や時間といったコストを削減できます。
 
採用した人材の入社時期がそろっており、研修にかかるコストが削減できるのもメリットです。自社で長期的に働いてくれる人材を低コストで確保できるという点で、新卒一括採用はメリットが大きい手法と言えるでしょう。


【メリット】採用担当者の負担を軽減できる

採用活動の時期が限られることで、採用担当者の業務負担を軽減できるのも大きなメリットです。特定の期間に集中して採用活動をすればよいため、通年採用に対応できるだけのリソースがない企業でも無理なく自社が求める人材を採用できます。
 
通年採用の場合、年間を通して募集・選考・採用・研修をするために必要なリソースを確保しなければなりません。採用活動の規模によっては、選考担当者が別の業務を兼任するのは難しいでしょう。一方、新卒一括採用は一定の時期を避ければ、別の業務を担当できます。

【メリット】ノウハウを蓄積して採用戦略に生かせる

毎年決まった時期に同じフローの採用活動をするため、培ったノウハウを次に生かせるのがメリットです。「採用戦略でどのような成果を出したか」「応募してくる学生にはどのような傾向があるか」「優秀な人材を確保する上で効果が高かった取り組みはどれか」といった傾向が分かるでしょう。
 
さまざまなデータを継続的に分析すれば、求人広告の出稿や選考といったそれぞれの段階における課題を可視化し、効果的な対策が実行できます。培ったノウハウは、今後の採用戦略を考えるときに重要な材料となるでしょう。


【デメリット】内定辞退による人材の補填が難しい

新卒一括採用の期間は限られています。採用した学生が内定を辞退した場合、新たな人材の補充が難しいのがデメリットです。
 
内定を辞退された時期は他社の選考がすでに終了しており、就職活動をしている学生がほとんど残っていません。そのような状況で再度人材を募集しても、以前と同じ数の応募者は集まらないでしょう。必要に応じて採用計画を見直し、不足した人材を中途採用や第二新卒採用で埋めるといった対策が求められます。

【デメリット】多様な人材を得られない

採用時期が限られると、留学中の学生や海外の学生を受け入れるのが難しく、多様な人材を採用しにくくなります。イノベーションの創出には多様性が必要なことを考えると、大きなデメリットと言えるでしょう。
 
時期が合わないという理由だけで優秀な人材を確保できない恐れがあるため、多様な人材を確保したいのであれば、通年採用と併用するといった工夫が必要です。



学生が新卒一括採用を受けるメリット・デメリット

新卒一括採用は学生にもメリット・デメリットがある

決められた時期に就職活動をする学生にとって、新卒一括採用は多くのメリットがあります。ただし、企業と同様に学生にもデメリットがあるため、事前にチェックしましょう。ここでは、学生が新卒一括採用に臨むときのメリット・デメリットを紹介します。

【メリット】高い経験やスキルは求められない

新卒一括採用では高いスキルや経験は求められません。企業がポテンシャルを重視しているためです。学位や学生時代の経験、学習を通じて習得したスキルが有利になることはあるものの、高度なスキルが要求されることは少ないでしょう。
 
そのため、中途採用では高度なスキルが求められる大手企業への就職を実現しやすいのがメリットです。誰もが聞いたことがあるような大企業でも、新卒に対しては門戸を大きく開いて受け入れています。

【メリット】同期と不安や悩みを相談できる

新卒一括採用では、同じ時期に採用された方が同時に入社します。同期が複数いることで、仲間意識や連帯感が生まれやすい環境です。チームワークはビジネスにおいて重要なため、良好な人間関係を構築できるのは大きなメリットと言えます。
 
また、新卒で入社する方は、社会人になるにあたってさまざまな悩みを抱えていることがほとんどです。同じ時期に入社する仲間がいれば、悩みをお互いに共有できるでしょう。

【デメリット】余裕を持って就職活動しにくい

新卒一括採用の場合、多くの企業が同時に求人広告を出稿して選考を開始します。スケジュールが細かく決まっていて、スピード感がある反面、余裕がないのがデメリットです。
 
応募者はスケジュールに縛られて、自分のペースで就職活動するのは難しいでしょう。複数の企業の会社説明会が重なって、どちらか一方にしか参加できないケースもあります。


【デメリット】プレッシャーがかかる

大手企業でも比較的入社しやすいのが新卒一括採用のメリットですが、それがプレッシャーになるケースもあります。周囲が「大手企業に入社しなければならない」という圧力をかけてくるかもしれません。
 
多くの学生が一斉に就職活動を始めるため、選考の進み具合や内定の状況を周囲と比べることで、内定が決まらないことに焦ることもあるでしょう。



新卒一括採用で効果的に人材を確保するポイント3つ

​​​​​​​新卒一括採用を成功させるには、攻めの採用姿勢を示すことが大切

自社が必要としている人材を新卒一括採用で獲得するには、スピーディーかつ効果的に選考を進めることが大切です。多くの企業で優秀な人材を取り合うため、時期をずらしたりユニークな採用手法を用いたりして自社への注目を集めるとよいでしょう。ここでは、ミスマッチを防いで必要な人材を効率的に採用するコツを3つ紹介します。

採用選考の時期をずらす

選考シーズンに募集活動を始めずに、時期をずらすことで注目を集められます。具体的には以下のような取り組みが有効です。
 
・選考シーズンより早めに募集をスタートして、いち早く優秀な人材を獲得する
・遅めに募集をスタートして、大手企業の選考で不採用になった人材の中から自社に合った人材を獲得する
 
時期をずらせば競合他社との競争を避けられ、採用担当者の負担も軽減できます。インターンで優秀な学生を早期選考に招待するのもひとつの方法です。


企業から学生へ積極的にアプローチする

新卒一括採用は、有名企業や大手企業に応募が集中する傾向があります。知名度があまり高くない企業は、求人広告を出して応募を待つ募集スタイルでは優秀な人材を確保しにくいでしょう。
 
そのため、企業から直接アプローチするダイレクトリクルーティングや社員に人材を紹介してもらうリファラル採用、SNSを活用した募集といった「攻めの採用活動」が欠かせません。あらゆる採用手法を駆使して、多くの学生と接触できるように注力することが大切です。

採用管理システムを導入する

選考をスピーディーに進め、選考中や内定後の辞退を防ぐには、迅速なレスポンスやフォローが欠かせません。しかし、応募者への連絡や選考日程の調整といったさまざまな業務があり、手が回らないことも考えられます。連絡が遅いと応募者は不安を感じ、他社の選考結果次第では、内定を辞退するケースもあるでしょう。
 
採用業務を円滑に進めるには、採用管理システムの導入がおすすめです。求人広告の出稿や応募者管理、メッセージの送信を自動化でき、業務効率が大幅に高まります。



通年採用の検討もおすすめ

新卒一括採用で優秀な人材を獲得するのが難しく、採用手法の見直しを検討しているのであれば、通年採用の導入がおすすめです。通年採用とは、時期を限定せずに1年を通して採用活動を行い、新卒・中途を問わず自社が求める人材を採用する手法を指します。
 
新卒一括採用ではアプローチしにくい海外の学校に通う学生や既卒者を採用しやすいのがメリットです。スケジュールに制約がなく、慎重に選考することでミスマッチを防げます。採用担当者の負担が増え、コストが増大するデメリットがあるものの、優秀な人材の確保という点ではおすすめの採用手法です。



まとめ

新卒一括採用の選考をスムーズにするためにも、業務のIT化を進めよう

新卒一括採用はコストや手間をかけずに多くの人材を採用できる手法ですが、アプローチできる人材が限定されるといったデメリットもあります。限られた時間で必要な人材を獲得するには、効率的に選考を進めなければなりません。
 
採用業務の効率化に役立つのが、採用活動に伴う多くの業務を自動化できる採用管理システムの導入です。ゼクウの採用管理システム「RPM」は、多くの求人媒体と連携(約95%の媒体をカバー)し、応募者情報を自動で取り込めます。連絡やスケジュールの調整も自動化が可能です。
 
新卒一括採用を効率化するだけでなく、中途採用や通年採用にも役立つため、ぜひこの機会にRPMの導入をご検討ください。




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